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福田委員 たまたま、
日米交流基金というものをやるのだ、こういうふうな新聞記事、きのうの会談で決まったということでございます。金丸元副総理と安倍元幹事長が会談して、そういう話をしたということを聞いたわけでございますけれ
ども、これも私は大変いいことだと思います。特に
安保三十年というふうなときでございますので、ぜひそういういいことはどんどんやっていただきたい。これも規模が五百億円ということで、決して小さい金額ではない基金のようでございますので、大いに期待をいたしております。この中身とかその他詳細については、まだそれほど固まっていないのじゃないかと思いますので、お答えは結構でございます。
そういうふうに、
日米関係を私は申し上げてきたわけでございますけれ
ども、良好で緊密な
日米関係を持つということがほかの
諸国にも、またひいては全
世界にもよい影響を及ぼすのだ、こういうふうな
考え方をしまして、特に今
世界の
政治構図が変わろうとしているときでございますので、
世界に率先して新しい方策を実施しなければいけない、こういうふうな姿勢でもって
考える時期が今や到来したのじゃないかと私は思っております。当面は
日米安保体制、こういうものがございますから、これを堅持します。しかし、同時に新しい
安保条約ともいうべき国際的な
きずなをつくるような何かをつくりたい、こういうふうに私は思っておりますし、またその時期であると思っております。何かというのは、まだ具体的にどういうことというわけではありませんけれ
ども、基本理念としては、
世界の平和に貢献し、そして人類の福祉につながるようなものである。そしてまた、
我が国の姿勢を正しく理解してもらえるようなものであることが必要である。
我が国が軍事や経済で他国を侵略するのだというふうな誤解を受けないような、
日本は平和国家であるということがはっきりとわかるようなものをぜひ何かこれから
考えていかなければいけない。我々も真剣にそれに取り組んでいかなければいかぬ時期じゃないのかなというのが私の
考えでございます。相手の国が、特に
アメリカのような国が、
国民がはっきりと理解できるようなということになりますと、極めて象徴的な提案をしなければいけないということであります。とかく
日本は小出しにするというふうなことで批判があるわけでありますけれど、投資金額もGNPの一%くらいの規模で
考えろくらいの象徴的なことをぜひしていただきたい。例えば自然環境維持
政策にGNPの一%を投ずる、もしくは無公害エネルギーを開発する、そしてまた、その実用化に努める、こういうことにGNPの一%を使う、こういうくらいの提案をぜひしていただきたい。また、これは
政府だけでなくて、もちろん我々
政治家も与野党を問わず取り組まなければいけない問題だ、
課題であると私は
考えております。
そういうことで、
日米関係を長期に安定をさせるということと、その結果、国際社会に尽くす
日本であるということを全
世界に訴えたいと思っております。これは私の念願でありますけれ
ども、どうぞよろしく御理解を賜りたいと思うわけであります。
多少時間がございますので、ちょっと国際交流基金のことをお話をさせていただきたいと思うのですが、これは実はただいま私がお話ししましたGNP一%というふうな規模の話ではないのでありますけれ
ども、しかし、この経緯が何か今と非常に似たようなことで、今度新しく
日米交流基金ができる、そういうふうな
感じもしないではないので、ちょっとお話をさせていただきたいのであります。
この国際交流基金の設立の経緯でございますけれ
ども、四十六年の夏に
アメリカがいわゆるニクソン・ショックという処置を行ったわけであります。それが二つございまして、
一つはキッシンジャー
大統領補佐官が北京を訪問したということであります。そしてまた、もう
一つは、金ドルの交換停止と対日輸入課徴金を課す、こういうことを電撃的に
日本に相談なしに決めたというふうなことでありました。このときは
日本は相当なショックを受けたわけであります。ニクソン・ショックであります。この
アメリカの処置がすべて頭越しに行われたとか抜き打ちに行われたというふうなことで、改めてその時点において
日米間のコミュニケーションギャップを
感じた、こういうふうなことで急遽
日米間のコミュニケーションを図るために交流基金を設立しようという趣旨だったようでございます。当初は一千億基金の財団にしようというふうなことで
考えたわけでございますけれ
ども、スタートは百億円です。百億円で四十七年から始まりまして、以後五十億ずつ毎年基金を積み重ねたのでありますけれ
ども、しかし、その後財政再建という
課題ができまして、五十五年から五十億の積み増しが二十五億円になり、そして十億円になり、五十七年からは出資ゼロというふうな
状態になりました。しかし、最近はまた回復しまして、現在は私の記憶によりますと五百四十九億円ということでありますけれ
ども、そういうことでまだ千億には到達しない。当初は数年間でと言っておりたのでありますけれ
ども、まだそこに到達していないということでございました。
日本は何かショックがありますと慌てて何かをする、しかしのど元過ぎれば熱さを忘れるというふうなことでありまして、この交流基金のことなどはまことにいい
一つの例ではなかろうかなと思います。財政再建という国の
方針もございましたけれ
ども、しかし国際的なことでございますので、そういう
国内的な事情に左右されない確固たる国際的な
方針というか実行をぜひしていただきたいなと思っております。そういうことで、この辺についてはどうでしょうか。国際交流基金もやる事業は随分たくさんあるようなんです。
私も実は
中国大使館に先日参りまして聞いてきた話なのですけれ
ども、
中国から
日本に留学生が一万人来ておる、しかし
アメリカには四万人行っておる、こういうことでございます。なぜ
アメリカが多いのかと言いましたならば、奨学金
制度が発達している、こういうことでございました。それがために来ない。もちろんほかにも理由はあろうかと思いますけれ
ども、それもすぐ出てきた言葉でございますから、かなり大きな要因を占めているのじゃないかな、こう思います。
また、
アメリカにおきましても、今高等学校などで中等程度の
日本語教育をしておるわけであります。二百六十校の高等学校でございます。これに対して教師派遣とか教材を提供するとか、そういうふうなことに若干手をつけているようでございますけれ
ども、まだ十分ではないということであります。むしろ手についたばかりだというふうな話もちょっと伺っておりますが、これは確かな話ではございませんけれ
ども、そういうふうなこととか、恐らく枚挙にいとまがないと思うのですよ。お金を使うところは幾らでもあるのじゃないかというふうに思います。もちろんしっかりした
調査も必要ですから、そういう
調査をする人員もふやさなければいけない、こういうふうなこともございますけれ
ども、やはりこういうことの積み重ねが
日米関係、また国際
関係をよくするというふうに思いますので、ぜひこういう面につきましても力を注いでいただきたい。
こういう要望を申し上げまして、私の質問とさせていただきます。