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1990-06-13 第118回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二年六月十三日(水曜日)     午前九時二分開議  出席委員    委員長 権藤 恒夫君    理事 今枝 敬雄君 理事 江口 一雄君    理事 片岡 武司君 理事 鴻池 祥肇君    理事 柳沢 伯夫君 理事 沢藤礼次郎君    理事 関山 信之君       魚住 汎英君    遠藤 武彦君       河村 建夫君    左藤  恵君       浜野  剛君    前田  正君       増田 敏男君    御法川英文君       北川 昌典君    永井 孝信君       山下洲夫君    山元  勉君       吉田 和子君    草野  威君       辻  第一君    和田 一仁君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国家公安委員         会委員長)   奥田 敬和君  出席政府委員         警察庁長官   金澤 昭雄君         警察庁長官官房         長       浅野伸二郎君         警察庁交通局長 関根 謙一君         総務庁長官官房         交通安全対策室         長       徳宿 恭男君         運輸省地域交通         局長      早川  章君         運輸省地域交通         局陸上技術安全         部長      松波 正壽君         運輸省貨物物流         局長      寺嶋  潔君         建設省道路局長 三谷  浩君  委員外出席者         警察庁交通局運         転免許課長   滝藤 浩二君         大蔵省主計局主         計官      林  正和君         文部省体育局学         校健康教育課長 石川  晋君         厚生省健康政策         局指導課長   澤  宏紀君         通商産業省機械         情報産業局総務         課長      広瀬 勝貞君         海上保安長警備         救難部参事官  野崎 敦夫君         建設省都市局都         市再開発課長  安達常太郎君         建設省住宅局住         宅・都市整備公         団管理官    保田悠紀雄君         建設省住宅局市         外地建設課長  島崎  勉君         自治省税務局固         定資産税課長  成瀬 宣孝君         消防庁救急救助         課長      飯田志農夫君         特別委員会第一         調査室長    寺田 晃夫君     ───────────── 本日の会議に付した案件  道路交通法の一部を改正する法律案内閣提出第六八号)  自動車保管場所確保等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第六九号)      ────◇─────
  2. 権藤恒夫

    権藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出道路交通法の一部を改正する法律案及び自動車保管場所確保等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山下洲夫君
  3. 山下八洲夫

    山下(八)委員 おはようございます。  世論高まりの中で道交法保管場所法審議が始まっているわけでございますが、その審議に入る前に二点ばかり簡潔にお尋ねをしておきたいと思います。  その一つは、まず軽自動車普通自動車大型自動車の違いがそれぞれあるわけでございますが、今で申し上げますと、軽自動車につきましては、長さが三・三〇メートル、幅が一・四〇、高さが二・〇〇、排気量が六百六十cc以下、これが一応軽自動車として定められているわけでございますが、そのほか普通自動車大型自動車、そういう違いを簡潔に教えていただきたいと思います。
  4. 松波正壽

    松波政府委員 お答えをいたします。  今先生の御質問のございました自動車区分、種別でございますけれども道路運送車両法上の自動車区分によりましては、概略で申し上げますと、今軽自動車の話がございましたけれども登録自動車というのがございます。そして、その登録自動車は一般的な用途からいいますと普通自動車小型自動車に分かれておりまして、普通自動車の大きさにつきましては、まず長さが四・七メートル、幅が一・七メートル、高さが二・〇メートル、エンジンの総排気量につきましては二千cc、それぞれの値を超えるものをいいまして、小型自動車につきましては、今申し上げました普通自動車で定められております値以下の自動車をいっております。そして、軽自動車につきましては、先生今御自分で御説明されましたので、その内容のとおりでございます。以上のように分かれております。
  5. 山下八洲夫

    山下(八)委員 そうしますと、軽自動車にちょっと絞ってお尋ねしたいと思いますが、仮に今申し上げました長さ、幅、高さ、これが軽自動車のサイズであってエンジンが千ccであると、これは小型自動車になるのですね。
  6. 松波正壽

    松波政府委員 お答えいたします。  今先生指摘ございましたように、エンジンの総排気量が六百六十ccを超えますと、それだけで小型自動車の分類に入ります。その他、長さ、幅、高さが変わってまいりますと、また別のカテゴリーに入ることもございます。
  7. 山下八洲夫

    山下(八)委員 それはまた後ほど関連しますので確認しておいたわけでございますが、同じように、道交法上で申し上げまして軽自動車普通自動車、これは例えば高速道路を走る、一般道路を走る、道交法上の違いがあるでしょうか。
  8. 関根謙一

    関根政府委員 道交法上では、高速道路における最高速度制限につきまして、軽自動車につきましては最高速度制限が八十キロメートル毎時以下、それから、普通自動車につきましては百キロメートル毎時とされております。  それから、高さ制限規定に若干差がございまして、普通自動車につきましては地上から三・八メートルの高さまで積載物を積載することができますが、軽自動車につきましてはその高さが二・五メートルとされております。
  9. 山下八洲夫

    山下(八)委員 それでは、この辺は後ほど関連して質問しますので、冒頭ちょっと確認だけとらせていただいたわけでございますが、道交法保管場所法、この二法案提出をされまして、先ほど申し上げましたとおり本当に大変国民世論高まりも、また関心も示しながら、どうなっていくのだろうか、そういう感じで注目の的であると思うわけでございます。  この二法案につきましてまず四月九日に警察庁交通局の方から試案が発表されたわけでござい ます。その四月九日に試案が発表されました経緯につきまして、発表する理由があったと思うわけでございますので、その理由をお話しいただきたいと思います。
  10. 関根謙一

    関根政府委員 お答え申し上げます。  私ども交通警察行政はいわば国民行政であると考えておりまして、その行政を進めるに当たりましては国民各層方々合意を得て行う必要があると考えております。そこで、今回の法律改正のような大きな問題に際しましては国民各層方々から御意見をいただきたいと考えまして、私ども最初交通警察懇談会等関係方々の御意見を聴取しつつ、ひとまず交通局試案というものを取りまとめまして、それで国民各層方々の御意見を伺うべく発表させていただいたものでございます。
  11. 山下八洲夫

    山下(八)委員 ただいま、国民各層合意を得るために発表なさった、このように私は理解をいたしたわけでございます。特に、保管場所法中心になるわけでございますが、私は、この四月九日に発表されました警察庁交通局試案というのは国民各層皆さんに大変高い評価を受けたのではないか、このように受けとめているわけでございます。いろいろ新聞各社も、社説でありますとか記事でありますとか、本当に大変大きくまた重大に扱っております。そういう中で、どれを見ましても、これは大変いいことであるというのが最終的な結論のように私は読み取れました。あるいはまた新聞投書欄の「声」の欄でございましても、当然反対意見も若干掲載されておりますが、ぜひ当初の試案でやっていただきたい、遅いぐらいであった、このような流れが全体的だったろうと思うわけです。同時に、それこそ電波の関係にいたしましても大きく特別番組を組みましたし、私は、マスコミ中心にしましてこんなに世論が大きくなったものは、税特税制等は別にしまして、昨今余り法律案ではないと思うわけです。  それぐらい関心を持たれているわけでございますが、その結果、私も当然四月九日のあの試案中心になりまして国会法律案として提出されるだろうと見ておりましたら、どこでどう間違ったのか、随分後退したなという気がしているわけでございます。今日まで、法案提出するまでの間、国民各層皆さんから支持がありました最初試案がなぜこんなに後退したのか。そこには何かあったと思うのです。そこに何があったのか、その原因を正直に教えていただきたいと思います。
  12. 関根謙一

    関根政府委員 私ども試案を発表いたしましてから各界各層方々の御意見を伺ったところでございますが、例えば道交法関係でございますと、当初、試案の際に、刑罰をやめまして行政制裁金という仕組みを導入したらどうかということで御意見を伺ったところでございます。これにつきましては、法体系の問題でありますとか行政制裁金法律的な性格でありますとかにつきまして若干議論がございました。これは、放置車両についてのみそのような仕組みを導入することにつきましては、他の規定との関係問題点がまだ多少残るということで今回は見送ったところでございます。しかしながら、私ども行政制裁金という仕組みを導入したいという考えには変わりがございませんので、引き続きこのようなことを研究中でございます。  以上申し上げましたのは一つの例でございますが、今回の法改正は、いわば大都市における都市機能の回復を図るため応急措置として当面なすべきことをなすことができるようにしたいということが主眼でございまして、体系を大幅に変えるような事柄でありますとかその他大きな行政組織の変更を生ずることとなりそうな問題は後回しにしたということがございまして、そこで、当初の試案と今回御提案申し上げております法律案との間に多少差があるという御印象をお与えしたかと存じます。
  13. 山下八洲夫

    山下(八)委員 今詳しく御説明があったわけでございますが、私が質問と申しますかお尋ねしている部分につきましては何らお答えがなかった、そのように私は思うわけでございます。私は、各論、あるいはステッカーでありますとか五百メートルが二キロになった、これは後ほど触れたいと思うわけでございますが、全体的に見まして大きく試案より後退しているのですね。この後退について、なぜ後退したのか、そのことをお尋ねしておる。もう一度簡潔に御説明いただきたいと思います。
  14. 関根謙一

    関根政府委員 今回御提案申し上げております法律案は、当面実現可能であって、しかも行政目的を達成する上で実効性のある案ということで御提案を申し上げているというところかと存じます。
  15. 山下八洲夫

    山下(八)委員 私は、この法律案提出するに当たりまして、警察当局は当然でございますが、建設省運輸省、通産省、あるいは総務庁はもちろんでございますが、いろいろな関係省庁とも相当相談をなさった。相談をなさる前に、当然警察庁内部といたしましても相当検討をされたと思うわけでございますが、車庫法改正それから駐車禁止の問題につきまして、本格的にこの法律案を出そうという趣旨に立っての検討はいつごろから始められたでしょうか。
  16. 関根謙一

    関根政府委員 基本的には昭和六十三年七月の交通対策本部決定から、大都市における交通円滑化対策ということの一貫として検討を始めてきたところでございますが、正式にこういう法律案国会に上程したいという意思を表示いたしましたのは、内閣法制局等に対しまして私どもが次の通常国会法律案提出したいということを申し上げた時期かと存じます。それは昨年の九月でございます。
  17. 山下八洲夫

    山下(八)委員 そういたしますと、本格的に議論を始めましたのが昨年の九月。今六月でございますから、八ヵ月ぐらいですか九ヵ月ぐらいですかの間相当議論をなされまして成案提案された。その成案を提示されましたのが、閣議で申しますと六月一日の閣議で決定しておるわけでございますから、それにいたしましても昨年の九月から検討してきておりまして四月九日の試案発表、私は、本当はこれを成案として提出をしたい、これが警察庁当局の本当の気持ちではなかったか、このように思うわけでございます。ですからあのように政令まで含めましてかなり詳しく発表なさったと私は理解しているわけでございます。  私は、試案でありましても遅きに失したなという気持ちはございましたけれども、内容的にはかなり前進をしておりましたから一定評価はさせていただいたわけでございます。後ほど触れたいと思いますが、私自身昭和六十年の四月の段階に、この車庫法の問題と駐車禁止取り締まり強化の問題につきましては、当時古屋自治大臣でございましたが、一定質問あるいは提言をさせていただいただけに、私自身もこの問題については大変関心が高かった一人であるわけです。そのような中から見ていきますと、四月九日に一応試案を発表された、できればこれを成案として法律案として提出をしたい、六月一日まで約二ヵ月間の我々にわからない期間がございまして、閣議でも当初より延び延びになりまして、最終的に六月一日に閣議決定をしたというふうに私の目には映ったわけでございます。  この二ヵ月間というのは、どういう手順でこの問題について国民のコンセンサスをとったのでしょうか。逆に言いますと、閣議決定のこの成案につきまして、逆に大きく後退をした、そのようなマスコミ論調がたくさん目に映ったわけでございます。それだけに、この二ヵ月間というのはどういう手法で国民理解を得たのか、この辺をお尋ねしておきたいと思います。
  18. 関根謙一

    関根政府委員 四月の時点での私ども試案と申しますのは、いわば各界にどういう方向で新しい駐車秩序を求めたいかについての私ども見解をお示ししたところでございます。この見解具体性を与えていただき、実現可能性でありますとか無理がないかとかいろいろな点からさまざまなチェックをしていただきました。これは、関係省庁との折衝でそのようなことがございます。それ から、個々具体的に、いろいろな利害関係のある方やら一般的に有識者の方々、さまざまな方々から個別的にも御意見をちょうだいいたしました。冒頭に申し上げましたように、私ども行政は、何といっても国民各層各界方々合意を得た上で初めて成り立つ行政でございます。そこで、そのような合意を取りつけるべく、いろいろ努力をして六月に至った、こういうことでございます。
  19. 山下八洲夫

    山下(八)委員 私は、当初試案に比べまして今回の法案といいますのは、かなり実効性からいきまして後退をしている、また一方では、ざる法的なところが出てくるのではないか、これを危惧している一人であるわけであります。それをなるべくそのような道をつくらない、これはやはり一番正しいことでございますから、今さら申し上げても遅いわけでございますが、試案の方が今の案に比べましてずっといいなという気持ちでいっぱいであるわけでございます。  だが、現実にこうやって今法案審議をしているわけでございますし、そのことを考えますと、この車庫法というのは自信を持って提案なさっていると思いますが、この車庫法警察当局にとりましてベスト法律案であると確信を持てるでしょうか。
  20. 関根謙一

    関根政府委員 今回の案は、先生指摘のように必ずしも完全な案とは言えないかもしれないとは存じますが、私ども国民各界各層の御意見を伺って取りまとめ得たという点で、ベスト、最善の努力を尽くした案であると存じております。そうした意味では、今回の案はベストの案であると確信を持って申し上げることができようかと存じます。
  21. 山下八洲夫

    山下(八)委員 今の答弁の前半は、国民各層意見を取り入れた妥協案であるけれども、出した側とすれば一番いい案であるというふうに聞こえたわけでございますけれども、そのようにおっしゃったと思うわけでございますが、そのことを考えますと、やはり私は、我々の目に見えないところから、こんなに厳しくしてはいかぬ、もっと緩めなさい、こういう圧力が相当あったのではないかというふうに理解をしておきたいと思います。ですから、できればまた少しでも早く、私は道路交通法中心にしまして抜本改正が必要であると考えている一人でございますけれども、いずれにしましても、この車庫法というのはもっともっと強化していく、また駐車禁止取り締まりの問題につきましても、これから触れていきたいと思いますが、強化していく、こういう方向での姿勢と申しますか考え方をぜひ強くしていただきたいということを私は強くお願いしておきたいと思います。  それでは、ちょっと具体的な質問に入らせていただきたいと思うわけでございます。  今日、普通自動車と申しますか、軽自動車を除く自動車につきましては、登録時に車庫証明許可制になっているわけでございますが、今度のこの車庫法改正におきまして、軽自動車も当初案でいきますと同じように許可制試案としてはお持ちであったけれども、最終的には届け出制になった。そのことを考えますと、これ一つとっても大きく後退したなというふうに私は思うわけでございますが、何と申しましても、私が一番申し上げたいのは、冒頭申し上げましたとおり、大きさは軽自動車より小さくてもエンジンが大きければ車庫証明が要るわけでございます。そうしますと、もう一つ考え方として、車庫を必要とするのは単純に軽自動車普通自動車に分けることがいいのかどうか、このことも大きな疑問の一つであるわけでございます。  先ほど私は冒頭確認をさせていただきました。軽自動車の大きさ、だけれども軽自動車の大きさ以内に入っていても、エンジン軽自動車の六百六十ccよりオーバーすると普通自動車になるわけでございますから、そのことを考えますと、軽自動車普通自動車をなぜ車庫証明で分けなくてはならないか、この定義がどうしても理解できないのですが、なぜ分けられるのですか。
  22. 関根謙一

    関根政府委員 普通自動車につきましては、現在、自動車保管場所確保等に関する法律第四条の規定によりまして、運輸省自動車登録ファイル登録する際に警察署長の発行する車庫証明を添付するという形で、同法第三条の保管場所確保義務を保障する仕組みを設けております。これはいわば事前チェックをいたしまして、自動車を買う前に車庫があることを保障する仕組みでございます。今回、私どもが御提案申し上げております軽自動車につきましての届け出制は、いわば事後チェックと申しますか、ひとまず自動車を買われた方がそれを警察署長に、保管場所位置でありますとか、使用の本拠の位置でありますとか、使用者等届け出ていただくということでございまして、事後チェックでございます。  このように仕組みを分けました理由でございますが、先ほども申し上げましたように、まず、現在の仕組みを大きく変えることなく応急措置として行いたいということで、現在の自動車登録ファイル登録する仕組みを持っておりません軽自動車につきましては、新たに届け出制ということで仕組みを設けさせていただいたものでございます。  しかしながら、この届け出制事後チェックでございますので、これを保障するために虚偽の届け出についての罰則でございますとか保管場所標章の表示でございますとか、保管場所を確保していない場合における運行供用制限等措置等を設けることによりまして、この届け出制によっても十分車庫確保義務を保障することができるような仕組みを設けることができたように考えております。
  23. 山下八洲夫

    山下(八)委員 今日までの許可制普通自動車車庫証明にいたしましても、私は五年前に質問で申し上げたわけでございますが、自動車というのは器用だなと思うのですよ。五年前ですら車の上に幾らでも車が駐車できる、このようなシステムになっているのですね。あれは許可制なんですよ。それですらそういう状況であるわけです。ですから、今日、軽自動車だけではなくて、普通自動車の問題だって車庫問題で大きな社会問題になっていると思うわけでございます。その一方では、軽自動車については届け出制ということでございますから、私はこれはまた第二の車庫飛ばしか何かよく知りませんけれども、そういう問題が必ず出てくるのではないか、こういう危惧をいたしております。ですから、できれば当初試案のように許可制へ早急に検討していく、こういう考えをぜひ持っていただきたいと思いますし、そうすべきだと私は確信いたしますので、そこを一言だけ御答弁いただきたいと思います。
  24. 関根謙一

    関根政府委員 車庫証明という仕組みですら車庫飛ばしということがあるという御指摘でございます。これは本当にそのとおりでございますが、これは継続確保を保障する仕組みを現在の法律が持っていないところから出てくるものと私ども考えまして、そこで、今回御提案を申し上げております法律案では、そのような継続確保義務を保障する仕組みを設けさせていただいたというところでございます。  それから、軽自動車についても事前チェック仕組みを設けた方が車庫確保義務を保障する仕組みとしてベターであるとの御意見でございます。先ほど申し上げましたように、私どもは現在御提案申し上げております案がベストであると確信をしておりますが、これで実効性が確かに私どもの信ずる方向にいくかどうか、しばらく見守っていただきたいとお願い申し上げます。
  25. 山下八洲夫

    山下(八)委員 時間の関係で次へ移っていきたいと思います。  車庫シールステッカーの問題についてお尋ねしたいと思うのですが、それとあわせまして、施行前の購入免除、この二点について一緒にお尋ねしたいと思うわけでございます。  一つは、結局車庫シールを張らなくても罰則規定がないのですね。そうしますと、私はやはりここも実効性は乏しいのではないか、そのような疑問を一つ持っております。  それからもう一つは、激変緩和ということでし ょうけれども、この法律案施行前に購入しました車につきましては、それを買った方が廃車にするかあるいは名義変更して他人に売るか、そうしない限りずっと今日までと同じように車庫を持たなくても自由に乗ることができる。これもいかがなものかなというような気がするわけでございます。激変緩和といいましても、一定期間を設ける、これが一番正しい姿じゃないかというふうに思うわけです。乗用車でいいますと、一般的に減価償却でいきますと五年間というふうに決められておりますけれども、大体五年間でつぶすような車、事故をやって乗られなくなったのは別にしまして、つぶすのはないわけでございますし、丁寧に乗る方は十年くらい乗る方はたくさんいらっしゃるわけでございますから、そうしますと、これが最終的に効力を発揮するというのは十年先かというような気も私はしているわけでございますが、その辺について、この二点についてお考えをお示しいただきたいと思います。
  26. 関根謙一

    関根政府委員 シールを貼付しない場合に罰則規定を設けていない点でございますが、これはシールのねらいといたしますところは、これを張っていただくことによりまして、車庫を持っていることと、それから当初届け出または車庫証明を得た場所車庫を持っているということを心理的に保障するための効用をねらったものでございます。  そこで、シールを張っていないことに対しまして直接の罰則がございませんが、張っていないことによりまして車庫を持っていないのではないかということがわかりますし、そういう心理的な強制といいますかカによりまして車庫を持っていただくようになるであろうというのをねらいとしたものでございます。  それから、経過規定についての考え方でございます。確かに先生指摘のように、一定期間内にすべての自動車について新しい仕組みに入ってもらうという経過措置の定め方もあろうかと存じます。しかしながら、現在自動車を持っておられる方々は新しいこういう仕組みを前提とせずに、従前の仕組みを前提として自動車を持っておられる方々でございますので、いわばその方々に対して急に新しい仕組みを適用することはいかがかという意見もございまして、そこで、この法律施行された後新たに自動車を持たれた方、車庫を変えられた方等から適用することとしたいということにしたものでございます。  これによりましてどのくらいの期間内にすべての方々が新しい法の仕組みに入ってきていただけるかについての見通してございますが、私どもはおおむね五年程度でほとんどの方々がこの新しい仕組みに入ってきていただけるものと考えております。
  27. 山下八洲夫

    山下(八)委員 自動車といいますのは、今さら私が申し上げるまでもないわけでございますが、保管場所確保等に関する法律で、自動車の保有者は、自動車保管場所を確保し、道路を保管場所として使用させないよう義務づけられているわけでございますね。持っているのが当たり前なんですよ。そういう意味では、持っていない人は今日でも違反をしているのですね。だから、経過措置というのは大変おかしなことじゃないですか。本来なら持っている。それが軽自動車で申し上げますと、持っているということで今まで車庫証明、許可をいただくことをしなくていいということに簡素化されていたわけでございまして、軽自動車の場合は車庫を持たなくてもいいですよという法律はないのですね。ですから私は、激変緩和で、とにかく施行前のはその車が最終的になくなるまでいいんだということはちょっと理解に苦しむわけですが、いかがですか。
  28. 関根謙一

    関根政府委員 軽自動車を現にお持ちの方々は、大部分の方々がこの法律規定の趣旨に従って車庫をお持ちであると確信をしております。
  29. 山下八洲夫

    山下(八)委員 ですから私は、激変緩和激変緩和というのは、例えば軽自動車だけで全国で千五百万台からありますから、膨大な台数でございますし、その間の事務量というのも大変になりますから、三年なら三年できちっといたしますよ、そういう歯どめがないといけないと思うのです。そういう考えはございませんか。
  30. 関根謙一

    関根政府委員 いわば法律の本則のあるべき姿と現状との間の問題で、現状から本則のあるべき姿に至る過程がいわば経過措置として定められるものでございます。現状の姿から本則のあるべき姿に至るまでなるべくスムーズに無理のないように移行するということを考えまして、新しく自動車を買われた方からこの法律を適用したいという考えでございます。
  31. 山下八洲夫

    山下(八)委員 時間がなくなりますので余り同じところをやっておれないのですが、これもざる法と言われるゆえんの一つではないかというふうに理解をいたしておきます。  それから、今回東京二十三区、大阪市にさしあたって限定をなされたわけでございます。確かに東京二十三区、地価も大変高いですし、これだけの住宅難でございますし、我々サラリーマンには生涯夢でも買えないというような状況でございますから、車庫一つ持つということは大変なことであると思うわけです。そういう意味で、さしあたって東京二十三区と、大阪も同じような状況だという発想だと思うわけでございますが、私はそうではなくて、全く考え方が逆じゃないかなというふうにも思うわけです。  確かに今までも普通自動車にしましても、私の岐阜県で言いますと村は車庫証明が要らないわけです。本来なら村のようなところはちゃんと自分のうちで大体二台、三台分ぐらいの車庫や庭があるものですから心配要らないのです。だから車庫証明といったって簡単に出せるのです。逆に言いますと、東京の方がそういう意味では大変困難であるわけです。ですからまず二十三区あるいは大阪市、そこにだけ網をかけるのではなくて、全国一斉に網をかけまして、田舎へ行けば行くほど十分自分のところで車庫を持っているわけでございますから、そうしてどうしても困難な地域、東京二十三区と大阪市だけを激変緩和で少し逆にほかより期間を設けてあげる、これが本当の姿ではないかと思うわけでございます。全く逆になっていると思うのですが、法律というのは日本全体をとらえてつくられると思うわけでございますが、その辺はいかがですか。
  32. 関根謙一

    関根政府委員 この適用地域の問題も一つの経過的な考えでございまして、法本則の姿に近づけていくためにまずどの辺から適用していくかということを政令で定めることとしたいというものでございます。  当面私ども考えておりますのは、駐車問題が最も深刻でございます東京、大阪、ここはほとんど条件が同じでございまして、瞬間の路上駐車台数が二十二、三万台、そのうちの違法駐車が二十万台ぐらいというところで、大変よく似た条件にございます。当面ここからスタートをしてみたいという考えでございます。逐次世論の動向、コンセンサスが得られますれば、この適用地域を広げてまいりたいという考えでございます。
  33. 山下八洲夫

    山下(八)委員 くどいようでございますが、車庫を持たすということが主目的であるわけでございますから、持ちやすいところの皆さんはすぐ持たれると思うわけです、そんな指導もなくても。持ちにくいところを指導をなさる。そういう中で私は、この東京二十三区、大阪というのは大変持ちにくいからまず法律でぎしっと締めて、困難の中でも早く持ちなさい、これも一つの方法だと思うのです。けれども、持ちやすい環境の皆さんの方は速やかに持たれるわけでございますから、その法律は、たとえ政令であろうと全体的にかけて、そして持ちにくいところを一定の猶予期間を持って、その間に必ず持ちなさい、これが本当の姿だと私は思うわけでございます。場合によれば、今度は住民票を移動してということはしないでしょうけれども、またあり得ないと思いますけれども、例えば杉並の隣はもう三多摩でございますし、こちらの大田区の隣の方はすぐ川崎でございますし、またそのような境目というのはいろいろと車庫飛ばし的なものが出てくるんではないか というような気もするわけでございます。東京二十三区がこんなに困難で、私は川崎も似たり寄ったりだと思いますし、横浜市の中心地も似たり寄ったりだと思うわけでございます。名古屋にしたって似たり寄ったりだと思うわけでございます。私は、そういう意味からも網は一遍大きくかけて、その中で困難なところほどなるべく早く持っていただくのは当然でございますけれども激変緩和的なものの道はあけるという方が本当の姿ではないかと思いますが、次へ進めさしていただきたいと思います。  それから次は、保管場所の確保の、現行法でいいますと居住地と申しますか、そこから五百メートル以内、これが同じように大きく後退をしまして、途中で一キロになるのかなと思っておりましたら、最終的には二キロというふうに広がってきたわけでございます。私も東京の地理というのは余りわかりませんので、地図を広げまして国会議事堂の衆議院のところから物差しで二キロといったら大体どの辺になるのだろうというのを見てみましたら、ちょうど衆議院の建物あたりから見まして東の方向は銀座四丁目の交差点あたりですね。それから北東方向は東京駅の丸の内のあたりなんです。それから西方向が青山一丁目の交差点あたりになりまして、南の方向が東京タワーになっているのです。北の方向が靖国神社あたり。こんな膨大な広いところなんです。この範囲に持ちなさい。東京ですから、この範囲でも車庫一つ確保するのも大変困難な面があろうかと思いますが、現実に例えば靖国神社の近くに車庫を確保してここまで帰ってくるかということです。銀座四丁目のあたりに確保して、乗らないときには毎日ちゃんとおさめて自宅まで帰ってくるか、大変疑問を感じるわけです。これもやはり私は実効性がないのではないかと思いますが、お考えいかがでしょうか。
  34. 関根謙一

