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薮仲委員 大場川の答弁がございませんでしたけれ
ども、しっかりやってください。——結構です、時間ございませんから。
私は、先般来、
大臣初め
関係省庁にお願いをしまして、防災上の観点から詳細な情報を国民に提供してほしい。
行政がすぐれた情報を持っております。そのすぐれた情報は
各地方自治体まで行っておるわけです。そこから我々住民の側へアクセスしてもらう。
国土庁なら
国土庁の持っている情報、
建設省の持っている情報等を国民にわかりやすく、しかも緊急の
対応ができるような形でアクセスしてほしい。そういうことで先般
長官からも心強い御答弁をいただきました。テレビに
河川情報を流しましょうという御答弁をいただいて、その後
関係省庁が相寄り
協議を重ねてくださいまして、見事
台風十九号、二十号ではそれぞれ警戒水位の情報あるいは
土砂災害に対する教育的な放映をしてくださいました。私は国民の一人として本当に
関係者の御努力に心から敬意を表しておるものでございます。また、このことは将来のために非常に大事なことだなと。
長官の
国土庁の防災局あるいは郵政省の放送
行政局がキーステーションになって
関係省庁と鋭意
協議をしてくださった。
建設省の
河川局
河川計画課は、何とか
河川情報を提供しようと努力をしてくださった。また、
河川局の砂防課を
中心に気象庁や自治省の皆さんが知恵を出し合って土石流の情報整備に一生懸命努力してくださった。それを受けてNHKや民放の皆さんが第一歩を踏み出してくださった。私は今回の第一歩は非常に貴重だと思うのです。やがてこれが、五年、十年、五十年という時間がたったときに国民がテレビを通じて本当に安心して対処できるような情報に完成されることを心から期待をしつつ、重ねて
関係者の御努力に対して感謝と敬意を表するものでございます。
私は、きょうはこのことを通じて
大臣ともう一歩論議を進めさせていただきたいと思うのです。それは何かといいますと、きょうは余り時間がございませんから、先ほど
大臣に水位の情報の写真などをお届けさせていただきました。それから、きょうここで
大臣にも見ていただきたいのは、これは紙芝居のようで恐縮ですけれ
ども、
建設省の
河川局砂防課が
中心になって、気象庁や
関係省庁と御
協議いただいて、
土砂災害をどうするか。今度も一番
被害の多かったのは
土砂災害です。これは全国ネットで放送されたのです。三十日の午前三時、
日本気象協会中村次郎さんの画像が出ておりますけれ
ども、これは何が出ているかといいますと、我々はよく、雨が何ミリ降りますと、
言葉ではわかるのですけれ
ども、雨って何ミリ降るとどうなるのかということ、生活の関係がわからないわけです。しかしこれは、何ミリということはどういうことか、雨の目安を教えてくれているわけです。五ミリから十ミリですと雨の音が聞こえ水たまりができますよ、十ミリから二十ミリになりますと一面に水がたまって、雨の音で電話が聞きにくいですよ、それから、二十ミリから三十ミリ降りますと激しい雨で、小
河川ははんらんしますよ、そして
大雨注意報が気象庁から出されますというような画像になっているわけです。それから、こうなってきますと
土砂災害の危険が出てきます、斜面から小さな石がおっこちてきますよ、斜面に亀裂が発生しますよ、山鳴りや地鳴りがしますよ、わき水が異常に出ますよ等々の前兆現象を教えて、避難は早くしましょう。これはいわゆる
台風の情報として非常に貴重なデータだと私は思うのです。
というのは、
大臣、この画像をイメージしていただくのに、
通常の朝のテレビが放映されている状態をおいておいて、今
台風二十一号がもう
沖縄に近づいております、きょう
大臣がおうちにお帰りになって、夜の十二時を過ぎますとNHKは
台風情報を四画面で流します。その四画面が終わりますと音楽が流れて、一時、二時、三時。異常がない限り定時放送が始まるわけです。あの時間を想定していただきながら
台風に関しての話を私はしているわけですが、
台風というのは、マリアナとかフィリピンとかグアム島で発生して、十九号はグアム島ですが、近づいてくるのに十時間、二十時間という時間があるわけです。きょうあたりから各報道
機関が
