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1989-12-05 第116回国会 参議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成元年十二月五日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十二月一日     辞任         補欠選任      猪熊 重二君     鶴岡  洋君  十二月二日     辞任         補欠選任      鹿熊 安正君     宮田  輝君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         青木 薪次君     理 事                 岡野  裕君                 永田 良雄君                 松前 達郎君                 磯村  修君     委 員                 長田 裕二君                 陣内 孝雄君                 長谷川 信君                 大森  昭君                 山田 健一君                 鶴岡  洋君                 山中 郁子君                 足立 良平君                 平野  清君                 沢田 一精君    国務大臣        郵 政 大 臣  大石 千八君    政府委員        郵政政務次官   月原 茂皓君        郵政大臣官房長  白井  太君        郵政大臣官房経        理部長      木下 昌浩君        郵政省郵務局長  小野沢知之君        郵政省貯金局長  成川 富彦君        郵政省簡易保険        局長       松野 春樹君        郵政省通信政策        局長       中村 泰三君        郵政省電気通信        局長       森本 哲夫君        郵政省放送行政        局長       大瀧 泰郎君    事務局側        常任委員会専門        員        大野 敏行君    説明員        郵政大臣官房首        席監察官     小宮 和夫君        郵政大臣官房人        事部長      桑野扶美雄君        郵政大臣官房資        材部長      福味  徹君        郵政大臣官房建        築部長      戸田 道男君    参考人        日本放送協会技        師長・専務理事  中村 好郎君        日本放送協会理        事        尾畑 雅美君        日本電信電話株        式会社取締役・        経営企画本部長  大星 公二君        日本電信電話株        式会社高度通信        サービス事業本        部画像電信事        業部長      矢嶋 国男君        日本電信電話株        式会社労働部長  和田 紀夫君        国際電信電話株        式会社代表取締        役・副社長    児島 光雄君        国際電信電話株        式会社常務取締        役        奥田 量三君        国際電信電話株        式会社常務取締        役        小林 好平君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査  (来年度の郵政省施策に関する件)  (審議会在り方に関する件)  (小規模郵便局運営に関する件)  (地域振興のための情報通信基盤整備に関する件)  (デジタル通信網整備に関する件)  (大規模団地造成の際の郵便局設置に関する件)  (シルバープラン貯金の実現に関する件)  (国際通信競争開始に伴うKDDへの影響に関する件)  (国際放送に対するKDDの負担に関する件)  (スペース・ケーブルネットの普及に関する件)  (番号案内有料化に関する件)  (普通・速達郵便物の区別の見直しに関する件)  (夜間電報の廃止に関する件)  (郵政省における地域情報化施策整合性に関する件)  (コストに見合った料金算定必要性に関する件)  (外国人労働者郵便局非常勤職員としての採用に関する件)  (郵便物運送委託に関する件)  (NTT熊本病院の管理・運営体制見直しに関する件)  (ローカル民放経営の今後の見通しに関する件)     ─────────────
  2. 青木薪次

    委員長青木薪次君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十二月一日、猪熊重二君が委員辞任され、その補欠として鶴岡洋君が選任されました。  また、去る二日、鹿熊安正君が委員辞任され、その補欠として宮田輝君が選任されました。     ─────────────
  3. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査のため、本日の委員会日本電信電話株式会社取締役経営企画本部長大星公二君、同高度通信サービス事業本部画像電信事業部長矢嶋国男君、同労働部長和田紀夫君及び国際電信電話株式会社代表取締役・副社長児島光雄君、同常務取締役奥田量三君及び常務取締役小林好平君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 大森昭

    大森昭君 少し時間が短縮になったようでありますから、簡潔にひとつ御答弁をいただきたいと思うのであります。  最近、大変三事業がそれぞれ各部門皆さんが大変御努力をして好調になっているわけであります。この原因を最初に各局長さんからお伺いしようと思ったんですけれども、時間の関係がありますから。好調の原因にはいろいろあると思います。自動的なものもあれば他動的なこともあると思うのでありますが、一時大変事業が伸び悩んだときもありますから、最近の好調の原因について十分検討はしていると思うのでありますが、どうかひとつそれを生かして引き続いて三事業ともに好調になるようにお願いをしたいと思うのであります。とりわけ私は、いつも心配するのでありますが、他動的な要素も三事業の好調の原因にあるんじゃないか、非常に景気もいいわけでありますし、それから皆さんの御努力大変国民ニーズに合ったものを的確にやっているし、労使双方が一生懸命お互い努力をしているということもあるわけであります。しかし、必ずしも景気がこのまま上昇するかどうかという問題もあります。それから国民ニーズも非常に激しく変化していますから、どうかひとつその辺の問題について今後も引き続いて御努力をしていただきたいと思うのであります。  それで、三事業とも大変好調であるわけでありますが、郵政事業は御案内のように一般会計部門もあるわけでありまして、いつも逓信委員会で、せんだってもNHKの決算のときなど大変高邁な議論をやっておるのでありますが、同時にまた、郵政事業行政官庁から政策官庁へという話もよく聞かれるんですが、一般会計を見てみますと余り伸びていないと思うんです。どうも言っていることとやっていることと違うんじゃないかと思うのであります。この一般会計が余り予算が増加していないということは、やりたい政策もいろいろできないのじゃないか。理論的にはいろんなことを言われておりますが、実際にそれを越えて郵政省が、電波電気、いろいろありますが、そういう通信部門情報化社会の問題などについての方策を全うするには、この予算折衝の中での折衝が重要だと思うのですが、一体この辺はどうなっているんですか。
  7. 木下昌浩

    政府委員木下昌浩君) お答えいたします。  一般会計予算に関する御質問でございますが、ただいま御指摘のように、郵政省の所管する電気通信行政は、昭和六十年四月の電気通信自由化以降、行政分野も急速に拡大いたしまして、その重要性も著しく高まってきておるわけでございますが、委員指摘のとおり、当省の一般会計予算は不本意でございますが極めて僅少なものとなっておるわけでございます。  私どもといたしましては、今日の情報化による地域社会の均衡ある発展あるいは産業構造調整への寄与、あるいは情報通信分野での先端的、独創的な技術開発推進等々、所要の施策推進する必要があるわけでございますが、私ども予算獲得努力を鋭意行ってきているところでありまして、来年度の予算要求におきましての要求額は、厳しい予算概算要求の基準が示されておりますが、その中にありまして総体といたしまして二百六十億四千万円の予算を要求いたしております。これは元年度の当初予算に比べまして四億二千万円の増となっているところであります。大変わずかではございますが、少しずつでも私ども先生方の御理解も得ながら増額に努めてまいりたいと思っておるところでございます。  ただ、一般会計予算だけではございませんで、私どもは、この一般会計を補完するものといたしまして、NTT株式売却益を活用いたしました無利子融資あるいは財政投融資、さらにはまた、税制措置を積極的に活用いたしまして適時適切に諸施策推進に当たりたいと思っておるわけであります。今後とも万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
  8. 大森昭

    大森昭君 例えば、この間の委員会でも国際放送が極めて重要だという話をすればお互い意見が一致するんですけれども、ちっとも国際放送なんか予算増額もできていないんですね。委員会が終われば次は一年ぐらいたって、また国際放送重要性を訴えて努力しますということで、実際、長年逓信委員会にいるからいけないんだろうけれども、たまにはかわれば変わった話も聞けるんでしょうが、どうかひとつそういうものは、今言ったような無利子関係でいくのか、何か少し工夫をして、一般会計だけでまた予算要求しても四億でしょう。四億というと非常に大きいような話をするけれども国際放送を充実するには四億や十億使っても実際はまともじゃないんです、本当からいうと。  だから、今部長が言うように、いろいろそういうように変わってきた会計制度の中で、ひとつ新しい視点に立って検討をして、委員会でいろいろ議論があって、まさに皆さん方も大変必要だということで予算がとれるように、これは大臣に要望だけしておきます。  それから役所運営を見ておりますと、役所の仕組みとしていいか悪いかいろいろ議論はあるのでありますが、やはり審議会答申をいただいて行政措置をするというようなことだとか、あるいは部内に局長さん方の諮問機関といいますか、研究機関といいますか、研究会だとか懇談会を開いていろいろお知恵を拝借して新しいものを開発していくというのが大体役所の基本になるんじゃないか。  この間も審議会の問題でいろいろ人選に当たって一体どうなのかという話をしておりましたが、私が今質問をすると、恐らく審議会委員にふさわしい人を選んでおりますということで、質問して回答が同じことを繰り返したらあいつはばかだと言われるのであれですけれども。毎回審議会なら審議会人選についていろいろ出れば、これはいいか悪いかわかりません、一つの例ですが、郵政省の中にある程度の人の集まりをつくって、そこでお互い人選をするような、機関までいかなくてもそういうルールを、例えば大臣任命といっても、御案内のように今の大臣もなったばかりでしょう、なったばかりというのは言い方はよくないけれども。前の大臣なんか何カ月やったか、大臣がいるのかいないのかわからないような人も、三カ月ぐらいの人もいるわけですけれども、これは大臣任命でしょう。形は大臣任命だけれども、実際は大臣がやらないんです。やれっこないですよ、こんなに激しく大臣がかわったんじゃ。大臣が三年ぐらいおられれば、あの委員の言っていることは大体どうだ、この委員は大体どういう考え方を持っておるというのはわかるんですが。  そうすると、大臣は当然部局長さん方に大体選考を任せるという形になるでしょう。ところがまた、従来次官は二年ぐらいやっていたと思ったら、この間は一年でやめてみたり、それから局長さんも、きょうお並びだけれども、二年やっておられる局長さんは、やっておる方もいるんだけれどもきょうはお見えになっていないようですが、そういう形で、審議会委員を決めていくというのはどういう決め方をしているのかというので、いつも我々は不思議でしようがないんです。  だから、別に何も委員会設置してやれとか、あるいは青島先生が言うのには選挙をやったらいいじゃないかという話がありましたが、選挙というわけにもいかないでしょうけれども。しかし、単に審議会にふさわしい人を選んでいるだけじゃなくて、僕はもう選んだ人にも大変失礼だと思うんです。選ばれた人もいつも逓信委員会で問題になるようなことになれば、何か余り気分がよくないですよ。だから、何か一つのことを考え、同時にまた、答申が出されたらその会長さんは、別に国会に報告する義務までは必要ないけれども答申についてひとつ報告していただいて、参考人で出てきていただいて、少し逓信委員のメンバーと逓信の中身が討論できるような会長にしてもらうと。  大体そういう格好にすれば、ああこういう方が審議会会長さんをやっているのかとか、委員をやっておられるのかと。僕らは一回も、例えば審議会会長さんを呼ぶといっても呼んだことがないですよ。我々はもう話を聞こうとしても聞けないし、全く見たこともなきゃ、何もわからない。それで省の方が決めたといってもどういう決め方をしているのかさっぱりわからないということですから、これは答弁要りません。答弁いただけばいつもと変わらない答弁ですからあれですけれどもね。  役所システムとして審議会というものが非常に重要な意味合いを持つ。それはそうでしょう、国家行政組織法の八条によってこの答申は尊重しなきゃいけないということですから。全部やらなきゃいけないということじゃないんですけれども、しかし、おおむね今までの役所行政を見ておりますと、大体この答申に沿っての仕事ぶりをやっていくということですから、その辺もどうかひとつ審議会あり方について検討をしてもらいたいわけです。ここで答弁を求めますと、また従来と変わらない答弁で腹が立つだけでありますから答弁は要りませんが、役所が置かれておる宿命的なものでありますから、どうかひとつそういうふうにやっていただきたい。  それから研究会だとか懇談会というのが、またこれは各局長の何というんですか、諮問事項になっているのかどうかわからないんですけれども、この研究会懇談会というのは、各局長さん方がこういうことについて研究会をやりたい、懇談会をやりたいと言えばすぐ設置できるものなのかどうなのか、その辺はどうなんですか。
  9. 白井太

    政府委員白井太君) 俗に私どもは、研究会とか調査会とか、あるいは懇談会とかいろいろなものを関係の局でつくりまして勉強いたしておりますが、もちろん、こうした調査研究というのは郵政省設置法にいういわゆる所掌事務についての調査の一環として行っているものでございます。ただ、審議会とは異なりまして、いわば調査会とか研究会というのは具体的なテーマにつきまして少し突っ込んだ勉強をしてみようとか、あるいはその分野での専門家方々にいろいろ仕事をしていく上での入れ知恵をしていただこうというようなことで設置をしたりしているものですから、運営その他はかなり弾力的に行っているところでございまして、やり方その他は研究会とか懇談会それぞれによって異なっておるところでございます。一口に言えばかなり具体的な問題について専門方々の御意見を伺いながら勉強をしていくというようなニュアンスが大変強いものだと理解をいたしております。
  10. 大森昭

    大森昭君 いやいや、私の質問はそういうのではなくて、一般論じゃなくて、例えば、保険局長がおられますけれども保険局長がこういう問題で研究会を開きたい、懇談会を開きたいと言えば、これは研究会とか懇談会というのは、いわゆる局長さん方の発想でできるわけでしょう。ですから、それは例えば保険局は大体一年に一つしか研究会をつくってはいけませんよとか、郵務局懇談会は二つぐらいはいいでしょうとか、そういうふうに何かあるんですかと聞いているんです。
  11. 白井太

    政府委員白井太君) 特別にそうした制限等はございません。ただ、内部の処理といたしましては、当然のことでありますけれども、そうした勉強会をつくるということについて文書で決裁処理をいたしまして、その決裁に基づいてそうした勉強会設置をするということでございまして、特別にそれ以外の制限はございません。
  12. 大森昭

    大森昭君 研究会とか懇談会というのは各局長さんの責任に基づいて設けている、こういうことになるんですね。  そうしますと、これは事前に研究会懇談会はどういうのがあるのかというので資料をいただいております。いろんな研究会懇談会があるんですが、例えば今郵政事業が一番重点にしているのは、三事業とも営業を主体にしてとにかく事業運営をしていこうじゃないかというようなことも言われておるし、それから、この間のNHKなんかでも、いろいろ毎年長期計画がないというので大臣意見書が出ていますから、島会長長期計画に取り組んで近いうちに長期計画を出しますと言っておるわけであります。  そうすると、郵政省の中にはそういう営業関係だとかあるいは事業長期計画、もちろん、これはそのときつくってもいろいろ時代が変化してきますから必ずしも固定したものにはならぬと思うんですが、将来に向かってこういうことを事業計画を立ててやるべきだというような研究会懇談会というのは各事業局で皆お持ちですか。各局長からちょっと聞きます。
  13. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 郵務局関係でございますが、長期計画的なものは、着任して調べてみましたところ、何年か前に幾つかできております。そのうちで現実性のあるものをほとんど今予算要求いたしておるわけでございますが、今私が担当しております調査研究会としては、今直ちに、毎日毎日の議論の中から私の施策の中に組み込めるようなそういったものを御討議いただく調査研究会として三つございまして、一つは国際的な視野からの国際物流のための研究会、それから、世の中が激しく変化しておりますから、若い人たちニーズだとかそういったものもつかまえなきゃいけませんので、ヤングのための郵便局あり方に関する調査研究会、それから、これからマーケティング意思を導入しなきゃいけませんので、マーケティングに関する調査研究会、この三つを担っておりまして、その会議にほとんど私全部ついております。議論を闘わしていい方向をまとめまして来年には調査研究が出ることになっております。
  14. 成川富彦

    政府委員成川富彦君) 貯金関係でございますが、貯金関係につきましては、郵便貯金に関する調査研究会貯金局長私的諮問機関でございますが、そこで郵便貯金社会的機能あり方等につきまして総合的に調査研究をしていただいております。一九九〇年代の郵便貯金ビジョンというものにつきまして先般報告をいただきました。それを来年度の予算要求重要施策事項にも反映させていただいているところでございます。
  15. 松野春樹

    政府委員松野春樹君) 簡易保険事業関係でございますが、簡易保険は、事業の性格上絶えず長期的な視点に立って当面の問題にどう対処するかということが大事になるわけでございます。  現在、私どものところでは、私の委嘱によりまして学識経験者から成ります簡易保険郵便年金に関する調査研究会を設けて学者先生方々十一名に御参画いただいております。これはことしの二月から平成三年の三月までという二年間の期間で開催していただくことになっておりまして、社会経済環境の変化に対応しました簡易保険郵便年金事業あり方全般、対処の仕方等についてアドバイスをいただくつもりでおります。なお、本年六月に中間的な御報告がありまして、現在予算要求もしておりますけれども、生涯保障商品開発であるとか、資金運用の一層の効率化であるとか、個人年金に関する税制あり方であるとか、具体的な御提言もいただいておるところでございます。
  16. 大森昭

    大森昭君 今事業が大変好調なのは、幾つ要素がありますが、労使関係が安定をしているということが一つ言えると思うのであります。最近の労働組合も、むしろ政策問題を掲げて運動しておるわけです。ですから、そういう今局長さん方が言われたようなことで一つ結論が出た場合に、私のところにもこういうのが出たといって本を持ってきてはいただいておりますが、やっぱりそういう研究会だとか懇談会結論というのは、労使というのは団体交渉事項であるとかないとかじゃなくて、そういうものを説明していただきませんと、組合側の方は一体事業がどういうふうに推移をしていくかということを予見しないと労働組合の対応というのはまた非常に経営者とギャップが出てくる。またそれを言うよりかも、むしろ組合側の方もそれぞれ制度政策要求ということで、制度政策をまとめておるわけであります。  仮に、今言われたような中で直接関係がないものは別といたしまして、少しやっぱり組合側意見も聞いた方がいいだろう、あるいは組合側にこういう意見を聞かした方がいいだろうというようなときは、研究会懇談会委員じゃなくとも、オブザーバーぐらいで組合側もひとつ聞いておいてもらった方がいいんじゃないかというようなことがあれば少し今までと変えて、何か経営者経営のことだけ考えていればいいんだ、労働組合労働条件だけ考えていればいいんだというような世の中じゃないのが今度の新連合だと思うんですが、別に新連合の宣伝をするわけじゃないのでありますが。そういうような形でひとつ調査会研究会を、できること、できないことありますが、運営していっていただきたいということを要望しておきたいと思うのです。  実は、せんだって電気通信関係中間報告が出ましたけれども、聞くところによると、問題が大きければ中間報告を出し、より最終答申に向けて議論をしていただくというようなことが言われておる。中間報告を出したのが悪いということを言っているんじゃないのでありますが、中間報告を出して最終答申に向けてまた今日やっていると思いますが、何か中間報告をして委員の構成が変わったり、あるいは中間報告に基づいてある種の公聴会をやったりということで最終答申に向かっているのかどうなのか。最終答申が出るんだけれども中間報告を一たん出した方がいいだろうということで、委員がかわるわけでもなければ、特に目新しい意見を聞くというシステムがあるわけじゃないし、そういうことでは何のために中間報告を出したのかわからないんだけれども、この中間報告を出す意味というのは何か特別なものがあるんですか。
  17. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 御指摘のとおり、電気通信審議会、これは冒頭先生から御指摘のあった法律に根拠を置く審議会で、電気通信に関する重要事項調査、審議する審議会でございますが、この十月に「今後の電気通信産業在り方」についてという諮問に対しまして答申をいただいた、こういうことでございます。  こういう御諮問をお願い申し上げましたのは、これは御案内のとおりでございますが、今日のNTT法律的基盤でございます日本電信電話株式会社法というのがちょうど四年半前の六十年四月から発効いたしましたが、その法律の附則に会社成立の日から五年以内にこれを政府は見直さなければならないという条項がついてございます。いわば政府の宿題になっておるわけでございますが、この宿題は今後の我が国の高度情報社会を構築していく上で大変重要な問題でございますので、まず議論の前提として、我が国の電気通信市場は今後どうなっていくか、あるいは技術革新はどうなっていくか、こうしたことを踏んまえてこの大きな問題は議論していただこうということで、六十三年でございますが答申をお願い申し上げた。その間いろいろ議論をして十月にひとまずの中間答申が出たということになっております。  この中身は全体三つのパートから成っておりまして、一つは我が国の市場構造、電気通信がどうなっているか……
  18. 大森昭

    大森昭君 僕はその中身を聞いているんじゃないんです。前段の話は全部もういいんですよ、わかっている話ですから。
  19. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) わかりました。  そこで、一番問題になります部分につきまして、NTTあり方については議論が各般に出てまいりましたので、いわば処方せんを書くにとどめたという状態になっておるわけでありまして、この審議会でもこの問題についてはさらに本答申をもとに審議を行い、とるべき措置について成案を得ることが大事である。同時にまた、この中間答申を踏まえて国民利用者の利益の増進を最大限図るためにNTTあり方についての議論が深まることを期待したい。こんな形で処方せんにとどまったものでございますから、私どもといたしましては、この中間答申を踏まえて改めて政府のとるべき方策について十月二日に御諮問をお願いした。今答申を待っておる。この間いろいろ公聴会、いろんな各般の分野からの御意見を今精力的に聴取をいただいておる。こういう状況でございます。
  20. 大森昭

    大森昭君 いいです。わかりました。もう時間がありませんからあれですが、中間報告を出すと、重要な問題だから。しかし、その中間報告を出すのは審議会委員の承諾を得ているわけですね。そうでしょう。審議会委員の承諾を得ないで中間報告は出せませんね。そして、またその同じメンバーの人が最終答申を出すわけでしょう。そうでしょう。だから、局長が今言われるように、中間報告を出す意味合いは、例えば今度最終答申に向かっていくときには委員が交代するとか、あるいは委員を増員するとかということじゃないわけなんです。委員は同じメンバーなんです。そうすると、中間報告に対して委員最終答申を練り上げるのに、具体的に一つじゃ聞きましょう。全電通の労働組合意見というのは聞いたんですか、一つの例ですけれども
  21. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 中間答申議論の中ではいろんな分野からの意見聴取がありましたが、私詳細全部を記憶はいたしておりませんが、委員自体には労働組合の、労働界の代表の方も入って議論をされているということは承知いたしております。
  22. 大森昭