    関根政府委員 車庫は、利用の便宜を考えますと、その使用の本拠の位置のごく近くに持たれるのが一番よろしいかと存じます。ですから、大部分の方はごく近くにお持ちになるだろうと存じますが、ただ東京、大阪等の条件を考えてみますと、しかし遠くには車庫を持つことができるが近くには持てないという方もおられます。そういう方々に、では車庫がないから自動車は持つなということがいいのかどうかということをいろいろ考えまして、また各方面の方々の御意見もいただき、実際に歩いてみたり等してみた結果、やはり二キロくらいであれば持つことも、なるほどいろいろ困難かもしれませんが、そう無理ではないということで、これも政令で定めることでございますが、ひとまず二キロということでやらせていただきたいという考えでございます。
  35. 山下八洲夫

    山下(八)委員 それは確かに五百メートルより一キロ、一キロより二キロ、二キロより三キロ、三キロより日本じゅう、それは広いほど確保しやすいわけでございますから、これはおっしゃるとおりだと思うのです。だけれども、困難な中でも、やはり確保した車庫が正しく使用される前提に立った車庫法でないといけないと思うのです。使わなくても、法の手続上とにかく法の枠の中に入っていればいい、そのために確保しよう、きょうは雨が降ったから、きょうもどしゃ降りだからお巡りさんちょっと回ってこないだろう、じゃきょうはちょっと家の前にとめておこうか、これじゃ私はよくないと思うのですね。そうしますと、私は五百メートルくらいが限度かなと思うのです。  大体、五百メートルですと、車庫におさめても雨が降っていたって歩いて帰ろうという距離であると思うのですね、人間の気持ちとして。私は、駅から自分のうちまで大体七百メートルですけれども、七百メートル歩くのはときどきくたびれまして、タクシーに乗ったりしますから。五百メートルですと、これは必ずといっていいほど歩くと思うのです。ですから私は、当初の五百メートルというのは本当に人間の心理状況まで考えた距離を設定されたなというふうに理解していたわけでございますが、二キロでございますと、普通に歩けば二十五分くらいかかるんじゃないかと思うのです。これはとても雨が降ったら歩いて帰りませんし、タクシーつかまえよう、タクシーはいない、じゃあ乗って帰ろうということで、実効性ないと思うのです。これにつきましても、やはり五百メートルヘまた戻していく、こういう努力を強くお願いしたいと思うわけでございます。  もう答弁いただきますとちょっと時間がなくなりますので、先へ進ませていただきたいと思います。  ちょっと大臣に、国家公安委員長でございますが、その前に自治大臣でございますので、ぜひお願いをしたいなというふうに思うわけです。  今まで車庫というのは警察の仕事としてやっていらっしゃるわけでございますが、そうでなくて、私は簡単に結論を先に申し上げますと、市町村長に車庫証明を発行さす、この方が正しい姿じゃないかなというふうに思うわけです。と申しますのは、一つは、何といいましても役所には土地台帳もありますし、あるいはその土地台帳の中には住宅がどう立っている、そのような書類もあるわけでございますし、山下八洲夫のうちというのは、台帳を見ますと、ああどこにあるな、あのうちなら多分あの辺の植木がなければ車を置けるなど、割と役場の中で一定の判断をすることができるわけです。判断して、そしてこれは難しいなと思ったら現地を確認する、このことが一つできるよさがあります。もう一つは、住民票を移動しますとわかります。住民票を移動しますと、あの人は車を持っているだろうかということもわかるわけです。  そのことを考えていきますと、せっかくこのような車庫確保の問題でここまで前進してきたわけでございますから、私は、車庫証明は市町村長の許可にするというふうにそろそろ考えを変えてもいい時期に来たのではないか、そのように思いますが、大臣としていかがでしょうか。
  36. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 自治大臣の立場として、市町村自治体にこういった証明を任す、その方が合理的じゃないか、近所のことも住民動向もよくわかっているから。私は確かに車庫証明というような保管場所だけに関すればそのことはそうかなと今お聞きしているわけですが、これは私たちの郷里くらいまでの中核都市程度までじゃないでしょうか。もうこの大都市区に来て、役場の職員とか市役所のそういった吏員が人と物の動態が比較的把握されているという形、東京なんかとか大阪なんかをやった場合に、果たしてそれだけチェックする人手とそういう能力を自治体に任すという形になるとこれまた大変じゃないかなとも今思っているのです。  ですから、自治体に任す、そういう時期も来たのではないかという御意見には、私も一遍これは前向きに検討しなきゃいかぬなと思います。ただし、公安委員長としての、二つを使い分けると言ったらおかしなことになりますけれども行政上、この人が果たして車庫を持っているのかどうか、あるいは所有の車が果たしてどうかというような、いわゆる場所よりももっとチェックしていくというような形になった場合のそういった形まで付加されるということになると、これはやはり警察署の責任にしておいた方がいいんじゃなかろうかな。大変な御提案でございますし、御持論でございましょうから、検討させていただきたいと思います。
  37. 山下八洲夫

    山下(八)委員 この問題は検討していただくということでございますので、期待をしておきまして、これ以上触れることをやめさせていただきたいと思います。  時間が迫ってきましたので、駆け足で二、三点お尋ねしておきたいと思うわけでございますが、やはり大都市になるほど駐車違反というのは大変異常な状況であるわけですね。そういう中で本当に警察も日夜大変御苦労なさっているわけでございます。私は駐車違反というのは、言葉は大変悪くて申しわけないのですが、犯罪に例えますと目的犯じゃないかというような気がするのですね。ここは駐車禁止ですよということがわかっていま して、そこへ乗用車をとめて、極端な言い方をしますとロックをして離れていくんですから。その点、警察の大変評判の悪いネズミ捕りと言われていますスピード違反の取り締まりですけれども、あちらですと割とドライバー同士がパッシングをして、あそこやっているぞと教えたりするのですね。あれを余りやりますと私は警察の仕事は罪人製造機関になっちゃうぞというような気もしたりするわけでございますが、今道路がよくなって、そして車がよくなった。ちょっと気分よく運転すればスピード違反をすぐしてしまうという要素もあるわけですね、過失的な。その点、駐車違反といいますのは、まあ言葉が悪いわけでございますけれども、今申し上げましたとおり違反ということを承知でとめていく。これはモータープールがないからとめるというのも理由の幾つかの中には一つとしてあるでしょう。そうではなくて、私はやはりモラルの問題が先へ来ていると思うのです。やはり横着さから、例えば店先にとめたい、自分の家の前にとめたい、こういうところから来ていると思うのです。  だけれども、取り締まっても取り締まっても減っていかない。ですから、今回の道交法改正でも一定の前進は見ているわけでありますが、私はそうではなくて、もう駐車違反につきましてはびしびしと取り締まっていく。一遍に取り締まることもできませんので、さしあたって例えば公共交通のバスが通っている道路については優先して取り締まるとか、あるいは、後ほどお伺いしようと思ってもう時間がないものですからお伺いできないと思いますので申し上げたいと思いますが、東京都心部の幹線道路というのは大体歩道があるわけでございますけれども、一本二本入った裏通りというのはほとんど歩道はないのですね。その道路に実に車がずらっと駐車しているのですね。歩行者が楽しく歩くことはできませんよ。この辺で言いますと、私は余り地理に詳しくないのですが、赤坂の裏の、山手通りというんですかね、一方通行の。ああいうところなんか、楽しく歩こうにも歩けないですよ、正直言いまして。それくらい車が国民生活に一方では大きな障害になっているというふうに思うわけです。ですから、そういうところは徹底的に取り締まっていくということをぜひやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  38. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 駐車違反の取り締まりの問題でございますが、確かに駐車違反数が多いものですから、これを全部取り締まるというのは現実的に不可能でございます。したがいまして、私どもの方で全国の警察に指示をしておりますのは、悪質さ、迷惑の度合い、危険の度合い、これに絞って、これに条件が合うような違反について徹底的な取り締まりをするようにという指示をしております。  したがいまして、今お話しのような裏通りの問題、これは非常に迷惑の問題もあります。また、子供の飛び出しというようなことで危険性の問題もございます。したがって、そういう条件、それから交差点の周辺、二重駐車、こういうことで、同じ駐車違反でも今の三つの要件に当てはまるかどうかがポイントでございますので、今後もこの点に沿って取り締まりを厳しくしていきたいというふうに考えておりますし、現にやらしております。
  39. 山下八洲夫

    山下(八)委員 建設省にせっかく来ていただいておりますので、一つだけ、せっかくですから質問させていただきたいと思います。  大きなああいう幹線道路は別にしまして、ちょっとした裏通りのようなところでも、歩道がございまして、そして車道がある。その歩道というのは大体半分車の駐車場になっているという状況なんですね、半分乗り上げまして。ですから私は、あの歩道と車道を、幹線道路のように鉄板をばちゃんとやった、白いペンキを塗ったようなごつい、ああいうガードレールではなくて、モダンな、町の美観を壊さないようなきれいなガードレールを設置していく、そして、歩道に車が乗り上げることができなくしてしまう、こういうことをすれば随分またそういう違法の駐車をするスペースが減ってくるわけでございますから、私はいいと思うのです。車というのは、一方では確かに便利さがありますけれども、都心へ行って自分で駐車するところを確保することができなかったら不便なものであるということもやはりドライバーには認識していただかないといけないと思うわけです。そういうこと等をいろいろと考えていきますと、ああいうところの歩道と車道との分離をぜひやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  40. 三谷浩

    ○三谷政府委員 お答えいたします。  ガードレールを私ども今全国で十万キロぐらいつけておりますけれども、幾つかの種類がございまして、一つは、当然ながら走行中の車両の逸脱とかこういうものでございますが、もう一つ、簡単な小さな、歩道のみだりな横断というものもございます。  そこで、今先生のお話にもございましたように、私どもも歩道をつくるということは非常に積極的にやっておりますし、それから、歩道の部分へ乗り上げ規制をするということは、もちろんこれは基本的に取り締まりとか運転者のマナーも関係すると思っておりますけれども、ガードレールの問題につきましては、副次的に今の歩道の乗り上げ駐車ということを防止するということもあるものですから、総合的に判断をして、交通安全上必要な区間には設置を図ってまいりたいと思っております。
  41. 山下八洲夫

    山下(八)委員 時間がいよいよなくなりましたので、質問できなくてちょっと寂しいのですが、一つは、今回地域交通安全推進委員会、これが法律の中にあるわけでございます。私はこれをいろいろと自分なりに考えますと、どうしても理解できないのですけれども、もう質問時間がございませんのであれこれ申し上げません。いいとか悪いとか疑問はたくさんありますけれども申し上げませんが、もしこの地域交通安全推進委員会ができますと、地域におきますプロドライバーと申しますか職業運転手と申しますか、そういう方もきちっと一人は委員にさせていく、そして、やはりそういう人の目から見たものを反映させていく、このことをぜひ努力していただきたいというふうに一つは私は思うわけです。これは後ほどまとめて御答弁いただきたいと思います。  それからもう一つは、確かに今メーカーといいますかディーラーといいますか、車はつくれ、つくれ、どんどんつくって、売れるからどんどん売ればいいんだ、車庫なんかは買った人が何とかするだろうというのが一方には正直言ってあったと思うのです。それから一方では、買われた方も、土地は高いし車庫はなかなかつくれない、たまに捕まったら運が悪いんだ、家の軒先にとめておけばいいんだ、こういう状態も一方にはあると思うのです。  また、公営住宅にしましても、そういう住宅等につきましても、今日はやはり車の一台ぐらいは持ちたい、こういう気持ちも正直言ってそれぞれあると思うわけです。そうしますと、これから建設される、例えば公営住宅で申し上げますと、一世帯に一台分ぐらいの駐車場を確保する、そういう公営住宅を考える時期にも遅いけれども来たのではないか。それは、家の前に置くのではなくたって、最近ではビル化してたくさんとまる駐車場がつくれるわけでございますし、土地のスペースが少なくてもたくさん駐車できる、車庫を確保できる、こういうことができるわけでございますし、そういう時期に来たのではないか。また、ホテルとかあるいはオフィスビルとか人のたくさん集まるところは、やはりガレージもそのスペース以上にたくさん必要になるというようなのも職業的にはあるわけでございます。  その辺につきましては、両方とも建設省の管轄だと思うわけでございますが、建設省も駐車場というのは条例で地方自治体に任せればいいのだということではなくて、もはや建設省が直轄である、きちっとやっていくというぐらいな強い姿勢を示さないと、都市機能だけでなくて日本じゅう の機能が車で本当におかしくなっていくというふうに私は思うわけでございます。ですから、陸海空の総合的な交通対策もございますけれども、車を中心とした交通対策、これは建設省でありますとか運輸省でありますとか、あるいはまた自治省もそうでございますし警察ももちろんでございますし、そういう関係省庁がきちっとやはり横の連絡をとって、駐車場の問題、道路の問題、それから生産の問題を含めて、すべて全体的に見ていく、そういう時期がもう遅いけれども来ていると思うわけでございます。そういう意味で、ぜひそれぞれの省庁の皆さんに御答弁いただきたいと思うわけですが、時間がありませんので、まとめて大臣の最後の所感をお尋ねしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  その前に一言だけ、地域交通安全推進委員会のことについての答弁をいただきたいと思います。
  42. 関根謙一

    関根政府委員 地域交通安全活動推進委員の中にプロのドライバーの方々を入れるようにしたらどうかとのことでございます。プロのドライバーの方も、この法律上の要件が備わる場合には当然に委嘱の対象になるものと考えております。
  43. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 先ほどから先生の日ごろ交通行政に関する大変専門的な御論議を聞いて、私も大変勉強になりました。  つくづく感ずることは、のっぴきならぬ状態になってまいりました。したがって、今度の法案提出をしなければならぬというような事態に立ち至ったわけでございますけれども、これとて御指摘のあるとおり、いろいろな形で、見方によってはなまぬるいという御批判も強いわけであります。しかし、行政側の立場から申しますと、本当にこういった事態にまで行政の対応が果たしてスムーズにやられてきたのかどうかということになると、むしろこの点が一番反省しなければならぬと思っております。  今、交通の総合安全対策の面では総務庁が主管して関係省庁との協議を行うという形をとっておるわけでありますが、今御指摘のとおり、軽自動車一つとってみても、当初の車庫法以来二十七年もほったらかしと言ったら語弊がありますけれども、車台数も百万台から千五百万台に軽自動車がふえているという現状に立って考えるときに、行政の対応が、今言われましたように、道路政策、都市政策、住宅政策、あるいはオフィスビルの建築基準の問題一つとらえてみても、横の連絡もうまくやっていったのかどうか、縦割り行政の弊害というのが今日の状態の中で先生からの御指摘のあった問題を生んできたのではないか等々、大変厳しい反省の上に立って御議論の展開を聞いておったわけであります。  何としても行政間の横の連絡をとりながら、私がいつも言うように、つくる方も売る方も乗る方も、みんながお互いにあるべきマナーをきちっと守り、最低の基準の法律であってもそれをきちっと守っていく、そういった基本点が一番私は大切であろうと思いますし、今度の法案がある意味においてはあるべき車社会の方向を目指す第一歩のスタートだという点にお考えの基点を置かれて、何としてもこの両法案が新しい一つのモラル建設を含めてあるべき車社会の方向を目指す第一歩のスタートになるのだという形で御理解を賜りたいな、先ほどからの議論展開の中で、私の反省も含めてそのように感じております。
  44. 山下八洲夫

    山下(八)委員 どうもありがとうございました。
  45. 権藤恒夫

    権藤委員長 次に、永井孝信君。
  46. 永井孝信

    ○永井委員 公安委員長冒頭にお尋ねしたいと思うのです。  八日の質問、きょうのこの質問を通して、それぞれの委員質問されている問題意識というのは党派を超えて共通しておるのです。その党派を超えて共通している中に、今や大都市都市機能を喪失してしまっている、この都市機能を回復するために今度の道交法改正やいわゆる車庫法改正というものが企画された、提起されたと思うのですが、その都市機能の喪失という面について公安委員長としてどのように受けとめていらっしゃるか、冒頭にちょっと基本的にお伺いしておきたいと思います。     〔委員長退席、鴻池委員長代理着席〕
  47. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 先生の御指摘のとおり、一番生活に関係の深い、またいろいろな形で恩恵をもたらした車が、現状のままでは逆に大都市機能を喪失してしまうという危機意識、そしてそれをこのままギブアップするわけにいかない、何とかして回復しなければいかぬ、そういった問題点の意識から今度の法案を御提案させていただいておるわけであります。基本的な認識においては先生の御指摘と全く同じでございます。
  48. 永井孝信

    ○永井委員 その都市機能の回復ということについて、東京に対する一極集中の排除とかいろいろなことを今まで提言されてきておりますね。それはそれで当然なことでありますけれども都市機能を回復するためには、東京都でいえば、東京都区内に入っている、乗り入れの車を含めて全体の総量を少なくするということがまず肝要だと思うのです。車が少なくなれば違法駐車もなくなるわけですから、自動車による交通事故も減っていくわけですから、その共通認識は一致できますか。
  49. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 総量規制という言葉を使われました。それにこだわるわけじゃありませんけれども、やはり車は点から点の、自分の意思に従って、その便益性が一番ですから、今入るなとか来ちゃいかぬという形じゃなくで、公共交通も利用していただきたいし、そして、その目的を達するためには、そこの状態がどうかという事前的な、ドライバーとしては当然の一つの、これこそマナーだと思うのですけれども、車を持つ人の責任というものも当然備わってもらわなければいかぬわけですけれども、結論から言うと、私の気持ちは全く認識は一緒です。  こんな渋滞を来す根幹の原因は、要するに一定量以上の量がはんらんして、それに対する道路も含めての能力が対応できないわけですから、少なく来れば機能は十分回復するわけですけれども、今それをそういった量的な規制だけで、頭からおまえの車はいいけれどもおまえはだめだというわけにはいかないところに難しさがあるわけです。私は抽象的な言葉で言いますけれども、やはりそこが一つのマナーというか、本当の交通モラルというか、そういったお互いの責任が必要なのじゃないかな、そのことについての認識は全く一緒でございます。
  50. 永井孝信

    ○永井委員 総量規制という言葉が、問題意識として使うことがどうかということもあるのですが、私自身の基本的な考え方というのは、車は社会に大変な利便性を与えた、利便性を与えた車だけれども、今都会ではその車が国民生活に、利便性に著しく障害となってきた、そのことを私は問題にしているのですね。だから、おまえは車に乗るなと言うことは、もちろんそんなことはできませんけれども、どうやって都会にあふれ返る車の量を実質的に減らすことができるかということをやはり政策的に考えていかなければいかぬと思うのですね。その意味で、大臣と私の共通認識を、土台をどこに置くかということで今お尋ねをしたのです。  さて総務庁、東京都でいいますと地下鉄があります、バスがありますね。もちろん上を走っている電車もあります。いろいろな公共交通機関があるのですね。この公共交通機関がもっともっと利用されるという前提での対策というものも、交通全体の対策を立てる中心官庁として当然総務庁考えていかなければいかぬと思うのですね。  例えば、ある自動車関連企業へ行きますと、我が社の車を買えと従業員には勧めますね。一台でもたくさん売るために勧めますね。その我が社の車を買って通勤する場合はガソリンは無料で提供します、そういう企業も現実にあるのですよ。だから、マイカーで通勤することを奨励する形になっている傾向があるのです。そうではなくて、企業に対して、総量を規制するという言葉がいけないならば、総量をできるだけ減らすという意味で、総務庁などが中心になって、マイカーで通勤することに対して、できるだけそれを避けて公共 交通機関を利用するというようなことをもっとそれぞれの業界に協力を求めることをやっていいのではないですか。  時間がすぐたちますから、ついでのことに聞きますが、かって石油ショックのときに省エネが大変な問題になりました。最近はそんなこと関係なく、ネオンも華やかだし、電気はどんどん使っている状態になりました。しかし、政府から出てくる政策の中には、例えば原子力発電に見られるように、省エネを進めるためには石油依存ではだめだ、あるいは地球環境を守るためには石油に依存することはだめだ、だからもっと省エネ政策を進めなければいかぬということは常々政府はおっしゃっているわけです。そうすると、どんどんマイカー通勤で都市機能を麻痺させるような状態で自動車が乗り入れをされてくる、これに対してもう少し企業の側がそれぞれの従業員に対して、マイカーではなくて公共交通を使えよということをやることも私は省エネ政策につながると思うのですね。だから、交通問題は交通問題、省エネ問題は省エネ問題、環境問題は環境問題、別々ではなくて、それをまとめてやるのが私は交通対策の基本ではないかと思うのですが、総務庁はどうですか。
  51. 徳宿恭男

    ○徳宿政府委員 確かに委員指摘のように、車の総量を少なくするということは大事なことだと思います。ただ、その方法といたしまして、直接規制というより以前に、まず道路交通需要の軽減方策というものをあらゆる角度から検討していく必要があると思います。そして、その一方におきましては、道路交通の容量を増大させるということも必要であると思います。そういう観点から、昭和六十三年七月に交通対策本部決定でもって、大都市における交通円滑化対策という決定を見まして、その中で、道路交通需要の軽減対策というものの中で、ただいま御指摘のありました公共輸送機関を優先させて、なるたけそちらの方に乗りかえを図っていくというようなこともうたってございます。
  52. 永井孝信

    ○永井委員 私はうたっているかどうか聞いているのじゃないのです。実効あるようにどのように総務庁関係省庁と連携をとってやっているかということが問題なのです。総量を減らすということは、車を所有する権利を認めないというのじゃなくて、車を持っても結構です、しかし毎日の通勤ぐらいは公共機関を使いなさいよ、そのことが交通事故を減らすことになるし、今のような違法駐車ということもそれだけ少なくなってくるわけですから、そういう観点で、うたっているということじゃなくて、具体的にどうやってきたのか、どうやるのかということを聞いているわけです。
  53. 徳宿恭男

    ○徳宿政府委員 例えば公共輸送機関を優先させるという意味におきまして、バス専用レーンあるいはバス優先レーンといったものの設置とあわせまして、運輸省におきましてはバス路線の総合管理システムというものを導入いたしまして、コンピューター制御による車両運行の中央管理によりまして、バスがだんご状態で走らなくなってしまうというような事態の解消を図るということと同時に、バス・ロケーション・システムの整備によりまして、停留所で待っておられる乗客の方々がいつバスが来るんだろうかということでいらいらしながら待つというようなことをなくするようなシステムを導入して、なるたけ公共輸送機関の利用をお願いするようにいたしております。
  54. 永井孝信

    ○永井委員 どうも歯切れが悪いんだけれども、僕は関西人だから言葉は関西弁で歯切れはいいことないんだけれども、やりとりの答弁というものはもっとわかりやすく、きちっとけじめがついておらないと。  公共交通機関を利用するように努力をしているとかいうことじゃなくて、具体的に東京都区内でいうと、東京都区内の企業に対してこのように要請をいたしました、このように協力を求めておりますということくらいはきちっとできないで、何の総務庁なのか。もう一回答弁しなさい。
  55. 徳宿恭男

    ○徳宿政府委員 例えばマイカー自粛とかそういう精神的な心構えということで、各自治体におきましてもノーカーデーというようなものをやっておるところもございます。例えば大阪府では毎月二十日をノーマイカーデーということでマイカー通勤を自粛させる、あるいはまた業務用車両の持ち帰りを自粛させるというようなこともやってございます。それからノーマイカーデーということで兵庫県の尼崎市におきましても同じようなことをやっております。それからあと長野県も、県下全域、バス電車ふれあいデーということで、バス等の公共輸送機関の利用をなるたけ促進しようということをやってございます。滋賀県も県下全域にわたりまして、マイカー休養日ということで、公共輸送機関を利用するようにいたしております。  それから一般企業、市民等に対しましても、もちろん地方公共団体のこういう対策の中で、それぞれ自家用車の運行の自粛ということを呼びかけておるところでございます。
  56. 永井孝信

    ○永井委員 こればかり言っておれませんから次へ進みますけれども、これは公安委員長の立場でも自治大臣の立場でも、あるいは警察庁も通産省も含めて、関係のそれぞれの省庁が力を合わせて、通勤ぐらいは公共交通機関を最大限利用できるように。それぞれが最大限の努力をして実効を上げるということを、私はこれ以上言いませんけれども、要望しておきたいと思います。  そこで、八日の関山委員質問もそうでしたし、今の山下委員質問もそうでしたけれども、この法案提出するに当たって、当初の案から後退したということが盛んに指摘をされているわけですね。これはみんな共通の認識として持っていると思うのです。私自身も四月十日の新聞で大々的に発表されたときは、警察庁もやったなという気持ちだったのですよ。これはみんな共通なんです。ところがふたをあけてみるとそうじゃない。これは、警察行政ということを含めて、政治に対する、立法府に対すると言ってもいいでしょうか、ある意味ではがっかりさせた、不信感を持たせたということになりはしないか、そのことを私はまず心配しています。ところで、なぜ各委員が当初の案から後退したのかということを執拗に聞くかということは、一つの圧力団体といいますか、そういうものを含めて今までの政治の恥部と言われておったことがここに噴き出したのではないかという心配を皆持っているからだと私は思うのですね。新聞の記事もでかでかと、次から次へと書いてあります。これは私が言うのじゃないですよ。私は新聞の記事をちょっと拝借するのですが、当初出されたものに対して関係団体の動きが活発だったということを新聞が書いています。  これは五月二十八日の読売新聞ですが、さわりだけちょっと読みます。「動きが一番活発だったのは、「車庫証明義務づけられると、商品力が弱まり、売れ行きに大きく影響する」とあわてた軽自動車業界。ディーラーで作る全国軽自動車協会連合会」具体的にそういうところが出ているのですね。それから、ここが問題です。そういう業界が「五十人を超える国会議員に頭を下げて回った。」こう新聞では書いてある。私はそのしっぽをつかんだわけじゃないですよ。そして、日本自動車販売協会連合会や日本自動車会議所も反対運動を展開して「自動車議員連盟所属の議員の一部も法案阻止に精力的に動いた。」と新聞では書いているわけです。  私は調べたわけじゃないからこの文章に対して責任を持ちません。けれどもこういうことが書かれるということは、かなり広範囲にわたって国民はこれを見ているわけですから、今度の道交法改正車庫法改正について、そういう政治の裏は一体どうなっているんだ、どろどろしたものじゃないか、そういう疑惑の念を確かに持っていると思うのです。時間の関係がありますから、大臣、警察庁長官も聞いておいてほしいのですけれども、六月八日の毎日新聞、ついこの間ですね、ここにこういうことが言われています。長い文章で読むと時間がかかりますから、これもさわりだけを私が御紹介 申し上げます。  「内容が原案より大幅に後退しているのは、関係業界が族議員などに陳情した成果?だろう。これを見逃してよいだろうか。本件は、事柄の本質において、リクルート事件と変わらないのみならず、国民生活への影響は、本件の方が格段に大きい。」「警察庁原案の後退は、許しがたい不祥事で、けしからぬ政界工作と映る。」「今回の車庫法などの改正の一件と、リ事件と、一体どこが違うのか、分からなくなってしまう。」中略「それにつけても、警察庁よ、もっとしっかりせよ。国民の警察への信頼が、いまゆらいでいるような気がする。」これは「疑惑の車庫法」ということで新聞に出た記事です。  私が今紹介申し上げたことを素直に聞いてもらって、今各同僚委員がずっと質問してきましたけれども、一体どうなっているんだ、このことについてひとつ所見を伺いたいと思います。
  57. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 先ほど来交通局長もお答えをしておりますが、当初に世間に発表いたしましたのは、交通局が今の駐車問題の状況を踏まえまして広く各層から御意見を承るうといういわばたたき台でございます。したがって、このたたき台をめぐりまして各層各方面からのいろいろな御意見があったのは事実でございます。その中には、非常に賛成で一刻も早く実現を図るべきだという声もありましたし、また、今いろいろお話がありましたような、これはもうちょっと考えるべき点があるのじゃないかというようなお話もありましたし、賛否いろいろな御意見がございました。その辺のところを、現実の問題として、今やっております一つの制度を変えていくのにどういうふうな経過をたどっていくのが一番現実的、また実現、実効性のある方法か、そういう観点から細かに検討いたしましてまとめましたのが今回御提案申し上げている内容でございます。  そういうことで、いろいろな御意見がございましたけれども、その辺を踏まえてまとめたのが今の問題というふうに御理解をいただきたいと思います。
  58. 永井孝信

