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前島英三郎君 じゃ、もし
消費税が廃止されて、その分
物価が必ず下がるとは私は言えないと思うんですね。他方、増税となるものは値上げが必要であることを
考えますと、家計の負担がふえるだけという事態も予想されると私は思っております。安易に廃止とか二年間の暫定措置とかいって、
国民の迷惑に目をつぶることは許されるはずはないと思うのであります。
また、
消費税廃止の代替財源案なるものは、要は新たに増税を提案するということでありますから、十分な検討が不可欠なはずであります。しかし、拙速に妥協を重ねた結果によるのでしょうか、その内容は単なる数字合わせで無
責任なものばかりでありまして、望ましい税体系を目指すという視点が全く欠けていると思っております。野党の代替財源案が明らかになったこととの関連におきまして、先ほども野党の
皆さんから我が党に対しまして見直し案の早期提示の要求がありましたけれども、野党の
皆さんの代替財源案は再
改革までの二年間の暫定的なものなんですね。そういうことでありますから、税制の
基本的枠組みの一環をなす現行
消費税やその見直し案と対比して論ずるべき性格のものではないと私は思っております。とにかく、二年間か三年ぐらいの間に二回も三回も四回も税制を変えるなどというのは、恐らくどこの国にもありはしないと思うのです。
そういうことを
考えますと、見直し案もこれから私たちは
責任を持って出していく、こういう
気持ちでいるわけでありますが、まさしくその見直し案と対比して私たちが論じてみたいと思うのは、野党の
皆さんのおっしゃる税制再
改革の具体案だと私は思っております。すなわち、我が党は今回の
税制改革によって既に新しい税制のあり方を提示いたしまして、それはいろいろ審議拒否などもありました、いろんな形がありましたけれども、十分
国民の御理解をいただいていない部分があるにいたしましても、既に国会では成立をいたしたわけであります。そしてそれが実行されている。そして、その実行されている中においても混乱はそう見当たらない。しかし、野党の
皆さんは廃止だと、こうおっしゃるわけでありますから、野党の
皆さんこそ早期に
消費税廃止後の本建築の具体的な姿を示すべきだと私は思っております。
国民の
皆さんに対しまして新しい本建築の設計図も示さずに、今住んでいる本建築の家を壊して古い材木でつくった仮設小屋に引っ越せというような無
責任な
姿勢は、私はますます
国民経済に混乱をもたらすものだと思うわけであります。
したがって、野党の
皆さんは
参議院選挙の際の公約に従っていただきまして、二年間の代替財源法案を一日も早く国会に提出していただきたいと私は思います。代替財源案の審議なしに
消費税廃止法案のみを審議するということは、財政運営上無
責任のそしりを免れず、到底
考えられないところであります。このように、野党の
皆さんの言う見直し案早期に出せ出せ論というのは、議論のすりかえをもくろむものであると、私はこのように思っておりますので、これから大蔵
委員会でしょうか、もし
消費税廃止法案を議論するというようなことになりますと、徹底的に私たちも議論をさせていただきまして、その矛盾や問題点を
国民の皆様にも理解していただこうと思うわけであります。しかし、
消費税をめぐりましては、
国民の
皆さんの間にさまざまな御意見や御
批判があることを十分私たちは承知いたしております。
いずれにいたしましても、
消費税の見直しについて、
自民党は政権政党といたしまして
責任を持ってこれに対処しておるところでありますけれども、十分
国民の声を聞いた上でできるだけ早く具体的な姿をお示ししなければと、私たちも毎日税制
調査会でも議論はさせていただいております。二年後などという無
責任な態度をとるべきではないと思うんです。この点についてのひとつ御意見をしっかりと承りたいと思っております。