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成瀬参考人 お答えいたします。
これまでの霞ケ浦の
水質の改善
対策と実施した
内容、それから霞ケ浦の
水質改善を実施してきたが問題点はというような点での御質問かと思いますので、お答え申し上げます。
霞ケ浦の
水質改善
対策につきましては、県の最重要課題といたしまして、
昭和五十七年には霞ケ浦富栄養化防止条例をつくりまして
排水規制の上乗せ
基準を設けると同時に霞ケ浦富栄養化防止基本計画を策定いたしまして、さらに湖沼法に基づきます霞ケ浦に係る湖沼
水質保全計画や水特法に基づきます霞ケ浦水源
地域整備計画と有機的な連携を図り、機能させながら流域
対策や湖内
対策、また浄化のための啓蒙普及
活動に努めてきたところでございます。
主な
対策といたしましては、流域
対策につきましては、
下水道の普及、農業集落
排水処理施設の
整備など
生活系の
排水対策、それから適正な施肥や水の管理というような指導、畜舎の管理の指導、
整備の農業畜産系
対策、さらにはコイの養殖の適正化などの水産系
対策を実施してきたところでございます。さらに、
水質汚濁防止法関係法令に基づく
工場、
事業場の
排水規制等、監視指導を行ってきたわけでございます。また、湖内等の浄化
対策といたしましては、
建設省の事業でもございますが、底泥のしゅんせつ、アオコの除去などを行うとともに、流域住民が霞ケ浦を正しく理解し、
水質浄化の必要性を認識するための啓蒙普及
活動、啓発
活動を実施してきたところでございます。具体的な事例を申しますと、流域住民や住民団体の実践
活動によって展開されていた粉
石けんを使用して有燐洗剤の使用等を禁止する運動がございましたが、こういうのが基本となりまして有燐洗剤の使用の禁止等が盛り込まれた霞ケ浦条例が制定され、またこの結果、現在有燐洗剤は一掃されているというようなことでございます。また、食用廃油を利用した手づくり
石けんの普及や粉
石けんを使用しようという住民運動が各地で展開されているところでございます。
以上のような
対策によりまして霞ケ浦の
CODの平均値は
——平均値と申しますのは、県といたしましては計画や評価の数字として使っておるわけでございますが、三水域の八地点の各自にはかった値の平均値でございますけれ
ども、
昭和五十年代には一リッター
当たり十ミリグラムでありましたが、
昭和六十三年度にはそれが七・四とかなり改善が見えた結果が出ているわけでございます。今後とも、国を初め関係機関や住民の方々の御協力をいただきながら、積極的に
水質改善に取り組んでまいりたいと考えております。
それから、霞ケ浦の
水質改善
対策を実施してきた中での問題点はというようなことでございますが、霞ケ浦の
水質改善
対策といたしましては、先ほど申し上げましたように、流域
対策、湖内
対策や浄化のための啓蒙啓発というのがあるところでございますが、霞ケ浦の汚濁源は
家庭等から排出される
生活系排水の占める割合が四〇%を超えているという
状況でございます。この
生活系排水対策が極めて重要でございまして、そのため
効果のある
下水道や農業集落
排水処理施設等の
整備を重点的に実施してきたところでございます。しかしながら、これらの
施設を
整備するに
当たりましては多額の経費を必要とするため、財政負担の問題や相当の期間がかかるというようなことで、この辺がこれから進めていく上で考えていかなければならない問題ではないかと考えておるわけでございます。これらの
施設の
整備に当たっては、先般当
委員会が霞ケ浦を御視察いただいた際にも県の方から御要望申し上げたところでございますが、財源の
措置がなされることを期待しているということでございます。
先ほど申し上げましたように、
家庭から排出される
生活系排水が大きなウエートを占めているということから、今国会において
水質汚濁防止法の
改正案が審議されておることは、我々現場で
水質浄化
対策を進めている者にとりましては大きな期待をしているところでございまして、今後とも
水質改善のために最大の努力を払ってまいりたいと考えております。