    大森昭君 労働組合の役員だとか主婦会の代表だとかいろんな、最近は審議会もバラエティーに富んだ人が入っていることはわかっているんですけれども、当該の関係するところの意見を聞くという意味合いが非常に大事じゃないか。僕は中間報告を出しちゃいけないと言っているんじゃないんですよ。それから中身がいいとか悪いとかと言っているんじゃなくて、それはまた後でいずれの機会かに議論しますが、中間報告でより多くの人たちから意見が集中することを期待していると局長は言うんだから、それで最終答申に向かって練り上げていくというわけだから。そうでしょう。違うんですか。何か首をかしげているけれども、違うんですか。
  23. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 先ほど申し上げましたように、要するに電気通信審議会としては、この問題非常に各般の議論があったので、問題点の指摘とそれに対する解決策をいわば並列的に提示するにとどめる。そして、この問題をさらに突っ込むには、さらに重ねて審議会議論をする必要がある。と同時に、この問題の意味合いというものは今後日本の将来に響くところ多大であるから、幅広い国民的論議も同時に日本全体の中で行われることを期待する。こういうことで、審議会としてさらにこの成案を得ることは改めて必要だということの御指摘がございましたので、それじゃその分についてお願いいたしますということで、それはそれで一方で進捗中でございますし、幅広い議論が起きるということは、現に新聞初め各誌でいろんな議論が起きていることは、大変この審議会の意向に沿った形に動いているなと感じておるところでございます。
  24. 大森昭

    大森昭君 少し議論が行き違いになっているかもわからないんですが、時間がありませんから。とにかく中間報告というのは、これもあるこれもある、こうした場合にはこうだということだから、総体的にどっちにも行くようになっているというような言い方をするんだけれども、実際はそうじゃないんです。やっぱり中間報告で出てきたものは濃度があるんです。それはきょうは時間がないから別に聞きませんが、郵政省に聞けば郵政省はまだ何も決めていませんと。中間報告が出ても実際にはこれはこういう場合もあるし、こういう場合もあるということなんだからと言うに決まっているんですから、決まっている話は聞かないことになっているからいいけれども。いずれにしても、大きな問題であって重要な問題だということは大体意見が一致しているわけだから、中間報告が出たものについて最終答申が出るときに十分ひとつ問題が起きないように練り上げてもらいたいということだけひとつ言っておきます。  それから、まだ今予算折衝中でありますから、新しい施策をきょう聞こうと思ってもなかなか明確なものが、もちろん各省と片がついたものがあって新しい施策はこういうことをやるということがあれば、なければいいですから、あれば各局でひとつ言っていただきたいと思うのですが、ないですか。
  25. 木下昌浩

    政府委員木下昌浩君) ただいま御指摘のとおり、大蔵省との間で鋭意予算折衝中でございまして、また各省とまたがる施策につきましても折衝中でございまして、まだ明確にこの場でこれは固まりましたという御報告を申し上げる段階でございません。
  26. 大森昭

    大森昭君 僕はかねがね不思議だなと思っているんですけれども、これは別に特定局制度反対という意味じゃないのでありますから、ちょっと御理解していただきたいと思うんですが、例えば国会の中にある郵便局というのは普通局なんです。それから大蔵省の中にある局はこれは分室かな。それから最高裁の中にあるのは特定局なんです。とにかく分室があったり特定局があったり普通局があったり、もちろん、それは定員の規模とか取り扱いの、例えば郵便は取り扱っていないとか、貯金、保険だけだから分室だとか、そういうふうになっているんですが、実は最近の郵政省の動きを見ますと、東京都内に非常に窓口が少ないから窓口を何とかふやしていこうじゃないかということを考えているようですね。郵便局舎の高度利用も考えているようです。  いろいろ施策を考えていますが、私はもっとその前に、そういう施策も必要でありますが、大体今霞が関を見ても、分室があってみたり特定局があってみたり普通局があってみたりというようなことで、話によるといわゆる三十三年の特定局制度に関する答申に基づいているということらしいんですけれども、最近の郵政事業というのは大きく変化しているでしょう。例えば郵便局に行っても窓口課があってみたり、昔はもう貯金とか保険とか郵便しかなかったんですけれども、そういういろんな激しい変化の中で何で三十三年の答申に基づいてやっていなきゃいけないのか、この辺はどうなんですか。
  27. 白井太

    政府委員白井太君) 郵政省におきまして、小局のあり方あるいは小局の管理をどういうふうにするかというのは、いろんな御議論があり得るところとは思います。私どもとしては、小局というのは特定郵便局というような位置づけをしてサービスをしていこうというのが基本的な考え方になっております。  なるほど先生の御指摘のように、特に部会地などにおきましては分局とかあるいは分室というようなものを設置しておる例ももちろんないわけではございませんが、要は、これは小局としては例外のものでありまして、どちらかと申しますと、それぞれ仕事に従事する職員が交代でそこの窓口に来るとか、あるいは分室に来て仕事処理するとかいうような、職員が交代をしながら仕事をするということが大変多くなっておるわけであります。  ある郵便局としてそこにきちっとした局を設置して責任者を置いて仕事の管理をしようというようなことになりますと、安定的なと申しますか、きちっとした組織としての独立した郵便局を置くということがどうしても望ましいということになるわけでございます。確かに、三十三年に先生の御指摘のような調査会での答申が得られた後、そうしたことを基本的な郵政省の考え方ということで郵便局運営を行ってきたところでありますが、それはそれなりにやはり全国各地、至るところで同じような郵政サービスを国民に公平に提供するという意味でも大変役立ってきておったと思いますし、それから、近時営業活動というのが大変重要だと言われるようになってまいったわけでありますけれども、そちらの面においてもかなりの効果を上げているというふうに私どもは思っておるわけでございます。基本的には、郵政省における小局というのは特定郵便局制度という制度をやはり活用してやっていくのが一番いいのではないかというふうに思っておるところでございます。
  28. 大森昭

    大森昭君 いや、僕の言っているのは、特定局制度の中身をどうこうしようというんじゃなくて、僕の本家も特定局長であって、今はちょっと変わりましたけれども。その長い歴史があるわけですから、それはそれでいいんですが、ただ、これから例えば都会に窓口を広げていこうというんでしょう。そうすると、それを特定局にしていこうということで検討をしているのか、何かよくわからないけれども、初めに普通局と特定局があるというこの状態の中で何かをやっていこうというのじゃなくて、それは今東京の中で窓口をふやすとなればその持ち主の方にお借りして開くということもあるでしょう。そうすると、それは仮にどういうことにしてもそのお借りした家主さんの意見というのを尊重しなきゃいけないわけですから、そういうのが必然的にもう出てくるわけです。それを何か初めからここは特定局にしていくということだとか、これは普通局の分室にするとか、そういうような仕組みでもってやっていったんでは、今東京都内、東京都内というか大都市に窓口をたくさんつくろうということができないんじゃないか。  特に、もう時間がないから私言いますが、土地の利用の問題でも、きょうは建築部長さんもお見えになっていますが、例えば今郵政省が持っておる土地の問題も、一体どういうように窓口の設置の問題と組み合わせてやっていくのか。あるいは宿舎の問題もそうです。六本木だってあるんですから、郵政省の宿舎は。六本木に住んじゃいけないとは言いませんが、あんな高いところに、あれをどうやって活用するんだとか、いろいろあるんですよ。  だから、その小局の運営の問題についても、別に特定局長さん方の権益を侵すというんじゃなくて、問題をもう少し、変わってきているこの世の中に対応するのには特定局長さん方の権利を守りながら実際はどうやって窓口をふやしていくんだとか、窓口をふやすのなら今まで持っていて未利用の土地をどういう形でもって運用していくのか。  きょうは資材部長も来ていますが、例えばお祭りだか何だかいっぱいやっているでしょう、各地で。何か被服規定を改正しなくてもそういうことができるということですけれども、一体資材部長というのはこういうお祭りに――この間も僕はあるところへ行ってきました。そうしたら、局長さんだけが何か赤い洋服を着ているけれども、普通の職員の人は普通の格好で何にも、お祭りだというのに、しかもこれはデザイン博ですよ。デザイン博にそこで窓口を、臨時出張所を出して、デザイン博じゃないような格好を実際しているわけでしょう。  だから率直に言いますが、もう時間が来てしまったからあれですけれども、もう少し根本的に直す、そこでぶつかり合う、しかしそのぶつかり合い方をどういうように理解をさせてやっていくかというふうなことにしませんと、これずっと質問していきますとみんな三十三年のあの答申にぶつかってしまうんです。三十三年、官房長はいつ入ったんですか、郵政省に。三十三年のときにいたのか、わからないけれども。どうかひとつ、僕がこういう言い方をすると何か特定局制度を打破してという意味合いでとられると大変心外なんですが、そういう意味合いじゃないんです。  せんだってもそうなんですけれども、パスポートの問題だとか住民票の問題だとかやるというのをそこに来ておられる郵務局皆さん方から聞いたけれども、我が逓信委員皆さんは、一体郵便局というのは何になっちゃうんだと。しまいに何でもかんでもみんな、パチンコ屋までやるんじゃないかという話になったんですけれども、そういうことはないと思うんですが。やっぱり一つのビジョンがあって逐次それに向かっていくということなら大体理解できるんです。また、パスポートも住民票も私は反対だと言っているんじゃないんです。やることは大いに結構なんでありますが、どこかでやっぱり区切りをつけておきませんと、最近の郵政省あり方というのはちょっとみんな戸惑いをしているというのが実態なんです。だからそういう意味では、少し制度的にこういう方向に郵政事業が三事業ともども進んでいくのかという格好のことが見えて逐次やっていくということでやっていただきたいと思うのです。  建築部長と資材部長来ておられますから、何かあったら一言ひとつ言ってください。
  29. 戸田道男

    説明員(戸田道男君) 今先生から未利用の土地についての活用についてというお話がございましたけれども、私ども郵便局等が別位置に改善されましたことによった跡地でございますが、それの利用につきましては、その地域の発展の可能性など十分省内で検討いたしまして、再利用するか、あるいは保有するかということを検討して、その見込みがなかったものを未利用と言っているわけでございますが、それは現在、平成元年度の初めで二百九十件、面積で約十四万五千平米となっております。  しかし、こうした未利用地につきましても、新たに郵便局舎等の新築敷地を取得する等の場合に代替地を要求する相手の方に対してお貸しするなど、用地取得の促進に役立てるなどの活用をしているところでございます。こうした例が最近の五年間で年平均十九件等となっておりまして、未利用地についても十分な活用を行っているというふうに考えておるところでございます。
  30. 福味徹

    説明員福味徹君) 最近、郵便局も単に郵政事業の円滑な運営に努めるということだけではなく地域の発展の一翼を担おうと、そういう意気込みでいろいろと努力いたしております。例えば地元の方々と協力してふるさと小包を発掘し、周知宣伝し、そして小包の需要増大にも結びつけるなどの施策を展開していることは御案内のとおりでございます。  同じような気持ちで地元の各種イベントにも地元の一員として積極的に参加しております。郵便局職員が参加するイベントには地元の伝統のお祭りや記念行事などいろいろございますが、その性格、態様もさまざまでありますので、参加する職員の服装につきましては、それぞれの郵便局等の創意工夫にゆだねてそのイベントにふさわしいものとなるよう配意してきているところであります。  イベントに参加する職員の服装ははっぴやカラフルなブレザーなどの例が多いのが現状でございますが、これは全国統一したユニホームとは異なり、各郵便局で独自に調達したり地方ごとに郵政局あるいは大きな郵便局で調達し、近隣局でも必要なときには貸し出したりしているものであります。今後さらにイベントに参加する機会がふえるものと考えられますので、イベントにふさわしい服装となるように、そういう点で、ただいま先生御指摘になりましたが、ふさわしくない、もうひとつ工夫が要る、こういうような点も確かにあろうかと思いますが、そういう点もさらに細かく配慮いたしまして、イベントにふさわしい、そして地元の人にも心から喜んでいただけるような方向に進めてまいりたいと思っております。
  31. 大森昭

    大森昭君 それじゃ時間が来ましたから最後でありますけれども、先ほどからいろいろ言われていますように、三事業極めて好調で、非常にいいムードで、労使関係も一層安定をしてきているわけでありますが、ただ私は、郵便事業一つとりましても、実際には郵便の需要が増加しています。当然そうなれば施設だとか要員だとか、どうこれをやっていくかということが一つの問題でしょうし、貯金事業の方も集中満期が来ております。これを克服するのもまた大変なことでしょうし、金利の自由化への対応もまた新しい分野での対応策が必要でしょう。保険の方も高齢化社会ですからこれにまた新しい商品をどう開発するかと。いろいろな問題が山積していると思うんです。一々もう時間がありませんから質問できませんが、どうかひとつ、そういう難問題がたくさんある中で今日事業経営を行っていくということになれば、少なくとも少し長期的なものを持ちながら、そしてこの順調さを保っていくということを期待いたしまして、質問を終わりたいと思います。
  32. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 私は、国土の均衡ある発展、つまりは東京の一極集中の是正と地域の活性化に向けて政府が総合的に並み並みならぬ御努力をいただいておるということを評価しておりまして、その成果がたんだん上がっていくことを大いに期待しているものでございます。国民の一人一人が我が国のどこに住んでおっても本当に豊かな生活の実感を味わえるようにすることが経済大国の我が国にとって今や非常に大事な課題だろうと思うわけでございます。その課題解決のためにきょうは郵政行政の面からさらなる御尽力をいただきたいというふうに考えまして、少しお尋ねし、また要望申し上げたいと存ずる次第でございます。  まず、国土政策の基本を決めた第四次全国総合開発計画におきましては、最近の国際化の進展や生活ニーズの高度化といいますか、経済社会のソフト化の傾向が強まり、こういったものを受けて東京への一極集中というのが残念ながら依然として続いております。こういう環境変化の中でどうしても多極分散型国土を形成しようということが大きなねらいであるわけでございますが、これには国土の神経とも言える情報通信体系の整備が血管とも言える交通体系の整備とあわせて非常に重要だろうと考えるわけでございます。  そこで、初めに郵政大臣に情報通信基盤の整備に向けての御決意のほど、御所信のほどをひとつお伺いさせていただきたいと思います。
  33. 大石千八

    ○国務大臣(大石千八君) 御指摘のとおり、陣内委員はこれまでいわゆる血管の部分を張りめぐらすことで大変長年御努力をされてきた方でございますが、さらに血管だけでなしに神経系統も敏感に張りめぐらせていくということの必要性を十分に認識をしておられるということで、大変心強く思う次第でございます。  この四全総で国は均衡ある国土の発展ということを目指して、一極集中型から多極分散型の均衡ある国土発展のためにそのような施策を講じているところでございまして、郵政省としても、そういった四全総の精神に沿って、情報の多極分散型あるいは国際化に伴った国際通信事業を量的に増大する、あるいは質的に高度で多様なサービスが行われるように、これは国民生活においても通信を利用した多彩な情報ニーズが生じているところでありまして、そういった国際的な面からも重要だという認識をしております。  そして、多極分散型国土の形成という観点からも、東京に集中した情報機能の地方分散を促進し、地域の情報化を図るために全国的に情報通信機能を活用した地域づくりと地域産業の振興が喫緊の課題となっているところでございまして、このためには電気通信事業者による基幹的通信網のディジタル化、高度化、あるいは高度で多彩な情報通信サービスの提供、そして地域社会や地域産業の発展に資するテレトピア等の地域情報化施策を活用した新しい地域情報通信基盤の形成、そして国民文化の発展に資するハイビジョン、CATV等の多彩な映像メディアの充実等の施策を一層積極的に進めていく所存でございまして、平成二年度の予算に関しましてもそういったことを目標とした要求を今しているところでございます。
  34. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。  今お話を伺っておりまして、情報通信基盤の整備充実を図っていただくことで大都市と地方間あるいは地方と地方間の時間距離というのはなくなってくるということでございますし、情報伝達の質も飛躍的に向上させていただくということで大いに期待したいと思います。  同時に大事になるのが遠距離電話料金をいかに安く利用できるかという問題だろうと思います。我が国における遠距離電話料金の民営化の経緯についてひとつお聞かせいただきたいと思います。
  35. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 御指摘のように、遠距離料金初め電話料金全体が低廉化するということが国土開発に大変重要だということは御指摘のとおりでございます。  民営化以降どうなったかというお尋ねでございますが、昭和六十年四月に民営化が始まったわけですが、その当時の料金は、遠距離、三百二十キロ以遠、ですから東京から例えば西に行きますと伊賀上野、東へ行きますと一関、このあたりが一番遠い料金ということになっておりますが、当時これが四百円でございました。その後、六十三年二月にNTTはこれを一〇%下げまして三百六十円になった。さらに本年二月に三百三十円にまた一〇%下げたということで、現在は遠距離が三百三十円ということになっております。  御案内でございますけれども、先日NTTが本年度内にさらにこれを引き下げたいということで遠距離を二百八十円、まだ申請はこれからでございますが、おおむね二百八十円にしたいという意向が表明されております。そうなりますと、結局スタート時よりは約三割ぐらい下がる結果になるわけでありますが、料金を低廉化したいというこの制度改革、電気通信改革の目的というのは、まだ十分ではないわけでございますけれども、徐々にその方向に参っております。今後とも、遠距離をできるだけ下げる、同時に市内あるいは近距離、こういった料金もぜひひとつ低廉化させて国土形成に寄与させてまいりたいと考えております。
  36. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 今のお話ですと、以前から比べると本当に安くなったなというふうに感ずるわけでございますが、また一方、先日新聞を見ていましたら、アメリカと比べるとまだ高いというような記事を目にしたところでございます。そこで、その辺の状況がどういうふうになっているのか、あわせてお知らせ願いたいと思います。
  37. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 遠距離をどういうふうに切るかというのは、各国それぞれお国の事情が違いますので一概に比較は難しゅうございますが、今お話しのアメリカの場合は、一番遠い距離、六千八百キロ離れたところは一番最遠の料金にする、こういう仕組みをとっております。我が国は今申しました三百二十キロということでございますので、一番遠いところと遠いところの料金を比較いたしますと、さっき申しましたように現行三分三百三十円でございます、日本の場合は。アメリカの一番遠い六千八百キロ離れたところの料金は、最初の一分で四十八円、三分話せば百四十円ということでございます。これは一応一ドルを百四十四円という計算で、この計算ですべてが比較できるかという問題はございますけれども、大ざっぱな比較はできるかと思います。そういう意味では少なくともアメリカは半分以下になっているということはおおむね言えようか、こんな感じがいたす次第であります。
  38. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 その際に、アメリカの遠距離電話の料金がこういうふうに安い理由の一つにATTの再編があった、こういうふうに言われておるわけですが、その辺は事実かどうか、具体的にひとつお伺いさせていただきたいと思います。
  39. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 確かに、再々申し上げますように国情が違えば電話も違う、そういう意味で簡単に比較してしまうことの危険性はあるわけでありますが、全体として料金が大分違っておるというこの背景には、やはり一足早くアメリカが電気通信分野に競争原理を導入した。私どもの日本では比較的長く、比較的というか発生以来独占のもとにこの電気通信事業を置いてきた。これが違いの大きな原因になっているのかなというふうに考えております。  御案内のとおり、アメリカでは、一九八四年といいますから昭和五十九年になりますか、八四年にアメリカの代表的な電話会社でございましたAT&Tというものが非常に強大な市場支配力を持っておる。そういう意味でATTが反競争的行為を結果としてしてしまう。そのことを防止するために一つの改革が行われた。御案内のとおりでございまして、その中身は、ATTを長距離会社、専門の会社を一つこしらえる、同時に地方の電話を持っている会社を全国に二十二に分割する、こういう改革が行われたわけであります。  結局、このような改革になりますと、長距離の会社、これは新しいATTといっていいと思うのでありますが、このATTと、それから新規参入しますMCIとかUSスプリントとかいろんな会社がございますが、そういう長距離同士が市内と接続して、二十二の地方の会社と接続して長距離通信を行うわけですが、その際にATTも新しい新規参入も同じ条件で接続をして競争する。こういう事態になりましたので、いわば事業者間の競争が非常に活性化いたしたということで、再編成以前、つまり一九一三年まで、これはデータを見ておりますと、毎年高いときには一四%、あるいは低いときでは二%近く動きがございまして、平均して約四年で二三%上がっていた料金が、その編成以降八四年から同じく四年の間に逆に今度は二七%下がっている、遠距離の場合でございますけれども、そういうデータもございます。そうした意味では、先生御指摘のように、こうした点が大きなやっぱりインパクトになっているかというふうには考えておるところであります。
  40. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 これからの我が国の電気通信対策を考えていく上でいろいろ参考になったと思います。  ところで、去る十月二日、「今後の電気通信産業在り方」についてということで電気通信審議会から、ここに持っておりますけれども、こういう中間答申が出されております。新聞などでも盛んに取り上げられましたし、とりわけNTTあり方についてにぎやかに報じられておるというふうに私は理解しております。  私も中間答申を読んでみましたが、昭和六十年の四月に電電公社が民営化されて以来、これまで四年半余り経過した時点でのNTTの現状についての診断書と言ってもいいだろうというふうに見受けているわけでございます。経営上の問題あるいは公正有効競争上の問題、地域振興とか、さらには研究開発の問題など多面的な観点から今まで触れられていなかったことについて非常に体系的に整理されているんじゃないかというふうに私は評価をしているわけでございますが、この中間答申の最も重要なポイントの一つは、何といっても、電話サービスの多様化を図るとともに、いかにして安価で良質なサービスを提供するためにはどうしたらいいかという方法を提示している点ではなかろうかと思うわけでございます。  そこで、郵政大臣に重ねてお伺いしたいと思いますけれども、これをいかに具体化していかれるのか、その点についての御所見を賜りたいと思います。
  41. 大石千八

