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薮仲委員 本日は、各党の
先生の御了承をいただいて、
最初に質問させていただきますことを厚く感謝いたします。ありがとうございます。
最初に、
大臣と
防災局長に
資料をお渡ししたいのでございますが、
委員長、よろしゅうございますか。——ことしも今が入梅の
シーズン、そして九月、十月になりますと
台風の
シーズンになってくるわけでございます。今、
国土庁長官は
土地の
問題等で大変御苦労なさっていらっしゃるときに、さらにまたというと非常に申しわけないのでございますが、
防災の衝に当たられる、最も
災害に心を痛めていらっしゃる
国土庁長官に、本日は何点か御質問させていただきたいと思っておるわけでございます。
長官にお渡ししたきょうの
資料は、
建設省がお持ちの
長官の
選挙区の
広島の
河川情報センターの
資料と、
気象庁からいただきました
雲画像等をお
手元にお渡しさせていただきました。
なぜこのような
資料をお渡ししたかといいますと、これからお話しさせていただきたいわけでございますけれども、
大臣、ちょっとイメージしていただきたいのですが、
台風の
シーズンになりますと、
NHK、民放が
台風の
情報を伝達いたします。
NHKも夜の十二時まではやっておりますが、十二時を過ぎますと、
テレビがどちらかといいますと
静止画像になってまいります。あそこで映し出されますのは、例えば十二時の最後の
情報のときに、今お
手元にお渡しした
雲画像は、
気象庁が
国土庁長官のためにわざわざ本日午前六時の
雲画像でございますから生々しいものでございますが、こういう
雲画像が出まして、それから、お手
元にお渡しした
資料の三枚目に
台風の
雲画像も添付してございますけれども、このような
台風のときの
雲画像も映像として映し出されます。
この
雲画像が出た後に、こういう
資料もお渡ししております。「
台風の
進路予報のあらわし方」、これも
気象庁さんの
資料ですが、このような
予報円を
テレビの
画像に出しまして、現在はここでございます、気圧が何ミリで風速が何メートル、そして、やがて何時間後には
進路はこの
方向で、このくらいの
予報円の範囲内に
台風の
中心が移りますよという
予報円が
テレビ画像に出まして、その後に、私の
地元の
資料がついていて恐縮ですが、各地の
雨量が出てくるわけです。そして、
テレビが終わりまして、次の一時間後の
テレビの
予報に十分御注意ください、こういうような
画像が映りまして、そこで音楽が流れて、
予報円の
静止画像で終わってしまうわけです。これがずっと夜中じゅう続いて、仮に朝七時ごろ
テレビの
スイッチをぽんと入れますと、残念なことに
床上浸水とか
土砂災害とか
死者、
負傷者何名という
ニュースがぱっと出てくるわけです。
そうしますと、私
たちが寝るときには、
静止画像で
台風がこういうふうに行くのだなというのはわかるわけです。しかし、次の
ニュースとしてわかるのは、朝ぽんと
スイッチを入れたときに、
死者、
負傷者何名、
床上・
床下浸水、
土砂災害等の
被害が出てくるわけです。あそこの間が我々
国民と
情報との間が全くアクセスしていないわけです。あの
テレビの
画像と私
たちの
生活がもう少しアクセスできないか。もしもあの
台風が私の
生活にどれほどの
被害を及ぼすのかが的確にわかったらどうなるかな、これはだれしも心の中で思うことだと思うわけでございます。
そこで、きょう
大臣にいろいろと御説明したいと私が申し上げたら、
建設省さんや
気象庁さんから、それじゃといって非常に適切な
資料を
幾つかいただきました。
その中の
幾つかを申し上げますと、例えば、
大臣は
選挙区が
広島でございますから、
広島のことで申し上げた方がいいと思うのです。
大臣がお住まいの
広島県ですと、
建設大臣が洪水を
予報して、
大臣指定河川として決めている
河川が
幾つかあるわけでございます。これは
水防法による
指定河川です。
大臣の
広島県では、大きな
河川といいますと、西の方から
小瀬川、
太田川、
芦田川、
高梁川、こういう
河川は
大臣はぴんと心に浮かぶと思うのです。
こういう
河川は何がわかっておるかといいますと、「
河川情報センター」というのを今お渡ししたと思うのですが、これも
広島センターのパンフレットでございますが、開いて見ていただきますと、
建設省の持っておる
資料で、ちょうどこれの図面の
真ん中の下の方に書いてあったり、あるいは上の方に絵がかいてございますけれども、何がわかるかといいますと、
水位が
時々刻々とわかるわけです。その水系の流域でどの程度の雨が降っておるか、これは
建設省は
レーダー雨量計で調べておりますから、本当に細かい
雨量を全部つかんでおります。何時何分、上流ではどのくらい、中流ではどのくらい、下流ではどのくらいになるか、
時々刻々の
水位の変化がわかる。この絵の
真ん中あたりに「
水位状況図」という家がかいてある図がございますが、こういう絵の
かき方で、
水位が
時々刻々上がってきて、
堤防を越波するとかしないとかいうところまで
建設省は
河川の
情報をきちんと持っていらっしゃるわけです。
ですから、例えば
大臣の
地元で今までどんな
災害があったか、これは
大臣も御
記憶にあると思うのですが、
広島県が歴史的な大
災害に遭ったのは
昭和二十年の枕崎の