    ○永井委員 九日に決めて、四月十日に新聞に発表した、マスコミに発表した。それも国民各層のいろいろな立場の人々にも関心を持ってもらってコンセンサスを得るということだった。ところが結果として出てきたのは――国民の多くの人々が今の車社会の中でなるほどと拍手喝采した部分が非常に多かったと私は思っておるのです。当時の新聞の論調を見ても皆そういうふうに出ております。だから、いろいろ関係者の意見も聞いて協議をして、最終的に閣議決定に至った、これは言いかえれば、国民とのコンセンサスを求めたのではなくて関係業界とのコンセンサスを求めたということになりませんか、どうですか、それは。
  59. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 これは広く国民のコンセンサスを求めたということで、いろいろな御意見がありましたその内容を十分に検討した上で実現可能と、要するに現実に実施しております法律制度でございますから、それを変えていく一つの過程での実現可能な問題ということで検討した結果が今回のその内容でございますので、これはやはり現段階において非常に国民各方面からのコンセンサスを得たものと考えております。
  60. 永井孝信

    ○永井委員 大臣にお伺いいたしますが、今のも同じことなのだけれども、リクルート事件ではないが、一つ法案をつくるときに政界に対して何か圧力があったのではないか、利益団体が自分の営利のために、この法案をつくられたら困ると言って圧力をかけたのではないか。ある意味ではリクルートも同じことなのですね。リクルートの場合は就職情報誌ですから、これを規制しようかすまいか、されたら困るということがリクルート事件になったわけでしょう。四月十日に発表されたこの試案と言われているものがそのまま実施されたら自動車が売れなくなる、商売上がったりだ。大変慌てたと思うのですね。そういうことでは全く同じケースなのですよ。ところが、その疑惑を、ごめんなさい、疑惑という言葉は新聞にそう書いているから言うのだけれども、その疑惑と言われることをかけられている対象が警察庁なのですよ、原案をつくっている警察庁なのですよ。これはゆゆしき問題なのです。だから、疑惑をかけられたとしたら、どこでそうではないというならそうでないということを証明するのか、この委員会で解明するしかないのですよ。だから執拗に繰り返しているのです。最高責任者の公安委員長としてひとつ明確にこれに対してお答えいただきたいと思います。
  61. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 疑惑というような観点は、これは当然毛頭ないわけでございます。こういう新しい改正というものを表に発表いたしますと、それに対する賛否両論のいろいろな御意見というのは当然あるわけでございまして、その賛成、反対の意見の述べられ方ということで、それはいろいろな方法がございましょうし、現実にいろいろあるわけでございます。ただ、その段階で内容をいろいろ我々警察としては判断をして、先ほどから申し上げておりますように、現実の問題としての実現可能な中身としてこう今まとめておるわけでございますから、特に圧力であるとか働きかけによってどうこうするというようなことは、これはあってはならないし、また当然ないわけでございます。ひとつ御理解をいただきたいと思います。
  62. 永井孝信

    ○永井委員 僕もちょっとしつこい方で、繰り返し質問するのだけれども、この疑惑というのは僕が言っているのではない、マスコミがそう報道しているからそのことを引用させてもらっているのですが、しかし、業界の側から働きかけがあったのではないかと言われていることは、法案をつくるのに大変なことなのですね。もし今長官が言われておるようなことであれば、何で四月十日に大々的に発表したのですか。国民皆さん意見を聞くということだったのですか。そのとき、マスコミに発表してから後、国民意見を聞きましたか。実際は、今までの質疑をずっと通して聞いておると、試案をこの法案のたたき台としてつくったとすると、そのつくるまでに各界が参加している交通行政、警察行政の懇談会ですか、そこでいろいろな各界意見を聞いてきたのでしょう。聞いてきて試案をまとめたのでしょう。その試案各界意見を聞いてまとめて発表した。それがこんなに大幅に中身が後退したという例は他の法案でも余り例を見ないのですよ。  私の想像だけれども、恐らく四月十日にマスコミを通して発表したということは、私はこれでいきますよという警察庁の決意表明だったと思うのです。だから問題になっておるわけです。ここのところは、その場の言い逃れではなくて、当初警察庁考えておったものが中身が変わってきたことがもし残念だと思っているなら、残念だと言えばいいのですよ。そこのところを明確にしておかないと、国民の疑惑は、疑惑と言われるものは晴れませんよ。先ほどの質問を聞いておると、局長が現在のこの案が一番ベターだ、こう言われました。最初試案と実際に国会提案されたものとこれだけの乖離があって、なおかつこれがベターだと私はどう考えても受けとめることができません。試案こそベターではなかったのかと思いますから、あえてもう一回聞いておきます。
  63. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 四月に発表いたしましたのは、これはいろいろなことが考えられるものをすべてまとめたたたき台ということでございます。もちろんたたき台をつくるその過程としましては、交通警察懇談会のそれぞれ各代表の方々からの御意見を参考にし、また一般の情勢をにらんでたたき台をつくったわけでございますけれども、これは考えられるすべてのことということで、これをもとにしてまた広く各層からの御意見を承るうということでございます。  したがって、その四月に発表しました後の段階からは、これは法案という形にまとめていく上での実現可能な実効のあるものにしていこうということでのいろいろな調整があるわけでございまして、その調整が当初の内容から現実のもの、現在お出ししておりますものに変わってきている、こういうことでございますから、その点は繰り返して恐縮でございますけれども、ひとつ御理解をい ただきたいと思います。
  64. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 これは率直に答えます。  今こういった駐車公害をめぐって、くどくど言うようですけれども、あるべき車社会を、このままでは大変だという形で御提案申し上げたわけでございますけれども、確かに最初試案をめぐって大変大きな反響がございました。それは私は当然だと思うのです。これはやはりある程度の激変措置を盛り込んでありますから、はっきり言ってドライバーはもとよりでございますし、今青空駐車しているドライバーにとっては大変な問題ですし、そして、今言われるディーラー、それに加担したと言ったらおかしいですけれども、そういった原因の一端をやはり担いでおる、あるいは自動車産業、それぞれ痛みを伴う内容を持っておるわけですから、それは論議が起こってくるのは当然だと思うのです。  しかし、ここではっきり申し上げておきますけれども、私のところへそういった形で陳情に来た人は政治家を含めて一人もおりませんでした、私が嫌がられている存在だからかもしれませんが。業界ももう少し来てもいいのではないかなと思っておりましたけれども、いや、痛みを伴う内容であるだけに予測しましたが、本当に来ませんでした。  しかし、これは論議が起こったことは当然であります。私のところにも直接電話で、こんなむちゃなことを今急にやって、では、おれたちにこの車捨ててしまえと言うのかというような厳しい声もございました。そしてまた、自民党には御存じのとおりそれぞれの部会があります。この法案関係する部会は多うございます。交通安全の問題を担当している、あるいは商工あるいは道路、もうそれぞれの総合的な政策に関係ありますから、だからこれらの点において、私は一回も呼ばれたことはありませんけれども、やはり担当政府委員はそれぞれの形で法案内容説明にそれは苦労したと思います。  だけれども、これは本当に一刻も争う緊急的な形で、議論を二年、三年重ねて、もうその結果という悠長なものではございませんし、何とかひとつこれを将来の方向に向ける一つのスタートラインとして、先生方の御同意を得るためにはこういった形で、それがコンセンサスと言われるならばそういった形もやむを得まいという形での、私はそういった状況を判断して公安委員長としての意見を言わせていただいたわけでございます。
  65. 永井孝信

    ○永井委員 これ以上この問題ばかりやるのはやめましょう、法案の中身がありますから。しかし、激変といいますが、言葉でよく思い切った措置をとるとよく政府答弁にも出てくるのですが、思い切った措置をとろうと思えば激変を伴うのですよ。そこに勇気が要るわけです。その勇気に対して我々は拍手をしたんだ。だから執拗に繰り返して聞いているわけだから、そのことをしっかりと受けとめてこれからの行政に生かしてもらいたいと思うのです。  さて、最前の質問に引き続きということになるのですが、例えば軽の車庫の適用、これは当面は東京二十三区、大阪市内と限定するわけですね。これは、法律案要綱を見ましても解説を見ましてもどこにもそんなことは一行も出てこないのですよ。私も全部何回も何回も読み返してみましたが、これは出てきません。これは結果として政令でしょう。では、この政令というものは一体どうやって決めるのか。この法案審議をして、この法案の中でこの委員会のいろいろな質問のやりとりを聞いて参考にするものを入れて、そこで政令をまとめ上げるというのが筋道じゃないのですか。この委員会の審議にかけるときにどこにもそのことはうたってないわけだから、全部政令事項になる。マスコミが報道していますから、ああ東京二十三区と大阪市内に限定されるとか、例えば五百メートルの距離が二キロメートルになるとか、これはマスコミの報道を通して私たちは知った話であって、どこにもそのことは資料として出ていないのですよ。そうすると、そういう政令で定める事項をあらかじめ決めておいて、それを事後承認せいということですか、この委員会の法案審議は。それは本末転倒じゃないですか、どうですか、局長
  66. 関根謙一

    関根政府委員 もし国会でつくっていただきましたら法律になりますこの新しい法律の適用関係でございます。これは政令で定めることとされております。その政令の定め方でございますが、これはもちろんその地域における交通実態でございますとか、その他地域の実情等を勘案いたし、また国会での御議論を踏まえて、政府として一番適当なところから順次適用できるように政令を定めたいということでございます。国会の御議論を当然に予想しているところでございます。
  67. 永井孝信

    ○永井委員 質疑のやりとりを聞いていますと、例えば五百メートルの範囲で車庫を持つことができる、これを二キロメートルに拡大する、これが当然のこととして今質疑がされているのです。私はそれは納得できません。二キロメートル、どこにも定めてないのだ、これから定めるのだから。そうでしょう。あるいは東京二十三区と大阪市内に限定するということ、これも定めてないのだから。だから、ここでそれぞれの委員が二キロメートルに広げることは問題がある、東京二十三区と大阪市内だけに限定することは問題がある、こういう意見がどんどんこの委員会の意見として出てきた場合は、政令を定めるときはこれにこだわらずにやるということですか。
  68. 関根謙一

    関根政府委員 国会の御議論は当然に政令制定の上で非常に重い意味を持ってくることと存じております。
  69. 永井孝信

    ○永井委員 今のような局長の答弁でございますから、私から一つ提言をしたいと思います。  例えば東京二十三区と大阪市内に限定をすると一般に報道されている中身、あるいはここで質疑されている中身、これは私は納得できません。いきなり全部にやれとは言いませんけれども、とりあえず都市の機能を回復するという目的からまず入るとするならば、山下委員の場合は逆で、全体に網をかぶせてから適用範囲を限定していけ、こういうことでしたけれども、私は全体にかぶせろとまで言いません、かぶせれば一番いいのだけれども。しかし、東京二十三区と大阪だけに限定することは、今の交通状況を見ました場合に、都市機能を回復するという視点に立つと、そこだけに限定することは私は納得できません。したがって、もしも都市機能というところに集中して対応しようとするのであれば、まず政令都市には同じように適用すべきだと思いますが、どうですか。
  70. 関根謙一

    関根政府委員 政令で定めることと考えておりますのは、その地域の実情に弾力的に対応できるようにしたいということで、国会から内閣へ御委任をいただきたいということで政令で定める旨の法律案をお願いしているところでございます。  そこで、当面、まずスタートの段階でどこからスタートすべきであるかということについての御議論でございます。確かに先生のお考えのような御意見もあろうかと存じます。しかし、まず当面都市機能が本当に麻痺しかけているところから適用してまいりまして、逐次その地域の実情に応じて、それに適合するような形で適用関係を決めていくということも一つのあり方ではないか、そのように考えているところでございます。
  71. 永井孝信

    ○永井委員 東京と大阪に集中することだけを想定してこれから政令で定めていくということになると、法の目的を完全に果たすことはできないのではないか。少なくとも、言われている東京、大阪に限定しないで、初めからスタートのスタンスを広げなさい、私自身はこう求めているわけです。その辺のところを一体どうこの委員会の質疑を受けとめるのかということが一つの問題。  もう一つは、例えば二キロメートルという話です。今も盛んに山下委員から質問されておりました。そんなものは、私に言わせれば一〇〇%利用価値はないです。車庫飛ばしにかわるべきものの第二の手段としては利用価値があるかもしれないけれども、現実に車庫としての活用はないですよ。  例えばこの委員会で自転車駐輪場の問題が法案 をつくったときに問題になりまして、私も各地によく視察に行きました。警察の方も運輸省の方も建設省の方もみんな一緒に行きました。例えば駅前の五十メートルほど離れたところに無料の駐輪場をつくるのですよ。そこには自転車はほとんど空っぽなんです。わずか五十メートル歩くのが面倒くさいものだから、駐輪場をつくっても駅の改札の前に自転車を放置する。これが今の放置自転車の実態ですよ。自動車と何ら変わりはないわけです。横断歩道があっても、横断歩道を渡らぬと、斜めに走ったり、横断歩道のないところを人間が通るのですよ。陸橋をつくっても、陸橋を避けて下の道を横断するのですよ。モラルの問題以前に、人間のあしき習性かもしれません。  そういう状況の中で、二キロメートル離れたところに車庫を持って、そんなことは実効持つわけないの。五百メートルでも問題があるのに二キロメートルにするという政令を考えている、そのこと自体私は問題だと思うのです。だから私は執拗に言っている。政令とは、この委員会の審議に出てきた問題点を最大限くみ取って政令に生かすべきが筋道ですから、あえて執拗に何回も繰り返しているのですよ。  また、今局長が言われるようなことであるならば、例えばここからスタートする、将来はこのようにしたい、到達目標ぐらいはっきりさすべきでしょう。何年後にはここまで広げたい、何年後はこうしたい。到達目標もないわけだ。そういう意味で言うと、今度のこの法案は、私は前進した法案だと思って評価するところは積極的に評価しておりますけれども、欠陥法と言っても過言ではないと思うのです。どうですか。
  72. 関根謙一

    関根政府委員 御質問は二点かと存じます。  まず、二キロメートルということが人間の本性といいますかモラルから見て無理があるのではないかとの御意見でございますが、これは二キロメートルのところに持てということではございませんで、本当に人間の本性といいますか、そういうことからいいますと、ごく近くに持ちたいというのが本性といいますか、その方々気持ちだろうと存じます。しかし持てなかった場合に、ではどこまで持っていいということにしたいかということで、二キロメートルくらいまでならば持って、そしてきちんとそれを守っていただくということは十分にあり得るということで、当面そのような範囲を考えているということでございます。  それから、適用地域の関係でございますが、これは昭和三十七年に現在の自動車保管場所確保等に関する法律が制定されました際、適用地域は当時の六大都市でございました。それが現在は五百五の村を除いた日本全域に及んできております。これは自動車交通の実態その他駐車の実態等を勘案して逐次政令で適用地域を拡大してきた結果でございます。今回の法律の適用地域を仮に東京、大阪からスタートすることといたしましても、現下の交通事情あるいは車両の保有台数の増加傾向、運転免許人口の増加傾向等を考えますと、それを上回る非常に早い段階で適用地域が拡大していくことになるものと考えております。
  73. 永井孝信

    ○永井委員 局長の言われていることも私は理解できないという意味で言っておるんじゃないのですよ。少なくとも年次ごとに到達目標を明らかにするということがきちっと明確になっていかないと、例外が例外でなくなって、それにすべての問題点が集中してしまうということがあり得るわけですね。だから二キロメートルと言ってみても、二キロメートルであれば何とか確保できるという特殊な事情がある、あるいはそれによって解消できるという特殊な事情がある、そういうこともあるから二キロメートル。じゃその特殊な事情とは何を指すのか、そこまで具体的に明示してやらないと、特殊であるべきものが特殊でなくなってしまって、全部二キロメートルまで広げたらいいじゃないか、こうなってしまうのですよ。そこに実効性が乏しい問題が出てくる。  だから私は極論すれば、自動車は車検に出しますね。車検に出したときには、自賠責の保険を納めないと車検証はもらえません。だから自動車を持っている者は、自賠責の保険を掛けていない者は一人もいないはずです。これと同じように、車庫を持たざる者は車を持てずという思想がこの法制の中でも実態的にも生かされていかなきゃいかぬと思うのです。その面からいうとこれはざる法なんですよ。だからざる法であるものをざる法でないようにどこまで目張りするかということを私は今求めているわけ。ざる法だからこんなもの全部だめだと言っておるわけじゃないのですよ。やることはいいことなんだ。いいことだけど、もっと突っ込んでやれないかという意味で、ざるから漏れる水を目張りしようと私は言っているのです。そのときに、二キロメートルは特殊なそういう条件を解消することもあり得るということが前提になっていくと、それが特殊でなくなってしまうではないか、このことを聞いているんです。だんだん時間なくなりますから、たくさん質問の準備をしておったができませんけれども、これは簡潔にひとつ答えてください。
  74. 関根謙一

    関根政府委員 確かに今回御提案を申し上げております法律案は、自動車をお持ちの方々のモラルに依存するところが多々ございます。その方々の良識にまって初めてこの法律の精神が生かされることになろうかと存じます。それをすべて強制といいますか、枠をかぶせてそこできちんと完結する姿にするということも確かに一つの方法ではございますが、現下の成熟せる車社会を前提といたしますと、この程度の仕組みをまず考えまして、あとはモラルの涵養を図るということで考えるということも一つの行き方ではないかと存じている次第でございます。
  75. 永井孝信

    ○永井委員 だんだん時間なくなってきたから次へ進みます。具体的な問題でまだ二、三聞きたいことがありますので次へ進みますが、この車庫の問題は需要と供給という関係があるのですね。圧倒的に少ない。例えば住宅・都市整備公団の賃貸住宅というのは六十八万七千戸あります。これに対して駐車場の設置されている台数は十八万一千。圧倒的に少ないのです。これは住宅・都市整備公団ですから、公営住宅ですよね。僕が今言った言葉で言うと車庫を持たざる者は車を持てず、こういう論理でいきますと、そこに住む人は車を持てないのですよ。  だから私は一つは、建設省お見えになっていますか、建設省に聞きますが、例えば建設省が住宅をつくるときに、面積をとらないような回転式の駐車場もあるわけですから、そういうものをあわせて設置するという義務をそこに持つ、これも大事なことだと思うのです。あるいは地方自治体が公共パーキングを設置する、これも積極的に自治大臣として今度はやってもらわなければいかぬわけ。自治大臣としてやってもらわなければいかぬ、建設省もやってもらわなければいかぬ。  また、個人が車庫をつくりたい。もうきょうびは一軒のうちに二台、三台持っている人がありますから、一台分の車庫のスペースはあるけれども二台、三台分がない。そのときに、これもマスコミ報道を引用して恐縮でありますが、二台、三台の三階建てくらいの駐車場、いいものができている。それを購入して設置をして二台、三合置く、こうなったら、いや建築基準法違反だということでオジャンになったという話もマスコミで報道されておりました。これは建築基準法が定めている基準に合ってないからだめだということだけで事を済ませるのではなくて、どうやって駐車場を確保させるかということを各省庁間で連携をとって、それこそ知恵を絞り合うべきでしょう、需要と供給の関係からいくと。取り締まりは厳しくやってもらわなければいかぬけれども車庫をつくることも積極的に整合性を持ってやってもらわなければいかぬ。  あるいは、大蔵省も見えておると思うのですが、大蔵省はそういう公共団体がつくる車庫の設置などについてはもっと積極的に援助ができるように、それが地方交付税なら地方交付税の中にきちっと位置づけてやれるとか、そういうこともあわせて財源の裏づけもやはり積極的に図ってあげる、車社会と言っているんですから。そういうこ とを総体的にそれぞれちょっと答えてくれますか。時間がありませんから、簡単にひとつ要領よく答えてください。
  76. 島崎勉

    ○島崎説明員 駐車場の建設に関します建築基準法の扱いでございますが、都市計画に決めております住居系の地域におきまして、これは第一種住専、第二種住専、住居地域とございますが、その地域におきましては規模等の一定制限がされておりまして、具体的には建築物の延べ面積の三分の一までが駐車場でつくれるというふうになってございます。  なお、住宅地域に単独で駐車場をつくる場合におきましては、やはり住居地域の環境の確保というような問題もございまして単独駐車場につきます制限がございますが、それに対しましては、特に周辺の環境等に配慮をいたしまして都道府県知事とか市町村長さんが個々に認めていくという制度がございます。そのような制度を積極的に活用してまいりたいというふうに存じております。
  77. 林正和

    ○林説明員 先生指摘の地方公共団体等の駐車場整備に対する助成措置といたしましては、御案内のとおり、四十八年度以来、有料道路整備貸付事業といたしまして無利子資金の貸し付けを行っております。近年では、費用のかかる大規模な駐車場等に対しましては貸付率を引き上げるなど充実を図ってきております。また、御案内のとおり、六十二年度からいわゆるNTTのA事業といたしまして、地方道路公社が実施いたします駐車場整備について無利子の貸付制度を創設するなど、助成措置の拡充に努めてきております。  今後とも、駐車場問題の重要性を十分認識いたしまして、官民一体となった連携を図りつつ、駐車場の整備に適切に対処していきたいと考えております。
  78. 永井孝信

    ○永井委員 大蔵省、貸付制度もいいけれども、貸し付けじゃなくて、もっとそのまま助成してもらえるようなことも含めて、車庫の拡充のために一層の努力をしてもらいたいと思いますが、そのことだけもう一回答えてくれますか。
  79. 林正和

    ○林説明員 駐車場に対します助成制度のあり方等につきましては、私ども従来からこれは本来貸付制度ということでやってきたわけでございますが、先ほども申し上げましたように、駐車場問題の重要性にかんがみまして、これから関係省ともよく相談をして適切に対応していきたいと思っております。
  80. 永井孝信

    ○永井委員 走って恐縮ですが、次に行きたいと思います。  今道路上に随分有料のパーキングをつくりましたね。あれは警察庁が所管をするのか、道路の管理者である建設省が所管するのか、どちらですか。
  81. 関根謙一

    関根政府委員 道路交通法の四十九条の規定によりますパーキングメーター及びパーキングチケット発給設備の設置及び管理は、公安委員会所管でございます。
  82. 永井孝信

    ○永井委員 それは建設省と協議なくして、公安委員会が判断すれば全部設置できるのですか。
  83. 関根謙一

    関根政府委員 道路を占用することになりますので、当然道路管理者と十分に協議した上で設置することとしております。
  84. 永井孝信

    ○永井委員 ここはひとつ自治体にも役割を持ってもらって、どこにそういう路上駐車の駐車帯をつくることがその都市の機能を生かすために必要かどうかということは、自治体に非常に大きな関連がありますから、そういうところは考慮してやられておるのですか。
  85. 関根謙一

    関根政府委員 当該自治体のみならず、付近住民の方々の御意見を十分にいただきまして、必要な箇所に置くこととしております。
  86. 永井孝信

    ○永井委員 これは局長になるのかね、車庫証明、ちょっと私さっき聞き忘れましたのでもう一回聞いておきますが、車の購入時に車庫証明をとるわけですね。では、その車に十年間乗っておるとすれば、十年間は車庫証明の更新手続は今現在ありませんね。そこに車庫飛ばしが横行するわけでしょう。  これは一つの提言ですが、車検と同じように、車検をするときには車庫証明がそのまま生きているかどうか、そこらをひとつ何か対策を講ずるべき余地があるのじゃないですか。これは私の提言ですが、どうですか。
  87. 関根謙一

    関根政府委員 先生指摘のように、現在の車庫証明制度は、自動車の購入時と申しますか、自動車登録ファイル登録する時点一回限りのみ車庫証明を必要とするものでございますから、継続的に確保しているということを保障する仕組みを持っておりません。一回限りということから車庫飛ばしがしやすいということであろうかと存じます。  そこで、今回御提案申し上げております法律案では、シールを張っていただくことでありますとか、その他事後チェック仕組みをいろいろ考えまして、車庫飛ばしがしにくくなるような仕組みというものを考案しているところでございます。  先生提案のように、車検のように定時にチェックするということも一つのあり方かと存じますが、ユーザーの方々の便宜等いろいろ勘案いたしまして、警察の方で随時チェックできるような仕組みを持つということで車庫飛ばしをしにくくするようにしたいという考えでございます。
  88. 永井孝信

    ○永井委員 そこは一工夫も二工夫も考えてみて、車庫飛ばしが不可能になるように、何回も繰り返しますが、車庫を持たざる者は車を持てずという思想をきちっと貫けるように対応してもらいたい。これは要望しておきます。  推進委員という制度がありましたが、これはせんだっての委員会のときにも質問が出されておりましたけれども、推進委員に対する身分と災害補償などがありますね。あるいは公務執行妨害をされる場合がありますから、こういう場合の補償というものは、もう一回確認しておきたいと思うのですが、どうでございますか。
  89. 関根謙一

    関根政府委員 地域交通安全活動推進委員は特別職の公務員ということで、地方公務員災害補償法の規定によりまして、条例で定めるところにより、公務災害等を受けた場合の補償を受けられるようにするという考えでございます。
  90. 永井孝信

    ○永井委員 ついでのことに、推進委員の活動について、例えば点字ブロックの上に自転車を放置されておるとか物が置かれてしまっておるとかいうことで、実際の意図と実効が整合性を持っていないという事例が余りにも多うございますから、そういう道路の環境整備に関する活動を推進委員の任務とするようにできないか、一言で答えてください。
  91. 関根謙一

    関根政府委員 まさにそのような仕事をしていただくということで、法律でその旨定めることとしてございます。
  92. 永井孝信

    ○永井委員 次に、直接この道交法改正に関連するわけではないのですが、時間がなくなったから詳しくは聞きませんけれども一つだけどうしても聞いておきたい。  交通事故に非常に大きな影響を持っている白トラ、白ナンバーのトラックですね。とりわけその中に土砂運搬の――この間、江東区でしたかどこでしたか、親子がひき逃げされて大変な事件がありましたね。あのときに、どこのテレビだったか忘れましたが、特集番組を組んで、一時間番組をたまたま私は見ていたのです。この土砂の運搬について、ほとんどの土砂の運搬は白ナンバーのダンプカーが運行しておるのですね。いろいろ調べてみました。いわゆるダンプ法という法律があります。土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法、ありますね。この特別措置法と施行規則などを見ますと、あの白ナンバーのダンプはこの法律に基づいて、もちろん届け出して認可を受けるわけですが、その場合に一番問題になっているのはマル販のトラックなんです、販売のマル販。このマル販は何かというと、砂利販売業なんです。本来は砂利や土砂を買い入れて目的地へ持っていって売るのですよ。これが土砂の販売業なんです。砂利販売業なんです。その目的、事業内容でもって運輸省が認可するのです。  ところが、テレビの番組を見ていて、百人中百人がそんな販売したことない、そんなこと一々しておられぬ、ですから、実質は運搬代をもらって輸送しているのです。一般の運送ダンプと同じなんですね。青ナンバーと一緒なんです。ところが、現実は白ナンバーでまかり通っている。こういうものですら法律に定めたとおりに規制ができてないのですよ。だから交通事故というのはなくならないのですね。規制の綱から逃れることばかり、みんなが悪い方で考えてしまうのです。運輸省来ていますか。ちょっと答えてください。
  93. 寺嶋潔