    ○国務大臣(大石千八君) 御指摘のように、これからさらに電話サービスの多様化を図り、いかにして安く良質なサービスを提供できるかということを目的にこの電気通信審議会が審議をし、そして中間答申もいただいたところでございます。そういう中でございますので、いろんな経過に関しましてはもう委員指摘のとおりでございますが、この中間答申に関しまして申し上げますと、NTTあり方について、料金の低廉化について一層の努力が必要であるという点を含め、経営上の問題点、公正有効競争上の問題点、研究開発地域振興等の観点からの問題点を数多く御指摘いただいたところでございまして、その解決方法につきましても三つの方法を具体的に御提示されたわけでございます。つまり、「現行組織形態のまま改善措置を講ずる方法」、それから「組織を再編成する方法」、「個別業務を分離する方法」、こういったものを並列的に御提示いただいたわけでございます。  郵政省といたしましては、今回の中間答申は、御指摘のように料金の低廉化、サービスの多様化等、国民利用者の利益を最大限増進するという観点から、今後NTTあり方について議論を深めていく上で十分な材料をお示しいただいたというふうに考えております。  この中間答申を踏まえて新たにNTT法の附則第二条に基づき講ずるべき措置、方策等のあり方について電気通信審議会諮問をしたところでございまして、答申を受けて、御指摘の趣旨を踏まえつつ適切に対処したいと考えておるところでございます。今の段階は中間答申としてのこのような御意見をいただいたわけでございますので、さらに深い御審議をいただいて、その結果に関しての答申をいただきましたならば、そのことに対して最大限それを重視して適切に対応していこうというところで、今再度審議をお願いしているところでございます。
  42. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 ただいまこの中間答申を踏まえて新たにこれから講ずべき措置、あるいは方法等のあり方について審議会諮問されておるということでございますが、今御所見の中にございましたけれどもNTTあり方議論していく上での基本的視点というのは、何といってもやはり常に国民利用者の利便の増進につながるかどうかということだろうと思いますので、ぜひそういう観点から適切な対処をよろしくお願いしたいと思うわけでございます。  さらに、この問題についてちょっと触れさせていただきたいと思いますが、NCCの三社は順調に業務の拡大が図られておるようには思えますけれども、まだまだ本当に十分かどうかという点については疑問視されるところでございまして、そういう意味から、今後このNCCの三社がサービス地域の拡大を図っていく上でどんな隘路があり、NTTとしてはどのような点について配慮していくべきか、郵政省のお考えをこの際聞かせていただきたいと思います。
  43. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 大臣が申し上げましたとおり、結局この電気通信の改革は、一社の独占を排して、競争によって、その競争の結果が利用者に低廉な料金という形あるいは高度なサービスという形ではね返ることを期待したわけであります。  六十年改革以来、いろんな新しいニューコモンキャリア、NCCという形で参入が行われまして、今第一種事業では五十五社参入されております。しかし、多くはまだこれからのことでございますが、一番早く営業を開始いたしましたのはただいま御指摘のありました長距離系の三社のことだと思うのでございます。この長距離を扱う会社は三社ございまして、相当一生懸命活発な営業を行っております。ただ、出始めが東京、名古屋、大阪という地域をスタートにして徐々に今これを東西に延ばしておる、南北に延ばしておるという状況だと思うのであります。  平成元年度の中間決算を見ますと、全体のシェアは、電話市場だけで見ますわけでありますが、NTTの売り上げとそれからこの長距離三社の売り上げを対比いたしますと、新期参入の方々三社合わせて全体で二・七%のシェアを占めているという状況になってございますので、総体としてはまだほんのわずかな部分に参入したにすぎないのかな。ぜひひとつ、今後とも料金を下げつつ、ネットワークをやはり全国的に拡大してもらうことが必要だということでございますが、そうした場合に、なかなか長期の経営的な見通しはどうかという点についても、当事者もそうでございますが、私どももなかなか難しい点があると思っております。  今後、円滑な事業を展開していくためには、やはりNCCはすべてNTTの市内のネットワークに接続しなければ仕事にならないわけでございますので、そのために、私どもはいわば競争条件の整備という点で幾つか問題があると見ておりますが、一つは、NTTと長距離との接続をする際に、これがNTTから出てきた電話か、長距離を使った電話かという識別する必要があるわけでございますが、IDと言っておりますが、識別信号が出せる交換機と出せない交換機がまだございます。そのためにこのID化というか、交換機のディジタル化ということが大変重要なポイントになるわけでございますが、このID化を促進する、ディジタル化を促進する、これが一つ。  それからNTTとNCCとの間に接続をどこでするかという問題がございます。離れたところで接続しますと、ほとんどが逆にいくというNTTの回線を使うという結果になります。なるべく市内に近いところに接続点、POIと言っておりますが、接続する必要がある。これをできるだけたくさん新事業者はつくりたいという要望がありますが、これについて、NTTの間でうまく接続点を要望どおりできるだけたくさんつける、そういう問題。  それからNTTが長年蓄積を、百年かけて独占をしておりますから、いろんな技術情報だとかあるいはトラック情報を一元的に持っておりますが、こうした情報をライバルにも提供する、こういう競争条件の問題が大変大事になってくる。同時に、この競争条件を整備するという意味でNTTの提供は現在いろんなサービス全部に及んでおりますが、そうしたサービスの原価、市内と市外がどうなっているかというような原価、厳密な収支分計、それからNCCはNTTを使わなきゃならないわけですが、そういう意味ではNTTの市内料金の低廉化、こういったことも大変大事なポイントになるかと考えておるところであります。
  44. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 民営化されてから日が浅いということですので、二・七%というのもある意味じゃいたしかたないと思いますが、先ほどお話を伺ったAT&T社なんかを見ますと、これはもうシェアが六六・九%に落ちてきている。逆にまた新電電がその分を補っているということだろうと思うのですが、そういう状況を考えますと、今お話のありましたようないろいろな隘路はあるわけでございますけれども、そういうものを早く整備して公正な競争、あるいは国民利用の増進が図られるようにしなきゃならぬなという感じを私は今強く受けたわけでございます。  確かに、競争者の片方が他の競争者の設備、しかも極めて独占性の強い市内網の設備を持っておる、こういうものを利用しなければサービス提供ができないというような依存的構造ということのようでございますので、これは大変珍しい競争条件だと思うわけでございますが、こういうものを背景にしながら逐次郵政省としても改善の努力をされておるというようなことでございますので、大いに期待をしたいと思います。  時間もございませんので、市内料金の低廉化ということを今お話の中でちょっと伺ったわけでございますが、これについては今後どういうふうな形でこれを推進できるのか、お考えをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  45. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) おっしゃるとおり、市内料金が下がるということは、これは大変大事なポイントでございまして、市内料金も含めてやはり料金をぜひ下げる必要があるということは、ただいま先生の御指摘のあったとおりでございます。この辺はいろいろ私どもとしてもNTTに対して、市内料金、全体として見れば諸外国との水準に比べてみても決して日本が安いと言える状況にはないのではないかということで、いろいろNTTに対して意見を申し上げておるところでございます。    〔委員長退席、理事松前達郎君着席〕 NTTとしても、できるだけそういう視点で今後とも経営努力に当たりたいということを言っておりました。  現在、まだNTTの方からは認可の申請が出ておりませんが、現在の検討の状況では、市内料金を安くする一環として深夜の割引というものを考えたいということを聞いておりますので、そうした形ででも市内料金の低廉化にできるだけひとつ努力を期待いたしたいものだと考えているところであります。
  46. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 既に申し上げましたけれども、また大臣のお話もございましたけれども地域振興、東京の一極集中を是正する多極分散型国土の形成に対しまして、電気通信の果たす役割に大変大きなものがあるわけでございます。このような視点から見ましてNTTが現在地域のニーズに十分こたえていただいておるのかどうか、こういう点が大きく問われているんじゃないかと思います。地域振興の観点から見ましてNTTの現状と問題点がどこにあるのだろうか。また、特に情報通信の利用に関しまして今後一層の地域格差の是正を図っていく必要がある、こう思うわけでございます。  ひがみかもしれませんが、どうも大都市にサービスが偏っているんじゃないかという気がしてならないわけでございますが、もう一度この観点からNTTの今後のあるべき姿について大臣の御所見を承りたいと思います。
  47. 大石千八

    ○国務大臣(大石千八君) 今局長からもいろいろ問題点を申し上げたところでございますが、なおこれからNTTが地域分散、均衡ある国土の発展のために、きめ細かい情報をさらに得やすくするというために努力すべき点としては、これまでも確かに電話料金の値下げ、例えば先ほど申し上げました三百二十キロ以上の一番遠いところもNTTのこの間の記者発表で三百三十円か二百八十円に下がるというようなことを言っておりますとおり、これは間もなく実現の方向、また我々に正式の申請があると思いますが、そういうような状況になりつつあるわけでございまして、それなりの努力をしていることは評価しているところでございます。  なお、問題点としては、諸外国に比べて遠距離通話料金を初めとする、ただいまお話しになった市内料金も含めて料金水準が依然として割高であること、それから地方におけるディジタル化の投資が不十分であること、あるいはISDN等の新サービスの導入も、東京、大阪、名古屋から政令指定都市、県庁所在地級の都市、あるいは市制施行都市、郡部へと画一的な段階を踏んで行われていること等の問題点があると指摘をしているところでございます。  郵政省といたしましても、このような中間答申の趣旨を踏まえ、遠距離料金を初めとする料金全般の低廉化を一層促進する等、地域格差の是正、多極分散型国土の形成において国民的共有財産とも言える全国的ネットワークを有し、シェア的にも独占的な地位を占め、かつ、あまねく全国に電話を普及する法律上の責務を有するというNTTが果たす役割を十分認識した上でNTTの今後のあり方について適切に対処してまいりたいと考えております。
  48. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 ありがとうございます。  その場合に、ディジタル網の形成というのが非常に重要だと思うわけでございますが、これは経費もかかることだと思いますので、単に事業体の努力のみに任せるということではなくて、やはり国としても積極的に推進していく必要があるんじゃないか、これが国土の均衡ある発展のための大きな神経づくりになるというふうに今話を伺って感じたわけでございますが、その点につきまして郵政省のお考えをひとつお教えいただきたいと思います。
  49. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 今の電話網といいますか、通信網はアナログとそれからディジタルとが併存しておる状態になっております。今後サービスの高度化を図るためにはどうしてもネットワーク全体のディジタル化が大変必要だということで、ただ、我が国の全体のディジタル化が大変諸外国に比べておくれております。  このディジタル化については、やはり将来の高度情報化社会を担う事業者であるとすれば、これはやっぱり事業者が何としても積極的にディジタル化は取り組むべき課題だと。とりわけ、ただいま大臣が申しましたように、あまねく電話を全国に普及するという事業者にとっては積極的なディジタル化を図って諸外国に対するおくれを取り返す必要がある。NTTも幸い、これまでの国民のいろんな論議だとか、あるいは当省からのいろいろな要請を受けまして、従前のディジタル化計画全体の整備が図れるのは二〇〇五年というふうな計画であったのでございますが、ごく最近でございますが、これをできるだけ前倒ししたいというふうなことで今いっておるようでございますので、できるだけひとつその早期実現を期待したいと思います。  同時に、もちろん政府としても何らかの支援措置が必要だということで、これは端的に申して多額の設備投資が要ることでございますから、この面での税制上の支援措置ということで、ディジタル交換機とかあるいはディジタル伝送装置の投資に関して現在減税措置を講じておるわけでございますが、今後ともこうした税制措置あるいは財政支援措置等についてもあとう限りのことを政府としてもやってまいりたいと考えておるところであります。
  50. 陣内孝雄

    ○陣内孝雄君 最後に、お願いでございますけれども、そういう整備とあわせまして地方情報化推進と情報機能の地方分散、これも欠かせない課題だと思っております。来年度の予算要求の中で、お聞きしますと、地域情報通信開発事業ということを要求されておるというふうに承るわけでございますが、この実現に期待しておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  これをもちまして終わります。
  51. 磯村修

    ○磯村修君 今全国的に四全総、第四次全国総合開発計画というのが推進されているというふうなことで、地域の活性化ということがそれぞれ大きな課題になっているわけです。そうした中で、テクノポリス構想とかあるいは工業団地の造成、そういったことが各地域において、地方において非常に積極的に今進められているわけなんですけれども、それに関連しまして一つお伺いしたいと思います。  そうしたいろいろな団地造成ということが推進されてきますと、郵政のサービスというものが非常に必要になってくるんじゃないかと思います。例えば工業団地の造成というのは市部の中心から大分距離が離れているところにも造成されるという傾向もあります。そうしますと、住民サービス、あるいは団地に入居する企業へのサービス、そういうふうな面からも郵便局設置というふうなことが大変重要なことになってくると思うんです。そうした面から、これからの開発計画に合わせての郵便局設置計画というふうな考えを一つお尋ねしたいと思います。
  52. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 今先生御指摘のように、大規模団地の造成に当たって郵便局の果たす役割は非常に重要だというふうに考えております。  そこで、まず実態について申し上げますと、大規模団地の造成に伴いまして過去五年間に設置しました郵便局について調査しましたところ、計画段階から郵便局設置することとしていたものが約四〇%、造成後に設置したものが約六〇%という状況になっております。工業団地や住宅団地など大規模団地を造成する際に多くの団地において郵便局設置が当初計画に入っていないというのが残念ながら実態の多くを占めております。  その理由の一つといたしまして、いろいろ調べ、検討したんですが、都市計画法においては郵便局設置が都市施設の対象として義務づけられていない、そのため地方公共団体による郵便局用地の確保についての指導が徹底されにくいということが挙げられる、それがネックの一つになるというふうに判断いたしております。したがいまして、大規模団地の造成に当たりましては、私どもの方から郵便局用地の確保方、地方公共団体及び団地の造成者等に対しまして要請いたしまして、理解を得ながら郵便局設置を行っているところでありますが、基本的にはいろんな法制面の整備というようなことも必要でございますので、これから都市計画の中に郵便局設置が組み込まれるように制度の改正方、今後機会あるごとに関係方面に要望することに真剣に取り組んでまいりたいということで先生の御質問の趣旨を体していくことになろうかというふうに考えております。    〔理事松前達郎君退席、委員長着席〕
  53. 磯村修

    ○磯村修君 先ほど大臣から四全総の精神に沿って多様化サービスを行っていきたいというふうな趣旨の発言がございました。  そこで、郵政のサービスという面から、大きな基幹団地等が設置される大きなプロジェクトですね、そういう面につきましては、最初からその計画に郵政自体も側面から参加して、そして設置計画などを早い時期から検討して住民サービスの問題に取り組むというふうな姿勢も必要ではないかと思うんです。これは郵便業務だけではなくて、金融の面を考えても、例えば大きな基幹団地がつくられますと、その中に企業が来るだけではなくて、その企業に関連した多くの人々が一緒に入ってくるわけです。そうしますと、大変そこに住む人たちに対するサービスというものが欠かすことができない。そういう意味においても、当初から計画に参加して、一定の団地に対する郵政の戦略的な物の考えを反映させていくというふうなことも必要になってくると思うんです。一般の金融機関の場合は非常に早くからそういった面では即応しているわけです。直ちに窓口を設置して預金の獲得に努めるというふうな面もあらわれているわけです。そういう面から見ると非常に郵政のサービスというのはおくれているわけなんです。そういう意味において、今は金融の自由化だと言われても、競争には非常におくれている面もその面では見られるわけです。そういう郵便業務あるいは金融のサービスの面からも当初からの計画参加ということが必要だというふうな印象を受けるわけなんですけれども、これからの考え方についてお伺いしたいと思います。
  54. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、先生のお考えと全く同感でございまして、それを現実の施策の中で大いにこれから生かしていきたいというふうに考えております。
  55. 磯村修

    ○磯村修君 今非常に地域ではそうした開発事業というものが進んできておりますので、ぜひそれに歩調を合わせまして、サービスの面を怠りなくしてほしい、このように思います。  それから先ほど郵政のサービスが余り過剰になってはいけないというふうなお話もありましたけれども、問題は、例えば過疎地域は必ずあるわけです。そうしますと、過疎地域の住民にとってはいろんな面で不便を感じているところが大変多いわけです。例えば市町村の業務に関するようなことはわざわざ市町村の窓口まで行かなければ事が足りないという面があります。それからもう一つは、最近は非常に海外旅行というものが盛んになってきております。そういう場合に、旅券の交付というふうな問題もあります。実態は県庁まで行かなければ旅券の手続がとれないというふうな面もあるわけです。  そういういわば非常に生活の不便を感じている地域の住民サービスという面からも、ある程度郵便局の窓口でそうした面のサービスを行ってもいいんではないかというふうなことも考えられるわけなんですけれども、その辺の郵政のお考えをまずお伺いしたいと思います。
  56. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 先生御指摘のとおり、全国にいろいろ生活の不便を感じている地域というのはいっぱいあるわけでございまして、その辺の問題を解消することが国策として大事なことだろうというふうに考えております。そういうことで、全国津々浦々にあります郵便局というのはその地域に根づいた存在となっておりますし、この貴重な全国郵便ネットワークを活用いたしまして、地方公共団体等の窓口が少ない地域におきまして、今御指摘のありました需要の高い住民票とかパスポートの交付、そういったことのサービスを提供するということが国の機関としての郵便局の大事な使命であるというふうに考えております。また、それが地域住民の利便の向上と地域社会の発展に一層貢献することになるだろうというふうに考えているわけでございます。  そこで、来年度の予算要求につきまして、初めての施策要求でございますけれども、住民票、パスポートの交付などの窓口サービスの多様化ということを重要施策として掲げております。これは関係省庁等との非常に難しい強力な折衝を要するわけでございますけれども、今予算折衝の山場に来ておりまして、その実現のために拳省態勢で取り組んでいるところでありまして、ぜひ実現したいというふうに考えております。
  57. 磯村修

    ○磯村修君 次に、高齢化社会に対応していくというふうなことで郵政省がシルバー貯金というふうなことを御検討しているというふうなことでございます。公的年金を補完する意味でも、自助努力と申しましょうか、こうした個人個人の備えというものが大変求められているというふうなことも言えるわけです。そういう意味からいっても、このシルバー貯金というものは大変必要な制度ではないかというふうにも理解できるわけです。  そこで、今考えているシルバー貯金の内容は一体どういうふうなものか、お伺いしたいと思います。
  58. 成川富彦

    政府委員成川富彦君) 我が国は先生御指摘のように人口の高齢化が急速に進んでおりまして、豊かな長寿社会をつくっていくことが国政にとっての重要な課題となっているところでございます。  しかしながら、先生から今お話ございましたように、豊かな老後生活を送るためには公的年金に加えまして国民の自助努力による老後資金というものが必要になってまいります。郵政省といたしましては、その準備の手助けをするといいますか、積極的に支援する必要があるんじゃないかというふうに考えているところでございます。そういうところからシルバープラン貯金を来年度の重要施策事項として要求しているところでございますが、老後の生活資金を比較的若いうちから、私ども考えているのは四十歳以上ということでございますが、若いうちから蓄えていただくことを目的とした貯金をつくって、それにつきましては一千万円、現在の預入制限額の別枠といたしまして預入できるようにし、税制優遇措置、軽減税率を適用していただくようにしたいということでやっているところでございます。関係省庁と鋭意折衝を行っているのですけれども、なかなか容易ではない状況にございますが、実現に向けて全力を挙げて努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  59. 磯村修

    ○磯村修君 このシルバー貯金というのは、大分前から郵政省検討なさってきたようでございますけれども、なかなか実現してないようでございます。その理由はどこにあるのでしょうか。
  60. 成川富彦

    政府委員成川富彦君) シルバー貯金につきましては、平成元年予算重要施策事項として昨年も要求したところでございますが、できないといいますか、実現に至らなかった理由といたしまして、民間からは郵便貯金の預入限度額の実質的な引き上げになってしまう、民業の圧迫になるのではないかというような意見も出ております。それから、昨年四月に御案内のとおり利子非課税制度が改定されたばかりでございまして、そういう関係から、シルバープラン貯金税制上の優遇措置を講じようとするのは、昨年改定したばかりだということでその趣旨に反するんではないかというような指摘がなされているところでございます。  そういうことから残念ながら実現を見るに至っていないのですけれども郵政省といたしましては、人口の高齢化が先ほども申し上げましたとおり急速に進展してまいっておりますので、豊かな長寿社会を形成するために、その自助努力というものの必要性というのは高いわけでございますから、その社会的取り組みを官民一体となってぜひともやろうじゃないかということで、民間にも働きかけながら実現に向けて努力しているところでございます。先生の御支援等も得まして、その実現に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。
  61. 磯村修

    ○磯村修君 ぜひ実現してほしいと思うんですけれども、内容的に年金方式といいましょうか、そういうふうな中身のようでございますけれども、例えば年をとってから退職金などを一時的に預け入れる、そして何か必要なときに引き出せるというふうな内容のものもこの中に織り込むというふうなことはできないんでしょうか。
  62. 成川富彦

    政府委員成川富彦君) 今の老人等の貯金につきましては、マル老といいまして、いわゆるマル老ではあるけれども、非課税制度が存続しておりまして、マル老の金額も現時点におきましては三百万円ということで大変低いわけでございますので、これにつきましても来年度の予算要求におきましてそれを引き上げてほしいということでお願いしているところでございます。したがいまして、そういう老人になってから貯蓄していただく場合はそれを活用できるんではないかと思っております。  今申し上げているシルバープランにつきましては、若いときから老後に備えて積み立てていただきまして、六十歳以上になりましたときに指定する機関、先生御指摘のように年金的な使い方をしていただこうという趣旨で、これにつきましても軽減税率でお願いしているということでございます。
  63. 磯村修