台風について報道を流します。きょうの十二時からもNHKは夜通しやると思うのです。その期間にこういう情報をきちんと流してもらえないか。さっき
大臣に事前にお渡ししたのは、今全国ネットで定型化されているのはもう
大臣御承知のいわゆる雲画像ですね。これは
台風二十号の雲画像です。それからこちら側には予報円、それから
雨量。この三つは定型化された画像として、我々国民はテレビを見るときに、雲画像が出るな、次は予報円だな、アメダス
雨量計でこういう
雨量のビルが立ち上がるな、この三つはわかるわけです。ただもう一つ、そこで私はあの時間の中で考えていただきたいのは、やはり
河川情報というのは非常に重要だ。避難するにしても
土砂災害にしても雨の量と水位の移行というのは非常に大事ですから、NHKの全国ネットの定型化された放映の中に何とか、今まで御努力いただいてきているわけですから、
河川情報も自然と放映していただけないだろうかというのが私のきょうの一番の希望でもあるわけです。
なぜこれを申し上げるのかというと、
台風というのはじわじわじわじわ来ますから、例えば
沖縄にいるとき、九州の
河川はどうなのかな、四国の
河川はどうなのかな、そして中国、中部の
河川はどうなんだろうということが水位の状態としてわかりますと、ああ
台風が近づいてくる、ああ九州の水位が上がってきたな、あるいは今度四国が上がってくるぞ、中国だぞ、東海だぞとわかりますから、そうすると逃げる用意もきちっとできるわけでございます。そういう
意味で、水位の情報をもう少し何とか考えていただきたい。これが一つなんです。
と同時に、
大臣、もう一つ大事なことがあるのです。
今度の
台風十九号あるいは二十号を通じてマスコミの報道を全部集約して何が言われたかといいますと、大きな教訓が幾つかあったのです。その一つは、
昭和の三大
台風と言われます室戸、枕崎、伊勢湾、これは最大、最高に大きかった
台風です。いわゆる
中心気圧が九百十ミリ、十一ミリとかそういう大きな
台風ですね。このときの亡くなった方は、残念ながら室
戸台風のときは三千六十六名、枕崎は三千七百五十六名、伊勢湾
台風は五千百一名の方が亡くなるなり行方不明になっているわけです。しかし、第二室戸と同じと言われた十九号
台風のときに亡くなった方は、非常に残念ですけれ
ども、四十数名いらっしゃったわけです。これも本当に残念です。でも、この中で言われていることがあるのです。何が言われたか。なぜこれだけ
被害が少なくなったか。一つは
建設省初め地方自治体の努力によって
河川の治水
対策が進んだ、二番目は通信情報網が格段に進歩した、三番目は防災情報が豊富になった、マスコミのいろいろな社説や何かを読むとそういうことが言われているわけなんです。
それからさらにもう一つ、これは
長官に今後のために考えていただきたいのは、この社説にもございますけれ
ども「早くから
防災関係者が厳重な警戒態勢をとった。」今度の
台風はまれに見る
大型だぞと
関係省庁が万全の態勢に早くから入った。このことによって住民の避難が徹底された。ということは、準備と避難が徹底されたことによって非常に
被害が少なかった。
残念なことに、ここに読売新聞の記事があるのです。「急げ土石流
対策 台風十九号の教訓」というところなんですが、ここに、今回最大の犠牲者を出した
鹿児島県
奄美大島の瀬戸内という
地区ですが、そこでは
住宅が十三戸のみ込まれ、十人が死亡し、一人が行方不明になったのです。このとき何があったかというと、
奄美大島の当局は、雨は強かったがまさか土石流が起きるとは思わなかった。その油断が避難勧告を出す時期をおくらせ、住民は逃げるタイミングを失った。一方、同じとき香川県小豆島池田町では、六百六十四ミリも雨が降ったのに、しかも町民六千三百人のうち危険地帯に住む千人が逃げちゃった。一人も死ななかったのです。いかに用意と
対応が大事か。これは奄美のことを申し上げて非常にお気の毒で申しわけないのですが、「
奄美大島の場合、災対本部が町内見回りの消防車を巡回させたのは、山が崩れ出す寸前。目の前で発生した土石流にあわててポンプ車のスピーカーから避難を呼びかけた」これは新聞の記事です。私は
現地を知りません。でも、これは真実に近いと思うのです。ということを見ましても、やはり情報そして避難。小豆島には何があったかというと、これは
