○遠藤(乙)
委員 我が国の態度につきましてはよく
理解できましたが、ぜひとも積極的な
姿勢で推進をしていただければと思う次第でございます。
続きまして、チェルノブイルの被災者への救援問題ということで五十嵐
先生と同じ
質問を実は用意しておったわけでございますが、既に
大臣から大変立派な御
答弁をいただきましたので、ちょっと別の角度から少し
質問をさせていただきたいと思います。
我が国としまして、このチェルノブイルの被害の救済に対して人道的な観点から積極的に援助をする、大変重要な点だと私は思っております。私もこの問題に関心を持ちましていろいろ調べてみたわけですけれ
ども、特に白ロシア共和国が既に国際的なキャンペーンをやっておりまして、
我が国に対しましても国連大使を通じて要請、依頼があったということでございます。特に白ロシアとしては、被災地の中でいろいろな甲状腺異常とか白血病、がんあるいは奇形児の出生が非常に多数にわたっているという
状況にあって、他方、薬品の不足、それから検査機器の不足、医師の不足、その他の
施設の不足という大変厳しい
状況にあるということで、国際的なキャンペーンをしておるわけでございますけれ
ども、外務省に照会をしたところ、そういった接触はあったけれ
ども、
我が国としては、白ロシア共和国を
承認していない、したがってソ連の連邦政府から正式の要請がない限りは
検討する立場にはないというお答えをいただいたわけでございます。
それはそれとして、今後の世界に貢献する日本として一歩踏み出して、ぜひとも、先ほど
五十嵐委員の方からの御
質問にもあったように、
我が国の政治的意思として積極的に人道的な面で
協力をしていくということが大事ではないかと思っております。特にソ連から、白ロシア共和国などで要望していることは、薬品の供給、それから検査機器あるいは重症患者について
我が国で治療をしてみる、こういったことがあり得ると思いますけれ
ども、ぜひこういった具体策も含めて積極的に
検討していただければと思う次第でございます。
この問題を取り上げた私自身の問題意識はあと二つありまして、一つは日ソ関係を進める上で一つの材料になるのではないかという気がしております。現在日ソ関係は米ソあるいは米欧の関係に比して若干停滞をしているような印象がございます。もちろん北方領土問題があることは重々
承知しておりますけれ
ども、ゴルバチョフ大統領の訪日が来年に
予定されていながらなかなか
具体化していないという
状況にございまして、こういった中で、やはり日ソ関係を進める上に政経不可分あるいは拡大均衡原則に触れない形で何かとる手はないかということで、人道面からの
協力というものをぜひ
我が国が積極的に進めてみたらどうか。これは必ずや日ソ間の信頼関係を確立して、長い目で日ソ関係の促進に資するであろう、そういった点が一つでございます。
もう一点は、単に日ソ関係というコンテクストを超えて、今日本は世界に貢献する日本を標榜しておるわけです。他面、日本が不動産を買いまくるとか企業を買収するとかそういったエコノミックアニマルの面がいまだに強く出ておるわけですけれ
ども、日本がぜひここら辺で、世界に貢献する日本であるとともに、世界から尊敬される日本になるためには、やはりこういった人道面での
協力ですね。ノーブレスオブリージュという言葉もございますけれ
ども、そういった面で、日本が一歩
姿勢を踏み出して、日本自身の政治的意思としてこういうことを積極的に取りまとめをしていく、こういったことが
我が国の今後の外交
姿勢としてもぜひ望まれるのではないか。そういった観点からこの点を提起したいと思っております。
ぜひそういった面からも
大臣の積極的な御支援、御配慮をひとつお願いをしたいと思っておりまして、大変恐縮でございますけれ
ども、重ねていま一度
大臣からひとつ所感をお願いできればと思っております。