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佐藤(祐)
委員 そこが発想の切りかえが必要だということを私は今申し上げたはずなのです。従来の恩恵を与えるというような
考え方ではなくて、もちろん
運輸省だけの責任でやれと言っているわけでもないのですよ。福祉の対策という見地もあろうかと思います。そういう
意味でいえば、厚生省に対して
運輸省から、今やこういう必要性になっている時代なのだ、こういう点で対策をとる必要があるんじゃないかという提起もしていただきたいな、されてしかるべきではないかというふうにも思うのです。
時間が大変迫ってまいりましたので、こういう矛盾点も
一つ申し上げてもう一問したいのです。
例えば、先日広島で
障害者の集まりがあったそうです。初めてお聞きをしたのですが、そこに東京の女性の方が連れ立って行かれたわけですね。そうしますと、特急料金が出ないのです。特急料金は
割引対象になっていないんですね。しかし、今や東京から広島へ行くのに新幹線を利用するのが常識でしょう。急行、鈍行乗り継いでというようなことはあり得ないのですよ。長時間かかりますし、健康上も障害のある方にとっては特によくないですね。だからいや応なく新幹線を使われるわけです。特急に
割引がない、こういう状況ですね。百キロ以上になりますから運賃だけは
割引な
んです。そうしますとこういうことになったというんですね。
ナイスミディというのをやっていますね。
JRはいろいろフルムーンだとか
割引でやっておられるのですが、細かい計算は省きますけれ
ども、ナイスミディで二人で広島へ行きますと四万七千二百円なんですよ。しかも、これは有効期間三日間で途中乗りおり自由というものですね。ところが、女性の
障害者の方が二人で行くと、新幹線料金は
割引になりませんから、ナイスミディの四万七千二百円よりも千三百六十円高い四万八千五百六十円かかる、これが
実態なんですね。だから、せっかく
障害者の方に
割引制度をつくったんだけれ
ども、
障害者でないいわゆる普通の方、ミディの人が行くのよりも
障害者の方が高くかかる。これは特急券が
対象になっていない不合理ですね。これも
検討してしかるべきじゃないですか。
今や新幹線に乗らないで広島へ行きなさい、
割引料取るためにはそうする以外にありませんよというのは、これはもう理不尽だとさえ私は思うのですね。その改善を特に
要望したいと思います。
もう一問続けて、タクシーの問題なんです。先ほ
ども若干
質問あったようですが、運賃改定後タクシーに乗りますとこういうものが皆ぶら下げてあります。
障害者の方には
割引をいたしますということなんですが、これはもう本当に大変面倒なんですね。こういう用紙がありまして、手帳の番号から等級、氏名、同乗者、いろいろ書かなければならぬということになっています。これもその場で請求して書き込めということですね。運転手さんがかわりに書いてくださるという方もあるかわかりませんが、率直に聞いたら、運転手の方は、これは大迷惑している、特にラッシュになりますと領収書を切る時間さえ惜しい気持ちがあるんだ、ですから、これをぜひとももっと簡素にしてもらいたいという
要望が強くあります。
また、さらに言いますと、こういう用紙は要らないというふうに私は改善してほしいと思うのですね。確かに、国鉄も当初はこういうものは必要だったんですよ。ところが、それでは煩雑で使いづらいということから、
障害者手帳を見せればよろしいというように変えられたんですね。だから、タクシーにつきましてもそういうふうに変えられないかということが
一つ。それからもう
一つは、福祉タクシーというのを東京の場合は各自治体でやっております。初乗り分の券とかそういうのが
障害者に渡るのですね。初乗り区間はそれを渡せばお金を払わなくて済むのですよ。ところが、それと今回の
割引率の
関係がタクシーの運転手に十分徹底されてないのです。だから計算が人によってまちまちだ。細かいことを言う時間がなくなりましたけれ
ども、そういうこともあります。だから、
趣旨を徹底して、せっかくやった
障害者に対する施策がきちっと機能するように対策をとっていただきたい。その点いかがでしょう。