建設省御苦労さまと言いたいのですが、
建設省の労で
昭和六十二年から推進している土石流発生監視装置があった。ですからこの見出しも、「明暗分けた避難勧告「監視装置」有力な判断材料に」避難の判断材料さえあれば千人からの人が命を失わないで済んだ。片やそれがおくれたために多くの方が死んでしまった。
また、新聞をずっと読んでいきましたら、伊勢湾
台風のことが書いてあるのです。伊勢湾
台風で最大の
被害地愛知県は、前回は物すごい
被害に遭ったのです。ところが今回は
死者、行方不明はありませんでした。このように、
行政側の
対応と避難勧告がありますとこれは十分
対応ができるのかなということを私は今回のあれからしみじみ感じておるわけです。
と同時に、
消防庁の
資料にもございますけれ
ども、もう
長官御承知のように今回の死亡者のほとんどは土石流なんです。土石流でほとんどの方が亡くなっている。このことについて新聞の記事をそのとおり読みますと、土石流は「毎年確実に人命を奪っている。
土砂災害のメカニズムは世界の防災科学をもってしてもいまだに解明されていない。」ある程度はわかっている。ならばどうしたらいいか。今七万カ所も危険なところがあるのです。一挙に直せといって砂防
課長が一生懸命やったって間に合わない。じゃどうしたらいいんだ。今さしあたってということで新聞の書いてあることは、危険
箇所の周知徹底と警戒だ、
地域の人はどこの山が、どこが危ないかわかっているんだ、周知徹底させてやったらいいのだ、そしてあとは避難の体制をしっかりすることが人命を救うことじゃないのかというこの報道の
指摘があるのですが、私がここでかねてから
長官にもお願いして、防災マップを推進してください、これは今モデルがどんどん進んでいます。同じように、私の地元の静岡市では
国土庁のものをモデルにして全戸に防災マップが来ました。うちへも来ました。あれを見ると、限りなくマグニチュード八に近い大地震で波高六メーターの大津波が来ても、ああ津波の
被害はここなんだな、ススキの穂を見てお化けと思わなくていい。
行政の持っている確度の高い正確な情報を住民がもらうと、そうだ、うちは津波で逃げなくてもいいんだ、ほかのことをやればいいんだ、津波という大きな
被害もここまでなんだな、こうわかるわけです。そういう
意味で私は、きちんとした整備、そういう
意味で防災マップについて
国土庁、
消防庁頑張っていらっしゃる。さらに私は努力していただきたいと思う。それから、土石流を一挙に直せというのが無理だったら避難
箇所を地方自治体も徹底的に研究をして、危ないときには逃げる、これを何とかできないか。
それから、今申し上げたように
災害対策本部というのは
災害対策基本法によって設置しなければならない。非常に重みのあるものです。今度も災対本部ができて避難命令を出した、出さないといろいろありますけれ
ども、それは私はきょうはやめておきます。私はそういうことよりも、
台風が来たらば、もう来ているのですから、各県でアンテナを立ててしまう。もう
建設省も、あるいは
建設省の
河川も
道路も、あるいは
消防庁も全部、
台風が来ると三日も四日も寝ないで張りついているんですね。それだけ頑張っているのだったら私は、各県が、二十一号が来た、よし、消防も警察も
河川も
道路も集まって一回打ち合わせをしよう。
災害対策本部以前に各県で一回関係部局が集まって打合会を開いておいて、何かあったらお互いに
連絡をとり合おうな、態勢をしっかりやろうなとやっておいていただければ、いざのときにさっと災対本部にかわると思うのですよ。
ですから私の申し上げたいのは、やはり防災についても防災マップ等を通じて国民に徹底してほしい。二番目は、土石流の危険を一挙に直せといっても無理ならば何とか危険な
箇所は住民に周知徹底してほしい。三番目には、早く各県が、
災害対策本部をつくったつくらないなんてみっともない話じゃなくて、今度も二十一号が来たのですから、
長官が全国へ号令をかけて、コースに当たるところは態勢をとれ、やろうというのがあってほしいと私は思うのでございます。
以上の三つは、きょうは本当に時間がないものですから要点だけで結構ですから
関係省庁、まずすぽんすぽんと答えてくれませんか。長い答弁はきょうだけは勘弁してください。要点だけびっとコンパクトにお願いします。