    ○磯村修君 高齢化社会というふうなことに対応していく意味においても、個人個人の年金の補完という意味を生かしていくためにも、この制度を実現することによってそれなりにまた社会保障と言いましょうか、そういう面にもこの意味が生きていくと思うんです。長い間の懸案のようでございますので、できるだけこれが実現できるようにぜひ御努力を願いたいと思います。  次に、ハイビジョンのことにつきましてお伺いしたいと思うんですけれども、ハイビジョンの規格統一ということは大変難しい問題があるようでして、それぞれの国の威信の問題もあるでしょうし、いろいろな政策の問題もあるでしょう。将来的にも非常に厳しい問題が控えているようでございますけれども、規格統一という面に直進していくための一つの方策として環境づくりと申しましょうか、例えば日本の国内でハイビジョンの普及を特に推進していく、そういう環境づくりによって国際統一、規格の統一への道を切り開いていくということも一つ考えられるのではないかというふうにも思うわけです。  例えば、非常に価格の安いハイビジョンの機器というものを日本国内に普及していくということにあわせますと、アメリカなどでは、テレビのCATVに加入している視聴者、それが既にテレビの受信世帯の半数以上だという話も聞いております。それから通信衛星を使っての受信者もかなりふえているというふうなことで、そういう意味からいったら、低廉なハイビジョン機器というものが日本国内で普及することによってアメリカあたりもハイビジョン方式というものを導入する可能性があるのじゃないかというふうな考えもあるわけなんですけれども、そういう環境づくりに対するひとつ考えをお伺いしたいと思います。
  64. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) ハイビジョン放送に対しましては、ことしの六月から衛星放送のいわゆるBS2bを利用いたしましてNHKによります定時実験放送が実施されているわけでございます。御指摘のとおり、ハイビジョンの普及にはハイビジョン放送の実用化というものが最も重要であるというふうに私どもも考えております。したがいまして、放送衛星三号、すなわちBS3の段階においての実用化ということを目指して現在準備を進めているわけでございます。  先生も御承知であろうと思いますが、平成三年打ち上げ予定のBS3bにおきましては、放送用の中継器一本をハイビジョン専用チャンネルとして確保いたしまして放送を行うという準備をしているわけでございます。これによりましてハイビジョンの普及に弾みをつけてまいりたいと思っております。  環境づくりの面に関しましては、ハイビジョンシティーの指定というようなことで、全国各地にハイビジョンに非常に関心のある都市の皆様方を中心にハイビジョンの普及というものを促進してまいりたい、このように考えております。
  65. 磯村修

    ○磯村修君 そこで、衛星放送についてちょっとお伺いしたいんですけれども、今NHKでは一日に一時間ですか、ハイビジョンの実験放送をしております。それに関連してですが、実験放送をこれからさらに時間をふやしていくお考えはあるのでしょうか。
  66. 尾畑雅美

    参考人(尾畑雅美君) 今郵政から御答弁がございましたように、NHKは第二チャンネルの衛星放送を使いまして一時間放送しております。ところが、これはまだ受像機をつけてない方々、つまり衛星放送を見ている方々には見えないわけです。ですから、当面はこの時間をふやすという考え方はありません。  今郵政から御答弁がありましたように、BS3bの段階で通信・放送衛星機構が一つのチャンネルをハイビジョン専用チャンネルというふうに設けられるということでありますので、NHKとしましては、それまでに蓄積しましたノーハウ、放送技術でこれに積極的に参加していくというふうに考えております。
  67. 磯村修

    ○磯村修君 BS3bのハイビジョンの関係ですけれども、これは例えばNHKが専用のトランスポンダーを持つというふうなこともあるわけなんですか。
  68. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) BS3bにおきまして、ハイビジョンの普及促進を図る観点から、BS3aのいわゆる予備機能を損なわない範囲で通信・放送衛星機構が一本の中継器を保有してハイビジョン放送を行う者に利用させるということを考えているわけでございます。したがいまして、BS3bのこの中継器をどこが利用するかということに対しましては、ハイビジョンを促進するという観点から現在検討中でございまして、NHKがやるというように決定しているわけではないのでありまして、民放もやりたいというような方がおられたら、その方もやるということになろうかと思いますし、あるいは、いわゆるハイビジョンの番組をおつくりになって持っておられる方がやりたいというようなことも多数あろうと思いますので、今後いろいろと検討してまいりたいと思っておるわけでございます。
  69. 磯村修

    ○磯村修君 このハイビジョン放送が放送時間が長くなるというふうなこと、今おっしゃられた内容というのは、NHKと民間放送が相乗りするということなんでしょうか。そういうことですね。  そうしますと、放送時間がかなりあるというふうなことになってきますと、それぞれ視聴者には見たい時間とそうでない時間があるわけですから、双方が時間を奪い合うというふうな問題も出てくると思うんです。そういう場合にNHKは何か自分の専用の中継器を持ちたいというふうな格好にもなってくると思うんです。将来もしそういうふうなことになると、例えば私が言いたいことは、先日の逓信委員会NHK会長は、NHKが保有するメディアというものを余り巨大化したくないというふうな趣旨の発言もあったんですけれども、どうしても今度BS3bのハイビジョン放送というようなことで専用のまたトランスポンを持たなければならないような事態になった場合に、それだけまたメディアがふえるわけです。それはやはりNHKの肥大化と申しましょうか巨大化と申しましょうか、そういうものにつながっていく危惧もある、懸念もされるというふうなことになるわけなんです。  将来構想として、もう既にBS3bというのは平成三年度以降いよいよ実施段階に入るわけですから、今のうちからそうしたメディアの将来構想というものをつくっていかなければ、ただ時の流れに流されてしまうというふうな懸念も出てくるというふうなことですので、できるだけ早い時期にそういうメディアを整理していく構想というものをつくっていく必要があるんではないかと思いますけれども、その辺の見解をお伺いしたいと思います。
  70. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) NHKの保有メディアのあり方に関しましては、放送の公共性に関する調査研究会中間報告でも御指摘をいただいております。本格的な衛星放送時代に向けて早急に検討を行うようにということでございますし、私どももその認識は一致しているわけでございます。  では、その本格的な衛星放送時代というものはいつなのか、こういうことになるわけでございますが、それはBS3の後続機、いわゆるBS4の時代に到来するものと予想されるわけでございまして、したがいまして、このBS4の利用計画を策定する前にはNHKの保有メディアのあり方についても一定の結論を出しておくことが必要ではないかと思っております。
  71. 磯村修

    ○磯村修君 わかりました。  先ほどNHKからは、今のハイビジョンの実験放送の時間をふやす考えはないというふうな御回答でしたけれども、とにかく衛星放送というのは既に料金を徴収しているわけですから、ハイビジョンの実験放送というものが時間増になってくると、やはり視聴者の立場に立って見ればお金を払っても見られないというふうな不満も増幅するわけでございますので、その辺のことを十分に配慮して運営に当たってほしい、このように思います。  時間がありませんので次の質問に移らせていただきます。  いよいよ年末というふうなことで、くじつきの年賀切手とか年賀はがきというふうなものが発行されているわけですけれども、くじつきの年賀切手の発行というのは当初は大体どのぐらいだったのでしょうか。
  72. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 当初の発行予定枚数は二千万枚でございます。
  73. 磯村修

    ○磯村修君 さらにこの枚数をふやすという実態はあるわけですか。
  74. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 五百万枚追加発行ということで決定しております。
  75. 磯村修

    ○磯村修君 その五百万枚の数というのはどういうふうな理由によるのですか。
  76. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) このくじつき年賀切手というのは世界で初めての施策だということで、相当慎重にその発行枚数についても検討をしたわけでございます。その計算根拠につきましては、例年差し出される年賀封書が約千二百万通ございます。そういったこと。それから、いわゆる郵趣層、切手愛好家の方たちでございますが、この人たちの購入、そういったことも勘案いたしまして先ほど申し上げましたように当初二千万枚を発行することといたしておりましたけれども、発売前の通信販売の申し込みが、当初私どもは約五十万枚と予想していたんですが、これを大幅に超えまして約三百二十万枚になったこと。それからまた、発売前から各郵便局に多くの購入希望が寄せられている。そういったことを勘案して、これらの情勢を踏まえて先ほど申し上げましたような数字の追加発行を決めたわけでございます。  追加発行の枚数につきましては、通信販売のお申し込み数量に見られますように、お客様の需要が予想以上であること等、今申し上げた事情のほか、大蔵省印刷局の製造能力、そういったことを勘案いたしまして最終的に五百万枚と決めたものでございます。
  77. 磯村修

    ○磯村修君 その五百万枚というのは、まずすべて販売できるというふうな見通しでしょうか。
  78. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 追加発行の五百万枚についてでございますけれども、先ほど申し上げましたような当初の通信販売のお申し込み状況、それから発売初日における全国主要局、これは各管内の中央郵便局など五十八局をピックアップして状況を調査したわけでございますけれども、そこにおける販売率、この販売率と申しますのは各局の配分割り当て枚数に対する販売枚数でございますが、それが約九〇%に達しておりました。そういった点から見て、まだ期間がございますので、売れ残る心配はまずないものというふうに判断いたしております。
  79. 磯村修

    ○磯村修君 年末あるいは年始の場合、郵便に関する事故あるいは犯罪というふうなことが大変心配されるわけなんですけれども、最近の郵便物に関する事件の件数というのは大体どのぐらいございますか。
  80. 小宮和夫

    説明員(小宮和夫君) ただいまの御質問は年末にということでよろしゅうございますか。
  81. 磯村修

    ○磯村修君 はい。
  82. 小宮和夫

    説明員(小宮和夫君) 年末、特に先生非常勤の犯罪のことを御心配いただいていると事前に承っていたわけでございますけれども、年末年始に私どもが郵便業務を円滑に運行するためには非常勤の方々の力というものがぜひ必要でございますので、大変これに頼っているところでございますけれども、私どもがお預かりしました非常勤の方々の犯罪というものは非常に重要な問題であるというふうに認識をしているところでございます。  したがいまして、非常勤の犯罪を防止いたしますために、採用時の訓練とか、採用後の日常の指導等を通じて対処してまいっているところでございますが、残念ながら年末年始の犯罪を完全に防止するというところまでには至っておらないのが実情でございます。昨年からことしにかけての年末年始の非常勤犯罪の件数は十件ございました。犯罪がありまして少ないと言うわけにはいかないわけでございますが、ここ数年大変強力に指導しておりますので、三年前が二十二件でございましたが、前々年が八件、昨年が今申し上げたように十件というふうに減ってはきております。その内容でございますけれども、この十件について申し上げますと、現金書留をとったというのが六件、それから年賀はがきなどを捨てたあるいは隠したというのが四件という状況になっております。  今後とも十分な指導をいたしまして、郵便局へせっかく子供さんを社会勉強もあってやりましたところ犯罪者になったというようなことを絶対に起こさないように強力に指導してまいりたい、このように考えているところでございます。
  83. 磯村修

    ○磯村修君 郵便に関する事件あるいは事故というのは、いわば郵政事業に対する信用の問題にもかかわるというふうなことですので、特にこの防止策というものはさらに強化して指導面での御留意を願いたいと思います。  年末年始、年賀はがきの何といいましょうか処理に職員の皆さんも大変負担がかかって非常に忙しい時期になるわけなんですけれども、その面での労務管理あるいは事故の問題についても十分な配慮をしていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
  84. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。    正午休憩      ─────・─────    午後一時四分開会
  85. 青木薪次

    委員長青木薪次君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  86. 山田健一

    ○山田健一君 私は、きょうは国際通信に関連してお尋ねいたしたいと思っております。  昭和六十年に法改正が行われまして、確かに制度的には通信の自由化、そういうことが保障され、新規参入の条件整備がなされたわけでございます。それを受けてITJなりIDC、これが六十一年ごろからスタートを切りまして、ことしの四月、五月それぞれ国際専用線の部分に参入をしているということで、KDDの方からもそれに対抗して値下げの措置をとられるという経過がございまして、いよいよこの十月から国際電話についても御存じのように第二KDDといいますか、二社ともに参入をする。これは当面一番おいしいところといいますか、ドル箱でありますアメリカなり香港なり、こういったところが対象のようでございます。  同時に、これに合わせてKDDとされましてもこの十一月一日から平均で一四・三%の電話料の値下げをされるということになりました。特に通話料の多い、そういったところを対象に十一カ国あるいは地域、こういったところで一六・七%引き下げられる。加えてサービス面でもいろいろ改善措置が同時になされるということで、いよいよもって国際通信の市場におきましてもまさに競争体制が本格化をしてくる、そういう状況になりましたが、同時にそういった状況とあわせて値下げ競争というものがかなり激化をしてきておる。まさに値下げの時代に突入したんではないかというような感がするわけであります。  まず、郵政省の方にお尋ねをいたしたいと思いますが、KDDももちろん新規参入業者と同様の条件で扱われる、これはそのとおりだろうというふうに思いますが、同時に、やはり何といっても日本の通信の基幹的な部分を持った性格といいますか、そういう通信事業者であるということにはこれは変わりないわけでありまして、そういった意味で、この競争体制下のKDDの存在、そういうものをどのように認識されておるのか、その点についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
  87. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 先生おっしゃるとおり、KDDは沿革的に申しまして、かつては国の直営事業ということで国際通信事業を営んでおったわけでございますので、国の資産を引き継いで、そして長い間独占のもとで形の上では特殊会社という位置づけで最近までやってまいりました。諸外国の通信事業者と協力し、あるいは競争しながらいわば全世界的に日本の対地を広げながら事業を営んできておられるわけでありまして、御指摘のとおり新規参入はいたしたとはいえ、KDDが持っております長い蓄積、あるいは対外のネットワーク網ということを考えますれば、基幹的な事業者としての役割はこれは変わらないものだろうと思います。したがいまして、KDDとしましては、新しい競争体制の中でできるだけ料金の低廉化を図りつつ、今後ともこれまでの経過にかんがみて国民の期待に沿っていただきたいものだと郵政省としては考えておるところでございます。
  88. 山田健一

    ○山田健一君 料金の問題もさることながら、前段で御発言がありましたように、今日までの経過なりあるいは現在の置かれておる状況、こうしたものを考えた場合に、やはり基幹的な一つの通信事業者としての位置づけというものはあるだろうと思いますし、また、その意味では公益的なあるいは公共的な責任といいますか使命といいますか、そういうものもあわせ持った立場であろうというふうに私も考えているわけでございますが、以下そういった一つの認識に立ってお尋ねをいたしたいと思うわけであります。  まず、先ほども言いましたように、この十月からいよいよ本格化するわけでありますが、国際電話の部分でも競争がかなり激烈に展開をされておるというようないろいろ報道等もなされておるわけでありますが、ITJ、それにIDC二社が十月からスタートする。それに対抗してKDDも十一月から値下げをされる。まだ期間的には余りたっていないわけでありますけれどもKDDとしてこうした新規参入による一つの影響、そういうものをどのように予測されているのか、お尋ねいたしたいと思います。
  89. 児島光雄

    参考人児島光雄君) お答え申し上げます。  ただいま先生の仰せられましたように、本年の十月から私ども新規に二社の参入がございまして、国際電話におきましても競争が現実のものとなっております。現実のものとなってどのような影響を受けておるかというお話でございますけれども、この実際のシェアにつきましては、私どもの方の側では情報としては得られませんので、その辺のところは承知いたしておりません。  ただ、私どもの方で取り扱ってまいりました電話の量が若干減ったかどうかというところで見てまいりますと、十月、十一月分で、非常に大きい対地であります米国あてのトラフィック、これを前年の同期比で比べてみますと、十月で前年比が七%の増、それから十一月で約一〇%の減ということになっております。また、もう一つ大きい対地の例といたしまして香港あてを見ますと、十月で約三%の増、それに対しまして十一月で約一〇%の減ということになっております。したがいまして、競争開始前の伸び率、これは対米関係では二五%ないし三〇%という実績がございましたけれども、対香港では一五%ないし二〇%の実績がございました。前年比が増でございました。それと比較いたしますと本年十月以降は大幅に減少しておるということが申せようかと存じます。  新規参入の二社の方では、国際電話市場に大きな比重を占めておりますこれ以外の対地にも参入してまいります、いわゆるクリームスキミングという非常に収益の上がる対地を今後取り扱うということになろうかと存じますが、その進展の状況によりましては当社KDDのシェアに相当大きな影響があるものと考えております。現段階で見ておるところはこのような状況でございます。
  90. 山田健一

    ○山田健一君 今、対米国そして香港、十月、十一月の実績をお示しいただいたわけでございますが、常識的に考えればこれが第二KDDのシェアということになるのだろうというふうに思いますが、郵政省はこういった市場占有の状況、そういうものをどのように分析されておるのか、郵政省の方からその点について御説明をいただきたいと思います。
  91. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 仰せのとおり、この十月と十一月のまだわずか二カ月ばかりでございますので、郵政省としましては、この具体的、詳細なデータについては把握はできておりませんが、ただ、今のお話に出ましたように、この国際通信市場というのは非常に全体としては伸びておる状況でございまして、そうしたトータルの中で、今申しましたように詳しいことは承知をしかねておるわけですが、サンプル的な形で見ますれば、米国とのダイヤル通話の発信の本数で見ますと、サービス開始後一カ月、つまり十月いっぱいの平均では、この新しい新規参入の事業者が全体のトラフィックでおおむね二〇%ちょっとを獲得されておるという感じになっておると承知いたしております。
  92. 山田健一

    ○山田健一君 同時に、これはKDDの方にもお尋ねをいたしたいと思いますが、今米国向けの通話料の数字を示していただきましたけれども、特に国際通信においては国内と違いまして、米国なり、先ほどお示しになった香港という例もありますが、地域によってかなりその使われる量に隔たりがある、偏在をしておるんではないかというふうに思っておりますが、実態はどういうふうになっておるか、数字でお示しいただければと思います。
  93. 奥田量三

    参考人奥田量三君) お答え申し上げます。  現時点で新規参入の二社が既にサービスを開始しておられます対地はアメリカ、イギリス、フランス、香港、シンガポールの五対地でございます。さらに年内に台湾との間もサービスを開始されるというふうに伺っております。この六つの対地の国際電話市場における構成比率、つまり電話の度数の中でこの六つの対地が占める割合でございますが、昭和六十三年度の実績で六割弱となっております。つまりKDDは、現在世界約二百十数カ国との間で電話サービスを取り扱っておりますが、そのうちの六対地に新規参入会社がサービスを開始されるという状況で、六対地において既に六割弱の競争が始まっているという状況でございます。  さらに今後、新規参入二社としては順次十七ないし十八の対地にサービスを開始されるというお話でございますが、これを加えまして二十三ないし四の対地との間で競争が開始されると想定いたしますと、国際電話の発信トラフィックの九割以上が競争状態に突入するというふうに想定をいたしております。
  94. 山田健一

    ○山田健一君 そうしますと、実質的にはほとんどもう完全に競争状況に入っていく、こういうことになるわけでありまして、そうした場合、利用者、ユーザーの立場とすれば当然料金が問題になってくるわけでございますが、この十月からKDDより二三%安いということをふれ込んでITJ、IDCがサービスを開始したわけでありますして、十一月には先ほども言いましたようにKDDが一四・三%の再値下げ、こういう対抗措置というものが実はとられております。こういった、ユーザー側にとっては歓迎すべきことなんでありますが、KDDがとられたような措置について郵政省としてはどう評価をしておられますか。
  95. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) これは国際通信に限らないことでございますけれども、六十年の四月に行われた電気通信の改革というのは、従前の独占のもとにあった事業というものに新規参入を認めて、競争原理の中で利用者の料金をできるだけ安くするということにねらいがあったわけでございます。KDDも、もちろんこれまでの間、つまり独占的な事業経営の過程でも数次にわたる引き下げの努力をされましたが、今回そういう意味でさらに競争下にあって引き下げが行われたと。その結果、かつて国際電話料金は大変高いものだということで、我々も若いころには二千円だ、三千円だという料金が、今日アメリカあたりでも三分七百三十円でKDDの料金でもかけられるというふうになったということは、大変この国際化の時代、国民一人一人が国際化にかかわるという時代でございますので、この値下げ自体大変結構なことである、利用者のために大変裨益するのではないかというふうに考えておるところでございます。
  96. 山田健一

    ○山田健一君 値下げそのものについては、私たち使う方とすれば大変安くなって結構だ、こういう立場も一方であろうかと思っておるわけであります。それは確かに結構なことであるという認識が示されましたが、十一月にそういった形でKDDが値下げをされる。そして続いて、ちょっと報道等で目にしたわけでありますが、この一日にIDCが今度は国際専用線、これの平均四%の値下げを認可申請したという記事が載っておりましたが、ITJも追随をするという方向のようであります。一方KDDの方はといいますと、競争が現実にどんどん激化をしてくる、そういう中でいろいろ言われておるわけでありますが、十一月に値下げをやったけれども、やった当時は、第二KDDの方からすれば、あれは過剰防衛じゃないかというようなことまで指摘をされておったんだけれども、現実にはまだあれじゃ値下げようが足らなかったと、こんな発言も実はされておるようでありますが、現実にそういう形で第二KDDあたりが国際専用線の部分でも値下げの新たに認可申請をした。こういう状況を踏まえてKDDとして、十一月に行われたわけでありますが、今からさらに再値下げなりなんなり、そういったものを考えておられるのかどうか、検討されておるのかどうか、そこら辺はいかがでございましょうか。
  97. 児島光雄

    参考人児島光雄君) ただいま先生のお話の中に、国際専用線の値下げあるいは国際電話の値下げというお話が出ております。  第二KDDの値下げ案につきましては、私どもも新聞等で拝見しておりますけれども、これがいつどのように具体的に正確に実施されるのかというところまではまだ承知いたしておりません。  我が国の国際電話サービスといいますのは国内の場合とかなり異なった条件がございまして、基本的にはKDDも、また新規事業者も利用する段階では全く同じでございまして、特別に契約をするということも不要でございますし、そのような点ではアメリカ、英国等の競争の場合と大分異なっております。そういう状況にもございますので、KDDとしても料金のことは深刻に受けとめておりますけれども、この十年来の値下げによりまして我が国の国際電話料金は既にアメリカよりも低い水準になってきております。したがいまして、できるだけ早い機会に、アメリカのように単に料金競争だけで競争するのではなくて、サービス品質とか、あるいはサービスの多様性によって競争を行っていくということを目指していきたいものと考えておる次第でございます。  しかしながら、さしむきは何と申しましても料金レベルの差というのが非常に大きな重要な要素となっておりますので、今後の値下げにつきましては、十一月に値下げしましたその効果がどのようにあらわれてくるか、まだ見きわめをつける段階ではございませんので、これを十分見きわめ、また市場規模の拡大とか、あるいはシェアの移行状況等をよく総合的に勘案いたしました上で、さらにもとよりKDDの財務上の影響というものも見通しをつけながらこれに対処していきたいと考えております。現段階では具体的な案を有しておる状態ではございません。
  98. 山田健一