    ○寺嶋政府委員 ダンプカーの使用者が道路運送法の規定に違反しまして無免許営業あるいは無許可の有償運送を行う場合には、当然法違反として厳正に対処しているところでございます。  他方、一人で車を一台持つというような方、これは白ナンバーでやっておられますが、そういう方が本当に運送事業をやりたいという場合には、一人一台というケースは免許は出せませんけれども、これを協同組合あるいは企業組合というようなことで組織化してやっていただければ免許を出すことも可能でありますので、そういう方向で指導も行っておるところであります。
  94. 永井孝信

    ○永井委員 時間が来ましたから、最後にお尋ねしておきたいと思うのですが、今の運輸省の御答弁で私がああそうですかと納得したわけじゃないのです。これは時間をかけて別の機会にやらせてもらいます。これだけでも一時間かけても足らぬくらいの問題がありますから、やらせてもらいます。  大臣にも長官にもそれぞれ今御質問申し上げてきたのですが、第二次交通戦争のエスカレートが心配されている中で、今第五次交通安全施設等整備事業五ヵ年計画の策定が進められています。それが発表されました。ここにその資料を持っていますが、こういうものに対して、この提言を見る限り、ドライバーや一般国民にとって非常に共感を持つものがこの中には多いのですね。これをこの第五次計画の中にどのように生かされるのか、ひとつ基本的な態度としてお聞きしておきたいと思います。  そして、今回の法案が仮に成立したといたしますと、大変な苦労を伴うことでありますけれども、今の経済活動の拡大や、余暇交通が増加してきた、夜間交通が増加してきた、高齢者がふえてきた、交通を取り巻く諸状況が変わってきているわけでありますから、これに対して的確にこの法律が実効を上げるような、そういう立場で、ひとつ悪質者にどんどん厳しくやる。この間も見ましたけれども、レッカー車で移動している、私はたまたま高島屋のところで見ていたのです。レッカー車ですっと行ったら、それを待っておって、移動したその跡へずっと行ってとめるんだから、こういう悪質者もいるわけだから、悪質者は厳しく取り締まる。しかし取り締まりの取り締まりになってはいけない。ここは非常に難しいところですが、ひとつ実効あらしめるようにこの法律の中身をさらに充実する、今もたくさん申し上げてきましたけれども、充実させるということも含めてひとつ対応してもらいたい。最後に大臣と長官それぞれから所感を求めて終わりたいと思います。
  95. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 今いろいろとお話がございました、そのお話の趣旨をよく理解をいたしまして、特に取り締まりの点につきましては先ほども御答弁申し上げましたように、悪質、危険、迷惑という違反に重点を絞りまして取り締まりを徹底していきたいと思います。また、今回の法律はモラルの向上ということを主眼にしておりますが、このモラルの向上が功を奏しますようないろいろな啓発活動等につきましても十分に心してやってまいりたいというふうに考えております。
  96. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 今後の車社会のあり方を考えるときに、これはもう本当に全国民的な御協力、御支援がなければこの法の実効は期されないと思っております。先ほど来の御論議の展開を踏まえて、私も勉強させていただきましたし、先生方の御協力でできるだけ目張りをして、これが本当に効果ある形の中での第一歩になってほしいということを心からお願い申し上げます。
  97. 永井孝信

    ○永井委員 終わります。     〔鴻池委員長代理退席、委員長着席〕
  98. 権藤恒夫

    権藤委員長 次に、北川昌典君。
  99. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 私は、法案の質疑に入る前に、先般六月七日に三宅島沖で起きました漁船の衝突事故につきまして触れて、お礼とまた今後のお願いを申し上げたいと思うところでございます。  六月七日の午後一時二十五分ですか、宮崎県南郷町、私の地元でございますけれども、この外浦漁協所属の第八優元丸五十九トンが三宅島沖でノルウェーの船籍を持つ貨物船一万九百八十六トンと衝突いたしました。乗組員十五名中四名は救助されたわけでございますけれども、あと十一名が行方不明になっております。  事故発生と同時に海上保安庁を初めそれぞれの皆さん方の必死の捜索活動をいただいてきたところでございますが、残念ながら行方不明者十一名全員が発見されないまま昨日で捜索は打ち切られた、こういう報道を聞いたところでございますが、海上保安庁の巡視船の皆さん方には、六日間昼夜を問わぬ捜索活動で大変御尽力いただきまして心から感謝を申し上げたいと思うところでございます。  そこで、若干御質問とお願いを申し上げたいと思うのですけれども、行方不明者は今後全く見込みがないと断定されたのかどうか。それと、七日以来きょうまで大変御苦労をいただいたわけでございますけれども、捜索状況とその経過についてお聞かせいただきたいと思うところでございます。さらに、衝突原因が、海上衝突予防法に定められておる見張りを怠っておった、そして自動操舵でそのまま直進して衝突したという報道記事も見たわけでございますけれども、そういった原因等につきましてもお知らせいただきたいと思います。
  100. 野崎敦夫

    ○野崎説明員 お答えいたします。  先生のお話しになりました漁船第八優元丸とノルウェー船のノーパル・チェリー号の衝突事件でございます。  まず、事件の発生は先生お話しのとおりでございます。私ども海上保安庁といたしまして、遭難通信を受信いたしました後、直ちに羽田の特別救難隊をヘリコプターで現地へ空輸いたしまして、助かっております四名のうち一名をヘリコプターでつり上げまして三宅島経由で羽田まで緊急移送しております。また、本日まで、延べ巡視船三十四隻、航空機二十二機等々で捜索いたしましたけれども、手がかりもなく、昨日で専従捜索を打ち切ったということでございまして、きょう以降はまた一般的な捜索を引き続き続けさせていただきたいと思っております。  それから、事故原因でございますが、新聞等で報道されておりますような点もございます。現在、私どもの下田海上保安部というところを中心にノーパル・チェリー号の船体の実況見分、あるいは、第八優元丸のブリッジ、船橋の部分が自衛隊の船で運ばれて横須賀にございますので、それに対する実況見分を行っております。また、両船の関係者からも適宜事情聴取を行って、鋭意捜査を進めて原因の究明に努めておるというところでございます。  現在までの事情聴取の結果でございますが、先生おっしゃったとおり、両船とも事故当時は自動操舵で航行しておったということでございまして、また両船の当直しておりました人間がお互いにその衝突の時点まで相手船に気づかなかったということのようでございますけれども、なお詳細については捜査を継続して事故原因の究明を図っていく所存でございます。  以上でございます。
  101. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 今結論がまだ出ていないようでございますので、問題の結論を出すために鋭意頑張っていただきたいと同時に、捜索活動も業務を兼ねてひとつぜひあきらめずに続けていただくことをお願いいたしておきたいと思います。  それと、特にカツオの一本釣り漁船、近海マグロ漁船、これらはフィリピン沖とか太平洋にかな り出ておるわけでございまして、宮崎県、高知県、大分県、三重県、和歌山県、静岡県、こういった各県から漁船が出漁しておるわけですけれども、そういう広い海で、しかも大変なぎであったと聞いております。そういう条件の中でこういった事故が起きたということは大変驚きでもございますけれども、こういった事故が再発しないようにひとつ各県、漁協に対してあるいはまた漁船に対して海上保安庁からも注意を喚起していただくようにお願いを申し上げたいと思うのですが、その点どのような対策を今後おとりになるのでしょうか。
  102. 野崎敦夫

    ○野崎説明員 当庁といたしましては、漁船を含めまして日本船に対しましては十分事故対策を日ごろから尽くしておるつもりでございまして、例えば海上保安官が港に赴きまして、停泊中の船を訪れまして諸般の指導を行う、あるいは海難防止の講習を地元の漁業協同組合等を通じて船主あるいは乗組員の方に周知徹底を図るというようなことで十分日ごろからやっております。また、それに加えまして、交通環境の事前の通報ということで水路通報あるいは航行警報、それからまた海図あるいは水路誌を常に新しくして周知徹底するというようなことを通じまして、全般的に船の安全ということを努力しているつもりでございます。今回の事件を契機にいたしましてさらにその徹底を図り、事故防止に万全を期していきたいという考えでございます。
  103. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 そのことをまたぜひお願いしておきたいと思います。  今後の補償の問題等が当然出てくるわけでございます。若い乗組員で十五歳、そしてほとんどが一家の柱である壮年の乗組員であったわけで、一家の柱を失った方々は大変悲しみに暮れておるわけですけれども、この補償問題になりますと、公海上の問題でもございますし、あるいはまた外国船籍ということで、今後大変難しい問題にぶち当たっていくのではないか、このように考えるわけでございます。したがって、一漁協とか一船主、こういったことでなかなか交渉等が進展するものではないと思うわけで、そういう段階でぜひ国のお力添え、御協力が必要だと思うのですけれども、きょうはその関係者はどなたもお見えになっておりませんので、海上保安庁の方からそういった問題につきましても国の関係機関にぜひひとつ協力要請をしていただくことをお願いしておきたいと思います。  それで、法案につきましてお尋ねいたしたいと思いますけれども、まず、今回出されております道交法車庫法の二つの改正案ですが、この法律案はお互いに連動して今問題になっております道路の渋滞、駐車違反、これらを緩和させて道路交通の円滑化に大きな効果が上がるものとお考えになっておるのかどうか、お聞きしたいと思います。
  104. 関根謙一

    関根政府委員 今回の法律案法律となりました場合には、この適切な運用とともに、あわせて先日の交通対策本部の申し合わせに見られますような、駐車場の整備等駐車スペースの拡大につきまして関係省庁と連携をとった総合的な施策を講じていくことを含めまして、それらの施策により違法駐車の大幅な減少に結びつくものと確信をしております。
  105. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 今のこの二つの法律だけではなかなか解消できない問題だと私は思っておるわけですが、今お話のありました交通対策本部申し合わせですか、この中に「違法駐車の防止、保管場所確保義務の履行の確保その他違法駐車対策の充実を図るための法改正について検討する。」この二法以外に法律改正について検討する、こういうことがうたってあるわけでございますけれども、これはどういった法律考えておられるのか、また、そのことについては既に検討されておるのか、お尋ねいたしたいと思います。
  106. 関根謙一

    関根政府委員 私ども、交通対策本部の直接の責任を持つ役所ではございませんので、お答えするのが適当かどうか疑問もございますが、この法改正のところは私どもの所管でございますので、お答えをさせていただきたいと存じます。  このことしの五月二十八日の交通対策本部の申し合わせに「違法駐車の防止、保管場所確保義務の履行の確保その他違法駐車対策の充実を図るための法改正について検討する。」と定められております法改正は、今回御提案を申し上げております法律案を指すものと理解をしております。
  107. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 今局長さんのお答えがありましたのは、今出されておる車庫法道交法の二つの法案ですね。そのほかに、違法駐車対策の充実を図るため法の改正をと、別に、ポツになっておるわけですね。したがって、先ほども出ましたが、駐車場の建設、それについては建築基準法等とも関係してくるわけでありまして、そういったものが検討されて、そういうものが連動して初めて駐車違反を解消していく、完全とは言いませんけれども緩和していくことができる、こういうふうに私は理解しておったものですから、今後、今検討されておる法律についてもやはり早急に改正されて効果が上がるようなものにしていかなければならない、こういうことでございますけれども、室長がお見えになっていないようですから具体的にはわかりませんが、そこあたりをお聞きしておるところなのです。――それでは、後で結構です、時間がございませんから。  次に、道交法の中で今回罰金とか反則金の引き上げがかなり大幅な引き上げとして盛り込まれているわけでございます。過去におきましても駐車違反等に対する罰金、反則金の大幅な引き上げが行われてきたわけですけれども、この引き上げによって交通の円滑化とかあるいは死亡事故を減らすとか、こういった効果がどのように上がってきたというふうに把握されておるのか。
  108. 関根謙一

    関根政府委員 罰金、反則金の額の引き上げは違反に対する抑止力が強化されるということでございますので、それによりまして交通違反が減少し、交通の円滑化や事故防止に効果があるものと判断をしております。ただ、定量的にどのくらいの効果があったかということにつきましての数字は持ち合わせておりません。
  109. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 先般、東京都内における違法駐車の実態を調査されたと思うのですけれども、この点についてちょっと御報告をいただきたいと思います。
  110. 関根謙一

    関根政府委員 四月二十五日に、東京都内の四・五メートル以上の道路につきまして、午後二時から三時ぐらいまでの間だったと思いますが、路上に駐車している自動車を全部数えたわけでございます。その結果、都下全域で約二十三万台ほどの駐車台数があり、そのうちの約二十万台ほどが違法駐車であったということでございます。二十三区内では約二十万台の駐車台数があり、そのうちの十八万台ほどが違法駐車であったということでございます。
  111. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 このように減少するどころかふえているという実態、これが本当に大変問題になっておるところでございますから、やはり何としても違法駐車は減少させていかなければならないと思うのです。ただ、こうした人に迷惑をかけておる分について、罰則を科することはこれは当然のことだと思いますけれども、反則金とか罰金の引き上げによって経済的な罰則を与えるということが果たして効果が上がるのかどうか。例えば事業主が、従業員が駐車違反を若干しても、そのお金は会社から出してやるからひとつ仕事の方に精を出せ、こういうことで本人自身は余り身に感じないわけなのです。そういった例もありましょうし、金で済むことならという気持ちがやはり国民の中にはあるのじゃないかと思うのです。  そういう意味では、むしろ運転ができなくなるような、減点する点数の引き上げがむしろ本人にとっては大きな打撃というか、気持ちとして悪いことをした、これを繰り返してはいけないなという気持ちになるのではないかと思うのです。いわゆるそういう意識づけというものは、金ではなくて、自分が今持っておる権利に与えることではないかと思うのですけれども、そこらあたりはどのように判断をされておるのか。  例えば西ドイツの場合は、もちろん罰金があるわけですけれども、罰金は、違反をしたから罰金という思想ではなくて、走行環境を悪くしたことによって経済的損失を人々に与えた、それを償うために払うのだ、いわゆる人に迷惑をかけたから私はこれを償うのだという気持ちで罰金を納めるらしいのですけれども、今日本のドライバーの場合はそこまでいってないと私は思うのです。したがって、そういった面で、科し方の問題についてどうお考えになるのかお聞かせいただきたいと思います。
  112. 関根謙一

    関根政府委員 道路交通法に定める罰金は刑罰でございますので、その行為をした者の過去の行為の責任を問うという形のものでございまして、経済的損失を与えたことに対する償いという性格は持っておりません。  それから、点数のことでございますが、確かに運転者に対しまして罰金を科するということだけでは、肩がわりをする人も出てくるということで、必ずしも十分な効果を持つことでないということから、現行法でもあわせて運転免許の行政処分を行うための基礎点数ということで、将来安全に車を管理し運転することができないおそれがあるということの判断基準として点数をつけるということが行われております。今回の改正をお願いしております放置行為につきまして、この法律をお認めいただければ、政令の段階でございますけれども、放置行為につきまして通常の駐車違反に比較して高い点数にするようなことも現在検討しているところでございます。
  113. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 いずれにしましても、モラルの問題として運転者が自覚するような方法も、罰則だけでなくて十分考えていただくことが必要だと思うのです。  それと同時に、反則金は交通安全施設の方に充当されておるわけでございますけれども、今回の改正の目的からいきますならば、従来の使途に加えまして公共駐車場の財源に使うとか、あるいは公共交通の整備に使うとか、こういったところに充てるべき筋合いのものになるのではないか。そういうことで、受け皿としての駐車場の整備がなされていくべきではないか、このように考えますけれども、その点どうお考えになりましょうか。
  114. 関根謙一

    関根政府委員 現在、反則金は交通安全対策特別交付金として全国の都道府県、都道府県公安委員会及び市町村に配分をされておるところでございますが、その使途は法律、政令で定められておりまして、信号機、道路標識、道路標示、歩道、街灯等の交通安全施設等の整備に用いられているところでございます。この反則金自体、全額七百億程度でございまして、これが全国に配られるものでございますから、それぞれの団体で受ける額は余り大きい額ではございません。そこで、現在このような交通安全施設等に充当するだけでも必ずしも十分ではないわけでございまして、その上にさらに駐車場の整備等に充てるということになりますとかなり膨大な額が必要になってこようかと存じます。そういうことで、当面は難しいことではないかと考えております。
  115. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 それから、法の七十五条の七号で「放置行為」という言葉があるわけですけれども、これはどういう状態なのか、教えていただきたいと思います。
  116. 関根謙一

    関根政府委員 放置行為は、五十一条の三というところで定義がしてございますが、「車両の運転者が車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為」で、駐車違反に該当するものというほどの意味でございます。
  117. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 この放置行為を繰り返した場合には使用者の方に責任が来てその車の使用をしばらく禁止する、こういうことになっているようでございますけれども、この放置行為が繰り返されるというのはどこで把握されるのか。先ほど東京都の駐車違反二十万四千、わずか二時間の間で、びっくりするほどの数字でございますけれども、こうした違反者の中で放置行為を繰り返すということになれば、何回ほど繰り返したときに初めてそういう適用がされるのか、そこらあたりをちょっと教えていただきたい。現実にそういったものを把握し切れるのかどうかですね。
  118. 関根謙一

    関根政府委員 放置行為に対しまして一定法律効果を与えておりますが、それは警察において認知をしたものに限られるわけでございます。そこで、駐車違反標章を張りつけた放置車両、それからレッカー車で移動をした放置車両等が法律効果の対象となる放置車両ということでございます。これらは警察の方で認知したものでございますから、これをコンピューターなどを活用いたしまして自動車使用の本拠の位置を管轄する都道府県警察において一元的に管理をすることができるようにしたい、こういう考えでございます。
  119. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 放置車によるところの死亡事故も何遍か報道されたこともございますし、特に事業車、営業車がこういう状態が多いと思いますので、そこらあたり十分な取り締まりと、罰則を与えることが目的じゃないわけでございますから、やはりこういうことが繰り返されないような指導というものを徹底して、また取り締まりというものをしていただくこともお願いしておきたいと思うのです。  次に、保管場所法に関連するわけでございますけれども、適用地以外は法の適用を受けないということになるわけですね。仮に、先ほども出ましたが、二キロの範囲の中で知り合いがおってそこて車庫の名義だけ借りる、実質は自分の家に車を置いて、路上に放置はしないが自分の軒下に置くとかいうことも考えられるわけでございます。そういったいわゆる抜け道というものが当然出てくるだろうと思うのですけれども、そこらあたりはどのように今後考えておられるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
  120. 関根謙一

    関根政府委員 道路上の場所車庫がわりに使うという場合の刑罰でございますが、現在は三月以下の懲役三万円以下の罰金でございますが、今回お願いをしております改正法案におきましては、この金額を二十万円以下ということで大幅に引き上げることといたしております。さらに長時間駐車の場合にも、現在三万円以下の罰金でございますが、これを二十万円以下の罰金に改めるということで、道路を車庫がわりにしたりまたは長時間道路に駐車した場合、これは違法駐車、駐車禁止場所でない場所でそういう駐車をした場合にもそういう重い罪に問われるということでございますから、このような仕組みを適切に運用することによりまして、そのような道路上の場所車庫がわりに使うということが大きく減少することとなるものと期待をしているところでございます。
  121. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 実質的に車庫法、まあ以前からあるわけでございますけれども車庫法によってきちんと縛られていきますと、当然のことながら車の台数と必要な駐車場、車庫の面積というものが合わなければならないのですけれども、現実的には合ってない。合ってないから駐車違反がある、こういうことになろうかと思うのですけれども、適用地域内の、東京二十三区内ですか、地域内の今後必要な保管場所の面積、これはどのくらい必要と推定されるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  122. 関根謙一

    関根政府委員 大変難しい御質問でございますが、仮に登録自動車につきまして、普通車ですと大体長さ五メートル、幅一八メートルくらい一の面積が一台について必要でございます。これを全部平面で二百三十万台ほどの普通自動車に当てますと、これが二十一平方キロぐらいになります。軽自動車の場合には三・五メートル、一・五メートルくらいの面積ということで計算をいたしますと、二十六万台ほどでございますから、まあ一・四平方キロくらいということで、両方で二十二平方キロくらいということになろうかと思います。ただこれは立体化されたりいろいろ条件がございますから、全くの観念的な数字でございます。
  123. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 観念的な数字であっても目安にはなると思うのですけれども、こうした必要な駐車場に対して、現在どのくらい東京二十三区内には駐車できる面積があるのか、お調べになっていますか。
  124. 関根謙一

    関根政府委員 現在どのくらいあるか、残念ながら私ども把握しておりません。
  125. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 これだけの面積が要るわけなんですけれども、実際それだけ確保されていないということが駐車違反につながっておるわけでございまして、当然のことながら、これからの問題としては駐車場を造成していくということが一方では大切なことではないか、大事なことではないか。駐車違反を減らす一つの方法だと思うのです。特に三十七年から約九倍に車の保有台数はふえておる、こういう数字が出ておりますけれども、それに比べて駐車場の建設、整備というものが大変おくれておることも言われております。そのことが駐車違反の大きな原因となっておるわけです。今後駐車場の整備というものが大変急がれるわけですけれども、この対策についてはどのような計画をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思うのです。
  126. 安達常太郎

    ○安達説明員 お答えいたします。  自動車駐車場の整備の問題でございますけれども先生指摘のとおり、道路交通の円滑化を図るとともに都市における中心市街地の活性化を図る上で極めて重要な課題でおると認識しております。  これらの整備に当たりましては従来から公共と民間の役割の分担のもとに進めてきておりまして、これまでに整備されております時間貸し駐車場にありましては、全体の約八割が民間により整備されているのが実情でございます。しかしながら、近年、都市部の地価の高騰等によりまして民間による駐車場の整備の進展に陰りが見られるために、公共による整備の重要性も高まっているというふうに認識しております。このため、駐車問題が深刻化している都市におきましては、今後とも駐車場整備計画の策定を推進し、これに基づき整備を積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。  また、有料道路整備資金あるいはNTT株式の売却収入を活用した無利子貸付制度等の助成策の活用によりまして、民間によるものも含め、市民に広く利用される公共駐車場の計画的な整備を推進してまいりたいというふうに考えております。  また、一昨日、六月十一日付で附置義務基準の見直しを通達いたしたところでございます。これは、標準駐車場条例の改正を各都道府県、政令指定都市に対しまして通達したところでございまして、これをもとに附置義務駐車施設の整備を進めてまいりたいと考えております。  またさらに、沿道土地利用等により、路外駐車場のみでは対応できない短時間の駐車需要も多く存在することから、これらの駐車需要の対応についても重要な課題として検討してまいりたいというふうに考えております。
  127. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 都心部の駐車違反を減らすためには、何といいましても都心部に入ってくる車を規制するといいますか、入れないような状況をつくっていくことも一つの方法ではないかと思うのです。ただ入れないというだけではいけませんので、都心に入る主要道路の入り口の周辺に、かなり郊外になると思いますから、郊外のところに広い駐車場をつくって、そこを一つのプールにして、そこから公共交通、いわゆるバスで輸送していく、こういうことをしていかないとなかなか車の入りを防ぐことはできないと思うのですけれども、そういった考え方はないのか。これはただ、幹線道だけでなくて主要道路を中心にした、かなりの広い面積が要ると思うのですけれども、そういったことによる流入規制というものは考えられないのか、お尋ねしたいと思うのです。
  128. 三谷浩

    ○三谷政府委員 それでは、施設の面で建設省側の説明をちょっとさせていただきますが、幾つかの方法があろうかと思います。  一つは、パーク・アンド・ライド方式ということで、鉄道駅などの周辺に駐車場を設けまして、自家用車による都心内への乗り入れ交通を公共交通機関に転換を図ろう、こういうシステムでございます。  パーク・アンド・ライド駐車場は駅周辺部の遊休地を暫定的に利用しているものが多いわけでございます。民間主体に整備をされております。ただ、利用形態から高い回転率が見込まれず、収益性についてもいろいろ問題がありまして、こういう民間による駐車場というのは他に転用されることも多いわけでございます。したがいまして、郊外部の鉄道駅あるいは交通機関等に近接をしました計画的な計画公共駐車場を整備することが必要でございます。私どもは、パーク・アンド・ライド用の駐車場につきましては、有料道路整備資金で無利子貸付制度を設けて実施しておりますが、特に普通の駐車場より貸付率を増しております。  それから、これに類似のシステムでございますけれども大都市近郊の高速道路沿線でバスストップ、ターミナルビル、それから駐車場等というものを一体的に整備をいたしまして、高速道路と鉄道を有機的に活用するシステム、私どもロード・アンド・レール事業と呼んでおりますけれども、これにつきまして現在関係機関と協議を進めて、駐車場の一体的整備について具体的な箇所で協議を進めております。  いずれにいたしましても、このパーク・アンド・ライドあるいはロード・アンド・レール事業、こういうものについて積極的に整備を進めてまいりたいと思っております。
  129. 関根謙一

    関根政府委員 パーク・アンド・ライド方式が有効に機能するためには、公共輸送機関が定時、定速に運行することが必要でございます。私どもといたしましては、バスレーン等における違法駐車の排除等、バスその他の公共輸送機関が定時、定速に運行できるように規制、取り締まりに努力をしているところでございます。
  130. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 こういった問題については、ただ建設省とか警察庁運輸省だけではなかなか進まないと思うのです。特にこういったものについては自治体が参加をしていくということが大変重要ではないかと思うのですね。今のシステムからいきますと、交通機関そのものは運輸省、それから道路整備は建設省、さらに交通規制は警察庁、こういう三つに分割をされておりまして、それぞれ縦割りの中で進められておるわけですけれども、こういった三つの省、関係機関が十分連携をとりながら進められていくとするならば事業もかなり進んでいくと思うのですが、そこあたり、非常に残念ながらまだまだそこまでお互いの連携というものが保たれていないというふうに私は思うわけであります。  そういう中で、ひとつぜひ自治体もこの中に参加をして、自治体の持つ一つの分野をそういう協議会の中とか連携の中でつくっていく、自治体参加というものが今必要である。そうでないと、なかなか駐車場の問題等については進んでいかないのではないか、このように思うわけですけれども、この点について、自治大臣は自治体の役割というものについてどうお考えになっているのか。
  131. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 確かに、今取り締まるだけで解決できるわけじゃありませんし、駐車場の施設対応についても今建設省、それぞれ知恵を働かせて協力しておるわけでございます。もちろん地方自治体も、こういった形で公営駐車場なりあるいは道路利用に当たって道路管理者である建設省とよく、それも早く相談をして結果を得るというような形でやっていかなければならぬということは当然であろうと思っております。  しかし、今日ほど各関係省庁がこういった今日状態の駐車公害を何とかして解決しなければならぬという気持ちで一体的に燃えておる時期はありませんので、この機会に関係省庁、自治体を含めてこの問題の解決の糸口、突破口、何としても早く解決の方向に向かって努力しなければならぬということで頑張ろうと思っております。
  132. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 そういった点では自治体の役割というものも大きい。ただ、自治体の場合は財政的には大変苦しいわけでございまして、そういった財政に対する国からの援助もぜひ必要だと思うのですけれども、これは、この法案にある東京と大阪だけではなくて、全国的な問題としてひとつ取り上げていただきたいと思います。  さらに、車にかかわる経費としては、ユーザーは自動車取得税がかかりますけれども、車をつくる側の会社の方は法人税しか大体かかってこない。こういうことで、車が売れていくから駐車違反も出てくるということになるわけでございますから、やはりごみと同じで、今ごみ戦争が始まっておりますけれども、同じように、車もつくらなければ問題は起きてこないわけです。つくって売る、買う、そのことによってふえていって駐車違反が起きるということですから、つくる側にも一つの責任を持ってもらわなければならない問題だとも思うのですね。したがって、駐車場等につきましては生産をする企業側からも積極的に、第三セクターでも結構ですが、参加をしていただく、こういった道を開くようなお考えはないのか。これは自治大臣の方でしょうか。
  133. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 確かに車社会が麻痺状態であるという現状、そしてこれを打開するという形の問題点、これは売る側もつくる側も利用する側も、またそれで利便を受ける全体も含めて大変大事なことでございます。ですから、これからそういった形の基礎的な問題を解決していくためにも、いわゆる利用者だけではなくて、ドライバーだけじゃなくて、今後はそういった目的意識に燃えてメーカーやディーラーももちろん地域的に協力してほしいし、そして民間の駐車場施設等々の建設に当たりましてもそれらの皆さんの本当の御協力も必要だなと思っております。これは、こうしなきゃだめだと法で強制していくわけにはまいりませんけれども、そういった形の意識に燃えて、ひとつそういった施設をつくっていく面においても協力していただくという形は、今先生の御提案あったような、第三セクターあたりを想定しての御質問であろうかと思いますけれども、そういったときにも御協力が願えれば大変ありがたいと思います。
  134. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 次に、推進委員制度についてお尋ねいたしたいと思いますけれども、まず身分と権限についてどのように考えておられるのか。
  135. 関根謙一