台風です。これは
大臣も御
記憶にあろうと思うのです。亡くなった方が千二百二十九名、
床上・
床下浸水が四万七千戸、大体五万近くが
浸水被害に遭っておるわけです。また、
昭和四十二年七月には、もうすぐ七月ですが、七月の
豪雨で亡くなった方が百五十九名、
床上・
床下浸水に三万六千戸くらいが遭っておるわけです。
だんだん近くなってまいりますと、
昭和六十年六月下旬から七月、今六月ですからもうすぐですが、
昭和六十年の六月下旬から七月に
広島県で大雨がございました。そのときは、警察庁の調べによりますと、亡くなった方が二名で、
床上・
床下浸水は七百八十五戸です。さらに、この近年で一番大きいと言われたのは
昭和六十三年七月です。このときの
集中豪雨といいますか
梅雨の
戻りで、今出てきた
太田川が相当はんらんしたわけです。
土砂災害も起きました。このことによって亡くなった方が十四名、
床上・
床下浸水を合わせますとトータルで五百九十一戸。雨によって
土砂災害が起きたり、
河川がはんらんして大きな
被害を受けておるのが現実なんです。
ですから、雨の
情報が
国民の側にもう少し正確にアクセスしたらどうなるか。今お話しいたしましたように、
河川情報の
時々刻々の、例えば
大臣の
地域で言いますと、
台風は西から来ますから、
小瀬川、
太田川、
芦田川、
高梁川と進んでくるわけです。そのときに、あの
雲画像と
雨量だけではなくて
水位が、例えば
太田川が何時何分、
台風が今ここにあるときには
水位がここまで来ております、それが
台風の接近によって
雨量がふえてこうなります、そうすると何時ごろが非常に危険です、これはもう
建設省では大体推測がおできになる。ということは、
広島県の大きな
河川を今
四つほど挙げましたが、あの
河川がこれから
台風の
雨量と
進路によって
水位が変わってきます、
堤防が決壊あるいは越波する
可能性もございます、こういう
情報を
建設省は持っていらっしゃるわけです。
もしもこれが
テレビの
画像で、
広島県の西部、中部、東部と代表的な
河川の
水位が
情報伝達で出てきますと、
大臣は、ああそうか、
小瀬川が今高くなってきたな、次は
太田川が危ないな、次は
芦田川がどうだろうかと、
芦田川は
大臣の
選挙区ですから、ぴっとわかるわけです。そこで、
テレビの発言の中で、大
河川において
水位が増高いたしますけれども、このことは
皆様が住んでいらっしゃる近くの
中小河川の
水位も同じように増高いたします、どうかこれから
台風の
情報と
近所の
水位には十分御注意ください、こう言えば、危なくなったら逃げてしまおうという判断が
国民は
テレビの
画像を通してわかると思うのです。
あるいは、今申し上げたように、
土砂災害というのは雨によって起こるわけですから、
建設省は
土砂災害も非常に苦労していらっしゃって、
土砂災害を何とか防ごうといろいろやっていらっしゃって、
国民に周知徹底させようと思ってこういういろいろな絵をかいておるのです。例えば、
大臣ごらんになっておわかりのように、これは非常におもしろいでしょう。「明日を創造する
砂防」とかといって、
建設省にしてはなかなかトレンディーなことをいろいろ書いてあるのです、そんなことを言うと怒られてしまいますけれども。
こういう絵の中で、例えば二百ミリ雨が降ったらがけが崩れますとか、こういうのを過去の
災害の例や
コンピューターシミュレーションで、百ミリ、二百ミリの雨のときに
土砂災害が起きます、気をつけてください、過去にこういう例がありますと言う。そのときにやはり
テレビの中で、百ミリ、二百ミリという
台風の
雨量で過去にこれだけ
広島県で
土砂災害がありました、皆さんの御
近所の裏山は大丈夫ですか、危険な急
傾斜地はありませんか、あるいは渓流の異常がございませんかということを流す。そして、その付近に住んでいる人は十分御注意くださいと言えば、さっと逃げちゃうと思うのですね。そうすれば、その
災害で命を落としたり悲しい事故に遭うことが非常に避けられる。
そこで、私は
大臣の
広島県だけ例に挙げましたけれども、全国どこも同じなのですが、六月、七月から九月、十月と
台風が始まってまいります。こういう
情報を
テレビにアクセスできないかということで、先般
郵政省を初め非常に御熱心に、もちろん
国土庁は
防災基本計画に取り組んでいらっしゃいますが、
郵政省が
中心になりまして、何とか
テレビ媒体にアクセスできないかということで
研究を開始してくださったのです。ですから、
きょうはこのことについて、
大臣の
地元の例を挙げましたけれども、どうか
省庁が今
努力していることを、
防災の最も衝に当たられ、心を痛めていらっしゃる
大臣が、ことしの
台風シーズンまでに何とかこれを
ワンショットでもツーショットでも
テレビに出れば、
国民がどれだけ
台風に対して、あるいは
集中豪雨に対して備えをして身を守れるかはかり知れないと思います。
きょうは
関係省庁にも御足労いただいておりますので、順次現況を、この
台風までに何とかしてほしいという希望を私は持っておりますが、
郵政省のあるいは
建設省のお
立場、それから
気象庁のお
立場、順次御発言いただいて、どうか各省の
努力が
大臣のさらなるお力で、ことしの
シーズンは怖くない、避けられるという
情報が
国民に提供できるようにお力添えをいただきたい、御
尽力をいただきたい、こういうことでちょっと
省庁、順次御発言いただけますか。