○上原
委員 失礼ですが、それは一方的片思いというものですよ。私はそういう三段論法でこの問題をうやむやにすることはいかがかと思いますよ、
外務大臣。相手側が義務で、我が方からそれを確認もできない、
日本側から査察もしない、そんな一方的な条約の義務とか——今対等平等と言っているわけでしょう。
国民が知りたいのはその点なんですよ。それに答えるのが外交。それに答えるのが日米の真の友好であり、条約でなければいかないと思うんですね。このことは岸・ハーター
交換公文とかなんとかいう前に、我が方からもいろいろそういうことは出ているのです。
七五年五月十七日、木村俊夫元
外務大臣は、あのラロック証言が出たときに、たしかこれは朝日新聞でしたか何かでこういうことを語っておられる。「あのラロック証言でクローズアップされた核持ち込みは、本当だ。しかも、領海内の通過もしている。もし野党から「領海内通過は事前協議の対象にならないという文書による確認があるか」と聞かれたら、
政府は立ち往生するところだった」今立ち往生していらっしゃる。ただ信頼
関係だけで
国民に信頼しなさい、信用しなさいと言っても、これは信用できないですよ。三十年間一度も事前協議がないから核が持ち込まれていないなんて、こんなうそはもう通らぬ。
アメリカの核の傘に依存をしている、第七艦隊は核抑止を含めての抑止力をもっているということを今冒頭言ったじゃないか。だから私は聞いたのです、防衛庁呼んでなかったけれ
ども。これは常識的なことなんです。そういう言い分があるということ。
さらに、ですから領海内通過、いわゆる核を陸揚げするとか貯蔵をするとか、核兵器、核体系、単なる弾薬だけといういろいろな
議論はありますけれ
ども、陸揚げすることは持ち込みに入るけれ
ども、一時寄港とか領海通過、領空通過というものは対象にならないということは、厳然たる口頭了解か何らかの秘密協定かない限り、
アメリカもこれだけ国会でも問題になりマスコミからも取り上げられて何のあれもしないということはないと思うんですよ。なぜそれに真剣に答えようとしないのですか。——ちょっと待ってください、もうあなたの
答弁は大体わかる。
しかも、木村元外相は、だれの目にも明らかな核持ち込みを、さようなことはございませんとうそをつき通すことは耐えられないので、今後は事前協議の上、一部の持ち込みを認めるということを
アメリカと話し合おうとした、当時の田中総理は、それをやってくれという返事だった、それで外務省もその気になった、
アメリカ側もそれについてはよかろうということも話したと回顧録なりいろいろな面でこう
指摘をしていらっしゃるのですね。だから、木村さんというのは確かに人格者だった。国会で野党から詰められていつまでもうそを通すのは良心の苛責で非常に無理だと。恐らく
中山外務大臣だって心の中ではそう思っていると思うのです。上原君、そこまで言わぬでくれ、おれの気持ちをわかってくれと思っていらっしゃるかもしらぬ。あなたの政治家として、
外務大臣としての名誉にかけて、その面解明してくださいよ。
それが、
アメリカ側ともう一遍すり合わすことによって
日米関係というのは本当にそんなに崩れるのですか、ガラスみたいに。そうじゃないでしょう、それは。しかし私たちは、あくまで皆さんが守っているというわけだから、守られているかをぜひ確認したいわけなんです。その前提に、この日米間の解釈の食い違いというものについて、この際明らかにしなければいかぬ。
外務大臣、これはたびたび問題になってくる、これからぼろぼろ出ると思いますよ。どんどん出てくると思いますよ。改めて
アメリカ側にこのことについて確認をするということと、日米間でこの解釈について、
政府として、海部内閣としてやるべきだと思うのですが、いかがですか、
大臣。北米
局長はもういい。あなた条約
局長じゃないでしょう。