    関根政府委員 地域交通安全活動推進委員の身分は、非常勤の特別職の地方公務員に該当するものと考えております。  それから、権限というものは特別に考えておりませんで、一般の人が行うことができる範囲内で、自動車の駐車の問題あるいは道路の利用の仕方の問題について地域の住民の方々理解を深めるための運動の推進役をお願いしたい、このように考えているところでございます。
  136. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 活動としては、例えば駐車違反がありますね、あるいは車庫法違反がありますね、そういったものを摘発するといいますか通報するというような活動ではないのですか。
  137. 関根謙一

    関根政府委員 そのようなものではございませんで、地域住民の方々にチラシを配っていただいたりポスターの掲出を行う等、とにかく地域の住民の方々に道路の適正な利用の仕方について理解を深めていただくような、そういう活動の推進役をお願いするという考えでございます。
  138. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 そうしますと、ある程度専門的な知識を持っておることになるわけでしょうか。また、年齢的にはどのくらいの年齢層を考えておられるのか。
  139. 関根謙一

    関根政府委員 この法律案の百十四条の五というところにございますが、地域における交通の状況について知識を持っておられる方でありまして、そして次の四つの条件、つまり、「人格及び行動について、社会的信望を有すること。」「職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。」「生活が安定していること。」「健康で活動力を有すること。」こういう要件を満たしておられる方にお願いしたいと考えております。健康で活動力さえあれば、特に年齢というものは考えておりません。
  140. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 今でも交通安全協会の中に、あるいはまた自治体独自で交通指導員というのがございますが、こういった人たちも同じようなボランティアで活動されておるわけなんです。それとは別にということのようでございますけれども、そういう立場になりますと、どうしても権限を振り回したくなる。したがって、駐車違反なり車庫法違反、あの人は車庫を持っていない、こういうようなことで、密告といいますか通報をするという状況ができる、そういうことになりかねない部分があると思うのです。そうなりますと、今度は地域の人との人間関係が悪くなる。今までも例があったものですから、そこらあたりの運営の仕方といったものについてひとつお聞かせをいただきたい。
  141. 関根謙一

    関根政府委員 地域交通安全活動推進委員の方方は、公安委員会が定める区域ごとに地域交通安全活動推進委員協議会というものをつくっていただきまして、その協議会の中で活動方針を定めたり担当区域を定めたりということをしていただくことを考えております。そして、この方々につきましては、都道府県ごとに現在都道府県道路使用適正化センターというものがございますが、ここで地域交通安全活動推進委員についての研修を行うこと等を期待しているところでございます。そのような趣旨で、この法律案の百十四条の六、百十四条の八にただいま申し上げましたような趣旨の規定が置かれているところでございます。
  142. 北川昌典

    ○北川(昌)委員 ひとつ、こうした運営が、地域に本当に親しまれて、交通関係のルールがしっかりと地域に根差すような、そういった人選等もぜひ各公安委員会にお願いすることが大事だと思いますので、お願いしておきたいと思います。  最後になりますけれども、私は大体地方のことしか交通問題等については念頭にありませんが、大都市の問題については大変だなというふうに感じましたし、したがって、実感としてどういったところに問題があるということもまだ十分把握できていないわけでありますけれども、やはりこういう大都市と地方都市とに大きく差があるということではだめなのです。地方都市でありましても、東京と同じように狭い面積の中で車は人口に比例してふえておるわけでありますから、東京と同じようなあるいは大阪と同じような交通渋滞、駐車違反の状況もございます。それは厚い薄いの差はございますけれども、これからさらに地方都市にもそういう状況がどんどん出てくることはもう間違いないと思いますし、国全体の問題としてこの交通問題は今後十分研究し、検討を加えていただかなければならない大きな問題だと思っております。  そこで、交通問題については総合的に考えていく。老人の問題あるいは教育の問題、そして実際に車を運行されている運送関係皆さん、そういう関係者の問題等もひっくるめた総合的なこれからの計画を出していただいて、本当に過密化した状況が少しでも緩和されていくような交通体制をつくっていただくことをお願いしておきたいと思います。  以上で終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
  143. 権藤恒夫

    権藤委員長 午後零時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十四分休憩      ――――◇―――――     午後零時三十分開議
  144. 権藤恒夫

    権藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。辻第一君。
  145. 辻第一

    ○辻(第)委員 今度の法案審議に当たって、私は改めて我が国が大変な車社会、自動車列島とも言えるような状態、四輪の自動車で五千五百万台、運転免許者数が二輪も含めて五千九百万人というような状態、そして自動車が我が国の産業経済やあるいはまた社会生活に本当に大きな影響、役割を持っているということ、その中で第二次の交通戦争と言われるような交通事故の問題、あるいは渋滞などの都市機能の麻痺の問題、あるいは大気汚染や騒音などの環境問題、深刻な問題を引き起こしておる。そして、交通対策や都市対策ということは言うに及ばず、車社会、モータリゼーションについて改めて基本的に見詰め直す、考え 直す、そういうような重要な時期に来ているのではないか、このように思っております。さらには、豊かな日本と言われておりますけれども、その中で土地、住宅問題あるいは労働時間の問題等、あわせて新しい貧しさというものを感じているところでございます。  そこで、まず大臣にお尋ねをいたします。  一つは、今度の道交法改正、いわゆる車庫法改正の主な目的について、もう一つは、このような改正をされるに至った背景といいましょうか原因といいましょうか、それについて御所見を伺います。
  146. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 今日の状態は第二次交通戦争という形で、死者も増加傾向の基調がとまっておりません。数字を申し上げるまでもなく、昨年はもう一方一千人を突破しました。ことしも引き続き増加基調にあるということは、もうまさに大変な事態だと思っております。特に、大都市における交通の、いわゆる駐車公害を含めてのこの渋滞ぶりというのは、我々が目指した車社会とは別な方向に走って、このままでは窒息しかねない、こういった体制をこのままにして、行政の対応がおくれてきたという原因もございますけれども、今日の状態を今やらなければこの車社会はだめになってしまうという危機感に立って、今度の法案をお願いしているわけでございます。  そういったことで、何とかして崩壊寸前とも言える状態を脱したい、そのためには行政機能も一体的にこの問題に取り組む、そして利用される皆さん方の御理解、御協力も得ながら何とか法案の実効を上げたいと思っておるわけでございます。
  147. 辻第一

    ○辻(第)委員 今の大臣の御所見の中にもありましたが、端的に申しますと、車がふえにふえたということ、それに対して駐車場の整備でありますとか道路の整備、このような行政の対応が追いつかなかったということではないのかな、このように思います。  そこでお尋ねをいたしますが、四輪自動車全体、そしてもう一つ軽自動車、この二つについて、一九七四年、七九年、八四年、八九年ですね、五年ごとの台数を教えていただきたいと思います。
  148. 関根謙一

    関根政府委員 一九七四年の自動車台数は、登録自動車軽自動車の合計数でございますが、二千七百万台余りでございます。そのうち軽自動車が六百万台ほどでございます。  それから五年後の一九七九年、昭和五十四年でございますが、合計数は三千六百四十万台ほどでございます。そのうち軽自動車は六百二十万台余りでございます。登録自動車が三千万台ほどでございます。  それからまた五年後の昭和五十九年、一九八四年でございますが、合計数が四千四百五十万台ほどでございます。そのうち軽自動車が九百九十八万台で約一千万台くらいでございます。登録自動車が三千四百五十万台ほどでございます。  それから平成元年、一九八九年でございますが、合計数が五千五百万台余りで、そのうち登録自動車が四千九十万台ほどでございます。それから軽自動車が千四百三十万台余り、こういう数字でございます。
  149. 辻第一

    ○辻(第)委員 大変な自動車の伸びでございます。殊に軽自動車が非常に増加をしているということでございます。  そこで、建設省にお尋ねをいたします。駐車場の現状はいかがですか。それから、駐車場の対策と目標についてお伺いをいたします。
  150. 安達常太郎

    ○安達説明員 お答えいたします。  駐車場整備の現況についてのお尋ねでございます。駐車場法に基づきます路外駐車場等につきましてでございますけれども昭和六十三年度末現在、全国で約百四十四万台が供用されております。この数字は十年前の昭和五十三年度末に比べて一・八二倍の増加となっております。  また、駐車場の整備水準でございますけれども、やはり昭和六十三年度末現在、自動車一万台当たりの駐車スペースが二百七十三・三台でございまして、同じく十年前の昭和五十三年度末に比べて約一・一九倍の整備水準となっております。この数字につきましては、いまだ十分な整備水準ではないということは十分認識しているところでございます。  このため、建設省といたしましても、融資制度と税制面での優遇措置中心に駐車場整備に対する助成を行ってきております。具体的に申し上げますと、駐車場の整備に対する融資制度といたしまして無利子融資制度、これが二つございまして、道路整備特別会計からの無利子融資、もう一つ、NTT株式の売却収入の活用による無利子融資がございます。このほかに低利の融資制度といたしまして、民間都市開発推進機構からの低利融資、あるいは道路開発資金からの低利融資等が講ぜられているところでございます。  税制について申し上げますと、地下式の都市計画駐車場等に対しまして、固定資産税や不動産取得税の軽減措置が認められているところでございます。  補助について申し上げますと、再開発事業で整備される駐車場の一部や駐車場案内システムに対しまして補助を行っているところでございます。今後ともこれら助成の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。  駐車場の整備目標についてのお尋ねでございますけれども、駐車場の整備量といいますのは、地域における自動車の保有台数あるいは地域の経済の動向、道路の整備状況等によって異なると考えられますので、今後、地方公共団体が地域ごとに駐車場整備のための計画を作成する中で明らかにされていくものというふうに考えております。なお、国といたしましても、これらを踏まえ、目標となる整備量を明らかにしていくとともに、整備に対する支援措置を講じていきたいというふうに考えております。
  151. 辻第一

    ○辻(第)委員 どうも目標がはっきりしないような感じてした。  再度大臣にお尋ねをするのですが、車がどんどんふえた、ところが駐車場は今十分ではない、将来も、今の地価の状態その他の状況の中から、そう急速に大風に伸びるということもなかなか難しいというような状況であります。そういう状況の中で、今度の法改正は、言うなら取り締まり主導というのでしょうか、そういうことではないかと思います。駐車場の問題を見てみましても、この改正だけで解決しないということが明らかであります。  そこで、本当にこれまでもいろいろ議論がありましたけれども、縦割り行政というようなことも言われました。そういうことを本当に総合的に政府として全力を挙げて対策をとっていただかなければならない。それは、都市交通の問題あるいは公共交通の整備の問題あるいは物流対策あるいは都市機能の分散、一極集中の対応、そういうことが必要ではないか、このように考えるわけでございます。  大臣の御所見を伺いたいと思います。
  152. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 基本的には先生の御指摘のとおりであると思います。今回の法改正だけでとても解決できるなんという思い上がったことは全然思っておりません。かといって、駐車場を確立しなきゃいかぬ、これが急務であるという大変な危機認識を持っております。  ですから、この駐車場対策ももちろん必要で、並行して当然行ってもらわなければなりませんし、また一番基本的に大事なものは、先ほども指摘がございましたけれども、車を持つ者の一つのモラル、コストというものも考えてもらわなければいかぬという問題にもなります。ですから、今駐車場整備計画を並行して各省庁が真剣に取り上げていただいておるわけでありますが、道路の短時間駐車のための利用の促進とか、附置義務、現在もう既にやっていただいておりますけれども、オフィスビル等の附置義務の見直しとか、先ほど来政府委員からもお答えいたしましたけれども、新しい、パーク・アンド・ライドとかロード・アンド・レール方式とか、地方自治体の公営駐車場の付設を努力する等々、あらゆる形で総合対策が 必要でございます。  したがって、縦割り行政と批判される弊害を打破して、これにはもう一体的に取り組まなければならぬという機運にようやくなったというのが現状でございますので、政府の方でも、交通対策本部で、この問題は大都市におけるいわゆる駐車対策を含めて総合的に推進していこうということで一致しておりますので、どうかよろしく御指導のほどをお願いいたします。
  153. 辻第一

    ○辻(第)委員 今大臣は、とにかく何とかやらなくてはならない時期だ、こういうようなお言葉だったと思います。私も、病気に例えるならば非常に重症で、もう緊急の対症療法ということではないか、そういうふうに今度の法案自身について思うわけでございます。ところが現実は、受け皿が乏しいのに取り締まり強化罰則強化ということですね。そういう側面があるように思います。  自動車というのは本当に便利なもので、ドア・ツー・ドアというようなことで、私も議員になってから余り乗らないようにしているのですが、それでもやはり自分で運転して乗るときがあります。便利なものですね。短い時間に何軒も訪問したりするときがあるのですが、そういうときに駐車場がありませんと、あってもどうかなと思うときもあるのですが、つい路上に駐車をするということでございます。そうなると駐車違反ということになるのですが、一般的にそういうケースの人が非常に多いと思うのです。そこで、ルールを守ろうとすれば車に乗れないということになる場合が相当あるのではないか、こういうふうに思います。結局、今度の法律は、違法駐車は許されぬ、また、車庫がなければ車は持てないというようなことでありますので、車には乗れない、あるいは車に乗るなということにも通ずるということでございます。  そこで、総量規制という考え方がございます。ある面ではそのようなねらいがあるのではないか、そのようなお考えに通じているのではないかというふうに思うのですが、いかがでございましょうか。
  154. 関根謙一

    関根政府委員 現在の自動車保管場所確保等に関する法律の制定の趣旨は、第三条に示されておりますように、自動車の保有者は、道路上の場所以外の場所にその自動車保管場所を確保しなければならない旨の定めがございます。これは、自動車の総量は保管場所の数を超えてはならないといったほどの趣旨であろうかと思います。しかしながら、その精神が直ちに総量規制と言われる考え方と同じかどうかはわからないところでございますが、その法の精神はただいま申し上げましたようなところにあろうかと存じます。今回お願いをしております改正案はその法の精神が実質的に確保されるようにいろいろな仕組みを設けさせていただきたいということでございます。  それからもう一点、この法律案法律として制定されそのまま施行されることになりますと自動車に実際に乗れなくなるのではないかとの御疑問でございます。私ども、この法律案を制定していただきました上では、まず規制につきましてもめり張りのある規制ということを考えたいと考えております。その上で取り締まりにつきましても、交通渋滞の原因となる程度の高い順から取り締まりを行うということを考え、こちらの点でもめり張りのある取り締まりということを考えております。ここら辺は先ほど来私どもの長官から御答弁を申し上げておるとおりでございますが、こういったことで、自動車の効用を妨げないように運用面でも工夫をしてまいりたいと存じます。
  155. 辻第一

    ○辻(第)委員 殊に大都市自動車が無限にふえる、これ以上どんどんふえるということになりますとどうにも解決の方法がなくなる。いよいよ都心部が麻痺するな、そうなれば総量の抑制というのですか規制というのですか、そういうことも必要なのかなと私個人は少し思ったりもしているわけでございます。  次に、車庫なしの自動車の台数について警察庁はどのように見ておられるのか、お尋ねいたします。
  156. 関根謙一

    関根政府委員 私ども基本的には大多数の自動車車庫を持っていると確信をいたしております。しかし、中には車庫のない方もあるであろうということを考えております。  そのように考え理由でございますが、ことしの春に東京の団地の周辺道路を対象にして青空駐車の取り締まりを行いましたが、その取り締まり対象となりました方々約三千五百人ほどでございますが、この方々、団地周辺の道路に青空駐車をしていたわけででざいますが、その理由を聞きまして、車庫があるかないか聞いてみたわけでございます。その結果、約二〇%ほどの方が車庫がないということを回答しておりますので、青空駐車をしている人の中のそのくらいの割合の方が車庫を持っていないということを承知しているところでございます。
  157. 辻第一

    ○辻(第)委員 今度の法案、殊に四月に警察庁試案が発表をされる、そういう状況の中で私どもにもいろいろとお話をいただく、あるいは手紙をいただくという機会がありました。  一つは共働きの主婦の方で、子供さんお二人を保育所に預けておられるのですが、その送り迎えをする、そういうことでいよいよ自動車が必要になってきた。主人は別に持っておるのですが、自分も職場を含めて軽自動車が必要なんだ。しかし、どうなるんでしょうというふうな、もちろん車庫が必要なことは当然でありますが、しかし、このごろ車庫がなかなか手に入らないのですね。殊に都市部、狂乱ともいうべき地価の上昇の中で住宅問題は深刻ですが、その上に車庫を持つということはなかなか困難だという状況がふえているわけです。また転勤あるいは転居されて新しい駐車場を求めるということが非常に困難なケースがございます。また最近は、家が持てないために、マイホームに蓄えていたのをあきらめて、せめて自動車で解放感というのですか、そういうものをという人もたくさんおられるようなんですね。そういう方も車庫をお求めになるのに大変な御苦労をいただくということになります。最初に申し上げましたように、生活に直結して自動車が必要だという方がかなりおられるわけでございます。そういう方の中には、お金のある人でもう立派なマイホームに三台くらい入れる駐車場を持っておられる方は主人も息子も娘もみんな持っていけるのに、本当に一般勤労者は車も持てないのかという悩みといいましょうか、そういう話も聞くわけでございます。そういう状況の中で、ひとつそのようなところを十分御理解をいただいて今後とも対応していただきたい。  さらに言うならば、取り締まりのための取り締まりにならないように、啓発、啓蒙あるいは指導、そういうことを特に重点的にやっていただきたいなというふうに考えるのですが、警察庁の御意見を伺います。
  158. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 啓発活動が必要だということは私どもの方も十分に心しております。先ほど来お答えしておりますように、やはり駐車問題全体としてはいろいろな問題があるわけでございまして、総合的な取り組み、対策というのが必要だということも十分に承知をしております。  したがいまして、そういう状況の中で現実に駐車問題から起きるいろいろな不便なり社会的な問題ということを解決していかなければならぬわけでございますから、取り締まりだけでこれを解決していけるとは毛頭考えておりません。また、取り締まりを行うに当たりましても、先ほど交通局長言いましためり張りのきいた、悪質、危険なそういうものを中心としての取り締まりということで、取り締まり先行といいますよりもむしろ啓発先行、それにはみ出してくる悪質、危険性の高いものを積極的に取り締まる、こういうようなことで今後もやっていきたいと思っております。
  159. 辻第一

    ○辻(第)委員 十分に御配慮の上、御対応いただきたい。重ねてお願いいたします。  次に、また駐車場の問題で具体的にお尋ねをいたします。  例えば、東京都の都営住宅は二十四万四千戸でございます。そのうち駐車スペースがあるのは多 摩ニュータウンの千五百台分だけだというふうに聞いております。都の住宅局では、もともと都営住宅は低所得者用住宅を供給するのが目的で、一戸でも多く建設したいので駐車場をつくらなかったという説明でございます。二十年や三十年前はそういう観点は非常になかったというふうにも思うのです。八潮パークタウンでは、都営住宅千三百十五戸に対し、都が用意した駐車場は身体障害者用のわずかなスペースだけ。かわって住都公団などが出資している株式会社団地サービスが都営住宅入居者のために三百十台分のスペースを提供している。だが厳しい順番待ちで、事故現場の前にも同社の――事故現場というのはちょっと前にあったのですが、抜いているのですが――都営団地入居者用の駐車場があるが、三十八人が空きを待っておられるという状況でございます。一年に四、五台しかあかないようです。今申し込んでも七、八年かかるだろう、こういうことでございます。  また、東京の江東区のある地域では、十五階建てのマンションの二棟に五百四十六世帯がお住みになっておるのですが、車が二百五十台あるのに駐車場は百十二台分しかない。しかも、近くの民間駐車場は市街地再開発事業のために次々と消えつつある。三十一カ所七百三十八台分の民間駐車場が消える予定だ、こういう報道もございます。大変なんですね、駐車場の現実は。  そういう状況の中で、公共駐車場が少ないな、このように思います。車は走るのと同時にとまるもので、路上駐車をなくし道路環境を守る上でも駐車場づくりのための対策が一層必要だというふうに思うのです。  そこで建設省にお伺いをいたします。四月に、今年度から一九九二年度までの駐車場等整備事業三カ年計画というのができたというふうに聞いております。それの目標は大体どれくらいなのか、お尋ねをいたします。
  160. 三谷浩

    ○三谷政府委員 先ほどちょっと駐車場の整備の方向につきまして答弁をいたしましたが、有料道路整備資金あるいは道路開発資金などの道路事業を中心とした無利子あるいは低利子資金の融資制度によって整備を促進をしております。  駐車場の整備というのは、必要なところというのはなかなか用地が買いにくいとかあるいは時間を要するとか、あるいは地元協力が不可欠とか、こういう問題がいろいろございますが、建設省といたしましては、当面の対応といたしまして時間貸しの路外駐車場の整備を一層計画的かつ積極的に促進するため、従来から実施しております融資制度を活用して整備される駐車場を、今後三カ年で過去三カ年の実績三万台のちょうど二倍に当たります六万台、こういうものを整備目標にいたしまして駐車場等への融資に関する緊急実行計画を取りまとめたところであります。細部についてはまだ検討中のところも残っておりますが、具体的には、有料道路整備資金あるいはNTT・A資金、さらに道路開発資金を活用した無利子あるいは低利子資金の融資制度による整備、あるいはそのほかに開発銀行等の融資を活用した整備、こういうものを見込んで六万台の整備を進めよう、こういうものでございます。
  161. 辻第一

    ○辻(第)委員 六万台ですか、大きい数ではないわけであります。  先ほど申しましたように、非常に駐車場が少ないというのが現実でございます。それから土地の高騰も含めてあるいは需給のバランスなどから、駐車場の料金が非常に高騰しておるということであります。いよいよ駐車場を求める人は大変な事態になってきているわけでございます。駐車場が何とか欲しい、しかもできれば安いのを、というのが切実な要求でございます。  そこで、ある新聞に次のような論説が載っておったんです。四月十八日の毎日新聞「記者の目」というのですが、   最後に指摘しなければならないのは、自動車産業の社会的責任だ。都市住民から貴重な時間を奪い、精神的イライラを増幅させる交通渋滞。その解消に向けて、大手メーカー、ディーラーは努力してきただろうか。車を売らんがために、違反と知りながら「車庫飛ばし」を競ってきたのではなかったか。 さらに、   「ユーザーが自力で車庫を持てないなら、メーカーやディーラーが安くて広い借り上げ駐車場を整備するのが当たり前。車は走る時間より止まっている時間の方が長いわけで、駐車場までフォローするのが製品に対する責任というもの」 この後段の部分でしょうか、警察庁内の意見として言われているんですね。  という警察庁内の意見はもっともだ。   昔「鉄は国家」、今「クルマは国家」とさえいわれ、基幹産業に成長した自動車産業。社会的責任はますます重くなっている。 こういうことであります。駐車場までフォローするのが製造会社などの製品に対する責任だということでございます。私ももっともだなというふうに思うのです。  この点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
  162. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 今、新聞の論調を御提示されての御質問でございます。先生も先ほど自分の体験を通じて言われましたけれども、車の生活に密着しておる便利さ、これはもう切り離すことのできない時代だと思います。したがって、これからも多様な利便さを追求して国民はそういう方向に動くでしょうけれども、かといって今日状態になったのをメーカーの責任だけに押しつけるというわけにもいきません。ですけれども自動車をつくる者、そして売る者、買う者、それぞれの立場で自分の社会的責任を果たしていってもらわなければいかぬということは、これは当然なことであると思います。  そういったことで、駐車場整備ということで今御指摘がございましたけれども、これらに関しても、つくるばかりじゃなくて、大いに関心を持って、そしてそういった対策に御協力をしていただくという基本的な姿勢は、これは当然持っていただかにゃならぬ、私もそう思います。
  163. 辻第一

    ○辻(第)委員 先ほども都営住宅の例で申し上げたんですが、駐車場問題は、特に住宅団地、公団であろうと公営であろうとあるいは民間であろうと大変深刻、殊に深刻だと思います。違法駐車といいましょうか、どう言ったらいいんですかね、団地内では違法でない場合もあるんでしょうか、とにかく火災が起こっても消防車が入らない、あるいは救急車でも入りにくいというような状況が見られるわけでございます。国としても地方自治体やあるいは公団などとも協力していろいろな手段を講じていただいて、解決のために努力をしていただきたい、このように強く要望をするわけでございます。  そこで、公団団地の問題でお尋ねをいたします。  公団住宅は全国で六十八万七千戸の賃貸住宅、その六割が車を持っていると言われております。しかし駐車場は十六万一千台分でございます。昭和三十年代に建てた住宅には駐車場はありません。四十年代に一割程度、五十年代前半で一割から三割程度、最近は六割程度ということでございます。  そういう状態の中で、公団団地は全国どこでも駐車場問題で本当に悩んでおられるわけでございます。そこで、住民の人の要望としては、緑を削らないでという強い御要望があるわけでございます。そうなりますと、駐車場をふやすのにはいろいろなことが考えられるのですが、地下方式でありますとか半地下方式でありますとかあるいは二階建ての駐車場、こういうものも求めておられるところがあります。いずれも切実な要望でございます。こういう地下だとか半地下だとか二階建て、こういうのを含めて、駐車場をつくるに当たっては公団でございますとか自治体、政府の助成を求める声も高まっておるわけでございます。  この点で、関西の公団団地の自治会でつくっております公団住宅自治会関西協議会、八十三団地 約八万世帯です。一九八七年の十二月に、大阪府や奈良県など四府県、四十五団地の住民約五万人の署名を添えて、警察庁建設省に団地内での駐車場建設の制度化を求める要望書を提出されております。当時、関西の公団団地では、駐車場は入居世帯数の三割分しかありませんでした。同協議会は、車庫法などの改正、都市計画による駐車場建設の制度化、自動車メーカーの駐車場建設資金拠出の義務づけなどを求めておられます。こうして団地の皆さんの運動が高まる中、それぞれの団地に適した方式の駐車場づくりの運動が始まっておるわけでございます。  そこで、建設省にお尋ねをするわけですが、このような公団団地住民の皆さん方の意見をよく尊重して、よく話し合いながら、公団団地の駐車場づくりを住都公団と一緒になって積極的に推進をしていただきたいと思うのですけれども、所見を伺います。
  164. 保田悠紀雄

    ○保田説明員 お答えいたします。  先生指摘のとおり、公団住宅の駐車場の整備状況につきましては、平成元年度末におきまして、全賃貸住宅六十九万戸に対しまして現在はまだ約十七万台で、二五%となっております。しかしながら、最近の新規に建設しております賃貸住宅団地、これにつきましては、団地ごとに立地条件それから居住者の車両保有状況、そういったものを勘案いたしまして、また、先ほど御指摘いただきましたような環境上あるいは安全上、管理上、そういった点を配慮いたしまして、適正な台数を確保することといたしております。そして、その結果、現在郊外型の団地につきましては平均約七割、それから都心型、市街地型の団地では平均いたしますと約四割の最近の設置率になっております。  それで、既存の賃貸住宅団地でございますが、御指摘のような良好な居住環境の維持というのに特に留意しながら可能な限り駐車場を増設することということで、当面四十年代、四十年から五十年に建設されました住宅、四十年代の管理を開始いたしました郊外型団地につきまして、今後十年間に少なくとも駐車場設置率を五〇%以上に持っていくよう努力する、このように公団として努力いたしておりますことを私ども承知いたしておるところでございます。
  165. 辻第一