    ○山田健一君 いまお示しいただきましたが、現段階では具体的に検討はしていないが、将来に向けて、値下げ競争ということで、どうしても料金は大きなファクターであるけれども、それに目をとられるだけじゃなくてサービスの多様化を含めて対応していきたいという旨の今答弁をいただきました。  確かに、先ほども言いましたように、KDDの置かれておる状況、さらには果たしていかなきゃならぬ役割等々を含めて考えた場合に、一定の値下げ競争をやられるのはそれはユーザーにとっても結構でありますが、我々使う方からしてみれば、向こうが下げるからこっちが下げる、こっちが下げるからまた向こうが下げるというような形でやるのであれば、それだけの値下げができるのならば、何でそれなら最初からもっと値下げをして利用者の利便性を図っていくということをしないんだろうかというような率直な疑問も一方で生まれてくるわけでございます。  いずれにいたしましても、こういう状況の中でKDDとして本来果たしていかなきゃならぬ役割も一方であるわけでありますから、ぜひそうしたものも十分踏まえて対応していただきたいものだというふうに私は思っております。  あわせて、これはこれから将来の問題も含めてでありますが、国際通信市場の将来の見通し、そういうものについてもちょっと郵政省の方にお尋ねをいたしておきたいと思うのでありますが、当初ITJ、IDCが新規参入をする、こういったときに、先ほど森本さんの方から将来非常に需要が高まるんだというようなお話もちょっとありましたが、通信市場の将来の需要動向、需要予測に基づいて新規参入については一本化をしようということで郵政省が対応された。そのことが一つの貿易摩擦に発展をしたということで、記憶にも新しいわけでありますが、当時はこれは二社も三社も競争するのは無理だろう、こういう判断に立たれていたんだろうと思うのでありますが、当時なされておった需要予測、そして現実に今展開をされておるこういった競争の状況、これからの国際通信市場の見通しというものをどのように郵政省としては考えておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
  99. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 国際のトラフィックをどうとらえるか、とらえ方もいろいろあるかと思うのでありますが、実際に国際電話がかけられた件数じゃなくて通話のトータルの分数、通話分数と申しておりますけれども、この実態は、これは先生も御案内でございましょうが、六十一年度では対前年比で二七%の伸び、六十二年度では三一%、六十三年度では二九%ということで、この三年平均では約二九%ぐらいになるかと思うんでありますが、そういう実態にございます。  私どもでも、この先どういうふうになるかということについて、この春でございますが、いろいろ予測をいたしました。あくまでも予測でございまして、この間料金の値下げというものがあればまた弾力性というものが発揮されて通話時分が伸びるということも当然あるわけで、あるいは社会経済全体の国際化の進展というものもどの程度までいくかということも考慮に入れなきゃなりませんし、いろんな要素で、私ども大ざっぱな見通しでございますけれども、一九八八年から一九九三年までの五年間でざっと年平均一一・五%ぐらいの伸びになるのではないかと。したがって、九三年度の市場規模は、現在のところ二千億ちょっとでございますが、これが三千五百億ぐらいになるのではないかというふうに予測をいたしておるところでございます。
  100. 山田健一

    ○山田健一君 そういう状況の中で、現実に今言われたように約三割近い、これは分数で今示されました。中身的にはいろいろ利用の実態というものも随分動いてきておるようなお話もお伺いしておるわけでありますが、これから五年後には約三千五百億円ぐらいの市場になるというふうに今御説明をいただいたわけでありますが、そういった市場を前提に、これから本当に三事業がそれぞれ利用者を獲得しながら、しかも競争原理の効果を生かしながら、十分経営的にもあるいはそういった体質的な問題を含めて十分対応していけるというふうに考えておられるのかどうか、そこら辺もあわせてお尋ねをいたしたいと思います。
  101. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 先行きのことでございますから、具体的に細かいことまではこれは行政のレベルでどういうふうになるかということを予測することは大変困難かと思いますが、今申しましたように、市場全体は上向きの市場である、そこへ三社が競争に入った。そうした中でできるだけ切磋琢磨していただいて、そしてできるだけ低廉な料金を利用者に提供していただきたい。幸いにも順調な滑り出しを競争という面では始めたわけでございますし、先ほどKDDの方からお話しございましたように、国内市場の競争のようにおんぶをしながら競争するというような状況じゃありませんで、ある意味でストレートに競争の実績が出てくるマーケットだという点についてはそのとおりだろうと思いますので、今後は各社とも健全な経営をもちろんしっかりやりつつ、今申しましたように競争のメリットを最大限利用者に還元をしていただいて、日本のこれから国際的役割がますますふえる中での通信の役割に思いをいたされて十分な経営努力を発揮されることを期待いたしておるというのが私どもの今の状況でございます。
  102. 山田健一

    ○山田健一君 郵政の立場としてはそういう形に恐らくなるだろうとは思いますが、私が先ほどからいろいろ値下げの問題を取り上げて話をしておるのは、一番心配しておるのは、これでもってまたKDDも値下げをされるというような事態なり、そういう形のものが恐らく近い将来またあるんではないかなというような気もいたしておりますが、この三社といいますか、KDDと第二KDDという見方にしてもいいと思うんですが、お互いに値下げ競争、そういうものに目が向いて、肝心の事業運営していく上でこれから将来に向けての投資なりあるいはサービスの多様化なり、そういうものに目が向かない。むしろどう値下げをしていってどう利用者を獲得をしていくのかということに目が向いて、パイがどんどん広がっていけばいいんですが、パイの食い合いをお互い三社が展開をするということになることを一番実は懸念をいたしておるわけであります。今の現状の中ではむしろ値下げ競争ばかり目をとられて、これからそういった通信市場の中でパイを広げていくというような一つ視点、戦略といいますか、そういうものに目が向いてないんではないかというような気も実はいたしておるわけであります。  そうした点につきましては、KDDの方としてはどう現実を見ておられて、これからの対応の仕方というものをどう考えておられるのか。そしてまた、大臣お見えになりましたが、今のような三社が値下げ競争をどんどん展開するという状況の中で、通信市場の一つのこれから将来性もあるでしょうけれども、一定の行政上の指針なりそういうものを示していくべきではないか、このように考えているのでありますが、この辺についての所見をお伺いいたしたいと思います。
  103. 奥田量三

    参考人奥田量三君) 今後の国際通信市場の見通しについてただいま政府の方からお答えがございましたが、私ども事業者といたしましても、今後の健全な競争の中で通信市場全体の規模が拡大してまいるように期待をいたしておりますし、また努力をしてまいりたいと存じております。  しかしながら、現実の問題といたしましては、国際電話の通話分数の伸び方が、先ほど過去数年アベレージで三〇%程度というお答えがございましたが、今年度に入りましてから若干その伸び方が低くなっているような傾向もございます。  また、いま一つ、私ども昨年の九月に大幅な料金値下げをいたしましたが、その際におきましても、過去の料金値下げのときに見られたような、料金値下げをいたしますと、ある程度目に見えてそれが需要増にはね返るというような状況も昨年九月の値下げ時点においてはほとんど見られませんでした。そういう状況の中でこれから国際通信市場の全体の規模拡大を図っていくためには、私どもKDDのみならず、国際通信事業三社としてよほど頑張ってまいらなければならないというふうに存じております。  したがいまして、KDDといたしましても、料金について一層留意いたしますと同時に、ただ単に料金面のみならず、一層のサービスの改善、あるいはお客様にお使いになりやすいような新サービスの導入等、そういったサービス面の努力によって需要を喚起し市場の拡大を図ってまいりたいと考えているところでございます。
  104. 大石千八

    ○国務大臣(大石千八君) 現在、お話も出ておりますとおり、通期でKDDさんとしては経常利益を出しているところであり、経営として現在の段階においてその傾向は悪くないというふうに認識をしているところでございますが、今御指摘のとおり、やたらに値下げ競争だけが起きたときにどうなるかということの御心配でございますが、今の状況であれば、ことしの通期で経常利益が三百億の黒字を出しているということもあるし、それから、まだ値下げによって需要が伸びるという部分もあろうというふうには思うわけでございます。  しかしながら、そういった点にのみ注意を集中して、長い目での投資の問題とかあるいはサービスの問題、こういった点がおろそかになってはいかぬということは確かにもう御指摘のとおりでございますので、そういった点も十分に認識をしながら、これからの国際的な基幹的通信事業者としての役割をしっかり果たしていただきながら、そういった点も踏まえて十分に基幹的な国際的な通信事業者としての幅広い見識を持っていただき、なおかつ、郵政省といたしましては、今後とも国際通信の三社がそれぞれ切磋琢磨して利用者にとって使いやすいサービスを提供し、市場をさらに開拓していくように期待しているところであります。
  105. 山田健一

    ○山田健一君 今大臣の方から少しKDDの方の経営状況についてもお触れになったわけであります、需要も伸びておると。KDDの方もいろいろ苦労しながらやられておるんだろうが、先ほども指摘があったように、値下げが必ずしも需要の増加に結びついていないというような現実も若干あると。大臣は、いや需要が伸びたというお話があったわけです。  それはともかくとしまして、今経営状況の話が出ましたが、先般、九月のKDDの中間決算が出されました。いろいろ今お話がありましたように、昨年の九月に値下げがされた。そういったことも影響がこれあり、値下げをしてもそのまま需要増に結びついてこないというような現実も一方である。初の中間で減収、減益ということが報道されていたわけでありますが、下期になりますと、逆にもう一つ、今度は例の十月からのあれが競争状況に入っておりますので、またそこら辺の影響等々出てくるだろうと思うのでありますが、大臣からもさっきお話がありましたが、通期でどのように見ておられるのか、そしてまた、これからの経営方針、そういうものについてもあわせてお尋ねをいたしたいと思います。
  106. 児島光雄

    参考人児島光雄君) ただいまお話のございましたように、値下げを続けてまいっております。KDDは独占のときから、もう十年来、十回にわたりまして値下げしてまいっております。したがいまして、国際的に見ましてもKDDの料金は安い水準に到達しております。例えば日米間の場合には、日本発信を一〇〇といたしますと、米国発信は一二九という水準にまで料金は下がってきております。  それからKDDの電話のコストの中には、NTTに支払う国内回線部分の使用料とか、あるいは外国の通信事業者に支払うべき費用、このような削減困難な費用というものも含まれております。また、当社の場合には国際電報とかその他非採算のサービスも含めまして全世界に対して多様なサービスを提供いたしております。また、研究開発とか海外協力、さらにはインフラストラクチャーの整備といったような観点から適切な設備投資を行い得る利益を生み出していくということも必要でございます。  ただいま御心配いただきましたけれどもKDDの決算の方は、先般中間決算の際に、今年度通期見通しといたしまして売上高二千六百億円、経常利益三百億円という目標を立てまして、その際、電話サービスにつきましては上期の対前年度伸び率を実績として三〇%、これに対しまして下期は、第二KDDの影響等を考慮いたしまして対前年度伸び率二二%と想定いたしておりました。その後の様子を見ておりますと、影響の方はこれを上回るおそれがあるというふうに見ておりますので、今後一層経営効率化によりまして目標値を達成すべく努力を重ねてまいりたいと思っております。  第二KDDの方は今後ともトラフィックの多い国々への電話サービスにつき参入を進めてまいりますので、当社にとっては一層厳しい状況になると想定しております。  当社といたしましては、先ほど来申し上げますように、サービス内容の充実、営業力の強化というような施策はもとより、苦しい環境下にありましても徹底した経営効率化等を推進することによりまして低廉で競争力のある料金の設定に努めるとともに、今まで蓄積してまいりましたノーハウと技術力によりまして高品質、高信頼性のサービスを提供してこの厳しい競争に立ち向かってまいりたいという所存でございます。
  107. 山田健一

    ○山田健一君 わかりました。  確かに競争体制下に入って大変厳しい状況も展開をされております。KDDならではのサービスも現実に展開をされておるという中でトラフィックの多いところにもどんどん新規参入で入ってくる、大変厳しい状況になると思いますが、今日までの経過、KDDとしての生い立ち、歴史、そういうものを踏まえられながら、こういう条件の中でなおかつ利用者にとっても非常に多様なサービスを展開をしていくという決意も示されましたので、ぜひこれからもひとつ頑張っていただきたい、こういうふうに思っております。  次に、情報通信の国際化がどんどん進んでまいりまして、国際YANの活動が非常に盛んになっておるわけでありますが、その影響についてはどのように判断をされておるのか、ひとつお尋ねいたしたいと思います。
  108. 小林好平

    参考人小林好平君) 今までの御議論で、国際電話が競争状況下で私どもの電話にかなりの影響がございます中で、国際VANがファクシミリのサービスを開始するということになりますと、国際VANのサービスが新しい市場を開拓するという形で今後発展していただければ、その影響というものはそれぞれの事業者が市場拡大を享受できるわけでございますが、今のところ、国際電話の中にファクシミリの占める比率が非常に高くございます。したがいまして、国際電話の競争に加え、国際VANがファクシミリサービスを、一定の条件下であろうかと思いますが、サービスを開始いたしますと、少なからず私どものサービスにも影響が出てくることが懸念されます。しかしながら、私ども、今後とも十分お客様の御要望におこたえしたサービスをするために、さらにファクシミリにつきましても、料金面あるいは品質面でお客様から見てKDDならではとお褒めいただくような形のサービスにより向上させる必要があろうかと思います。  例えば、ファクシミリ通信につきましては、私どもがサービスしておりますFポートという特別のサービスがございます。そのようなサービスにつきましても、今後料金面での魅力化とかサービスの中身についての魅力化を加えまして、今後お客様により使いやすく、さらにまた新しいお客様もそういうものが御利用できるような形で市場拡大に努力していきたいと思います。  なお、将来におきましてはISDNというサービスが拡大してまいります。その中で新しい高速ディジタルファクシミリという、グループ4という機種がサービスに入ってまいりますとお客様もますますそういをものを便利よくお使いいただける。そういうような市場の中で、KDDは国際VANのサービスが開始されましても一生懸命頑張っていきたいと考えております。
  109. 山田健一

    ○山田健一君 郵政省の方にお尋ねをいたしますが、今もお話がありましたように、ファクシミリの利用の伸びが大変著しいという状況でございます。せんだって日英間で国際VANによるファクシミリの利用が合意をされたということなんでありますが、そのことによっていろいろ影響等も出てくるだろうというふうに思っておるわけであります。一番大きな利用口とすれば日米間だろうというふうに思うんですが、日米間のファクシミリの利用についての交渉状況というのはどういうふうになっておるか、ひとつお示しをいただきたいと思います。
  110. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) これはたしか先週のことでございますが、日英間でファクシミリについて合意をいたしました。その内容は、さっきちょっと出ておりましたファクシミリ一般の話じゃなくて、いわば付加価値のついたファクシミリという、例えば蓄積交換機能がある、送信してもストレートに入らないで一たん回線の中でストレージ、ためておいて、時差がございますから、翌日向こうが出社した時点で引っ張り出せるとか、そういう機能のついた、付加価値のついたファクシミリサービスでございます。これは実はイギリスとの間で去年五月にいろいろ話が出まして、ぜひこうしたサービスを一年以内にひとつ見直してくれという要請がございまして、その間いろいろなことで交渉を重ねておったんですが、先週このことについて最終的な整理ができ上がったということに相なっております。  アメリカにつきましても、イギリスと同様な内容の付加価値のついたファクシミリサービスを日本側からも提案いたしております。まだこれからの、今交渉のさなかということでございます。形式的には日本から提案して今その回答を待っておる、こんな状況でございます。
  111. 山田健一

    ○山田健一君 それでは、時間も余りないようですから最後にもう一点、KDDのいわゆる国際放送の実施に伴う負担の問題についてであります。  先般、NHKの決算をここで審議したときにKDD国際放送専用業務の収支状況が示されまして、確かに収支は改善をされておるというような報告がされたわけでありますが、元来国が行うべき国際放送分野NHKなりKDDが現実にはいろいろ負担を余儀なくされているということについて私も改めて驚いたわけであります。放送行政局長は、NHKKDDとで契約をしてやっているんだから問題ないというふうに言われておりますが、いろいろ調べてみますと、この十年間で約百億円近いぐらい累積の収支差損が実は出ております。  KDD国際放送に対するこういった負担の問題について、NHKの場合もそうでありますけれども郵政省として一定の責任ある対処が求められているんではないかというふうに思うわけでありますが、最後に大臣、ひとつどうでしょうか。
  112. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) 国際放送に対しましては、御指摘のようにNHKKDDに対して委託と申しますか契約をして放送していただいておるわけでございますが、そういうやはり経費の問題については、最近では収支がだんだん改善されてきておるというふうに私ども理解しておるのでございますが、過去におけるいろいろな状況というものを私どもも十分認識しております。今後とも交付金等の増額を一生懸命やってまいりたいと思いますが、先般の逓信委員会の際にも申し上げましたように、いわゆる予算のシーリングというものが大変厳しいものですからなかなか思うようにはいっておりませんけれども、最大限の努力をしてまいりたい、このように考えております。
  113. 山田健一

    ○山田健一君 ぜひ、最大限の努力をということでございますので、要望をいたしておきたいと思います。  次に、CATVの関係で少しお尋ねをいたしたいというふうに思っております。  もともと電波障害の解消といいますか賭視聴地域を対象に開始をされまして、今や高度情報通信時代といいますか、そういう情報化社会の中心的なメディアとして期待が注がれていると言っても過言ではないというふうに思うのでありますが、現実的にはいろいろ再送信専用型が中心で、しかも小規模なものが多い。大規模で多チャンネルのいわゆる都市型CATVの事業化はまだまだいまいちだというふうに言われております。  こういう状況の中で、CATVの普及の方針に基づいてそれぞれ事業者の方々もこれから事業を展開しようということでやっておられるのでしょうけれども、私の地元の山口県におきましても、周南、とりわけ徳山というところで今このCATVの一本化、そういうものを見越しながら現実には三社の、小規模なのでありますが、CATV、ケーブルテレビのサービスが行われておる。ユーザーを求めて大変激烈な競争が展開されておるということで、地元の方からもぜひ一本化してもらいたいというような要望があります。地元の市議会あたりもいろいろ検討をされておるようでございますが、こういったCATV一本化をにらみながら一つのそういった動きが激烈に展開をされておる。逆にまた、一本化を調整していこうとすればそれだけそれを見越して一軒でも多く利用者を獲得したいということで、逆にどんどん広がっていって調整がつかないというような状況で、大変懸念がなされておるわけなんでありますが、こういった実態を郵政省の方は御存じでございましょうか。
  114. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) 先生の御指摘のように、徳山市のように地元の民放が少ないところでは受信アンテナを少し普通よりも高くいたしまして、ほかの県の民放が聴取できるようないろいろなそういう工夫をしているわけでございまして、したがいまして、そういうような小規模なCATV事業者が事業展開をしているのでございます。CATVは、このように他県の民放が聴取できるだけでなく、いわゆるコミュニティーの育成というようなことで地域の情報メディアとして大きな期待がかけられているわけでございます。  徳山市におきましても地元関係者が大同団結しまして、単に他県の民放の聴取だけじゃなくて、地域情報を放送するような多チャンネル型の本格的なCATV事業に発展しようという動きがあるやに聞いております。したがいまして、私どもといたしましては、徳山市の情報メディアを形成するために関係方々が大同団結されることを期待しておるわけでございますが、それに対しましては徳山市とも連携を密にいたしまして、私ども関係者を十分に指導してまいりたいと思っておりますので、一層の御支援をお願いしたい、かように存じます。
  115. 山田健一

    ○山田健一君 現実に大同団結をしようということで話はもう何度も出ているんですが、なかなかそうはいかない。先を見越して一軒でもぜひエリアを広げたい、こういうような状況で実はずるずると今日に至っておりまして、来年度からCATVもかなり思い切って普及させていこう、支援措置もとっていこう、こういうような方向づけがなされている中で、それを見越して何とか既成事実をつくり上げていきたい、こういうことでこういったものが展開をされているんだろうと思います。  ただ、ここに私、これは地元の新聞なんですが、持っておりますが、昔の有線ラジオでどんどん電線に線を引っ張ってやっておりましたけれども、それと同じような状況で、これはみんな無許可で実はやっておるわけなんであります。行って注意をすれば一度のけるけれども、また夜行ってくっつけるとか、イタチごっこに実はなっておりまして、法的に言えば違法状況にあるのではないかというふうに思うのですが、そこら辺はどうなんですか。
  116. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) 小さな規模のCATV事業者に対しましては、最初スタートする時点では非常に小規模であったというようなことで有線テレビジョン放送法上での届け出は要らない。それでまた有線電気通信法の届け出ということだけでそもそもスタートをしたというような小さなところがあるわけでございまして、先生の御指摘のようなところも徳山市ではあるやに聞いておりますものですから、なお一層のこと私どもの中国電気通信監理局も一生懸命にやっておりますので、私どももそういうような違法状態というものがないように、きちっとした許可申請の手続をするとか、いろいろな指導を積極的にやってまいりたいと思います。
  117. 山田健一

    ○山田健一君 これはもう現実に今調整なり指導なりなされておりますか。
  118. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) 中国電気通信監理局の方ではやっております。
  119. 山田健一

    ○山田健一君 国の方も、CATV、こういった小さいやつは一行政区一施設というような方針があるようでございまして、一本化が要望されておる。それは国の立場としてもそうでありましょうし、また、そこに住んでおる地域の市民、住民にとっても同様の要望というのはあるわけであります。したがって、できるだけ早期に問題が解決をするように強く要望しておきたいというふうに思っております。  そこで、これからこういったCATVをいろいろ図るに当たって幾つかの法的な問題を含めて改善が今求められていると思います。一方では、来年度から財政的な支援措置も何かとるようなお話も聞いておりますが、そこら辺の具体的なCATVの普及に向けての支援措置をどう考えておられるのか、お示しをいただきたいと思います。
  120. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) 最近では、先生御指摘のように、いわゆる都市型CATVというものが相次いで開局をしております。さらにまた、通信衛星を利用したスペース・ケーブルネットというような構想で着々とこれが実現をされているわけでございます。  したがいまして、私どもは財政上の支援とか税制上の支援というものを積極的にやってまいりたいということで、このCATVは初期投資というものが非常に大きいものですから、CATVに対する日本開発銀行等からの長期低利の融資、あるいはまたテレトピア地域における第三セクターのCATVに対する無利子融資などを積極的に行っていこう、こういうふうに考えてやっているわけでございます。  それから税制上の支援措置等では、ケーブルの地中化に対しまして特別償却制度や固定資産税の軽減措置等も行っておりますし、圧縮記帳制度であるとか設備のいわゆる特別償却、または税額控除なども行っているわけでございます。また、現在税制上の支援措置としていろいろ要求をしているものには、CATVに対する固定資産税の軽減とか、あるいは事業所税の非課税とかいうようなものも含めているわけでございます。
  121. 山田健一

