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伊藤(茂)
政府委員 今、
先生御提案のありました
家賃補助あるいは
家賃控除の問題でございますが、
家賃補助制度につきましてはヨーロッパ、例えばイギリスでありますとか西ドイツでありますとかフランスで
一般的に行われておる
住宅政策の大きな流れであるということは私
ども十分に承知しております。したがいまして、公明党が御提案になっております
家賃補助と
家賃控除を組み合わせて、このヨーロッパ式の
住宅対策を進めるということも
一つの大きな
考え方であるというふうに
認識をしております。
ただ、私
ども戦後この方とってまいりました
日本の
住宅対策というものは、三本柱と申しましょうか、公営、公団、公庫という柱、あとは
公共団体に具体的に地域地域に応じた
住宅計画を事実上つくっていただくというようなこともやっておりますが、そういう
体系の中でこれがどういうふうな形で将来なっていくかということとの兼ね合いがあるわけでございます。私
どもは
平成二
年度の税制改正要望の中でとりあえず、消費税その他の問題もございましたこともこれあり、
大都市を中心とした給与所得者の
家賃対策という観点から、労働省と共同提案という形で
家賃控除の創設を要求いたしました。ただ、これは自民党の税調でございますとか大蔵との、税当局との交渉の中で、
やはり税
体系全体の中ではなかなかなじみにくいということでございます。
家賃とか食費とか被服費というようなものは、
住宅につきましてもこれは典型的な生計費である、こういうことから、税
体系上はオールジャパン、全国的な
体系としては十分
考えた上での税
体系になっておるのでこれを取り上げるのは非常に難しい、こういう結論になったわけでございます。
私
どもは、今申しましたように、戦後の三本柱の
体系そのものを将来ともそのままでいいとは思っておりません。五カ年
計画が五年ごとにつくられるわけでございますが、その直前に
住宅宅地
審議会に現行の
住宅政策体系でよろしいかどうかということを五年ごとにいろいろと御議論いただいております。今現在は公的援助のあり方ということで、今言いました三本柱を中心とした
体系でいいのか、あるいは
先生がおっしゃいましたように、老人対策であるとか
大都市の弱者対策であるとか、そういったことで一部分
家賃補助的なものが要るのかどうかとか、あるいは今現在でも、公的な主体が民間賃貸
住宅を民間の地主さんにつくってもらって公的な主体が管理をする場合に一部
家賃補助というようなことも現に制度はございます。そういうものを拡充するのかどうかとか、広い
意味で現行の三本柱でいいかどうかという観点から今議論をしていただいております。したがいまして、
家賃補助、
家賃控除につきましても、公明党の提案のような大きな流れにはすぐなるとは思いませんけれ
ども、そういうヨーロッパでもやっておりますことも勘案しながら、
日本の
体系の中でどういうふうにするのが一番ベターであるかということを今後とも検討してまいりたいと思いますし、
審議会の結論を現在待っているところでございます。