    ○辻(第)委員 ぜひ十分な御対応をいただきたい。助成を含めて十分な御対応をいただきたいということをお願いをいたします。  最後に、地域交通安全活動推進委員の問題でお尋ねをいたします。  推進委員法律規定することで公務となり、場合によっては公務執行妨害罪も成立をするというふうに聞いております。そうなりますと、特に職務の内容が明確でなければならないと思います。職務内容については国家公安委員会規則で定めるとしておりますが、具体的に明確になっていないままではこの法案審議に十分ではないと思うのです。可否の判断もつけにくいということでもございます。具体的に明らかにしていただきたいと思います。
  166. 関根謙一

    関根政府委員 地域交通安全活動推進委員の職務内容についてでございます。  この法律案の第百十四条の五第二項で定めておりますが、「道路における適正な車両の駐車及び道路の使用の方法について住民の理解を深めるための運動の推進その他の地域における交通の安全と円滑に資するための活動で国家公安委員会規則で定めるものを行う。」こういうことでございます。そして、国家公安委員会規則で定めることとして考えております内容は、交通安全に関する住民集会の開催、チラシの配布、ポスターの掲出等によって地域における駐車問題等道路交通上の問題やその解決策を地域住民に伝える広報啓発活動の推進、それから自治会等に働きかけをいたしまして、その活動として違法駐車防止や交通事故防止等を取り上げるように働きかけたり、その他交通安全対策を講ずるように働きかけたりする協力要請活動等でございます。  それで、先生先ほどおっしゃいました公務執行妨害、この方の活動が対象になるのではないかとのことでございますが、ただいま申し上げましたような内容でございますので、観念的には当たることもあろうかとは思いますが、まあほとんどあり得ないのではないかというのが私ども考えでございます。
  167. 辻第一

    ○辻(第)委員 さらに具体的にお尋ねをいたしますが、直接的に取り締まりに携わるということはありませんね。また、地域の人に対して指示や何らかの強制を伴う行為をする機能を持つということもないですね。いかがですか。
  168. 関根謙一

    関根政府委員 ただいま御答弁申し上げましたように、この地域交通安全活動推進委員は一般の方々が行うことができる範囲の活動を行っていただくものでございまして、法律上何ら特別の権限を付与されたものではございません。でございますから、先生がただいまお挙げになりましたような指示でありますとか、その他強制的なものは一切ないものと考えております。
  169. 辻第一

    ○辻(第)委員 住民の理解を深めるということでございますが、例えば交通安全協会というのが既にございます。こういう住民の理解を深めることも大きな仕事としてやっておられるのではないかと思います。それを法で規定して特別公務員とすることの意味はどこにあるのかなというふうに考えるのですが、いかがですか。
  170. 関根謙一

    関根政府委員 地域における交通安全協会の主たる仕事は、交通事故防止というところにございまして、交通安全協会のメンバーの方々は、それぞれの地域において事故防止に資する活動を行っていただいているところでございます。  今回考えております地域交通安全活動推進委員方々につきましては、むしろ、事故防止も関連して行っていただきたいとは存じますが、道路の利用の仕方について住民の方々理解を深めていただくということが主でございまして、その一環として、駐車問題についても、秩序ある駐車ということで住民の方々理解を深めていただくような運動の推進役をお願いしたい、こういうことを考えているところでございます。
  171. 辻第一

    ○辻(第)委員 時間が参りました。ひとつ、国家公安委員会はもちろんのこと、総務庁運輸省建設省など、本当に総力を挙げて総合的な対策で今後の対応をしていただきたい、強く要望をいたしまして終わります。ありがとうございました。     〔委員長退席、今枝委員長代理着席〕
  172. 今枝敬雄

    ○今枝委員長代理 次に、草野威君。
  173. 草野威

    ○草野委員 私は、交通安全について、教育の問題、それから環境整備の問題、また救急救命体制のあり方、こういう問題について質問をさせていただきたいと思います。  今回、道交法改正車庫法改正審議をしている最中でございますけれども、お伺いしておりまして感ずることは、車の保有者としての責任またドライバーとしての正しい知識またマナー、こういうものが非常に重要である、こういうようなことをつくづくと感じているわけでございます。  そういう中で、私はまず交通安全教育というものについて初めにお伺いをさせていただきたいと思うわけでございますが、一昨日、交通安全対策に関する懇談会、こういうものが総務長官あてに提言をなされておるわけでございます。いろいろな項目が何点かございますけれども、この中で「交通安全教育について」、こういう一項目がございます。この中身を見てみますと、例えば、いろいろな交通安全教育が今行われているけれども、「幼児から児童生徒、成人、高齢者に至るまでの一貫性の確保を図っていくことが必要である。」こういうこととか、また、教育内容としては、「命の大切さ、迷惑をかけないというマナー等社会人として当然知っておくべきことを教育する必要がある。」またさらに、教育方法としては「実践的教育」、こういうようなこともこの中では述べられているわけでございます。  そこで、文部省また総務庁にお尋ねをしたいと思うわけでございます。  現在、学校教育の中において交通安全教育とい うものがどのような位置づけをされているのか、また内容はどういうような内容であるか。家庭や学校そして地域における交通安全教育のそれぞれの役割また相互の連携、展開、そういうものについて現在どのような方向で取り組みがなされているでしょうか、お伺いをしたいと思います。
  174. 石川晋

    ○石川説明員 お答えいたします。  学校教育関係のことが中心になりますが、学校におきます交通安全教育につきましては、理念としては自他の生命の尊重という基本理念に立ちまして交通安全教育を実施しているわけでありますが、小学校から高等学校まで、発達段階を踏まえまして、身近な交通環境におけるさまざまな危険に気づいて行うという歩行者、自転車というような観点での小中学校の教育、さらにこのようなことを踏まえまして、高等学校においては、さらによき交通社会人の一員としての交通マナー、必要な教育というような体系的な観点から教育を行っているところであります。特に、このような観点からは、本年度新規事業として、交通社会の現況を踏まえ、高等学校における運転者教育、実践的な面も含めまして、運転者教育のあり方というようなことも今後調査研究していくというような事業を本年度から行うこととしているところでございます。  なお、交通社会の一員としてあるいは交通安全教育という観点に立ちますと、単に学校のみならず、社会の安全に貢献できる健全な社会人を育成するという観点から、特に地域、家庭、学校の連携ということが大変重要になってくるというふうに考えまして、かねてから私どもといたしましては、文部省所管の特殊法人でございます日本体育・学校健康センターという法人で学校安全事業等行っておるわけでございますが、こちらの法人を通じまして、全国の市町村のうち数カ所を選びまして交通安全教育推進地域というものに指定いたしまして、家庭や地域との連携のもとに、あるいは関係団体、機関の協力を得まして、安全な道路交通環境の確立の促進、それとともに児童生徒の安全意識の高揚、こういったことの実践力の向上、地域ぐるみでこういうことを学校と協力して進めていく事業というものも推進し、学校、家庭及び地域との連携を進める中で、交通安全教育を充実していくということを図っておるところでございます。  以上です。
  175. 徳宿恭男

    ○徳宿政府委員 交通事故の減少を図っていくためには、道路交通に参加するすべての者の交通安全意識と交通マナーの向上ということが非常に大事なことでございます。したがいまして、第四次の交通安全基本計画におきましても、生涯にわたる交通安全教育の推進を図るということが重点項目の一つとして掲げてございます。これにのっとりまして、総務庁におきましては、関係の省庁、地方公共団体、民間団体等の協力を得ながら、学校、家庭、地域社会における交通安全教育を相互に連携を保ちながら推進しているところでございます。  総務庁といたしまして、具体的に申し上げますと、交通安全母の会による地域における交通安全活動の指導、交通安全家族会議の提唱、交通安全作文の募集あるいは老人クラブ等における高齢者に対する交通安全教育の推進、また老人クラブ等に入っていない高齢者に対する家庭訪問の実施など、それぞれ家庭、地域、社会における交通安全教育を積極的に推進しているところでございます。これらの交通安全教育というのは、現下の交通の情勢に照らしましてなお一層重要であると認識しておりますので、今後とも引き続きその充実を図ってまいる所存でございます。
  176. 草野威

    ○草野委員 いろいろお話がございましたけれども、将来ドライバーとして交通社会人になっていく者に対する学校教育の場の責任というものは非常に重要である、このように思うわけでございますが、実際には交通安全に対する学校教育は低調ではないか、こういうような声もあることも事実でございます。どうかそういう面におきまして、文部省としてもこういう問題に対してはひとつこれからも力を入れて取り組んでいただきたい、このように考えるものでございます。  また、文部省の方からも今お話がございましたけれども、一貫性のある教育が必要である、そのとおりでございまして、地域における交通安全教育も学校との連携、そしてまた高齢者に対する働きかけも非常に肝要になってくると思うわけでございますので、こういう点も留意しながら、今後の教育にまた御努力をお願いしたいと思うものでございます。  次に、自動車教習所における教育の問題でございまして、これから免許を取ろうとする人たちに対する教育の問題でございます。  新しく免許を取得する新規免許取得者、こういう人たちは指定自動車教習所、また一部は自動車運転教育協会、こういうところを卒業された方がほとんどを占めているわけでございますが、これが初心者運転教育に果たす役割は非常に大きいのではないかと思います。したがって、こういうことはないと思いますけれども、いたずらに短時間でいかに合格させるかということを競い合うような教習所であってはならないことは当然のことでございます。また、法令知識中心に偏していると言われる学科教習、また操作重点の技能教習のところが多いのではないかというような指摘もございます。ドライバーに対して肝心の安全マインドといった心の問題というものに対する教習が果たして十分に行われているのだろうか、このような批判もあることも事実でございますけれども、こういうことにつきまして警察庁はどのように受け取っておられますか。     〔今枝委員長代理退席、鴻池委員長代理     着席〕
  177. 関根謙一

    関根政府委員 初心運転者に対する教習といたしまして、法令の知識や運転操作のみならず、心の問題としての安全マインドの習得をしていただくように努めることの大事な点は私どもも重々承知しているところでございまして、そのように指定自動車教習所等で教習を行っていただくべく指導しているところでございます。
  178. 草野威

    ○草野委員 そういう問題点もあることを十分留意していただいて、これからも取り組んでいただきたいと思います。  この教習所の中身の問題でございますけれども、その一つは、カリキュラムの見直し、それから、講師の質の向上を図るべきではないか、以前からこういう問題の指摘も出ているわけでございますが、こういう点についてはどのように思っていらっしゃいますか。  それから、この教習所の教習の内容の中で、夜間事故が最近非常に多いと言われているわけでございますが、夜間走行とか高速道路の走行が非常に少ないと指摘されているわけでございます。こういう点についてはいかがでしょうか。  それからもう一つは、運転免許の問題でございますが、最近はAT車がほとんどでございます。この際、AT車の練習に力点を置きつつ、免許制度としてAT車の限定免許を新しく制度的につくってもいいのではないか、このようにも考えるわけでございますが、いかがでしょうか。
  179. 滝藤浩二

    滝藤説明員 事実関係等につきまして私の方から説明させていただきたいと思います。  先生指摘のカリキュラムの問題でございますが、確かに、先生指摘のようなことを内外、特に識者の方々から承ることがございます。私どもといたしまして、それぞれの交通情勢に応じたように最大限常に目をやりながらチェックしてきているつもりでございますが、ただ、十分かどうかということになりますと、私どもも謙虚に実情を見ながら、将来を踏まえて常に関心を持っていきたいというように考えております。  指導員の質の問題でございますが、この点につきましても、私ども、初心運転者教育における指導員の役割の大きさ、その質の向上がまた交通安全に資するという認識のもとに、この質の向上につきましては、指定自動車教習所だけでなく、各県の公安委員会等を通じまして努力しているとこ ろでございますが、なお一層の向上方に努めてまいりたいと思っております。  夜間教習並びに高速教習についてでございますが、先生指摘のとおり、夜間における交通事故の増大で夜間教習あるいは高速教習の重要性というものはますます大きくなっておるわけでございまして、時代の趨勢に合いますように、安全に資するように、これまた努力をしてまいりたいと思います。  AT車の問題でございますが、AT限定につきましても、現在、新車登録でございますともはや七割がAT車というような現状でございますので、AT限定免許ができ得るように私どもも作業を進めておるところでございまして、できるだけ早くそのようなことで実現できればというように考えております。
  180. 草野威

    ○草野委員 それから、ドライバーの教育の問題でございますが、これは既成運転者教育であろうと思いますけれども、実際には更新時講習の機会にいろいろな教育が行われるわけでございます。現在、免許証を持っておる人たちが六千万人と言われておるわけでございまして、三年の期間といたしますと年間二千万人近い人たちが更新時講習を受けておるわけでございまして、これほど大量の人たちが教育を受けるということはほかにないわけでございまして、これらの人たちが休みをとり、そしてお金をかけてということになりますと、その国民の負担というものも莫大なものであろうと思います。したがって、この更新時教育の内容につきまして、これがいろいろと批判されるような内容であってはならないのではないかと思います。現実に言われておることは、一方通行型の講習方法ではないか、また講師の質の問題、いろいろありますけれども、いずれにいたしましても、この更新時講習というものは既成運転者に対する唯一の制度的な教育の機会であります。したがって、これは何といっても実効の上がる場でなければならないのは当然であろうと思います。  そこで、現在の制度でドライバーの安全意識を高めるためにこの更新時講習がどれほど役に立っておるのか、また、今後改善する内容があるとすればどういう点があると考えておられるのか、こういう点についてまずお尋ねしたいと思います。
  181. 関根謙一

    関根政府委員 先生指摘のように、現在、運転免許証をお持ちの方々が講習を受ける機会といいますのは更新時講習が主なものでございます。昨年一年間の受講者数は千六百万人余りでございます。このうち無事故、無違反の方々につきましては、簡素化講習ということで、展示されたパネルや安全教育用のビデオを見ていただくような方法で行っており、事故を起こされた方と将来の運転に対してやや危惧のある方々につきましては、通常二時間程度の講習を行っておるところでございます。この内容も、道路交通の現状とか交通事故の実態とか安全運転の基礎知識等についての再教育といったようなことでございますが、内容をさらに充実させるべく現在いろいろ検討しておるところでございます。例えば、この簡素化講習の受講者の対象をもう少し広げまして、この通常の講習を受ける方々に対して質の高い内客の講習を与えることができないかといったようなことを現在検討中でございます。
  182. 草野威

    ○草野委員 この更新時検査の内容の充実ということにつきましては、これも大臣からもし御答弁がいただけたらと思うわけでございますが、現在、我が国のような更新時検査、ヨーロッパ諸国の中ではほとんど実質的に運転免許の更新がない国が多いわけでございまして、日本とか、それからアメリカでも似たような制度があるわけでございますが、これだけ国民に負担をかけながら、これだけ大勢の人が更新時検査をやっているわけでございまして、やる以上はその内容についてもやはりもう少し充実した内容にすべきではないか、私はそのように考えております。今交通局長からも、無事故、無違反の人たちに対してはその内容も簡素なものにする、こういうお話もございましたけれども、そういうことは当然のことだろうと私は思います。更新時検査の目的というものは三つあるように承っております。一つは、免許を受けた者が期間の経過に伴っていろいろ体に故障が起きてくるとか欠陥が出てくるとか、自動車の運転に適しない状態になるおそれがあるので当然こういう検査をしなきゃならない、また新しい法令等についてドライバーに教育をしなきゃならない、さらにまた、不出頭の悪質違反者、こういうものを捕捉する最後のとりでの役割を果たすのだとか、これらのことを言われているわけでありますけれども、まさかこういうことはないと思いますけれども、一般の犯罪に対する捜査に利用するようなことが絶対にあってはならないことは当然だろうと思います。  こういうことに対しまして、警察庁もいろいろ言っております。更新時検査は現実には大きな事故防止の効果を果たしている、また、この検査において不適格者を四十万人も発見しているのだ、こういう話も伺ったことがありますが、実際四十万人というのは一体どういう人たちかなと思っております。それから、悪質違反者の逃げ得も許さない、このように警察庁では言っておられますけれども、こういうことに対して、かつて臨調からも指摘がありました。臨調の指摘については、一つは更新手続というのは単なる視力検査だけであって、講習の内容は乏しくて意味がない、また交通安全にそれほど寄与しているとは思えない、またヨーロッパ先進諸国の中でも余りやってない国が多い、こういうような指摘もあったことを御存じだろうと思います。  私は、そこで申し上げたいことは、更新時検査をなくすとかなくさないとかいろいろな議論があることも承知しておりますけれども、まずとりあえずは更新時検査の内容をもっと充実させるべきじゃないか。今交通局長さんがおっしゃった程度のことではならないと思うのです。高齢者の事故が非常に多い。高齢者に対する訓練だとか教育というものがどこまで行われているか。一部でやっていることは事実ですけれども、まだまだこんなことでは足りないと思いますし、何よりも私は警察庁に申し上げたいことは、欧米諸国と日本の交通事故の状態を比較して、交通先進国の我が国がわざわざ事故率の高いヨーロッパの制度をまねる必要なんかないのだ、もしこういうような思想が少しでもあったら、これは私は大問題だと思うのですけれども、そういうことを含めてお答えをいただきたいと思います。
  183. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 臨調で、免許を取りまして三年ごとの更新の問題、これについて論議があったことは事実でございます。そのとき、いろいろと論議がされまして結論的になりましたのは、事故であるとか違反であるとか、そういったことを起こした運転者に対する更新の中身の問題と、それから無事故、無違反で三年間過ごした運転者に対する更新の中身の問題と、それははっきり区別して行うべきだというような議論がありました。そういったことに従いまして、現在の更新時講習の中身は大きく違ったものにしております。先ほど局長から申し上げましたように、無事故、無違反の者につきましては、これは本当に簡単な、身体的ないろいろな検査といったものを中心としてやっておりますし、また、違反、事故を起こした逆転者に対しては中身のある講習ということを心がけております。  この中身のある講習につきましては、今お話ありました高齢者の問題、それから若年者の問題、そういった特徴をとらえ、それと実際的な逆転のいろいろな問題というものを、講義型からなるべく実際体験的なものに改めていく、こういう方針で中身を逐次充実させるように現在やっております。今後も、三年に一度のそういう機会を特に交通安全という観点から大きく利用していきたい、中身を改めながら利用していきたい、こういうことで現在考えておるところでございます。     〔鴻池委員長代理退席、今枝委員長代理着席〕
  184. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 先生の先ほどからの御論議の御趣旨を聞いておって、大変な見識をお持ちなんだ なということで、私自身は自分の不勉強を恥じておったわけでありますけれども、急激な車社会、六千万人ドライバーということで日本の国もドライバーが急激にふえた割には、基本的な車社会に対応するモラルと申しますか、そういった安全の面に関する認識というものが一体どの程度これに対応してきたのかなということで、今むしろ不安の方が先立っておるわけであります。諸外国との比較でこんな制度も珍しいのだということも、実は私今勉強させていただいたわけで、しかも三年に一回、これだけ大量の、二千万人近い人が講習を受けるという機会、この制度を活用しない手はなかろうと思います。今日の事故死の増大、けが人の増大等々の形も含めまして、この講習の内容、ドライバーの本当の再教育の場としてこれを徹底的に充実させていくという形は、これからつくり上げようとする、我々が目指す本当にあるべき車社会の方向にとっても、この機会は逃してはならぬだろうという認識を持ちました。  マナーもさることながら、先ほどからのこういった御論議、夜間運転の技術もございましょうし、あるいは事故に対する応急的な措置なり、車に常備しておくべき、そういったふだんの問題等々も含めまして、この三年に一回の研修の場を大事に、内容を充実させていくために、各省の協力も得ながら、単に交通安全の技術教育だけじゃなくて、研修だけじゃなくて、あらゆる形での内容を充実したものに持っていくべきであるなというふうに感じております。
  185. 草野威

    ○草野委員 いずれにいたしましても、年間千六百万人という大勢の人たちが講習を受けるという制度でございまして、今大臣、長官からお話しいただきましたように、この制度を活用しない手はない、また中身のある講習に変えていかなければならない、こういう御答弁をいただきました。まことにそのとおりでございまして、ぜひとも充実に向かってこれからも研究もしていただきたいと思います。この問題につきましては、また後ほど触れさせていただきたいと思います。  第二番目の問題として、救急救命対策についてお尋ねをしたいと思います。  ことしの交通事故による死者数、六月十日現在で四千五百五人。対前年比十人増、昨年をわずかでございますけれども上回るペースでございまして、このままでいきますと、ことしもまた一万一千人のとうとい生命が失われるということが予想されるわけでございます。昨年から第二次交通戦争、それから非常事態宣言、こういうものが発令をされてきたわけでございますけれども、現在、どうやれば事故死者を減らすことができるか、このことが急務になっていると私は思います。事故死を減らすことができない原因の一つとして救急処置の立ちおくれということが指摘されているわけでございますけれども警察庁としてはこういう点についてはどのように思っていらっしゃいますか。
  186. 関根謙一

    関根政府委員 西ドイツの事故死者数減少のための施策を研究してまいりました結果、そこで救急医療体制の整備ということが大きな役割を果たしているということを知りました。また、過日御提言をいただきました識者の方々の御意見の中でも、救急医療体制の整備充実を図るべき旨の勧告がございます。そのようなことを総合的に考えてみますと、私どもまだなすべきこととして、交通事故の場から医療機関までの搬送の仕方でありますとか、その手前の段階で、救急隊員が来るまでの間なすべきこともあるのではないかといろいろ反省をしているところでございます。
  187. 草野威

    ○草野委員 今もお話ございましたように、重大事故の場合は一刻一秒を争っているわけでございますが、過日のWHOの報告によりますと、事故が起きてから五分ないし十分の間に適切な処置を施しておれば約二〇%程度の人が生存可能、こういう報告がされているわけでございます。現在欧米ではもう既に実施されている制度でございますけれども、例えば医師が救急車に同乗して現場に直行するとか、救急ヘリを活用するとか、救急隊員によるいわゆるパラメディック制度、こういうものが導入されている国々も非常に多いわけでございます。いろいろなことが言われておりますけれども、ともかく今救急救命対策を早急に実施すべき時期に来ているのではないか、このように思うわけでございます。  そこで、厚生省、消防庁にお伺いするわけでございますけれども、厚生省は全国の救急医療を飛躍的に充実させる、そのために新しいシステムづくりに着手をしているということだそうでございますが、その内容について、考え方をお聞かせいただきたいと思います。また、消防庁は米国のパラメディック制度、このような制度をぜひ導入したいと前向きのようでございます。また、救急隊員による救命医療制度の創設を目指しておられるということも伺っておりますけれども、こういう点についてお考えを承りたいと思います。
  188. 澤宏紀

    ○澤説明員 厚生省におきましては、救急医療体制の整備といたしまして、昭和五十二年以降、初期救急の一次救急、病院群輪番制の二次救急、それから重篤の患者さんに対応する救命救急センターの三次救急ということで体制を整備してきたわけでございます。その体制も量的にほぼいい水準に達してきておるという段階に来ておりまして、今後は救急医療につきましての質的な向上をどうすればいいかということを、昨年九月以来、厚生省におきまして救急医療体制検討会を設けまして検討しているところでございます。特に、先生おっしゃられます救急現場から病院、医療機関までの医療の確保という点も非常に重要な課題として検討しているところでございますけれども、五月二十一日に開催されました救急医療体制検討会において、この問題をさらに検討するために小委員会を設置することとなったわけでございます。  現場、搬送途上の医療あるいは応急手当ての充実のためには、医師の救急車への同乗システムあるいは看護婦等の専門職種の救急車への同乗システム、また、救急隊員の応急処置の範囲の拡大とそれに見合った隊員の資質向上とか、医師の判断を現場に届けるようなシステム、また、搬送に至る前の、傷病の発生現場での救急処置の充実を図るための一般市民に対する救急法の教育研修などさまざまな方策が考えられるわけでございます。  厚生省といたしましては、救命率のより一層の向上を図るためには具体的にどの方策を進めるべきかという点につきまして、この救急医療体制検討会の小委員会の場におきましてできるだけ速やかに議論を煮詰めていただいて、方向をまとめていただきたい、そういうように考えておるところでございます。
  189. 飯田志農夫

    ○飯田説明員 消防による救急は年間約二百五十万人を搬送しているわけでございます。救命率を高めることが現下の急務であると考えておりまして、その方策としては、救急隊員による、能力の向上による応急処置の充実、医師の協力を得て運行するドクターカーあるいは救急業務へのヘリコプターのより一層の活用など、さまざまなものが考えられるわけでございます。  ドクターカーの運営につきましては、救命率の向上を図る上で効果的であると考えておりますけれども、この方策の実現には、二十四時間態勢で出動可能な専門医師を確保することが困難である等の事情がございまして、全国的に展開するには限界があると考えております。したがいまして、現実的な方策といたしましては、救急隊員による、能力の向上による応急処置の高度化が必要と考えております。このため、先日厚生省との間に設けました救急対策連絡協議会において十分検討しつつ、御指摘のありましたアメリカのパラメディック制度をも念頭に置きながら、具体的な内容につきましては消防庁長官の諮問機関であります救急業務研究会において専門的な立場からの検討をお願いしたい、このように考えております。
  190. 草野威

    ○草野委員 ぜひとも各省庁と連絡をとりながら進めていただきたいと思います。  大臣、申しわけございません、何か他の委員会に行かれるそうで、一問だけお伺いしたいと思います。  先ほども申し上げましたけれども、交通安全対 策に関する懇談会の報告の中で幾つか出ておりますけれども、「交通事故原因等の総合的な分析体制の整備」だとか「交通安全教育」だとかあります。中でも、緊急時における救助・救急について、免許取得時に応急処置の実技教育を行うことを検討する、こういう項目があるのですね。その他ありますけれども、こういうことについて大臣は率直にどのように受けとめておられますか。
  191. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 これは、普通一般の四輪の免許を受けるときに応急、救急の教育がなされておるのかということではないかと思うのですが、そうでしょうか。御質問の趣旨がちょっと理解できにくかったものですから……。
  192. 草野威

    ○草野委員 新聞等にも大きく報道されているのですけれども、こういうことでございます。  「緊急時における救助・救急について」という中でこういうことが書いてあります。「運転者に対しても、免許取得時等の機会に心臓マッサージを含めた応急処置の実技教育を行うことを検討する必要がある。」こういうことなのですね。実際は、今運転免許を受けた者でも、心臓マッサージは当然ですけれども応急処置の仕方は事実上全く知識がないのと同じなのですね。応急手当てというものが事故時にどれほど必要かということでここでこういうような提言がなされているのじゃないかと思うのです。したがって、ここに書かれていることは、免許を取得するときにこのような応急処置の実技教育を行うことがぜひ必要じゃないか、こういう提言なのですね。いかがでしょうか。
  193. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 大変結構な提言であると思います。これは当然教習内容にも盛られておると思うのですけれども応急時に、特に心臓マッサージ等々を含めて救急の措置がなされることによってどれだけか事故死の防止がなされるということになれば、私はとても大事なことであろうと思っております。  教習内容については中身を知りませんので、詳しくはまた政府委員から御答弁させていただきます。
  194. 関根謙一

    関根政府委員 教習の過程におきまして応急手当てについて実技を取り入れたものにすべきではないかとの提言がなされました。現在は十五分程度、応急手当て、止血法でありますとか、その程度のことを教えている程度でございます。  ところで、心臓マッサージ等も含めてとの提言でございますが、我が国におきましては、西ドイツにおけるような一般運転者に対する公認の救急教育機関がございませんので、応急手当てに関する教育等をそのような教育機関のある国並みの水準にするまでには幾つかの段階を経る必要があろうかと存じます。指導員の養成でございますとか教材の整備でございますとか、かなりの期間と経費が必要と考えられるところでございます。しかしながら、この御提言の趣旨は、ただいま大臣が御答弁申し上げましたようにまことにもっともと考えられるところでございますので、実行可能な範囲のところから逐次取り入れるべく検討したいと存じます。
  195. 草野威