    ○山田健一君 時間が来ましたので最後にしますけれども、今ちょっとお話の中にもありましたが、スペース・ケーブルネットをかなり充実させていこうということで、聞けばもうこの十月ぐらいからいろんなデモンストレーションも行われているようでございますが、これについての概要と今後の取り組みの方針、そういうものを最後にお尋ねいたしたいと思います。
  122. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) スペース・ケーブルネットを通しまして、現在番組供給事業者九社が美際に通信衛星を利用してCATV向けに番組供給をしているわけであります。しかしながら、まだこのスペース・ケーブルネットは立ち上がったばかりでございます。スペース・ケーブルネットを通じて行われる番組を受ける多チャンネルCATVもいまだ揺籃期にあります。これらを順調に軌道に乗せるために、先ほど申し上げましたような金融上、財政上の支援措置を積極的にやってまいりたい、このように考えております。
  123. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 最初に、NTTにお伺いをいたします。  一日ですか、遠距離料金の値下げとそれから番号案内一〇四の有料化を発表しましたけれども、ここで最初にお伺いしたいのは、遠距離料金の値下げの件ですが、これは一〇四の有料化と関係があるのか、片方は下げるわけですから片方は上げるということで、その関係はどうなのか。  それと関連して、最近NTTの分割をしたらどうだと、こういう話も出ておりますけれども、遠距離料金の値下げと分割の関係性。もちろんサービスの面でよりよいサービスをということと、それから新規参入がたくさん出てまいりましたので、その関係でやはり遠距離料金は値下げしなきゃならない、こういうこともこれあり、昼間は三百三十円が二百八十円、それから夜間が三分百九十円から百八十円、深夜が百八十円が百五十円、こういうことで一日にNTTは発表いたしましたけれども、遠距離料金の値下げの問題について、分割の関係と、それから、この後お話ししますけれども一〇四の有料化との関係、どういう関係なのか。関係あるのかないのかで結構でございますが、よろしくお願いします。
  124. 大星公二

    参考人(大星公二君) 結論から申しますと、それぞれ独立した問題でございまして、私どもは特に関係づけてはございません。  一〇四の問題というのは、かねがね大変負担が大きくなっておりますし、御利用の中身、御利用されている方をいろいろ調査させていただきますと非常に偏っているというようなことから、昨年来、負担の公平ということで有料化を考えたいと思っておりまして、私ども郵政省とお話し中でございますが、仮に認可をいただきましても設備の関係で実施は来年の秋以降になります。長距離の値下げがずっと前になりますものですから。  それから分割問題も、これは私ども経営あり方というのが、電信電話会社法というのがことし五年目になりましたものですから、今電気通信審議会で御検討いただいているところでございまして、私ども今回の遠距離料金の値下げとは直接結びつけてございません。
  125. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 今の御答弁ですと、それぞれ独立しているから関係はないと、こういうふうに私は思うんですけれども。例えば分割の関係性ですけれども、これは十二月三日の新聞ですが、「分割論を意識したNTTの料金改定」、NTT首脳も分割に対抗する措置としてそういう面がないとは言えない、こういうお話があります。  もう一度お聞きしますけれども、それぞれ独立しているから関係はない、こういうふうにはっきりおっしゃるのかどうか。
  126. 大星公二

    参考人(大星公二君) 分割問題あるいは遠距離の値下げ問題、私どもはそれぞれ別の問題として取り上げてまいっております。  ただ、ただいま先生マスコミ、新聞でいろいろ引用されていること、あるいは、一部の幹部というのは私はちょっと存じ上げないんでございますが、そのような話が出る関係といいますか、そういったようなことはそれなりに私ども理解できる面もないわけではございません。
  127. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 なければないでいいんです。ないということですけれども、正確に言って遠距離料金というのは、確かに今まで料金の値下げはぽつぽつされてきましたけれども、今回は大幅と言っていいか、来年四月一日からですか、一五%から二〇%ぐらいの料金値下げをする、こういうお話でございますけれども、先進国に比べれば割引料金等についてはまだまだの感があるわけです。もちろん御存じだと思いますけれども、日本の割引は深夜の割引は十一時から午前六時ですか。外国では午後六時から割引料金、ニューヨークなんかは深夜の場合は六〇%、パリでは昼間の割引料金もある。こういうことでございますので、まだまだ値下げがやれば可能じゃないかなと。  先ほど山田さんの方からお話がありましたけれども、料金値下げ競争をやって、それで経営に支障が起きてはこれは私はまずいと思います。その点は私も承知をしているつもりでございますけれども、ここで二〇%近くの値下げをするわけですから、サービスの改善それから省力化、人員削減、機械化、いろいろありますけれども、それをやっていけば何年か、三年か五年か後にはまだまだ値下げができるんじゃないかと。今三分二百八十円ということになるわけでございますけれども、二百円ぐらいになるんじゃないかなと。この見通しとしてはどうでしょうか。
  128. 大星公二

    参考人(大星公二君) 先生ただいま御指摘のとおり、特に遠距離市外につきましては国際的に見まして、欧米に比べてかなり高うございます。そういうことから、先般来、私ども増収施策とかあるいはコストダウンに鋭意努力いたしまして、五年以内には二百円以下に下げたいと考えております。
  129. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 五年以内に二百円以内と、こういうことですね。  それでは、一〇四の有料化の件でございますけれども、これも先ほど申しましたように一日にNTTで発表をしたわけです。郵政省の方で許可してくれれば秋からと、こういうことですね。  そこで、私はこの電話番号案内の有料化というのは基本的に賛成はできかねます。電話番号案内というのは、明治二十三年以来無料で今日までずっと来ているわけです。それと同時に、電話をかけるのにわからないから問い合わせをして、聞いて、それでかけるわけですから、そういう点からいくと、独立した電話番号の案内のサービスではない、こういうふうに私は思っているんですけれども、この点はどういう理解をしたらいいのか。
  130. 大星公二

    参考人(大星公二君) 先生御指摘のとおり、本来一〇四の案内というのは電話をするための補助的な手段と従来考えてきたわけでございます。ところが、加入数も五千万ぐらい、毎年のように三%余り一〇四の御利用が急速にふえてまいりまして、現在では年間約二千四百億ばかりのコストがかかることになっております。しかも、御利用されている方々につきまして昨年第三者の調査機関で調べさせていただきましたところ、一七%ぐらいの方が全体の八割ぐらいを使っておるという、一部の特定の方が非常に多く使っている。大半の一般の方々は年数回ぐらいでほとんど使っていないということ。二千四百億ばかりのこのコストは結局電話料全体のコストとして回収させていただいているわけでございます。  そういうことから、負担の公平という面から、特にお使いいただいている方にある程度御負担いただいて、その分一般の電話料を下げるということで負担の公平を図るのが適当ではないかと考えて今回このようにお願い申し上げている次第でございます。
  131. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 受益者負担ということであるならば私はいたし方ないというか、その理屈もわからないわけではないんですけれども、通信販売業者が、利用数の二割の人が八〇%使っておる、こういうことでございます。その数字をはっきり私も確認したわけではないんですけれども、そういうことになっている。こういうことで、受益者負担ということならば公平の原理から私はいいと思うんですけれども、先ほど言ったように、電話番号案内の経費が約二千四百億円かかっているというのもわかりますけれども、料金体系の算定基礎に含まれているのではないか。  そうだとすれば、利用者から見れば、先ほどと同じような質問になりますけれども、私は二重取りになるんじゃないか、こういうふうに感ずるわけです。NTTさんにお聞きしましたけれども、許可する方は監督官庁の郵政省ですから、郵政省はこれをどういうふうに考えられますか。
  132. 大石千八

    ○国務大臣(大石千八君) まだ料金の改定のことに関して正式な申請をいただいているわけではございませんが、もう既に新聞発表なども行われておることでございますので、郵政省といたしましては、NTTからこの有料化に関しましての申請があればこの問題を受益者負担の考え方で、そういう方向づけで参りたいし、また国民のコンセンサスもぜひ得ていきたい、このように考えておるところでございます。  物の考え方といたしましては、ただいまNTTの方からお話がございましたとおり、受益者負担の原則の方が全体の公平につながる。コストもお聞きするところによると、一通話、一回の料金が百九十円とか二百円とか、こういうことになるそうでございますので、そういったことを考えますと、先ほどの二割の方が八割の一〇四を使っているというようなことを考えましても、そのような方向でいくのが妥当ではないかというふうに思っているところでございます。
  133. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 NTTの申請の発表でいくと問い合わせ一回三十円、こういうことでございますけれども、今大臣がおっしゃったように一回問い合わせするのに経費が百九十円か二百円かかかる、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、それは経費を問い合わせした数で割ればそういうふうに出ると思いますが、三十円というのは今までゼロだったのが三十円になるということですから、これは利用者にすれば受益者負担とはいうものの非常に高額じゃないか、こういうふうに私は思うのです。大体三十円にした根拠というのは何ですか。
  134. 大星公二

    参考人(大星公二君) ただいま大臣の方からもお話がございましたように、コスト的には百九十円ぐらいかかっているのでございますが、もちろん百九十円など御負担いただくわけにはまいりません。  一方、欧米、例えばアメリカ、フランス、西ドイツなどにおきますところの既に有料化されている国々の一通話当たりの料金なども勘案いたしまして三十円ぐらいが適当ではないかということで決めさせていただいている。ただし、これはまだ私どもが三十円と考えているのでございまして、これから郵政省さんの方といろいろお話し合いしていきたいと考えております。とりあえず今のところ三十円ぐらいかなと考えているところでございます。
  135. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 それじゃ郵政省に聞きますけれども、三十円が適当じゃないかという今のNTTさんのお返事ですけれども、要するに確たる根拠はないわけですね。三十円が適当であるかどうかというのは、これは郵政省の方で何かそれに対して根拠のあるものを調査するとか研究するとか、そういうことをやられますか。また、やって許可をするんでしょうけれども、私はやらなければならないと思うんですが、その点はどうですか。
  136. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 冒頭にも先生からお話がございましたように、競争状態にあるとはいえ圧倒的なシェアを持っているNTTの料金というのは、いわばその会社の経営あり方と非常にかかわっているわけでございまして、さっきの電話案内にも二千四百億円というコストの中心はやはり人件費で、オペレーターが二万三千人おるというふうに私どもも承っておるわけであります。これがまた年々コール数がふえてまいるということになると、確かに今のシステムですべて人件費で応答していくということでこのまま放置しておくということが社会的公平にかなうかどうかというようなことで、ただいま大臣が申し上げましたとおり、申請があればそのこと自体はまるきり理屈のない話ではない、それなりによく理解のできる側面もあるのではないか、こういうことで今受けとめておるわけであります。  したがいまして、その三十円の問題についても一応NTTとしては諸外国の例を調べたということのようでございますので、私どもの方に申請が具体的に上がりますれば、その辺の妥当性という点についてはよく研究もし、さらにまたいろいろ多くの方の御意見も十分ひとつ聞いてみたい。その上で郵政大臣としての認可ということでの決断にさせていただきたいなと思っております。  ただ、私どもまだ来ておりませんレベルでいろいろ申し上げるのもなんではございますけれども、この問題は原価全部を取ろうということになりますと、とても現実的な話にはならないということも確かに今NTTのおっしゃられるとおりでございますので、むしろこうした有料化の結果によってコール数が減ってくる、減ってくれば直接の人件費というものが全体として一般の電話料金の方へいい結果にはね返ってくるだろう、こういう点が一つございますということは我々の念頭にあるわけでございます。  いずれにいたしましても、申請を待っていろいろ研究をさせていただきたいと思っているところでございます。
  137. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 今の局長の話は局長の話として私はわかります。私がお聞きしているのは、NTTはこの三十円ということについて、諸外国の例も調べた、それから三菱総合研究所に委託して番号案内利用動向調査、これもやったということをお聞きしておりますし、発表になっております、この調査報告書はアンケート結果の単純集計でございますけれども郵政省にお聞きしたいのは、三十円で例えば出てきた場合に、ただ、諸外国の例も調べましたから、総合研究所の方に委託して番号のいわゆる案内利用の動向調査もやりましたからと言われて、はい、そうですかと。単純に、監督官庁として、ゼロのものが三十円になるわけですから、これはその点を郵政省は責任を持ってみずからの調査をして、これならばそれこそ適当である、いろいろなものを勘案してということで、国民にわかるようにその点をはっきりさせるのが私は郵政省の義務じゃないか、こういうふうに私は思うんです。みずから調査をして、みずから研究をして、そしてそれと合わせたところがNTTと大体合った、そういう発表をする義務があるんじゃないかと思うのですけれども、その点いかがですか。
  138. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 一番大きな問題は、この問題が、先生も御指摘のように、無料化でずっとやってこられた、やってきたという事実がある日こうした形になるということについてはいろんな御意見をお持ちの方がございますから、そういう意味ではまさに社会的コンセンサスをどう得ていくかというところが一番ポイントかと思うのであります。  そうした意味合いでは、まずこうした有料化で新しく収入が得られるはずでございます、NTTとしては。さらにまた、このコール数が仮に減るということになりますと、それによって電話番号案内に要するコストも下がってくるはずでございます。こういうものがきちんと社会的に還元される、料金の方に、というふうなことがまずやっぱり大きな納得を、コンセンサスを得られる一つ視点であろうか、こう思っておるわけでございます。同時にまた、その代替手段ということもいろいろ考えないといけない、あるいは社会的にいろいろ、例えば目の不自由な方の扱いをどうするか、こうした問題、いろいろ附帯的な問題があろうかと思いますので、今の問題につきましては、そうした意味で幅広いコンセンサスが本当にどういうふうに得られるかという視点でこの申請を待っていろいろ調査をしてみたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  139. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 もう一点です。  三十円取るということになった場合には、これはそれだけお金をいただくわけですからサービスの面で何か考えられるんじゃないか、こういうふうに思います。  これも新聞に出ているんですけれども、今までは問い合わせをすれば、もちろん無料ですから、そこのうちは何番ですよ、だれだれさんは何番ですよ、これだけの御返事ですけれども、番号以外に住所はどうなんですか、職業はどうなんですか、そういうことも三十円払うんですからやったらどうだ、こういう御意見もありますけれども、何らかのサービスを付加するということは考えておられますか。
  140. 大星公二

    参考人(大星公二君) 今回、負担の公平化ということで今まで無料だったものを有料化するということに際しまして、先生御指摘のようにサービス面でさらに充実しなきゃいかぬといろいろ今検討しているところでございます。  一つは番号帳の問題がございまして、番号帳をもっと引きやすくする、あるいは今まで県内の番号帳につきましては無料でお配りしてきましたけれども、今後は県外につきましても無料でお配りしようかと。あるいは最近御案内のとおり、パソコンさらにはファミコンが大変普及してまいりましたので、あれからダイレクトに一〇四のエンジェルと申しておりますが、データベースに直接アクセスできるようにするとか、あるいはこれも今郵政省さんと御相談しているのでございますが、テスト的に一〇四に直接アクセスできる専用端末みたいなものを開発いたしまして、特にお使いいただいている方に御利用いただいてその結果を検討してみようなど、いろいろ今研究しているところでございます。
  141. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 わかりました。  それでは、郵便物のことについてちょっとお伺いしたいんですが、普通便と速達便、こういうのがありますけれども、最近は速達便か普通便かわからなくなるほど、これは郵政省努力ですけれども、早く届くようになったわけです。以前は三日間ぐらい日数がかかり、郵便物は遅くなるのが普通でありましたけれども、今言ったようにきょう出せば大体翌日には届く。そちらからいただいた表を見ても、大体関東近辺では、島とかそういうところは除いて横浜、川崎、小田原、藤沢、神奈川、いわゆる関東近辺では大体一日。普通郵便物の手紙、はがき、大型でも速達でも、小包郵便、普通でも速達でも全部一日で大体届いているわけです。  こういうことになったのは、私は非常に郵政省努力を買いますし、結構なことだ、こういうふうに思いますけれども、速達はお金はたくさん取られる、普通郵便はそうではない、こういうことでございますので、こういうふうになったならば区別は必要ないんじゃないか、こういうふうにも思うんですけれども、この点についてはどんな考えを持っておりますか。
  142. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) まず、最近の郵便配達の安定化についてお褒めいただきましてありがとうございます。  お尋ねの点でございますが、基本的な考え方を申し上げますと、昭和六十一年十月に全国翌日配達、または翌々日配達体制が確立されたことによりまして、御指摘のように速達郵便物と普通取り扱いの郵便物とで送達速度にそれ以前ほど差がなくなってきたということは事実でございます。  ところで、速達郵便物につきましては、より早く郵便物を届けたい、より早く受け取りたいという利用者の基本的なニーズがあるというふうに認識しておりまして、それが速達郵便物が依然としてよく利用される理由になっているんだろうというふうに考えております。  したがいまして、速達郵便物につきましては、できるだけ早くお届けするために次のように普通取り扱いの郵便物とは異なる取り扱いを行っております。  まず、配達についてでございますけれども、普通取り扱いの郵便物は一日一回配達を行い、日曜日には小包郵便物を除いて配達を行わないのでございますけれども速達郵便物については平日の場合、午前一回、午後二回、計三回の配達を行っており、午後五時までに配達局に到着したものは当日中に配達するとともに日曜日にも配達を行っている。また窓口取扱時間以外の時間であっても引き受けを行うこと、運送には特別の郵袋とか票札を使用しまして優先して取り扱うことなど、速達郵便物については、普通取り扱いの郵便物よりも優先してお届けするための種々の特別な取り扱いを行っているところでございます。  このような速達郵便物と普通取り扱いの郵便物との取り扱い上の差異に着目いたしまして、少しでも早く相手方に届けたいというそういうニーズがございまして、昭和六十三年度の引受郵便物数約二百二億二千万通ございますが、そのうち速達郵便物が約四億三千万通と約二・一%を占めており、今申しましたような絶対数としても非常に多いものでございます。また、昭和六十一年度以降速達郵便物は増加してきておりまして、その増加率は昭和六十一年度の約三億九千万通から昭和六十三年度の約四億三千万通へと二年度間に約一〇・五%増加しております。  以上申し上げましたようなことから、速達郵便物につきましては今後利用が増加するものと予想しておりまして、また利用者の郵便物の送達速度に対するニーズがこれからさらに高度化していく、それに対応する必要がある、そういったことから、速達と普通取り扱いの区別は今後とも必要であるというふうに考えております。
  143. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 余り細かい説明でわからないんだけれども、大体わかりました。  私は、そういうことで早くなったことはもう評価しているわけですから、一緒にしても同じじゃないか、こういうふうに考えて申し上げたわけでございます。そういう理由ならばそういう理由で私は結構でございます。  それと、価格表記の件ですけれども、外国郵便には高価な品物、大切な物、これを送る場合に価格表記という制度があるように聞いております。万一のときのいわゆる価格補償といいますか、その補償額を表示しているわけでございますけれども、国内郵便においては現金の場合は二十万円、それから現金以外の場合では二百万円以内、こういうことになっているわけですが、まず国内郵便において外国郵便と同じように価格表記という制度をつくったらどうか、こういうふうに思うんですけれども、また補償額の見直しをしてやる必要があるんじゃないかと。時代の流れはこういう流れになってきていますので、その点について郵政省はどういう考えを持っておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
  144. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) お答え申し上げます。  まず、価格表記の問題でございますけれども、着任いたして山積する課題を毎日片づけているところで、その辺まだ勉強不足ですが、帰りまして早速そのことを勉強して検討したいと思います。  それから第二点のお尋ねでございますけれども、書留郵便物は比較的少額の現金または物品の送付に数多く利用されているものであり、現在その賠償限度額は、郵便法等の規定に基づきまして現金を内容とするものについては二十万円、現金以外のものを内容とするものについては二百万円というふうに定められております。  ところで、現在の賠償限度額が定められましたのは、現金を内容とする書留郵便物については昭和五十六年一月二十日、現金以外のものを内容とする書留郵便物については昭和五十七年六月一日であり、それぞれ七年ないし八年の期間が経過しております。また、最近賠償限度額を引き上げてほしいという利用者からの御要望が寄せられておりまして、現在の経済活動の発展に伴い、高額の現金や物品を郵送するニーズも高まっているというふうに考えられますので、御指摘の賠償限度額の引き上げにつきましては、今後需要動向等を勘案いたしながら検討していくことにしたいと思っております。
  145. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 それから不着と誤配の件ですけれども、この事故に関する受付数が六十三年度においては八万四千件、こういう数字が出ております。一〇一という調査機関を通じて何かやっているらしいんですけれども、私が思うのには、確かに全体の数は何億という数だから、それから見ればパーセンテージはごく少ない、こういうふうには私は手紙の場合には言い切れないと思うんです。ゼロにしていくのがこれがやはり郵政省のやるべき義務ではなかろうか。それにしても八万四千件あった。最終的に解決したのは全体八万四千件のうち約五割、こういうことでございますけれども、不着、誤配という点については郵政省はどういうふうに努力されているのか。ゼロならば結構なんですけれども、現在それだけの数があるということでございますので。  これは先ほど言いましたように、不着は不着でございますし、誤配は誤配でございますけれども、その人にとってみれば大変な問題ですから、パーセンテージはわずかに〇・何%かもしれませんけれども、この点についてはやはり万全の注意を払って、あくまでもゼロに近づける努力をしていただきたいと思いますけれども、どういうふうにされておられるのか、その辺をお聞きしたいと思います。
  146. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 全く先生おっしゃるとおりでございまして、限りなくそういった事故等をゼロに近づけたい、こういうふうに考えておりますが、郵便物の不着や誤配等の事故はお客様に多大の御迷惑をおかけするものでありまして、この種の事故が一通でも少なくなることを目指しまして私ども平常の業務運営等に努めているところでございます。  そこで、郵便物の不着や誤配等の事故防止対策として講じている措置について簡単に申し上げますと、まず郵便物の不着事故をなくすために、ローラー式小包区分機の開発、配備や、それから運送容器としてのパレット等の導入を行ったりして郵便物の破損防止を図っているほか、郵便物の運送、配達に当たっては保護、監視の徹底を図り、郵便物の亡失事故の防止に努めてございます。また、誤配事故等をなくすために、郵便局におきましては、居住者の住所、氏名を記載した郵便配達原簿や配達地図等の配達資料の整備、現行化に努めているほか、朝のミーティング等において転出入者の周知等を行いまして職員への注意喚起等を励行している、そういった措置を講じております。
  147. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 飛び飛びになりましたけれども、もう一点。  先ほど一番最初に、普通便とそれから速達便もう速さが違わないじゃないかというお話を申し上げましたけれども、これとは逆に、聞くところによるとイギリスでは郵便物に二速郵便制度、二足のわらじではなくて二つの速さ、いわゆる遅くとも一週間ぐらいでしょうか、そういうことで二速郵便制度という制度があるように聞いておりますけれども、おくれても一週間ぐらいならばいいやと、こういうことで料金をその点については下げると。こういういわゆる郵便物を配達しているのがイギリスにはあるそうでございますけれども、この制度を日本で取り入れることを検討する余地があるかどうか、その辺はいかがですか。
  148. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) お答えいたします。  今御指摘がありましたように、イギリスでは書状等につきまして原則として差し出しの翌日に配達する第一種郵便物、それから原則として差し出しの日の翌日から起算して三日後までに配達する第二種郵便物という郵便物の種類を設けまして、そのうちの第二種郵便物については低料の取り扱いをするといういわゆる先生のおっしゃった二速度郵便制度というのを実施しております。  調べてみますと、一九六八年当時イギリスでこのような制度を導入することになりましたのは、業務運行の混乱によってすべての郵便物について迅速な送達を確保できないという状態となり、これを解消するためであったというふうに承知しております。これに対しまして我が国の場合の事情と申しますのは、現在郵便業務が順調に運行され、送達速度が安定しております。また、考えてみますと、そういった制度は我が国の場合にはマイナス面も多い。例えば職員の士気に悪影響を及ぼすとか、郵便処理システム見直しを要するとか、そういったことがありますので、イギリスのような二速度郵便制度を導入する必要はないというふうに考えております。
  149. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 二速郵便制度をイギリスでつくった経緯は今わかりましたけれども、それはそれとして、今の料金の面からいって安ければ遅くてもいい、こういう人も私はあるんじゃないかなということで検討の余地はないか、こういうふうに申し上げたんですけれども、そういう面からもありますし、それから、こちらの意思を伝えるのに手紙ですから早ければ早い方がいい、近況を知らせるのは早ければ早い方がいいに決まっておりますけれども、逆にのんびりでもいいという人も私はいると思うんです。そういった意味を含めて検討する余地があるのかと聞いたので、検討の余地があるのかないのか、その辺はどうなんですか。
  150. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 私ども世の中で考えられること、行われること、すべて勉強課題の一つであるというふうに考えております。
  151. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 終わります。
  152. 山中郁子

