○上田(卓)
委員 今の
大臣の話では
国連の
決議もあり、こういうことで、
経済封鎖は僕は当然だろうというふうに思うのですけれ
ども、このままいくと、雨季が差し迫っているとか、あるいは冬に入るというようなことで、それまでに軍事的な云々というようなことも出てきておるわけで、そうすればやはり
イラクはイスラエルに対して攻撃をかけたり、あるいは湾岸諸国、特に油田に対してやけになって暴れるというのですか、そういうようなことにもなりかねないし、それがひいては第三次の
世界大戦にも
発展しかねない。非常に危険な
状況にあると思うのですね。
だから、あくまでもこれは平和的に
解決するということが大事だし、特に
イラク・イラン戦争のときには
日本は非常に賢明な、いろいろ
批判はありましたけれ
ども、私はああいう態度が大事ではないかというように思っておるわけでありまして、そういう意味で、やはりもっと慎重に
日本の
政治外交というのですか、そういうものが展開されることが大事ではないかなと。
アメリカを
中心とする多
国籍軍の後ろ押しというような形でもみっともないですよね。実際、
武器も持たないで足手まといというようなことにもなりかねないわけですし、いわんやそういう通信部門でも、こういうことは非常に大事ですから、そこがまた攻撃を受けるということになればさらに一歩進むということにもなりかねないわけで、そういう点非常に憂えておるわけであります。
例えば、それは
米ソが非常に新たな
関係になっておるからまた別だということになるのかもわかりませんけれ
ども、アフガンに対する
ソ連の
侵攻のとき、あれからかれこれ十年たつわけですよね、まあ撤兵ということになって、あるいはカンボジアからベトナム兵が撤兵する、これも十年かかっているわけですね。
クウェートからの
イラク軍の撤兵について、それじゃ十年待てないじゃないか、もっと早くということは、それは当然我々も一日も早い方がいいと思っているわけですけれ
ども、あのときはさほどこういうような
事態になってないのですよね。
聞きますれば、
ソ連軍がアフガンに入ったときに、ひょっとしたらサウジまで入ってくるんじゃないかというようなことで、
アメリカの方で米軍がサウジへ進駐するというような計画もあったように聞いているのですね。だから、何かちょっとうがった見方なんですけれ
ども、私は
イラクと
アメリカ、なれ合いしているんじゃないか。
イラクが
クウェートに
侵攻する、そうしたらサウジに
アメリカが入る、そしてアラブに米軍の一大拠点ができる。私は恐らく、この問題が
解決しても、まだまだ脅威があるという形で米軍は撤退しないのじゃないかなというような感じすらしているわけでありまして、それはよくわかりませんけれ
ども、
石油が上がってアラブ諸国も産油国は非常に喜んでおるようでございますし、
アメリカも
ソ連も非常に
石油の値段が上がってそれなりに、ブッシュさんのバックボーンの産油業者は、採算に合う、今まで
石油が安ければ採算に乗らないのですけれ
ども、四十ドルほどというようなことになれば十分採算に乗るわけでありますから、そんなことも悪う
考えるわけでございます。
それはちょっと
考え過ぎじゃないかと思うのですけれ
ども、いずれにしても、
イラクとイランの戦争のときにも
アメリカは、イラン憎しの余り
イラクのああいうような
侵攻に対して
武器輸出をしたり、寄ってたかってみんなが
イラクを応援するというようなこともありましたね。だからそういう点で、何か今回のああいう
国連の
決議というのですか、やはり
国連の合意に基づいてやるべきであって、
アメリカが何か
国連軍の創設にも反対だし、
国連の分担金も出さぬ、延納ですか、金がないと言えばそれまででしょうけれ
ども、ユネスコに対しても援助しないというようなことも聞いておりますし、
国連中心になるべきであって、何か
国連みたいなのは当てにならないんだ、要するに
アメリカの言うことを聞かぬような
国連はだめなんだ、こういうデタントの
時代でありながら、いつまでもかえって
ソ連・東欧を力で抑えつけたような感じがして、そんな甘く見るべきじゃないと思うのですね。やはりお互いに緊張緩和は大事だということであってね。
だから、いわんやそういう中近東などその他の、独立
国家でありながらパナマのノリエガ将軍を、それはいろいろ問題があるにしても、逮捕しに行くとか、進攻があったような、そういうようなことでやはり
イラクは
イラクなりの、おまえらどうなんだ、我々のときはこれだけ非難してというような
考え方があるのじゃないかと思うのですけれ
ども、その点についてどのようにお
考えでしょうか。