    ○草野委員 大臣の御答弁にもございましたように趣旨としては非常に結構なことだ、こういうようなお話でございまして、大臣も中身についてよく御存じなかったようでございますのでやむを得ないと思いますけれども、趣旨というものについては非常にいい、こういうようなお話で、これはぜひともこれからも研究してもらいたいと思います。  今局長の方からこの応急手当ての方法について、教習所などでは十五分相度講習をしている、こういうようなお話もございました。そこで、教習所というお話が出たので一つお伺いをしたいと思うのですけれども、交通に関する教則というのがございますね。大体こういうものに基づいて教習所は教えていると思います。これは警察庁交通局が監修をしているものでございますが、この中に、事故を起こした場合の措置について、ドライバーのとるべき行動について出ております。  「交通事故のとき」こういうようなことでございますが、昭和五十一年発行の内容によりますと、交通事故が起きたときは、まず、直ちに車をとめて、他の交通の妨げにならないように必要な措置をとるということが一つ。それから二番目に「負傷者を救護する」、三番目に「警察官に報告して指示を受ける」、こういう順序になっていますね。五十八年の改正になってくるとこの順序が変わってしまうのですね。交通事故を起こしたときにドライバーがとらなければならない行動は、第一番目は事故の続発を防ぐための措置をとることになっておりますが、第二番目は「警察官に報告し、指示を受ける」、これは一一〇番に電話することだと思うのですけれどもね。それから第三番目が「可能な応急手当てを行う」、こういうふうになっているのですね。これは何でこういうふうに順序が変わったのですか。
  196. 関根謙一

    関根政府委員 詳細はつまびらかにいたしませんのですが、医療機関その他いろいろな機関と相談をした上で警察庁としてそのように順番を判断したものと考えます。
  197. 草野威

    ○草野委員 医療機関と相談してこのように変えたのではないかと思う、こういう御答弁でございますけれども、そうするとこういうことなんですか。事故が発生した場合、ドライバーはまず警察官に報告するということが第一番目で、それが終わってから可能な応急手当てを行う、これでよろしいのですか。
  198. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 私も今伺いまして余りつまびらかにはいたしませんけれども、推測で恐縮でございますけれども、警察官に事故を報告するということは、一一〇番その他でやりますと、当然けがの状況を一一〇番で警察官の方に通報いたします。警察の方は、一一〇番通報を受けますと、けがの場合には必ず一一九番の方に転送をいたして救急体制をとることにしておりますので、そういう現場の応急措置の前にまず一一九番、救急車の要請ということが警察官への通報によって賄われる、こういうことでその順序を入れかえたのじゃないかと思いますが、ちょっとこれは、私の推測でございます。
  199. 草野威

    ○草野委員 いわゆる通報義務と救護義務、この問題ですね。かつてはまず救護する、救護義務が優先している。これが七年後の改正では通報義務の方を優先させている、こういうふうに受けとめざるを得ないわけですね。  それで道交法の第七十二条、これは「交通事故の場合の措置」ということについて出ているわけでございますが、事故があったときは、運転者は「直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。」こういうことですね。それからその後に、警察官が現場にいないときは「もよりの警察署の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度」云々と、そういうものを報告しなければならない、こういうふうに出ているわけですね。ですから、第七十二条で定められていることは、まず負傷者を救護しなさい、それからその次に、警察官が現場にいないときにはその報告をしなければならない、こういうことですね。したがって、どちらかというと通報よりも救護の方に重点が置かれているわけです。  だから罰則規定を見ましても、救護義務を怠ったときは「三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金」となっております。通報義務を怠ったときは「三月以下の懲役又は五万円以下の罰金」、したがって、救護義務と通報義務では救護義務の方にずっとウエートが置かれているわけです。それにもかかわらず、このように変えて通報義務を優先したということは私はおかしいのじゃないか、このように思いますが、いかがでしょうか。
  200. 関根謙一

    関根政府委員 当時の一般のドライバーの方々にどこまで救護の措置を講じていただくかということについていろいろ御議論があったようでございます。そこで、ただいま長官から御答弁申し上げましたように、多分救急機関に来ていただくということを考えてそのような順番が決められたのではないかと推測いたします。しかしながら、法の規定の趣旨はあくまでも人命尊重第一でございまして、直ちに救護に当たるべきであるという精神でございますのでございますから、その精神を実現するためにどういう手順がいいかということについての順番の問題かと存じます。
  201. 草野威

    ○草野委員 局長、人命尊重の精神の問題だと、私はこういう考え方は少し間違っているのじゃないかと思いますよ。事故が起きたらまず負傷者を救護することが先決です。精神なんか言っている問題じゃありません。それから通報しなければならない。私はこの法のとおりだと思うのですね。それをなぜ変えたのか。まさか警察庁が人命尊重をおろそかにしたわけじゃないと思いますけれども、今局長の答弁の中にちらっとありました、これはかってドライバーの応急手当ての問題でいろいろ議論されたことがあるけれどもといみじくもおっしゃいましたけれども、それはドライバー自体が応急手当ての方法を何にも知らない、知識がない、だから下手に負傷者をいじったりするとかえってマイナスになるという思想からあなたはそういうふうにおっしゃったわけでしょう。ということは、教習所において正確な最低限の応急手当ての方法を教習をしていない。私は先ほど教習所の中身の問題について指摘をいたしました。こういうことを含めて考えなければならぬのじゃないかなというふうに思うわけでございます。  時間がもう終わりだそうでございまして、済みません、中途半端になって。最後に一問だけお伺いしたいと思います。  西ドイツの運転免許の制度でございますけれども、必要条件が四つないし五つございます。一つは試験実施による能力証明。二番目が省エネ走行方法に関する試験に合格すること。それとあわせて、事故現場における救急措置に関する講習に参加したことを証明すること。その他あるわけでございますけれども、この三番目に書かれていることですね、事故現場における救急措置に関する講習に参加したことを証明することということは、応急手当て、救急方法についてマスターしているということが証明されなければ運転免許を受けることができない、こういう制度ですね。先ほどからいろいろ議論をさせていただきましたけれども、現在の日本の交通事故の数それからこの救急救命体制という点から考えた場合に、我が国でも最低限これらのことは導入すべきじゃないか、このように思うわけでございますが、警察庁はこの点についてはどのようにお考えでしょうか。
  202. 関根謙一

    関根政府委員 西ドイツの運転免許取得の過程におきまして、応急手当て、救急法等、まず最初に二時限一単位で三単位、それから次に二時限一単位で八単位、合計二十二時間ほどの教育を受けることとされているようでございます。我が国の実情を考えますとまことにその差の大きいことに驚かざるを得ないわけでございますが、先ほども申し上げましたように、私どもの現段階ではまだ、その救急の教育機関の充実でございますとか指導員の養成でございますとか、さまざまな点で欠ける点がございます。そこで、実現可能なところから順を追ってなるべく西ドイツの水準に近づけるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
  203. 草野威

    ○草野委員 二つあると思うのです。一つは更新時講習の問題ですね。いろいろ中身について言われておりますけれども、その中身の充実という点から考えてみますと、例えば応急手当ての方法を、免許を持っているドライバーの更新時講習のときに習得させる、そういう制度を盛り込むという考え方一つと、それから、これから新しく運転免許を受けようという方に対する条件として、救急法をマスターをしておくこと、このことはぜひとも必要だと私は思うのです。この提言の中にも触れておりましたが、そういう応急手当ての方法をマスターすることは人命尊重というところにも結びついているんだ、こういう意味のことが書かれておりましたけれども、こういう点からも、こういう制度はぜひとも一日も早く導入すべきである、このように私は思います。長官の御意見、いかがでしょう。
  204. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 救急体制の整備、また運転者によります救急法、応急措置の知識、これは本当に必要なものと私も考えております。関係方面とよく協議をいたしまして一日も早く実現できますように努力をしてまいりたいと思います。
  205. 草野威

    ○草野委員 以上で終わります。
  206. 今枝敬雄

    ○今枝委員長代理 次に、吉田和子君。
  207. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 吉田でございます。  大都市の機能が危機に陥っている旨の御質問がこれまで繰り返されてまいりました。私から今さら申し上げる必要もないと思われますが、マイカーが十年間で五三%ふえた、そして一年間で五・二%も急増をしておるという状況でございます。現在も車の購入時には納車が大変おくれている、数ヵ月おくれるというふうな状況になっているわけでございます。保有車両数が五千八百万台に達している。これまで各省庁が本当に大変な御努力をされてまいられたことは十分に承知をしているわけでございますが、二十年も三十年も前から予想されるような事態に対して、どうしてこのようににっちもさっちもいかないような状況に追い込まれてしまったのかなという感じが本当にぬぐい去れないわけでございます。道路整備はどういうふうに行われたか、また駐車場の整備はどう行われてきたかということを考えるわけでございます。どうしても購入をする所有者、国民のみにその責任を求められ過ぎるような気がしてならないわけでございます。  車の利便性をうたわれまして、十分に住宅を持つことのできない者に夢のような空間を持つことをうたわれて、私たちは車を持つことを夢としておった時代がございます。そして、持つことによるペナルティーというものをはっきりと知らされることなくと言っても過言ではないと思いますけれども、とにかく買えるんだということを知らされ続けてきました国民に責任を求められ過ぎることのないように、私は特に都市住民の立場から、そしてまた今回の車庫法改正で、東京、大阪、都市部における軽自動車車庫義務づけが適用される、地域指定を受けるということについて、都市の住民の立場から主に質問をさせていただきたいというふうに考えております。  私の地元は、都心区と言われます中央、港、千代田区から約六キロほどの地点にございます。特にその中でも江東区は、区民の四割、今はもう五割に達していこうかとしている状況でございますが、その大半の方が集合住宅に住んでいる状況にございます。ここで先輩からの、さまざまな委員からの御指摘がございますが、私から御指摘を申し上げるまでもないと思いますが、駐車場の不足している状況には本当に深刻なものがあるというふうに思っております。駐車場を確保することが私たちの生活の中の大きな問題になっております。公営団地、マンション等でも、そこの設置をしてある駐車場の抽せん会に一喜一憂している、そして、それに当たった外れたということがまた住民同士でのいがみ合いまで生ずるほど、大変な切実な問題であるというふうに思うわけでございます。外部の駐車場を借りるのに今は一年待ちという状況になっているわけでございます。  御存じのように、都市住民は根本的に土地を持たない住民でございます。自分たちで駐車場問題を何とか解決しようとして住民たちがさまざまな交渉を行っているというふうな現状、そしてそれを受けて、それぞれの自治体が懸命な努力をしているということを私は自治体に当たりまして痛感をいたしたわけでございますが、今の時点では残念ながら土地の値上がりなどで頭打ちの状態にある、各自治体の力では本当に限界があるのを感じているというふうな現状であろうと思います。  以上の立場から御質問させていただこうと思っておりますが、大変ふなれなために体系立った質問ができません点をお許しをいただきまして、誠意ある御答弁をよろしくお願いをいたします。  まず第一に、このような論議をしている今も車は生産が追いつかないような状況でふえ続けているわけでございますが、車の需要というものがほぼもうここら辺で満たされているところまで来ているとお考えなのでしょうか。それとも、今後ま だまだ増大するというふうにお考えでしょうか、お伺いをいたしたいと思います。
  208. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 経済の発展と車の需要の問題というのはなかなか難しい問題だと思います。しかし、現実の姿としては経済がどんどん発展しておりますし、それに伴って車がふえておることも現実の問題でございます。今お話がありましたように、毎年車が伸び続けておるというのが一つの現実の状況でございますので、それに合わせた対応をしていかなければならない、こういうふうに理解をしております。
  209. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 十年先はどのような状態になっておるとお考えでしょうか。
  210. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 なかなか来年のことを予想するのも難しいときでありますので、十年先は本当に難しいと思いますけれども、少なくとも今の駐車場なり車庫の状況を踏まえて、車が伸びていけば、まさに駐車問題で都市は窒息をする、先ほど来答弁がありますように、都市というものは窒息いたしますし、社会経済の発展もそのことのゆえにまた大きな阻害を受けるのではないか、こういうふうに推測されます。
  211. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 経済の発展により増大するというふうにおっしゃっていると受けとめさせていただきたいと思います。  数年前まで車はぜいたく品と思われておりましたが、今車に対する価値観が非常に変わってきたのじゃないかなというふうに思われるわけでございます。例えば弱者が非常に車を必要としている。体を動かすのが困難な障害を持った方々とか年寄りとか、そして子供を持っている母親にとっても、立場を変えてみれば、車の利便性というものは本当に欠くことのできないようなものになっていると思われます。今まで各省庁のお考えでは、住宅が優先である、車は二の次三の次というふうなお考えがあったというふうに聞いておりますが、先ほどまでの御質問でも、都営住宅に駐車場を設けるような指導をなされているというふうなお話もございますが、どのように価値観を変えてこられて、これからどういうふうに考えていらっしゃるのかもお伺いをしたいと思います。
  212. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 今お話しのように、車の有用性、利便性というものが今までは非常に高く評価されておったと思います。そういったことで車がふえてきたものと思いますが、車がふえることによりましてかえってマイナス面が最近は目立ってきたということでありまして、これからは特にマイナス面に対する何らかの措置、それも当面差し迫った緊急の対策が必要ではないか。ということで、現在御提案申し上げております二つの法案の中身はそういうことになっております。特に駐車問題に焦点を当てての御提案をしておるところでございます。
  213. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 今の御答弁を伺いますと、今までは住宅優先、そして車もどんどん量産をされてきて、ここで初めてマイナス面が出てきたということで、方向を大きく転換をしていこうというふうな御答弁でよろしいでございましょうか。  先ほども申し上げましたけれども、駐車場を増設してほしい、自分の車庫もそうですけれども、最低限の駐車場、行った先でも公の使える駐車場が欲しいというのが都市住民の希望でございます。自治体も懸命に努力をしているということでございますが、大都市圏の交通問題は、所有者の義務づけや罰則の強化だけではなくて総合的に、例えばこれから先例質問させていただきますが、税制面や建築基準法の問題、そして各自治体の附置義務などなどが総合的に、都市問題の一環として駐車場問題を扱っていかなければならない、総合的に進めていかなければ解決しないと思っておりますが、都市問題としての駐車場というふうな観点ではどのように認識をしておられますでしょうか、お伺いをさせていただきます。
  214. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 まさにお話のとおりだと思います。先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、駐車問題はまさに都市問題ということで、総合的な対策が必要だという認識でございます。私ども警察の方といたしましても、取り締まりで物事を解決する時代はもうとうに過ぎておるというふうに考えておりまして、駐車スペースの問題、いろいろな総合的な対策が全部かみ合って初めて効果があらわれてくる、こういうふうに認識をいたしております。
  215. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 次に、都内二十三区における一般の駐車場の数がどのようになっているか、車がこれほどふえ続ける状況に対して駐車場の設置がどのような状況でふえているかお伺いしたいところでございますが、一体駐車場というのは全体スペースふえているのでしょうか減っているのでしょうか、お伺いをいたします。
  216. 安達常太郎

    ○安達説明員 都内の駐車場整備の現状についてのお尋ねにお答えいたします。  東京都における駐車場の整備状況でございますけれども昭和六十三年度末現在、一般に利用される都市計画駐車場及び届け出駐車場、これが五万三千三百六台でございます。内訳は、都市計画駐車場が一万三千百九十一台、届け出駐車場が四万百十五台。一方、附置義務駐車場でございますけれども、これが六十三年度末、二十四万四千六百六十台ということでございまして、この数字は、二十三区内の数字は持ち合わせておりません、東京都内の数字というふうに御理解いただきたいと思います。  増加しているかということについてでございますけれども、東京都の御努力で若干でございますけれどもふえているということが言えるかと思います。
  217. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 済みません、何%ぐらいふえているかということがおわかりになりますでしょうか。
  218. 安達常太郎

    ○安達説明員 大変失礼いたしました。今正確な数字を持ち合わせておりませんけれども、六十二年度末と六十三年度末で比較いたしますと数%の伸びでございます。
  219. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 私がいただきました駐車場の推移というふうな要旨には、公共のものが対前年度比一・〇〇、民間のものも一・〇〇、そして公共のものが一・五七、民間のものになりますと対前年度比が〇〇・九八と減少しているというふうな数字をいただいております。本当に私たち国民が多くの皆さんとともに駐車場の設置を望んでいる、声を出しているつもりでございますが、この数字ではなかなか思うように対応していけないということがよくわかるような数字になっているわけでございます。その中で、特に民間の駐車場に関しましてお伺いをしたいと思います。  今、官民一体となってこの駐車場不足の問題を解決しようというふうなかけ声が非常に大きくかけられているわけでございますが、民間が駐車場経営をするのに非常にしにくい状況になっているというふうなことでございます。  まず第一に、建築基準法におきまして駐車場の設置がどのようになって義務づけられているかということをお伺いしたいと思います。     〔今枝委員長代理退席、委員長着席〕
  220. 島崎勉

    ○島崎説明員 駐車場の建設に関します建築基準法の扱いでございますが、基準法上、駐車場に関しまして規制がございますのは、都市計画におきます住居系の地域、具体的には第一種住居専用地域、第二種住居専用地域それから住居地域、この三地域の住居系の地域におきまして規模等の制限がございます。具体的には建物の延べ面積の三分の一を限度として、三分の一までつくれるということが一点でございます。これはマンションとか事務所がございますが、そういうマンション、事務所の実際に居住する方が使われるというものでございますが、附属する駐車場というふうに申しております。また、駐車場のビルと申しますか、駐車場だけを単独でつくる場合でございますが、これにつきましては、商業系、工業系につきましては全く規制はございませんが、住居系の地域におきましては、環境を確保するというような観点もございまして、これに対しまして、規模につきましては五十平米という規模の規制がございます。
  221. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 住居地域内に建築をしてはなら ないというふうに建築基準法第四十八条に明記がしてございます。私たちの住んでいる地域は、認識が浅くて申しわけないのですけれども、この住居地域というのにほとんど当たるんではないかなと考えておりますが、かなり建てられる地域が限定をされているというふうに思っていいわけでございましょうか。
  222. 島崎勉

    ○島崎説明員 住居系の地域におきましての駐車場でございますが、例えばマンションに入居される方がその団地の中で駐車をするための駐車場につきましては、全く限定はございません。ただ、面積的にはマンションの面積と駐車場の面積を合わせました全体の面積の三分の一以下に駐車場の面積は抑えていただきたいという規定はございます。ですから、例えばマンションの全体面積が一万平米といたしますと、駐車場の面積を含めまして三分の一でございますから三千三百三十三平米まではつくれるということでございます。
  223. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 床面積の合計が五十平米を超える自動車車庫、五十平米といいますと、車が三台分くらいでしょうか。要するにそれ以内。それ以上の大きな駐車場はつくれないということでございましょうか。
  224. 島崎勉

    ○島崎説明員 ただいまの五十平米という基準に関しましては、住居系の地域で、その住宅とか事務所に付随をしませんで、全く単独で、例えば相当広範囲の方々の駐車場として駐車建物自身をつくるという場合のケースでございまして、そのような場合には、居住環境等の観点から、原則としては五十平米という規定がございます。
  225. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 床面積の合計が五十平米を超えるものに関しては、東京都建築安全条例第九条によりますと、特殊建築物ということになって、同第十条の二によりまして幅員が六メートル以上の道路に接しなければいけないこととなるというふうに規定がございます。この六メートル以上というのがかなり厳しい条件ではないかと感じているんですけれども、この点に関してはどうでしょうか。
  226. 島崎勉

    ○島崎説明員 東京都の建築安全条例におきまして、今おっしゃいますように六メートルという規定がございます。また、大阪府の建築施行条例につきましてもそのような規定がございますが、これは各都道府県の段階で、基準法上の規定ではございませんが、必要に応じまして各都道府県の条例で必要な規制を付加することができる、こういう規定がございまして、その規定によるものでございます。  この規定の趣旨といたしましては、やはり自動車が相当出入りをするということで周辺環境に影響を与えるというようなことで、出入りの道路につきましてはある程度幅員がなければ問題があるという観点からこの規定が設けられたものというふうに考えてございます。
  227. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 最近身近な方が駐車場をお建てになりまして、そのときに聞いたことによりますと、駐車場建設に対する本当にいろんな法があって、適用するかどうかということも法の解釈が大変難しいというか、こう言っちゃなんですけれども、その場その場の法解釈があるのではないかというふうなことを伺いました。  例えば二階建ての駐車場に関しては、工作物であるかまたは建造物であるかということが非常にわかりにくいというふうな国民の方の御指摘がございますが、そのことに関してはいかがでございましょうか。
  228. 島崎勉

    ○島崎説明員 先生今御指摘の二階建ての立体駐車場、これは通常一層二段式と申しておりますが、一層部分と二段部分のいわゆる屋上的な扱いの部分について自走式の自動車車庫にするというようなものでございますが、これにつきましては当初は比較的数も少なかったわけでございます。それに対しまして各都道府県、各市におきまして対応してまいりましたが、六十年前後から駐車需要の増加に伴いまして相当自走式の立体駐車場が出てまいったという経緯がございます。  これにつきましては安全上の問題等がございまして、建設省におきましては特定行政庁、これは都道府県なり各市町村の建築確認をする団体でございますが、その公共団体からの文書照会に対しましては、一貫いたしまして、このような自走式の自動車車庫につきましては建築物に該当するというような見解を示してきたところでございまして、建築基準法上の建築確認対象にしていくということでございます。
  229. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 要するに申し上げたいのは、建築基準法を改正するようなお気持ちはありませんかというふうな、本当に土地が高くなり、本当に民間が駐車場をつくっても何とか経営が成っていけるような、また建築をつくるときにつくりやすいようなというふうな方向性も都市部においては考えていかなければならないのではないかというふうな意見なのでございますが、その点はいかがでございましょうか。
  230. 島崎勉

    ○島崎説明員 ただいまのお話でございますが、先ほど出ましたいわゆる一層二段式駐車場などにおきまして、必ずしも確認を受けないでできていたというケースがございまして、そのようなときに周辺の住民の方々から、これは一日、二日でできてしまうものですから突然できてしまいまして、周りから非常に苦情が出てきて、確認部局に対しまして一体どうなっているんだというようなケースが出ている部分がございます。そのようなことで、私どもといたしましては、特に住居系の地域に限定をしておるわけでございますが、こういうものにつきまして当然建築確認対象として対応してまいりたいと考えておるわけでございます。  また、先ほどお話にございました、このような規定を設けておりますのが建築基準法の四十八条でございまして、その規定では住居系の地域におきます駐車場の一定制限をしておるわけでございますが、特に環境上支障がないような場合におきましては、各公共団体で周辺の環境等に配慮して個別に認めていく、こういう制度がございます。そのような制度は従来は比較的限定的に扱ってきたわけでありますけれども、このような制度をより積極的に活用をして駐車場に対応をしてまいりたいと考えております。
  231. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 引き続き御努力をお願いしたいと思います。  次に、固定資産税のことについてちょっとお伺いをいたします。固定資産税は、住居用がそうでないかの違いのみで住居用の約四倍の固定資産税というふうに聞いておりますが、それは事実でございましょうか。
  232. 成瀬宣孝

    ○成瀬説明員 お答えをいたします。  固定資産税の課税標準の特例についてのお尋ねであったかと思いますけれども、御質問の中にございましたように、小規模住宅用地につきましては、住宅政策の観点から課税標準を評価額の四分の一、そして小規模住宅用地と申しますのは、二百平米以下の土地ということでございます。
  233. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 再三申し上げますけれども、本当に何とかして最低の車庫は保証してもらいたいというか、私たちの努力も入れまして、本当に官民一体となって駐車場をふやしていきたいというのが都市住民の願いだと思いますので、さまざまな点で総合的にこれから連携をとって努力をしていってほしいと考えております。  次に、今度の軽自動車に関しての車庫義務づけは本当にもっともなことでございまして、あら、今ごろまでそう言えば義務づけがなかったのか、むしろ立ちおくれの感が強いわけでございますが、本当に車庫の不足に苦しむ東京、大阪というところにむしろその適用地域を限ったというのは、それらを緩和させるような、例えば駐車場をどういうふうにふやしていくというふうなものが、本改正に当たって、各省庁の連携が必要だろうとは思いますけれども、そのような施策の案があるのでしょうか、お伺いをいたします。
  234. 関根謙一

    関根政府委員 駐車場の整備を含めまして大都市における駐車対策につきまして、去る五月二十八日に政府の交通対策本部におきまして関係十八省庁の申し合わせを行ったところでございます。そこで駐車場の整備を含めて施設の拡大を図るこ とを申し合わせているところでございます。
  235. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 その後のことに関連しますが、ちょっと先ほども言い漏れたのでございますが、各自治体が非常に駐車場の確保に努力をしているということを申し上げたいわけでございます。ただ、その中にも、大変努力をしている区と、東京都の駐車場の附置義務条例に任せたままにしている区というのもあるわけでございますが、本当に取り組みを一生懸命されている区も多いわけでございますので、それらの自治体に駐車場の設置に関する費用の面での何らかの補助ができないのだろうかというのが、調べていくうちに実感としてわいてくるのでございますが、各自治体に駐車場建設に、対する補助金はございますでしょうか。
  236. 安達常太郎

    ○安達説明員 駐車場建設に関する自治体に対する補助の制度についてのお尋ねにお答えいたします。補助制度といたしましては、地方公共団体が商業・業務系の市街地再開発事業を施行する場合において附置義務条例により設置が義務づけられている駐車場分が補助対象となっております。加えて、市街地再開発事業の中でも住宅建設型といいましょうか、住宅建設を主たる目的とした事業の場合には、附置義務分を超える部分の駐車場についても補助対象とすることができるということで、これが行われているところでございます。
  237. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 駐車違反で私たちが反則金、罰則金というふうに払っているのはそういうふうなところには使われていないのでしょうか。
  238. 関根謙一

    関根政府委員 反則金の使途は法律、政令で定められているところでございまして、これは現在は交通安全施設に限って使われることとされております。反則金の全体の額は約七百億程度でございまして、これが道路管理者、都道府県公安委員会等に配られてまいりますものですから、それぞれの都道府県、市町村における持ち分というのは極めて少額になってしまいます。そこで、交通安全施設等に限ってもなお額が不足がちでございますので、これを駐車場整備の方に充てるというのは当面は困難かと存じます。
  239. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 交通安全といいますと、例えば信号機とか道路の整備とかでございましょうか。最後そこだけ、済みませんが。
  240. 関根謙一

    関根政府委員 そのとおりでございまして、信号機でありますとか管制センターの整備等、これは公安委員会分でございます。それと、道路管理者分として、歩道橋の整備でございますとか街灯の整備でございますとかといったものに充てられております。
  241. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 次に移らせていただきます。  実は、今度の改正に関しまして、多くの地域の皆さん国民皆さんの声をお伝えするものでございますが、駐車禁止の取り締まりを何とか平等にしてほしいというふうな声をよく聞くわけでございます。身近な商店街などで二重駐車をしているトラックは本当にいつも同じ会社のものがとまっているとか、例えばそこの地域はいつもたくさんの駐車がしてあるとかということを、国民は身近なことでそう言うのだろうというふうに思いますが、そういう声があるということから、今度の法改正をして、その駐車禁止を平等にできるかどうかということについてもお伺いをしておきたいというふうに思います。
  242. 関根謙一