    ○山中郁子君 ただいまの議論にもありましたし、これは時事がファックスで流してきておりますけれども、一〇四の有料化問題で、きょうの閣議後の記者会見で大石郵政大臣が、「「一部の利用者へのサービスに年間二千三百五十億円もの経費がかかるのは問題がある。受益者負担の原則を導入して有料化し、これで得た収入を通話料金の値下げに回す方が一般の人にはメリットが大きい」と述べ、NTTの正式申請があれば認可する姿勢を示した。」、このように報道されております。ちょっと今の御答弁と違うようですね。これセットこなっている。談話という形で報道されているんですけれども、この辺のところはいかがなものなのかということ。つまりこの報道は、「通話料金の値下げに回す方が一般の人にはメリットが大きい」、先ほどはこれは別の話だ、こうおっしゃっていたでしょう。  それと同時に、この問題は審議会の議が必要なんじゃないですか。電気通信事業法の九十四条によりまして審議会諮問が必要な事項だというふうに私は思いますけれども、そういう手続を経ないで郵政大臣がこのような見解を発表するということはどういうことなのか。
  153. 大石千八

    ○国務大臣(大石千八君) まず、最初の御指摘でございますが、これは先ほどのむしろ私の答弁の中で抜けたということの方が正しいと思います。つまり、電話料金の当然値下げの要素になっていくであろう。例えば二千三百五十億円がどれだけ一遍に減るかわかりませんので、それは幾ら電話料金の値下げに数字であらわすわけにはいきませんけれども、要するに、これは有料化ということになっていけば値下げの要素になる部分が当然出てくるという意味で、セットという言葉は適当かどうかわかりませんが、当然値下げの一つの要因になっていく部分だという意味できょう昼間の記者会見では申し上げたわけでありますし、ここでは、先ほどそういう言葉では申し上げませんでしたけれども、当然その考えはここでそう申し上げてもいいわけでございます。  それから、その次のことに関しては後ほどもしあれでしたら局長から補足をさせますが、郵政省としての理解の仕方を今申し上げているわけでございまして、郵政省としては、正式には当然申請をいただき、しかるべき機関にもかけて、そういったことを参考にして、それで決定をさせていただくことはもちろんでございます。ただ、現在の段階でNTTのそういう方向に関して郵政省はどう考えるかということに関しては理解が十分できる話だというふうに郵政省として受けとめているということでありまして、郵政省として結論を出したわけではございません。
  154. 山中郁子

    ○山中郁子君 私はそれはかなり大きな問題だと思うんです。  まず一つは、先ほどからNTTの方は、これは全く関係ありません、別個の問題ですと鶴岡委員の御質問に対して繰り返しはっきりおっしゃっていたでしょう。そうすると、郵政省の御見解とNTTのこの問題に対する御見解と違うということになります。それはどうなのかということが一つです。それを先にやってください。
  155. 大星公二

    参考人(大星公二君) お答えいたします。  先ほど鶴岡先生の御指摘は、今回十二月一日に現在最遠距離三分三百三十円を二百八十円に下げると発表したことと関連あるかというお話でございましたので、それとは関連ないと申し上げたのでございます。ただいま大臣が申しましたように、当然将来有料化に伴いまして収入が入ってきましたら、それは将来の値下げの原資に使うということは私ども当然考えていることであります。そういう意味で将来の値下げには関係してまいります。
  156. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 関連でいいですか。  私が言ったのは、要するに独立していると言うから、じゃ、独立していますねと念を押したわけです、全然関係ない、値下げと値上げと。だから最初に私は、有料化の方を後で話しますけれども、有料化は上げる、上げるというか金を取る、こちらは下げると、だから関連しているのじゃないのかと言ったら、あなたは関連していません、全然独立したものです、こういうふうに言ったでしょう。で、もう一回私念を押したでしょう、独立していますねと。それを私は言っているんですよ。
  157. 大星公二

    参考人(大星公二君) それじゃ私の誤解かもしれませんけれども、私は、今回の十二月一日の値下げと関係しているかというふうに私の方は考えましたものですから、今回の十二月一日の二百八十円の値下げとは関係していないと申し上げたのでございまして、ただいま山中先生から御指摘のとおり、将来、例えば来年の秋から仮に有料化いたしますと、それに対して百億、二百億入ってまいりますが、入ってまいりましたらそれは即負担の公平化ということでございますから、一般の電話料の値下げの方へ持っていくということでございます。  もし先生が私の方に念を押されましたことが将来の値下げも含めてのことでございましたら、私の回答は間違っておりましたので、訂正させていただきます。
  158. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 大臣の言うことは私はわかるんです。そういうことで将来こちらは有料化になるわけですから、こちらは値下げになるわけですから、それが何らかの形でNTT全体としてそれで関係してくるというならば私はわかるんです。私が聞いたのは、完全に独立してますかと言ったら、独立してますと言ったから、私は先ほど言ったような質問になったわけです。わかりました。
  159. 山中郁子

    ○山中郁子君 NTTの方のお答え自体も正確に、正確にというかまともに加入者や国民理解を得ようとするよりは、口の先で問題をあいまいにする、ないしはごまかすというものとやっぱりどうしてもつながりますね。将来であろうと今現在であろうと、要するに値下げとこっちの有料化と関係あるかと聞かれれば、それは関係があるならある、ないならないとおっしゃるのが、それが誠意ある御答弁でしょうと私は思いますよ。  それから大臣がおっしゃいましたけれども、私はやっぱりそれはそう簡単に大臣がおっしゃる筋合いのものじゃないと思う。今税制特別委員会でも審議会問題がかなり大きな問題になっておりますでしょう。いわゆる審議会政治という問題が税特委の中でも議論になっているんです。やっぱり形骸化ですよ。この条項は、私が申し上げるまでもないですけれども、「政令で定める審議会に諮り、その決定を尊重してこれをしなければならない。」となっているんです。  だから、大臣はそのことを十分御承知の上で、審議会に諮らなきゃいけないということにもかかわらず、NTTが正式に認可も要請もまだしてない、新聞で報道されただけだ、そういうときに、言ってくればいいよと言うよということをおっしゃるというのは、これは軽率に過ぎるし、郵政省審議会というものをそういうふうにしか考えていない、そういう位置づけしかしていないということはやはり政治の根本にかかわる問題で、全くこれが国会審議を一つ審議会政治という問題で形骸化してきたじゃないかということを指摘していることの一つの裏づけだとしか言いようがない。  税制特別委員会の問題は横に置くとしても、少なくともこの問題でこういうふうに打てば響くように、正式な要請も来ていない、当然来れば審議会に諮る、そういう手続が法律上必要になっているにもかかわらず、そのようなお答えをなさったり、そのような記者会見をなさるのは軽率に過ぎると私は思いますので、この点はぜひ反省していただきたい。大臣に聞いているんです。
  160. 大石千八

    ○国務大臣(大石千八君) 言葉の問題は非常に難しくて、消費税の問題でも大幅に見直すというあれがありましたけれども、私が申し上げているのは、あくまでも記者会見等でこのことはどう思うかと言われたことに関して、理解できるということぐらいは、私は結論づけたわけではありませんで、そういうところで、十分それなりの理由があると思う、こういうことを申し上げているわけでございまして、こういうふうにしたとかしたいとかということは申し上げておりません。ただ、NTTが話されていることは我々の立場からも理解できる話だ、こういうことでございます。これは例えばNTTの分割の問題等になってきますと、これはやはりうっかりしたことを申し上げることは全くこれはできない話であるし、消費税と同じになるわけです。  しかし、このことに関しては、やはりそういう程度のことであれば一般の国民もこのことに関していろいろ議論をする一つのきっかけにもなろうと思いますし、コンセンサスを得るための一つの何といいますか、きっかけにもなってくるというふうに、コンセンサスというのは必ずしも我々のサイドだけで考えているというようなことではありませんが、いかにすべきかというようなコンセンサスを国民の間で論議するためにも、まあというふうに思うわけでございます。
  161. 山中郁子

    ○山中郁子君 うっかり言ってはいけない範囲に入る問題なんですよ。うっかり言ったとおっしゃっているとは私は申し上げませんけれども、分割の問題ならうっかり言えないけれども、これなら大丈夫だろうと、こういうランクづけをなさったわけだけれども、この問題もうっかりおっしゃってはいけない重要な問題であるということを私は指摘して、軽率に過ぎるのではないかということを申し上げました。  というのは、かなり基本的な問題があるんですよ。十二億五千回ですか、ある。先ほどもお話がありましたように、百九十円ですか八十円ですか、そういう単価である、こうおっしゃる。だけれども、費用負担の適正化とうたいながら三十円だと。三十円の根拠は何かという御質問に対しても、何かもう一つよくわからない。根拠がないという御答弁だったですね。根拠がないけれども、ヨーロッパやアメリカやなんかはちょっとそういうところがあると。  それで私は、消費税じゃありませんけれども、三%だと言っておいて、それで一たんそういう仕組みを導入すればこれは幾らでも税率を上げていくじゃないかということを我々は主張し指摘し、大臣が消費税をおっしゃいましたから、私もまた消費税申し上げるんですけれども、それが大きな議論になります。  それで、これ三十円と言うんです、三十円。だけれども、あなた方に言わせれば本当は受益者負担の原則ということを前提にすれば百九十円取らなきゃだめなんでしょう、元取れないわけでしょう、おたくの計算によれば。その計算自体も問題があるから後で言いますけれども。三十円というのを一たん入れておいて、ああ電話一〇四番は有料だという実績をつくっておいて、そして今度それじゃ五十円にする、税率三%から四%、五%にする消費税と同じ仕組みですよ。そういうものに絶対ならないという保障がありますか。私はそういう問題だと思うんです。つまり三十円という根拠が一つはないということと、百九十円ですか百八十円ですか、正確に言うと、これがかかるんだと……
  162. 大星公二

    参考人(大星公二君) 百九十円でございます。
  163. 山中郁子

    ○山中郁子君 百九十円でしょう。じゃ百九十円まで上げなきゃあなた方はこれはバランスがとれないというふうに考えていらっしゃるわけですね、受益者負担、いわゆる適正な費用負担ということで。そういうことはどうなりますか。
  164. 大星公二

    参考人(大星公二君) 率直なところは、先生御指摘のとおり大変難しい問題でございまして、それで私ども大変悩んだのでございます。  それで、コスト的には百九十円でございますが、一方、先ほど来お話に出ておりますように、明治以来無料できているという事実がございます。ところが、最近非常に大きく膨れ上がりまして二千四百億ぐらいになってしまった。一方では電話料金をどんどん下げていかなきゃならぬ。しかも御利用いただいている方が非常に偏っているということになれば、こちらの方である程度御負担をいただいて、その原資でもってもっと一般の方へ広く、電話料金を下げることによってそちらの方へむしろ広く利益を享受していただくという方がいいんじゃないかという考えで、そのときにやはり欧米で大体どんなふうにやっているかということで……
  165. 山中郁子

    ○山中郁子君 それはもう聞いたからわかっています。
  166. 大星公二

    参考人(大星公二君) そういうことでやっているわけでございます。
  167. 山中郁子

    ○山中郁子君 だから私は、それじゃ端的に伺うけれども一つは、電話サービス始まって明治以来百年無料だったんです。無料だったということは、これは基本料の中に入っているということでしょう。基本料としてお払いしている中に基本サービスとして入っているから百年間無料だったわけでしょう。ここへきてなぜ有料にするのかということが一つあります。  それと同時に、三十円今とにかくお願いしますと、こうおっしゃる。だけれども、じゃ、絶対三十円を将来これは上げないというお約束してくださいますか。
  168. 大星公二

    参考人(大星公二君) 結局、電話料金をどのように利用者の方々に御負担いただくかという問題なんでございます。それで、現在の時点で私どもは、二千四百億近くのコストになっている、しかもそれが偏っているということから、先ほど来何度も申し上げておりますように、欧米のあれを見ながら三十円としているわけでございます。  今後、いろいろ収支構造が変わってまいると思うのでございます。そのときにまた改めてその収支構造に基づいていろいろ、これはNTTが勝手にできるものでございませんで、先ほど先生が御指摘のとおり、私ども郵政省さんの方へ申請いたしまして、郵政省さんの方が電気通信審議会においていろいろ御審議いただくわけでございますから、私どもは、将来の収支構造の変化に伴いまして、単に一〇四の問題だけじゃなくて、電話料全体の体系も考えなきゃならないとか、いろいろあるわけでございます。ですから、将来その中で全体として審議会の方へこういうやり方はどうだろうかといろいろお願い申し上げることがあるかもしれません。
  169. 山中郁子

    ○山中郁子君 大臣、聞いていただけばわかるように、そんな三十円だから大丈夫だ、国民的なコンセンサスが得られるだろうというものにとどまらない根本的な問題がこれは入っているんです。  ということは、私は大変限られた時間で突っ込んで議論ができないのが残念なんですけれども、これは結局、あなた方NTTが今までもずっと言ってきたけれども、何とか一〇四番を有料化したい。有料化して、三十円をだんだん上げていく。百九十円も出すようだったら、もう一〇四番にかけないで、そして電話帳を見ますと、こうなってくる。そういうことによって労働力も減らしていくし効率化も図っていく。そういうところにつながっていく問題で、そういうあなた方のねらいを具体化していく問題なんだということだけを時間の関係がありますので指摘しておきます。  それからもう一つ、収支構造の変化、変遷というふうにおっしゃるけれども、あなた方はちっとも収支構造を出してこないじゃないですか。私はもう十何年来逓信委員会でやってきていますよ。どんぶり勘定じゃないですか。だから、今度一〇四番の経費に二千四百億とか二千三百五十億とあなた方はおっしゃっている。入る方はどうなのかというんです。入る方というのは基本料ですよ、基本料金。今まで基本料金でもって考え方としては無料だったということは、あなた方が私たち加入者から取っている電話の基本料金でしょう、そういうものの基本的なサービスとして位置づけていたわけだから。  そういう入る方の問題を棚に上げて、これだけ取り出して何千何百億だなんて言っておいて、それでまた収支構造の変化があって今度五千億になりました、したがいまして三十円じゃなくて今度六十円です、八十円です。そういうことがないという保障はもちろんないばかりか、あなた方はそういうことをするという、今の御答弁はそういうことなんです。それが大変大きな問題だということを私は指摘しておりますので、大臣にもぜひともその辺の御認識はいただきたいと思っております。  それで、今当事者の皆さん方、視力障害の方とかそういう方たちが非常に切実に一〇四の有料化に反対される陳情を私どもも随分受けています。  それで、皆さんの方では、目の不自由な方にはというふうなその対応らしいものをおっしゃっているんですけれども、単なる視力障害者だけじゃなくて、手の不自由な方だとか、それからいわゆる弱視だとか老眼だとか、どんどん進んでいけばこんな大きな天眼鏡を持っても見えない、いわゆる視力障害というまでいかなくても一般的に人間が年をとっていけば陥っていく身体上の弱点ですよ。そういうふうな方たちにどういうふうに対応できるのかということと、そういう人たちには無料にしますよという趣旨のことをおっしゃっているんです、視力障害の方たちには。だけれども、無料にするための技術的な方策が実際あるのか。特別番号をつくるとなれば、もう十何けたからの電話番号をかけなきゃいけないものになるとすれば、それ自体障害を持つ方たちには大変な負担だけじゃなくて、もうできない、事実上できないということにもつながる、そういうようなものにならざるを得ない。いわゆる暗証番号ですね。だから無料にする技術的な方策とかなんかは本当にごく簡便なものでなきゃならないと思いますけれども、そういうことが実際に可能なのかどうか、その辺はいかがでしょう。
  170. 大星公二

    参考人(大星公二君) まず、目の悪い方あるいは手の悪い方ですね、どの辺まで範囲にするかということにつきましては、別途産業専門医といいますか、専門家の有識者の方の御意見を伺いながら決めていきたいと思います。それから今先生御指摘のとおり、じゃどういうふうにして特定するのかといったときに、例えば暗証番号とかいろいろ考えられるのでございますが、特にそのために余分に負荷がかかって事実上御利用できないようなことのないように何とか簡易な方法を考えたいということで研究してございます。
  171. 山中郁子

    ○山中郁子君 どういう方法が考えられますか。それとか専門家検討してもらうとかとおっしゃるけれども、具体的な目安とか見通しとか、そうものがなければこういうものを打ち上げられないはずですね。
  172. 大星公二

    参考人(大星公二君) 今関係先生方とお話を始めているところで、まだ結論は出ておりませんが、どっちみち郵政省さんの方へ認可申請いたすまでにはその辺をはっきり具体化いたしましてお願いいたしたいというふうに考えてございます。
  173. 山中郁子

    ○山中郁子君 認可申請はいつごろなさるおつもりでいらっしゃるんですか。
  174. 大星公二

    参考人(大星公二君) できれば年内と考えております。
  175. 山中郁子

    ○山中郁子君 きょうはもう十二月五日です。年内に認可申請しようと思っていらっしゃるのに何の方策も、ここでちゃんと話してください、具体的などういう方策があるのか。
  176. 大星公二

    参考人(大星公二君) まだ決定的なことを申し上げかねるのでございますが、例えば暗証番号の関係ですね、あれをできれば番号を何番と言っていただければすぐ対応できるようなことをいたしたいと今研究しております。
  177. 山中郁子

    ○山中郁子君 何番と言っていただければできるというのはどういうことですか。ちょっとよくわからないのです。
  178. 大星公二

    参考人(大星公二君) ダイヤルしないでも声で四十五番とか言っていただければ対応できるようなシステムを今検討中でございます。
  179. 山中郁子

    ○山中郁子君 深入りする時間はありません。しかし、御自分の家からかけるだけではないわけです、外でもかけるし。そういういろいろな問題を考えると、私はそう容易に障害者の方たちの負担をかけないでそうした無料、そこの部分だけピックアップして無料にするという方策がちょっと今のところ理解し得ません。だけれども、それが本当にできているのなら、もっと少し個別に説明もいただきたいと思います。  いずれにいたしましても、そういうことが明確になっていないで、これから専門家にあれをするんだとかとおっしゃっていながら十二月中に申請するような、そういうことは大きな問題をはらんでいる。私は先ほど申し上げましたように、勝手なところだけ、自分たちのこういう二千三百何十億だというところだけ言って、私たちが収支構造はどうなっているのかと言えば何にも出さない、そういう態度でずっと来ながらこういう都合のいいときだけはそういうことを出す、そういう問題の基本的な点があることを私は指摘して、とにかく有料化ということは大きな基本的な問題をはらんでいるので、大臣にも軽々にそれらは理解できるようなことをなさるべきではないということを私は重ねて申し上げます。  それからもう一つは、電報の問題をちょっとここであれしたいんです。  このごろは電報もひどいんですが、きょうはもう時間もないですから一つだけ。  七時以降の受付配達の廃止を検討しているという話を聞くんですけれども、これは事実ですか。
  180. 矢嶋国男

    参考人矢嶋国男君) お答えいたします。  現在、電報は慶弔電報が九〇%以上を占めておりまして、一般電報というのは一〇%未満になっているのが現状でございます。そんなような利用実態を踏まえまして、午後七時から翌日の午前八時までの夜間におきましては受け付けを行っておりまして、配達は今行ってないというのが原則になっております。例外的に夜間配達を行っているのが、夜間配達料をお支払いいただく緊急定文電報というものに限っておるわけでございますけれども、その利用が全国で一日平均約百三十通程度というような少ない通数になっていますことと、その内容を見てみますと、電話連絡依頼というような利用実態というのがほとんどでございまして、死亡とか危篤とか、そういう緊急を要するような内容につきましては、わずか十数通というような利用実態になっているというのが現状でございます。  そのような利用実態を踏まえた中で実は夜間の受け付けとか配達の体制を維持していくということは、事業運営運営効率という面から非常に悪化状態になっていることと、それから、夜間におきます配達の委託者を確保しなきゃいけないのでございますけれども、その確保も非常に困難になってきておりますので、電報事業運営の適正化というようなことを図りたいために、今、夜間電報の廃止について検討をいたしているというのが現状でございます。
  181. 山中郁子

