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遠藤(乙)
委員 続いて、海の
交通安全につきましてお
伺いしたいと思っております。
海難
事故の場合、全般的には減少
傾向にございますけれ
ども、唯一、マリンレジャーのいわゆるプレジャーボートの
事故が
増加傾向にあるわけでございまして、これは近年のレジャー志向の高まり、それに基づくいわゆるマリンスポーツの普及等で当然予見されることでございます。現在、国内にはプレジャーボートが二十六万隻と言われております。モーターボートが二十万隻、ヨットは六万隻ということでございまして、十年前と比較しても四四%の
増加ぶりであります。当然、これに伴ってこのプレジャーボートの海難
事故がふえることは予見されるわけでございます。
マリンスポーツというのは、
日本が豊かになってライフスタイルが変わって、こういった豊かさを求める
一つの大きな分野であろうかと思っておりまして、もともと
日本人は、海洋国家と言われまして水とか海とか船には大変強い愛着を感じておるわけでございまして、働きバチと言われる
日本人が今後、労働時間の短縮、さらにさまざまな環境
整備さえあれば、このマリンスポーツに急激な
増加が見込まれるということは私も感じております。そういった
意味で、他方、安全面での
対策は大変重要であると考えております。
特に、こういったプレジャーボートの操縦に必要な小型船舶操縦士
免許の取得者は
平成元年度末で百九十三万人と言われております。中でもレジャー用モータボートの大半を占める五トン未満の船舶の操縦
免許であります小型四級
免許の取得者が百二十八万人でありまして、この五
年間で二十八万人以上も
増加となっております。
こういったマリンレジャーブームの一方で海難
事故も急増しておりまして、昨年一
年間で救助を要する海難
事故に遣ったプレジャーボートは五百五十五隻となっておりまして、全海難
事故の二八%を占めております。こういった原因としまして、レジャー船の気安さから天候を無視して無謀な出航をするとか、知識、技術の未熟さ、機材の取り扱いの不なれといった
基本的なルールやマナーの無視、また、小型の四級
免許が比較的簡単に取得できるということから、その安易さが安全軽視につながったのではないか、あるいはまた短期間に操船技術、安全意識が十分に身につけられるような教習課程となっているかといったような問題が指摘されております。最近も、御
承知のとおり、千葉県の九十九里海岸で二家族の乗ったモーターボートが転覆しまして、子供五人が死亡して一人が行方不明という痛ましい
事故が発生したわけでございますけれ
ども、この
事故の場合も、
地元の漁師も出漁を見合わせるほどの天候なのに出港したという無謀さ、また救命胴着をつけさせなかった判断の甘さといったようなものが災いしたものと考えられるわけでございます。
こういった、いわゆるプレジャーボートの
事故が大変急増することが予見されるわけでありまし
て、この面での
事故防止が急務であると私は考えるわけでございまして、ぜひこの点につきまして
運輸省の御見解をお
伺いしたいと思っております。