    関根政府委員 公平感のある取り締まりということは私ども常々心がけているところでございますが、先生指摘のような意見があるということは私どもも承知をしており、まことに残念であると考えているところでございます。  先ほど来、大臣、長官から取り締まりのあり方につきまして御説明を申し上げておりますが、要は悪質性、危険性の高い違反についての取り締まりと迷惑性の高い違反についての取り締まりということを重点としためり張りのある取り締まりを行いますとともに、あわせて規制のあり方につきましても、程度の高いものから規制していくということで、めり張りのある規制ということを心がけてまいりたいと考えております。
  243. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 今度の改正で車の持ち主に非常に責任が問われるというふうなこともございます。私の地域は特に中小零細が多いわけでございますが、下請の建設業者の皆さんなんかからも本当に多くの声が早速に飛んできまして、自分たちの一日の日当が飛んでしまうような、そういう駐車場の心配をしながらやっている、その立場の声も国会の方によく伝えてくれというふうに言われます。この声が今度の改正で改善をされるというふうに思っておりますが、よろしいでしょうか。
  244. 関根謙一

    関根政府委員 今回、使用者責任の仕組みを設けさせていただきたいと考えております理由は、運転者に対する責任の追及の仕方ということで、車を本来使って利益を得ておられる方々に対する責任の追及の仕組みがないということからさまざま生じてまいります弊害を是正したいということからでございます。  一つの例を申し上げますと、大阪にあった例でございますが、駐車場二台分を確保いたしまして七十二台の車を運営していたという会社がございます。この場合に、反則金という形で責任を追及いたしますのは常にドライバーの方だけでございまして、その車の使用者であります企業の方ではございません。そこで今回は、個々のドライバーに対して責任を追及するという仕組みはもとより必要かと存じますが、あわせて使用者の方についても責任を負っていただくような仕組みを設けたいということで考えたところでございます。
  245. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 本当に効果が出ることを期待をしていたいと思います。  もう一つ、今回の駐車違反の反則金の認識なんでございますが、まだ法案が通っていない段階ですけれども、かなり国民皆さんは一気に何倍にはね上がるというふうな理解を――国民皆さんが口々にお聞きになるのは、反則金が七倍になるんだって、何倍になるんだってという声でございます。今の一万円ぐらいの反則金が法改正でどのぐらいになるのか、お答えください。
  246. 関根謙一

    関根政府委員 今回の法律案で反則金の関係改正をお願いしておりますのは、反則金の額の限度額と言われるものでございます。この限度額を普通車の場合で申し上げますと、現在は限度額が駐車違反の場合普通車で二万円でございますが、これを二万五千円程度に引き上げたいというものでございます。  そして、この限度額の範囲内で政令で定める額が反則金の額ということでございますが、現在は、普通車が通常の駐車禁止場所に駐車して駐車違反となった場合には一万円が反則金の額でございます。そして、駐停車禁止場所、特に悪質性の高い場所に駐車違反をされた場合に一万二千円ということになっております。この限度額が大体一・二五倍ほどの引き上げでございますので、反則金の額も一・五倍程度の引き上げになろうかと存じます。この辺のところは、なお各方面の方々の御意見を伺って、政令で定めさせていただきたいと存じます。
  247. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 車の運転や駐車の問題は、先ほど先輩議員からも出されておりましたが、運転者の教育の問題にかかってくる、モラルの問題だというふうに考えております。どうしてこんなにもモラルが低下したかと思うことがたびたびございますが、どうしてこのようにモラルが低下したとお考えでいらっしゃいますでしょうか。
  248. 関根謙一

    関根政府委員 なかなか難しい問題かと存じます。まず一つには、現在の駐車規制のあり方が、なかなか駐車場所を探しにくいということもありまして、守りにくいということがあろうかと存じます。そこで、大量の方々が一斉に駐車違反をするということになりますと、今度はそれに対する取り締まりということが難しくなってまいります。  例えば、窃盗罪なんかですと大体五〇%程度の検挙率がございますから、その違反に対する抑止力というものが働くわけでございますが、駐車違反の場合にはその取り締まりの比率というのは極めてわずかであろうかと存じます。東京都の場合ですと、昨年は駐車違反で取り締まりました件数が四十八万件ほどでございます。ところが、瞬間 の路上駐車台数、瞬間の違法駐車台数というものが十八万台ぐらいあるわけでございますから、年間を通じて四十八万台というのは極めてわずかでございます。そのために法の抑止力というものが働かなくなり、その結果規範意識が薄れてきたということがあるのではないかと存じます。  今回の法改正を契機といたしまして、モラルの向上に努め規範意識を確立していただくように努めたいと存じます。
  249. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 時間の関係でもう一つお伺いをしたいと思います。  最近の新聞報道で、二輪車の免許取得年齢を十六歳から十八歳に引き上げたいというふうな報道を読みました。若くして働いている善良な勤労青年の立場から十六歳という年齢が定められているというふうに私は認識をしております。その一方で、大変悪質な運転者の問題が後を絶たないわけでございます。本当に、駐車違反を取り締まる前に暴走族を何とかしてほしいというふうな国民の声もまた率直な、正直な声ではないかと私は考えておりますが、本当にまじめな国民の立場からすると、十六歳から十八歳に引き上げるようなことは問題ではないかということをまずお伺いしたい。そして、悪質な運転者に対しては厳しい指導、講習等が必要なのではないか、何とかできないかということを最後にお伺いしたいと思います。
  250. 金澤昭雄

    ○金澤政府委員 自動二輪の免許年齢の問題でございますが、今私どもの方でやっておりますのは十六歳からでございますけれども、自動二輸の排気量の大きさによりまして、現実には、いろいろな指導で大型の自動二輪については十八歳程度からというようなことでやっております。この前から出ております一つ意見といいますのは、それを法制化したらどうか、ただしかし、これは自動二輪を全部十八歳に引き上げるということではなしに、排気量によって段階的に引き上げたらどうか、こういう趣旨のお話が今出ておるわけでございます。その問題につきましては、いろいろな問題を含めて前向きに検討していきたいと思いますが、今お話のございました勤労少年が乗っております排気量の少ない自動二輪につきましては、年齢を引き上げるということは今のところ私の方は考えておりません。  また、暴走族の取り締まりにつきましては、まさに国民の各層から広い御意見が寄せられておりますので、現在も一生懸命取り締まりをやっておりますけれども、今後もなお一層の取り締まりをやっていきたいと思っております。
  251. 吉田和子

    ○吉田(和)委員 本当に各省庁総力を挙げて問題の解決に取り組んでいただきたいと心からお願いを申し上げます。  なお、車の所有者の責任は本当にもとよりでございますが、メーカーの社会的還元はどういうふうになるか、ディーラーの社会的還元があってもいいのではないか、そういう点をもっとお訴えをさせていただきたかったわけでございますが、時間が来てしまいました。本当に私どもも真剣に取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞ引き続き御努力をよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。終わらせていただきます。
  252. 権藤恒夫

    権藤委員長 次に、左藤恵君。
  253. 左藤恵

    左藤委員 私は、今回の改正道路交通法一部改正、それからもう一つ自動車保管場所確保等に関する法律の一部改正、この二つの点につきまして、放置車両、転落積載物等で道路が非常に危険になる、また交通の妨害になるという立場から、適正な管理をしよう、そういった意味において今回の改正評価して、そして私は賛成の立場から、その上で交通安全上の問題で、さらに駐車場を確保するという見地で、今もいろいろ御質問がありましたので重複はできるだけ避けて若干の質問をさせていただきたい、このように考えております。  まず、交通安全の立場から、今お話が出ました暴走族、そういった人たちが車を不正に、不法に改造するケースが非常に多いと思います。特にタイヤの大きいものに取りかえまして車高を高くしている。これでは、前に横断歩道を三輪車に乗った子供が渡っておって、運転台から見えないということで、子供がひかれて死んだというような事例が一月ばかり前に大阪の堺市でありました。こういった改造をする、これは暴走族に限ったことではありませんけれども、若い人たちはこういう一つの流行みたいなものを追っていくわけですが、これは改造するときに、恐らく陸運事務所の車検を受けた後、またある業者に改造させる場合もありましょう、自分で改造する場合もありましょう。そしてもう一つ、改造のために部品をいろいろなところから購入する、こういったこともあろうと思いますが、警察だけの取り締まりではこういったことが防止できないと思います。不正な改造をすることによって、そうした交通の安全の点で非常に危険なことになりがちなので、こういった問題についてどういうふうにして取り締まっていくのか。  一つは、部品のようなものを販売する。これが不正に改造するだけの部品であれば、当然そうした業者に対しても一種の共犯というふうな立場でも私は告発できるのではないかと思いますが、そういうことについて通産省、警察、運輸省それぞれの立場で、こういうものに対してどういうふうにお考えになっているのか。私は、改造車というものについて非常に心配をいたしておる。交通安全の見地から心配をするものですから、この点についてお伺いをしたいと思います。
  254. 広瀬勝貞

    ○広瀬説明員 通産省でございます。  私ども通産省といたしましても、道路交通に危険を及ぼすなど社会的な問題となっております不正改造車を排除していくことの必要性については十分に認識をしております。  このため、運輸省の方で中心となって進められております不正改造車の排除のための運動というものに私ども積極的にお手伝いをさせていただきたいというふうに考えておりますし、自動車部品の製造あるいは販売に当たる部品業界への指導等も積極的にやっていきたいというふうに考えております。
  255. 松波正壽

    松波政府委員 お答えいたします。  今先生指摘になりました不正改造の問題、我我日ごろから、安全上あるいはまた公害防止上から大変重要な問題でございますので、不正改造車の排除につきまして、従来から街頭検査とかあるいは検修、監査など、あらゆる機会をとらえまして関係者の指導に努めてきております。  我々、交通事故非常事態宣言というのが発せられまして、いつも申し上げておりますが、アクションプログラムというのを運輸省でつくりまして、その中に三つの柱がございますけれども一つとして、この不正改造問題に取り組んでおるわけでございます。今も御紹介ございましたけれども、本年度初めてでございますけれども警察庁とか総務庁とか通産省等の支援を受けながら、また民間団体の御協力も得て、官民一体となりましてこの六月、七月を重点に、全国的に不正改造車の排除のための運動を今強力に推進をいたしておるところでございます。この運動を契機に、今後とも関係省庁と連携を密にしながら、何とか不正改造をしないあるいはさせないというような意識、認識の定着を図ってまいりたいと考えております。  不正改造車に対して、現行でも道路運送車両法の中で整備命令という制度がございますけれども、いわゆる基準に合わない車につきましてはその車両を基準に合わせる、こういう制度もございますが、この運用を図ってまいりまして、不正改造者の排除に努めてまいりたいと考えております。
  256. 関根謙一

    関根政府委員 取り締まりの関係でございますが、暴走族が改造に要する部品を調達している自動車の部品、用品販売店につきまして、それらの部品、用品を店に展示している行為のみをもってしては取り締まることが現行法では困難でございます。不法改造車両等の背後関係の捜査におきまして、その部品や用品販売店が不法改造に関与し ていたということがわかった場合に、道路交通法違反、整備不良車両運転の幇助ということでありますとか、道路運送車両法違反として取り締まることとしております。  平成元年中でございますが、まず道交法の整備不良車両運転によって検挙いたしました件数が十六万件ほどございます。この関係で、自動車部品の販売業者等による不法改造等によりまして検挙をいたしました件数が七十五件、六十五人といったところでございます。
  257. 左藤恵

    左藤委員 改造車のことについて申し上げましたが、そもそも運転台が非常に高くなるということに関連して、私も十数年前に、この交通安全委員会にずっと席を置かせていただいて、そのときにも左折のトラックが後輪で三輪車に乗りました幼児をひき殺したという事件がありました。それで何とかそういうことのないようにということで、トラックの前輪と後輪の間にバーをつけてもらうということをお願いしまして、これはやっと実現して現在どの車もみなつけていただいております。  ランドクルーザーがこのごろ売られておりますが、これが大変高いタイヤがありまして、そして車高も非常に高いわけです。そうすると、その間のすき間が大きいわけですが、せっかくトラックの方にバーをつけていただいても、そのランドクルーザーが都会の中を走り回りましたら非常に危険なわけです。こういうものを基準、規格として運輸省が認めておるということ自体が私は問題だろうと思いますが、交通安全の立場から、監督しておられる運輸省の陸上技術安全部長はこれに対してどういうふうにお考えになっているのか。私は、こういったものは規格として禁止すべきだと思います。とにかく若い人たちといいますか、これはサファリで運転するならばいいわけでしょうけれども、こういったことについて私は問題があると思いますが、どうでしょうか。この辺について意見を聞きたいのです。
  258. 松波正壽

    松波政府委員 お答えをいたします。  今先生から私を前に置いて、この問題についての見解をという大変名誉のあることですが、今この問題につきましては、我々道路運送車両の保安基準という中で視界等の基準を決めております。これにつきまして、先ほど御指摘がございました車につきましては、現在の時点で技術的な問題はないのですけれども、この車の直前あるいは左前方側面の視界につきましては、その構造上の固有の特性から、今先生が御指摘ございましたように普通の車とはちょっと差があるわけでございます。  このような車種によります状況から見て、また先般来いろいろ先生のお考えもございまして、そういうような御示唆もいただいた中で、去る五月末でございますけれども、我々運輸省といたしましては、この自動車をつくっております団体である日本自動車工業会に対しまして、先生指摘の視界確保の視点から、このような四輪駆動の車両を運転する場合の使用者への運転上の注意等のいわゆるソフト面の対策、あるいはもう一方、車両の視界確保の性能をより向上させるためのハード面の対策、これら両面につきまして、これまでいろいろとってきた措置を見直していただきまして、至急検討するよう要請をいたしたところでございます。  これを受けまして同工業会におきましては、まず最初にソフト面において、使用者が注意すべき事項を、車を売るときにつけられている取扱説明書というのがございますけれども、それに記載することを考えております。さらに構造面におきましては、より視界を確保するための――視界の確保には、先生も御指摘がございましたように間接視界あるいは直接視界等々方法がございますけれども、このやり方につきまして現在検討をさせていただいております。  それで、運輸省といたしましては、これらの検討結果を踏まえまして、ソフト、ハード両面から車両の視界確保が図られ、車両の安全性をより向上させるような方向自動車メーカーをこれから指導するとともに、この視界の確保につきましては、運転上非常に重要な問題でございますので、今後とも事故の実態等の把握に努めまして、全く見えない視界領域はなるべく少なくしながら、視界の一層の向上が図られるよう努力をしてまいりたいと考えております。
  259. 左藤恵

    左藤委員 今のお話ですが、そういった努力はしていただきますけれども、問題はそれが守られなければ、そういう車ができて、実行されなければ何もならないわけです。  例えば視界の問題につきまして、とにかく左側のドアを下の方までガラス窓にするということは、視界が非常によくなるわけですからいいわけですけれども、裸で乗るからかもわかりませんが、そこをまた紙を張ってしまうというようなことで、実行するときに使えなくなってしまう、こういうことになったら何もならないわけです。  そういうことで、車をある程度規制をするときには、これからつくる車は全部そういうふうなことを守らせなければならないということの実効の確保ということを十分やっていただかなければなりませんし、それから先ほどのランドクルーザーとか四輪駆動の問題についても、どうしても認める場合には前輪と後輪の間に何か安全のバーをつけるとかということは義務づけていただきたい、このように思います。そういったことを積極的に指導していただかなければ、ここでいろいろ言われるからということでやってもらっただけではだめだ、私はこのように思いますので、実効を確保する、それが本当の交通の安全に資する道だ、このように考えるわけでございます。  次に、先ほど来いろいろ建築基準法の問題があった駐車場の確保の問題でありますけれども、駐車場というのは、いろいろのことを聞いてみますと、特に大都会の真ん中におきましては確保することは今非常に難しくなってきている。そして、特に固定資産税の関係で、小規模住宅だと五年間は評価額の四分の一の固定資産税ということになって非常に大きな特典があるわけですけれども、そういったことからいうと、駐車場はそういうことはないのだ。特に業として駐車場をしておられる方にとってみたらこれは非常に経済的に割の合わない仕事だ、こういう論が非常にありまして、それでなくとも駐車場を何とか確保しなければならないのに、固定資産税の減免の問題も十分考えていただきたいと思います。  今のような消極的なことでなくて、また、このことについて地方自治体の立場から見れば少しでも固定資産税を確保したい、こういうことでありますから、やはり中央で、自治省なら自治省が積極的にこういった問題について、特定の地域については駐車場の確保ということで固定資産税の減免を考えるべきだ、こういうふうな積極的な姿勢で物事を考えていただかなければならないのではないか、私はこのように思います。  それからもう一つ、最近は都会の交通の中で、住居が地方にあるというか郡部にあるといいますか、都市の郊外にある関係がありまして、通勤に乗用車を使う者が非常に多いわけです。そうしますと、首都高速道路とか大阪であれば阪神高速道路とかいう高速道路がせっかくありましても、この都会へ入る車でもう物すごい渋滞が続いておるわけであります。こういった渋滞の解消というような意味から見ましても、最近地下鉄が随分郊外の方まで延伸されてきておる、その終点のところに大きな駐車場があれば、そこまで車で来てそこで乗りかえて地下鉄で出勤する、こういうケースが当然考えられるわけであります。イタリアのローマの場合などはこれを非常に大きなことで今やっておるわけですし、また大きな公営の駐車場の施設があるわけですけれども、大都会の場合はなかなかそれがないわけです。  そうすると、そこで民間で駐車場を提供してもらう人があればそういった問題も解決できると思いますが、固定資産税が非常に高いというようなことから採算がとれないわけであります。月決めでもそういうところでしたら七、八千円ということになっております。都心でいきますとやはり 四、五万円するというようなこともありますので、そういうところでもし提供してもらえるようなことがあれば都市の交通の緩和というような点でも非常にプラスになるだろうと思いますが、この点についてもひとつ検討をして、特定の地域に対します固定資産税の減免ということを積極的に考えていただいて、そして駐車場の不足の解消に当たっていただきたいと思いますが、自治省としてそういったことをやる気持ちがあるのかどうか、これを伺いたいと思います。
  260. 成瀬宣孝

    ○成瀬説明員 お答えいたします。  固定資産税は、御案内のように、資産の保有と市町村の行政サービスとの間に存在いたします受益関係に着目しまして課税する市町村の基幹的な税として、一般の住宅を含めまして広く御負担を願っているところでございます。したがいまして、非課税等の特別措置につきましては、特に公共性の高いものに限定をいたしまして講じられているところであります。  駐車場にはいろいろな考え方もあろうかと存じますけれども、基本的には営利を目的といたしました事業用資産でございまして、また当該施設にかかります固定資産税は損金に算入されるものでありますことから、固定資産税の軽減措置を講ずることには一般的には困難な面が多いのではないかなと考えております。  なお、都市計画におきまして位置づけられました一定の路外駐車場で地下に設けられるものにつきましては、道路交通の円滑化、都市機能の維持増進等の見地から課税標準の特例措置を設けまして、一定期間税負担の軽減を図っているところでございます。
  261. 左藤恵

    左藤委員 そういうような消極的なことでは、私はなかなか今のあれはできないと思いますので、ひとつ大臣の方でもこれは何とか積極的な姿勢で考えていただかなければ困ると思います。  今大阪の場合、天王寺公園の下に公共の駐車場ができておりますが、一時間の預かり料も五百円か何かで非常に高いのです。そして実際問題としては日曜以外は余り駐車しておらないというようなことがあるわけです。これは恐らく外郭団体といいますか、第三セクターみたいなもので駐車場を経営しておられるからということもあるのでしょう。ともかく償還期限とかそういうものから割り出した計算から見ますと、採算性が非常に悪い今の状況になっておると思います。あれを少し安いことでやれば、私はもっと利用があってかえってできると思いますが、そういうようなことで駐車場の確保をいろいろな面で公共団体もやっていく、それからまたそういう第三セクターでもやっていく、民間もそういうことに対して特例を考えてやる、こういうことで大都会の駐車場の不足をやらなければ、幾ら路上駐車を禁止しましても町にあぶれることは必至だと思いますので、そういう点について特に積極的な御判断をいただきたいと思いますが、ちょっと大臣の御所見をいただきたいと思います。
  262. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 全く同感でございます。  今固定資産税課長が言いましたように、自治体にとってはそれは基幹的な税ですから、なかなかそう簡単に答えは出ないかもしれませんけれども、この駐車問題を解決するにはまさに官民一体で、しかも民間で貴重な土地をそういった形に使う、そういったことに対しては、もう自治体を指導してまいって、先生の言われる、どういう形の減免措置を講ずるかどうかという形で、減免措置が講ぜられるような方向で指導してまいります。
  263. 左藤恵

    左藤委員 ぜひお願いいたしたいと思います。  先ほどの質問者の方からいろいろお尋ねがありました駐車場の問題に関します建築基準法の多くの制限の問題につきましても、重複しますので改めて伺いませんけれども、この問題も、そもそも建築基準法というのが車の少なかった時代にできておって、言ってみれば、結局、住宅といいますか、そういうところの地域におきましては住民の居住環境の確保という点が一番重点を置かれておるわけでありますけれども、やはり都市全体のいろいろな面での本当の意味の環境の整備となれば、そういった駐車違反の車もないようなことも考えなければならないわけであります。  特に、大規模店舗といいますかデパート、スーパー、こういったところに対します駐車場の確保の数字の問題なのですが、私は、これははっきりとしたこともよくわかりませんし、またこれは恐らく都道府県の条例でいろいろ付加的な条件もあろうかとも思いますけれども、現実問題としまして、たしか三千平米までの売り場面積のところは駐車場がなくてもいい、その上、たしか三百平米について一台とかなんとか、そういうような基準があるように聞いておりますが、とにかくこれはもう常識を無視したような規定であるわけです。  こういったことをやりますと、スーパーとかデパートの前に物すごく車が行列しまして、現実に日曜日などは皆さん家族で車で買い物に来られる、それがずっと並ぶわけであります。御主人が運転してそこにずっと並んでおるというケースならばまだいろいろなことで排除することもできるわけですが、置きっ放しにして買い物に行っておる、こういうケースが物すごくあるわけであって、その付近の住民から非常な反発も食っておるということもあるわけであります。  そういったことに対しまして、規制といいますか、こういった問題については、これはぜひ今の条件というものをもう少し考え直していただきたい。やはりそういうことで積極的にそのときそのときの時代の状況に合った建築基準法で、国民のために、最大多数の人たちの生活環境をどういうふうにしてやっていくかということは、私は条件が変わっていくだろうと思いますが、今のような消極的な姿勢であったのではこれはもう解決できないと思います。こういったことに対して、建設省としてはどういうふうな積極的な姿勢でおられるかどうか、これを伺いたいと思います。
  264. 安達常太郎

    ○安達説明員 スーパー、デパート等の大規模店舗に対する駐車場の附置義務の強化についてでございますけれども、実は一昨日、六月十一日に新しい標準駐車場条例、モデル条例を地方公共団体の方に通達いたしました。これは、全般的に申し上げまして、スーパー、デパート等の大規模店舗に関する附置義務を強化するものでございます。  お尋ねのスーパー、デパート等につきましては、今まで二千平方メートル以上の建物に対して三百平方メートルに一台の義務を課しておりましたけれども、今回の改正によりまして、人口百万人以上の都市につきましては、一千五百平方メートル以上の建物、それから百貨店その他の店舗あるいは事務所につきましては二百平方メートルに一台、あるいは人口規模百万人未満五十万人以上の都市につきましては一台当たりが百五十平米に一台というようなことで、改正一つの例を申し上げましたけれども、全般的に強化の方向措置したところでございます。  現在全国で百三の市におきましてこの条例を制定しておりますけれども、いまだ未制定の市が幾つかございます。今後我々といたしましては、よくよくこれを指導して、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
  265. 左藤恵

    左藤委員 地方自治体に対する指導ということだろうと思いますが、これはいろいろ地方自治体の事情もありましょうし、また画一的にやってくださいということを申し上げているわけでもありませんので、それぞれの状況によって判断をして、積極的にこういった問題について取り組んでいただく、そういうことをぜひお願いをしておきたいと思います。  それからもう一つ、先ほど交通安全の取り締まりのことに関連しましてちょっと質問を落としましたけれども、最近随分何回も出頭命令を出している。これは、駐車違反を取り締まっておる、出頭命令を出しても出頭しないという者に対して、何人かごの問逮捕されたということを聞いております。これはもう当然のことだろうと思いますが、これはその間警察に対しても大変お手数を煩わしておるわけだし、そうした不心得な人間というものに対して、法体系の問題もいろいろあろうとも私は思いますけれども、例えば反則金は倍取 るとか、それから点数を倍にするとかなんとかそういうことで、理由がなしに一回で出てこない者について、再三の督促にもかかわらず出てこないというのは、そういう横着な人間に対しては厳しいことをやらないことには、これはもうやはり法の間の公正を欠くのではないだろうか、このように思います。  それで、本人は出頭しないことが、横着なのか、それとも最後まで逃れ切るつもりなのかわかりませんけれども、今度の法改正との関連もありますから、これは使用者に対するペナルティーが今度は入りますので、そういった点との関係で何か考えられないか、この辺をひとつこれからの課題としてお考えがあれば伺いたいと思います。
  266. 関根謙一

    関根政府委員 現在は、交通達反をしながら逃げ回っているという悪質な違反者につきましては、先生お話しのように、逮捕して身柄を検察庁に送って、反則金の処理ではなくて罰金を払わせるという実質的に重い処分を科することとしております。しかしながら、これは一般の犯罪捜査と同じ手間暇がかかりまして、交通達反というような大量の事件を処理する仕組みとして必ずしも適当なものとは考えておりません。今回、使用者責任という仕組みをお願いしているところでございますが、これとあわせて、この運転者責任につきましても、公平感のある取り締まりを行うべく努力したいと存じます。
  267. 左藤恵

    左藤委員 ぜひそういった公平感のある取り締まりをしていただきたい、このように思います。  それからもう一つだけ、これは要望申し上げておくわけでございますけれども、実は、高速道路におきまして自動二輪車が非常に危ない運転をするわけです。先ほど御質問がありましたように本当にまじめな人たちはいいわけですけれども、八の字のようなことで物すごいサーカス運転というのでしょうか、非常に危険な運転行為をする人が非常に多いわけであります。こういうときに、例えば運転をしておりまして、そこに目の前に自動二輪が割り込んできたというふうなときには急ブレーキをかける、そうすると次の車が追突する、こういうことが高速道路においては起こりがちで、これは非常に危険だと思います。そして、その割り込んできた車だけは先に逃げていってしまうというようなことで、取り締まりの点でも非常に問題だろうと思います。  現在の規定では百二十五ccですか、それ以上の車は走ることができるわけでありますが、こういったことについて、まず自動二輪の高速道路における事故、それによって死亡者がどのくらい出たかということの数字があれば教えていただきたい。これに対して何か禁止をするとか、そういうことの規定検討しておられるかどうか、これを伺いたいと思います。
  268. 関根謙一

    関根政府委員 高速道路における自動二輪車の事故件数でございますが、死亡事故で申し上げますと、平成元年度で二十六件、二十七名の死亡事故が起こっております。一昨年でございますか昭和六十三年が二十七件、二十七人ということで、事故件数そのものの増減率から申しますと、ほぼ横ばいでございます。全車種について申し上げますと大体三三%ぐらい増加しておりますから、増加そのものは多くはございません。  しかしながら、先生指摘のように、高速道路における自動二輪車の暴走運転というのは甚だ危険であると存じます。その取り締まりの仕方等についているいる検討しているところでございますが、今のところは白バイ隊を高速道路に上げてその威嚇力によって取り締まる方法とか、その他検討中でございます。
  269. 左藤恵

    左藤委員 もう時間がありませんので、今の問題についてはひとつ検討していただいて、非常に危険――この事故の数字も、恐らく自動二輪が転倒したりして自動二輪に乗っている人の事故だろうと思いますが、私の申し上げているのは、それによってほかの車の追突事故とか、そういうものはたくさん事例があるだろうと思います。そういったこともありますので、これは単に今の取り締まりを強化するということでなくて、根本的にこういったことが、一体自動二輪は高速道路を走らせておくことがいいのか悪いのかという点で、交通安全の見地からひとつ検討していただきたいということを御要望申し上げて、時間が参りましたので私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  270. 権藤恒夫

    権藤委員長 次回は、来る十五日金曜日午前九時十分理事会、午前九時二十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時四十分散会