    ○山中郁子君 何か危篤とか死亡とかというのを除けば十数通とおっしゃったのは、一日とか、どういうエリアでとか、ちょっとそういうのがわからないんですけれども
  182. 矢嶋国男

    参考人矢嶋国男君) 実際には、昨年の五月でございますけれども、約一週間ぐらいでございましたけれども特別な調査をいたしまして、ある数字を出しました。それから類推して一年間というようなものに置きかえておるようなところがございます。
  183. 山中郁子

    ○山中郁子君 ちょっとその数字は資料として後で数字を下さい。  要するに、七時以降の夜間配達は今有料でやっているのだけれども、それも含めて廃止するということを検討しているというふうに承ってよろしいですか。一言で答えていただいていいんです。
  184. 矢嶋国男

    参考人矢嶋国男君) 廃止を検討しております。
  185. 山中郁子

    ○山中郁子君 私は、これは大変問題があって、そういう国民ニーズにこたえていくという上では電報利用というものをやはりもっと慎重に考えていかなきゃいけないというふうに思っています。今もおっしゃったように、夜間配達の場合に三千円お取りになるわけでしょう。そうすると、実際は七時以降に電報を打って今晩じゅうに配達してくださいという場合に、夜間配達料として三千円取るわけです。ところが、実際いわゆる請負というか、これを業としている方たち、下請ですね、その方たちの実態を調べますと、私も全国全部を調べたわけじゃもちろんありませんけれども、委託者に対しては七時から九時までに配達した場合には夜間配達料は全然行かない。それから、九時から十一時まで配達すると二千円行くんです。三千円をNTTが取っておいて二千円だけしかあげない。それで十一時以降に配達すると初めて三千円渡す。NTTが何でこれをピンはねするのかと思うのです。余りにもえげつないんじゃないですか。全国的にこういう制度にしているんですか。
  186. 矢嶋国男

    参考人矢嶋国男君) 御指摘の三千円でございますけれども、夜間配達料として三千円いただいておりますが、内訳的には、配達費というものと、それから呼び出し料というものと、それからNTTの夜間の配達にかかわります内勤的な意味と、大きくは三つぐらいの内訳があります。それで、そのうちの配達にお払いするのは呼び出し料でございますけれども、それが先生今御指摘の二千円、三千円という時間別に、時間の配達の深夜の困難性も含めまして呼び出し料について差をつけておるということでございますけれども、それ以外のことまで含めますと、平均的にコスト的にはそれだけ本当にかかっているということでございます。
  187. 山中郁子

    ○山中郁子君 しかし、これは配達料として取っているのでしょう、電報をあれした人からは。それなのに配達した人――そうなると随分インチキですね、そうだとしたら。配達料として取っているにもかかわらず配達をする人のところにお金が行かないで、いわばNTTがピンはねしているようなものでしょう。余りそういうことはNTTという大企業の社会的責務に照らしてふさわしいやり方じゃないというふうに思いますけれども、これは改善する御用意はないですか。
  188. 矢嶋国男

    参考人矢嶋国男君) 配達そのものにそれだけのものがかかって、配達人の方だけじゃない、配達のために必要な経費が先ほど申しました三つの項目に分かれているということでございます。その三つともが配達にかかっている費用だと思っております。
  189. 山中郁子

    ○山中郁子君 そうすると、七時以降には、とにかく夜の配達料としてお取りになるわけです。それなのに七時から九時までの間はないんです。配達する人に委託者は配達料をくれない、ゼロなんです。そんなことないじゃないですか、あなたのおっしゃることに百歩譲って近づいて理解しようとしても。ゼロということはないでしょう、実際に配達するんですから。
  190. 矢嶋国男

    参考人矢嶋国男君) 七時から九時までにつきましては、配達料ということではなくて、今度はその配達の数がどのくらいになるかということも含めまして基本的な部分のものを考えてございまして、余り手取りが少なくてもまずいだろうというようなことも考慮した上での、配達料に直接関係しない部分で考慮されている部分がございますので、そこのところがゼロということとはちょっと違うというふうに考えております。
  191. 山中郁子

    ○山中郁子君 ゼロなんです、全国的にゼロかどうか私は全国を調べていないからわからないけれども。  じゃ、こういうことを改善する気が全然ないのですか。これは七時から受け付ける電報は配達料として三千円取るんですよ。それを実際に配達する人に九時までだったら一円も出さないという、そんなばかな話がありますか。そういうことじゃないんだと言うならば、その事実に照らして是正してもらいたいところがあるから。今私が申し上げた問題点の指摘はもっともだと思われるならばあなた方は、今返事をしなくてもいいですよ。だけれども、そういうことに照らして改善方を検討なさるなら検討なさるとお約束いただきたい。
  192. 矢嶋国男

    参考人矢嶋国男君) ただいま申し上げましたように、三つの項目からできているということと、それから、七時から九時までの間の分も含めまして適当な料金を私どもの委託先である共済会等とも御相談の上決めておりまして、適正な料金だというふうに今思っておりますので、これにつきましては今特別に改善は要らないんだろうというふうに理解しております。
  193. 山中郁子

    ○山中郁子君 ゼロというところがあるんです。具体的に今一つ申し上げますと、新潟県です。だから調べてください。  じゃ、ゼロということはないわけですね。  それで、七時から九時までは幾らが適切な料金なんですか。
  194. 矢嶋国男

    参考人矢嶋国男君) 実際には配達料という言葉とはちょっと違う言い方になっておりますけれども、呼び出し料という言葉に相当する言葉で待機料というのがございまして、その待機料というのを七時から九時までの間はお支払いしているというのが現状でございます。
  195. 山中郁子

    ○山中郁子君 配達料のことを私は言っているんですよ。だから配達料はゼロなんでしょう、結局七時から九時までの。あなたは適切な料金をお払いしているとおっしゃったけれども、やっぱりゼロなんでしょう、配達料は。三千円は、申し込んだ人から待機料として取っているんじゃないでしょう、配達料として取っているわけでしょう。にもかかわらず配達した人が全然そのことについてもらっていなくて、三千円みんなNTTの方へ入っちゃうというのはおかしいんじゃないか、不合理じゃないかというふうに申し上げているので、私時間が限られていますから、まじめに答えて、まじめというか、私の言っていることはわかりますでしょう、大臣もわかっていただけると思うんですけれども。  三千円取っているんですよ、配達料として。実際に配達している人にはその三千円のうちから一円も行かないんです、七時から九時までだと。九時過ぎると千円ですかあげる、何かとにかく、遅くなれば少し出すけれども、九時までは出さないんです。そういうところがあるんです、少なくとも。だから私は、そういうことはなくすべきじゃないですかと、こう言っているんです。
  196. 矢嶋国男

    参考人矢嶋国男君) 先生の御指摘が三千円ということでございまして、その三千円というものにつきましてはNTTがピンはねは一つもしておりません。そして、七時から翌朝の八時までにかかった総経費を、本当に平均的に三千円ということで一通のお金が出てきておりますのでそれをいただいておりますが、それはすべてお渡ししてございます。  そして、一つだけございますのは、七時から九時までの間の配達費ということでは配っていない、さっき待機費と申し上げましたのは三千円以外のところで考慮されている分があるということを申し上げたいと思います。
  197. 山中郁子

    ○山中郁子君 私は、何回も言うように、待機料、ほかのところのことを言っているんじゃないんです。配達料のことを言っているんです。配達料というのは配達するから取るんでしょう。配達する経費としてお取りになるんでしょう。それにもかかわらず実際に配達を委託されている人がもらっていないというところが問題だと言うので、こんなに子供でもわかるようなことを私は何回もこれ以上NTTの幹部の人に申し上げるなんというのは情けない限りですし、時間もありませんから、もう一度次の機会なり個別なりに明確にして、とにかく実態として配達料が全く行っていないようなことが実際に七時以降あるとすればそれは改善をするということはお約束いただけるものと思いますが、それでよろしいかどうかということが一つ。  それからもう一つ、将来ともに電報配達は、七時以降の問題だけじゃなくて全部何か共済会、テルウエルなんて最近言っているらしいですけれども、その共済会に委託するというか下請させる、そういう方向をお持ちになっていらっしゃるのかどうか。その二点を伺わせてください。同じことだったらもうおっしゃらなくていいですから。
  198. 矢嶋国男

    参考人矢嶋国男君) 最初の点につきましては個別に御説明申し上げたいと思います。  それから委託につきましては、全面的に委託をしていく考えでおります。六十二年の三月末から全面的な委託というふうに移行してございます。
  199. 山中郁子

    ○山中郁子君 それから委託料、今の代理受託者の賃金についても今後二〇%ずつ三年間切り下げるというものをお出しになっていらっしゃる。それに承服しない人たちについてはもう契約はしない、これは大変大国主義だと思いますけれども、そういう問題が実際に今出てきています。  それで、今の御答弁の中でもはっきりしましたけれども、明らかにこれはもう全面的な電報切り捨てです。そして委託業者も、もうそれでは仕事ができていかないということでつぶれていく、つぶれていったらつぶれてください、そういうことしかNTTの考え方としてはないということがこれらの問題全体を通じて浮き彫りになってきているわけでありまして、私は、電報という問題についてのあなた方の認識と国民ニーズという問題、それから電報部門で働く労働者の問題、そういう三つの観点からの総合的なさらに一層深めた議論が必要だということを改めて再認織いたしましたので、しかるべき機会に引き続きこの問題については深めていきたいと思っております。  以上で私のきょうの質問を終わります。
  200. 足立良平

    ○足立良平君 私は、まず第一点目として地域の情報化推進の問題につきまして質問をいたしたい、このように思うわけであります。  高度情報化社会の円滑な実現を図っていく、そういうためには、地域間の情報の格差といいますか、情報間の格差の是正を行う、そして全国的には均衡のとれた情報化推進していくことが不可欠だ、このように実は認識をいたしているわけでございます。  郵政省におきましては、ニューメディアを用いまして地域社会の振興を図る総合的な施策としてテレトピア構想を推進いたしているわけでありますが、現在、全国の七十地域のモデル都市におきましてこの情報通信システムの構築が進められているというふうに聞いているところでございます。さらに、一般会計からの補助金等によりまして、テレコムプラザ等、民活法の施設整備構想なども推進されているということも聞いているわけでございまして、これらの構想の実績あるいは現状等につきましてまずお伺いをいたしたい、このように思います。
  201. 中村泰三

    政府委員中村泰三君) 先生御指摘のとおり、現在、首都圏に情報の機能が大変巨大に集積をしている、そのことによる弊害といいますか、地方の活性化を結果的に阻害しているといったような問題もございまして、四全総あるいは経済五カ年計画等でも地域の活性化のために情報通信基盤の整備重要性がうたわれているところでございます。  テレトピア構想につきましては、昭和六十年から取り組んでおりまして、現在全国で七十地域指定しておりまして、そのうち六十一地域におきまして百四十六のシステムが稼働している現状でございます。主なニューメディアとしましては、キャプテン等のビデオテックスでありますとか、あるいはデータ通信、CATVといったメディアが主要なものとしてございまして、地域の活性化に役立っているものと考えております。  それから民活法の対象施設につきましては、テレコムリサーチパークでありますとか、テレコムプラザあるいはテレポート等々五種類の施設がございますが、現在認定しております施設の数は全国で十一の施設でございます。この中には、大阪のテレポートでありますとか、あるいは関西文化学術研究都市内にありますいわゆる国際電気通信基礎技術研究所、ATRと言っておりますが、こういった大規模の研究施設等も着実な成果を上げておりますし、また民活法の施設につきましても現在検討がなされている地域がまだございますので、これからも着実に認可施設は増加していくであろうというふうに思っております。
  202. 足立良平

    ○足立良平君 そういうふうなそれぞれの地域の問題につきまして実情に沿ってこれから進められていくわけでありますが、各地域への税制、あるいはまた財投、あるいはまた無利子融資等の支援措置等が少し先ほど出たところでございますが、具体的にどういう判断基準でそれらが決められているのか、お伺いをいたしたいと思います。
  203. 中村泰三

    政府委員中村泰三君) テレトピアの指定地域に当たりましての具体的な判断基準でありますが、これはニューメディアを導入することによりましてその地域が抱えておる問題点の解決に資するかどうか、実際、単なる実験ではなくして実需があるのかどうか、推進体制がしっかりしていて実現の可能性が高いかどうかといったようなことを具体的な判断基準として地域指定を行っているところでございます。  それから、テレコムプラザ等の民活法施設の整備事業につきましては、地域社会の健全な発展を図るために経済社会の基盤の充実に資する施設の整備を促進しようというのが民活法の目的でございまして、具体的には、その施設の機能あるいは立地規模等がこの目的に合致するのかどうかといった基本指針に基づきましてその指定を行っているところでございます。  指定を行いますと税制上の恩典を受けるといったようなことがございますが、財投あるいは無利子融資につきましては、認定されたプロジェクトにつきまして日本開発銀行であるとか北東公庫等が事業の採算性等のいわば金融的な判断に基づいて融資等を行っているところでございます。
  204. 足立良平

    ○足立良平君 これらの地域情報通信システムによって提供されましたいわゆる情報ソフトの面でございますけれども、実際にどのように活用をされているのか、この点についてもお聞かせ願いたい。あるいはユーザーのニーズにどのように、どの程度こたえられているのか、そういう検討がされているのかどうなのかにつきましてお伺いをいたしたいと思います。
  205. 中村泰三

    政府委員中村泰三君) 先ほども申しましたように、現在テレトピア指定地域におきまして百四十六のシステムが稼働しておるわけでありますが、その提供する情報ソフトというのは非常に多岐にわたっておりまして、それぞれの地域の実態とか、あるいは住民の皆様方の希望するようなシステムに構築をして運用いたしているところであります。  非常に代表的な例を一、二申し上げますと、大分市にこれはローカルキャプテンを利用したシステムでありますけれども、スーパーの日用品の受発注システムといいますか、家庭にいながら食料品であるとかいろんな日用品を購入することができる。そして一カ月まとまったものは銀行の口座から引き落としができるといったようなシステムでありますとか、あるいは長野県の諏訪市で非常に好評を得ているわけでありますが、CATVを利用しまして病院の医師が遠隔地の施設に入っておられる患者さんを診断するとか、あるいは水道の自動検針を遠隔操作で行うといったようなことを諏訪市のCATVでやっておりますが、こういったサービスというものが非常に地域住民の好評を博しているシステムであります。  いずれにしましても、情報通信に関するソフトというのは、その地域の具体的なニーズに合ったものに構築されて運用されなければ意味がないわけでありまして、私どもとしましても、地方自治体等、情報化の主体となるところと十分連携をとりながらソフトの一層の充実に努めてまいりたいと思っております。
  206. 足立良平

    ○足立良平君 今ちょっと答弁があったわけでありますけれども、今日まで情報化の進展の状況というのを見ておりますと、地域間の格差の縮小というのは余り働いていない。むしろ東京の一極集中といいますか、そういうことでむしろ拡大してきている。先ほど来お聞きをいたしているわけでありますけれども、こういう通信システムの構築等いろんなことを試みているけれども、実際的には東京一極集中にだんだんなってきているというのが私は実態ではないか、このように実は思っているわけでございます。そういう面からいたしますと、今日まで郵政省側としてもいろんな努力をされていることは認めつつも、実際問題としてどれほど効果があったんだろうか、こういう疑問を感じるわけでございますけれども、この件に関しましての御所見を伺いたい、このように思います。
  207. 中村泰三

    政府委員中村泰三君) 確かに、東京を中心とした首都圏への一極集中というのは、特にこの数年加速されているような状況にございます。東京というものが特に世界の情報金融センターといったような立場に、ニューヨーク、ロンドン、東京といったようなところが地球規模で見ましてもちょうど二十四時間のうち八時間ずつその市場が開かれているといったような地理的状況にもございまして、集積が加速されているという面が確かにあろうと思います。  したがいまして、情報通信のシステムにつきましても、一定の集積したところでないとうまく稼働しないといったような面もございまして、先生御指摘のとおり、なかなか思ったように地方の分散化ができていないというのが日本の国土の現状であろうと思います。したがいまして、四全総におきましても、地方の中枢都市とか中核都市とか一定の集積のメリットを享受できるようなところに対して、まず基盤整備、交通手段であるとか、あるいは情報通信基盤の整備を図ることによりまして、東京一極集中を何とか崩していきたいというのが政府の方針でございまして、そういう政策の方針に従いまして私どもも地域の情報化ということに力を入れているわけであります。情報通信産業というのは、その産業自体が非常に先端的な産業でございまして、成長性もある、あるいは雇用の場としても大きな威力があるという性格を持っているものでありますから、これから二十一世紀を考えた場合には、積極的に国の施策としても地方にそういう基盤づくりをすることによって情報機能の地方分散を図っていかなくちゃならぬというふうに思って、今は一番苦しい時期であろうというふうに私ども考えております。
  208. 足立良平

    ○足立良平君 最近ちょっと聞いたところによりますと、テレコムタウン事業というのを新たに郵政省の方でプロジェクトとして打ち出されているというふうにお聞きをいたしているわけであります。先ほど来私はそれぞれずっとお聞きをいたしているわけでありますが、従来、いろんな計画を提起されてきて、そして実際的にそれらの計画というものが、当初のいろんな条件というものはあっただろうと思いますけれども、計画どおり、あるいはまたねらったとおりの効果があらわれてきていない、いろんな条件はあると思いますけれども。その上に新たにまたテレコムタウン事業というふうなプロジェクトを提起されるというのは、一体これはどういうことなんだろうかという感じを実は受けるわけでございます。したがって、今度の計画は、これまでの諸施策というものを一体どのように評価をした上で出されてきたんだろうか、そして従来の諸計画とこれは一体どういう関連を持っているのか、この点についてお聞きをいたしたい、こう思います。
  209. 中村泰三

    政府委員中村泰三君) 確かに、テレトピア構想にしろ、あるいは民活施設事業にしろ非常に勢いよく普及していっているかという点につきましては、まだまだ遅々として問題を抱えているということは私どもも承知をしておりますが、テレトピア構想にしましても六十年以降たかだか三、四年の経過でございまして、その間、先ほども申しましたように、地方地方には非常に好評を博している情報システムも生活情報圏の中で生まれてきております。あるいは民活施設法にしましても、関西のATRに代表されるような研究施設も全国各地でまた検討もされておりますし、たかだか二年ばかりの経過でございますから、まだ現状をもって効果が薄いとかということを判断する時期ではなかろうと。やはり根気よく地域に根づくように支援をしていかなくちゃならないというふうに考えておるところでございます。  それで、テレコムタウン事業につきましては、テレトピア構想が市町村のいわば生活情報圏といいますか、身近なところの情報化施策であり、あるいは民活施設がいわば施設に着目した箱物を整備するといったような整備の仕方に対しまして、このテレコムタウン事業というのはブロックの中枢都市とか中核都市に、例えば臨海地域に大規模な町づくりをするといったようなときに、道路でありますとかその他もろもろの交通手段でありますとか、そういったものを公共事業として整備するときに、高度な情報通信基盤もあわせて公共事業的に整備をしていくことが社会資本充実のためには効果もある。また、これからの高度社会を考えた場合には必要であろうということで、公共事業的に整備をすることを目的に進めていこうという構想でございます。
  210. 足立良平

    ○足立良平君 私は、情報化社会をつくっていくという点で、それぞれやっぱりきちんとした計画を持って、そしていろんな四全総との関係を含めてやっていかなきゃならない、それは十分肯定をしているわけです。ただ、先ほども申し上げましたように、ある面におきましては性格的に見ますとほとんど変わらないような計画がメジロ押しにどんどん次から次に提起されてくるということは一体どういうことなんだろうかという疑問を実は持っているわけでありまして、これは将来の課題としても私は提起をしておきたい、このように思うわけであります。  その上に立ちまして、これは地域構想におきましても、そういうふうなプロジェクトの地域におきましては例えば通信事業者がつくられる傾向がえてして多いということであろうと思います。そうしますと、一般的にそういう単独でプロジェクトの地域だけの通信事業者をつくっても実際的にいろんなサービスというのはできないわけでございまして、そういう点からいたしますと、地域系の会社と整合のとれたネットワークとする必要があるのではないか。つまり、プロジェクト地域の通信事業者と地域系の第一種の事業者が整合をとって、そして一体となったサービスというものを提供していくことがこれから情報化社会の場合において効率的で、しかも地域住民に有益な地域振興を実現することになるのではないか、このように私は考えているわけでございますけれども、この点に関しまして御所見を伺いたいと思います。
  211. 中村泰三

    政府委員中村泰三君) 先生おっしゃるとおり、現在、地域振興のためのプロジェクト、情報通信網を活用して地域振興に資するためのプロジェクトというのが各地でいろいろ構想が練られております。そういった場合に、通信事業者とそれから地方公共団体等の関係者がお互いに相互に協力し合うことによりまして本当に地域の利益になるようなプロジェクトの推進を考えていくべきだというふうに私どもも思っております。したがいまして、これらの地元関係者の意向を十分に尊重しつつ、そういった地域プロジェクトの推進に当たってまいりたいというふうに考えております。
  212. 足立良平

    ○足立良平君 次に、通信事業あり方につきまして御質問をさせていただきたい、このように思うわけであります。  通信の自由化の問題につきましては、先ほど来これも議論をされているところでありますけれども自由化のメリットを国民に享受してもらう、そういうためには、先ほど議論されましたように、料金の低廉化ということは当然でございますが、同時に新規事業者によるユニークなサービスの提供ということも不可欠なことではないか、このように思っているところでございます。そういう観点からいたしますと、まさにエンド・ツー・エンドサービスの幅広い提供が必要である、このように考えているわけでございまして、そういう観点から考えてみますと、通信事業あり方、いわゆる自由化あり方につきましては、市内分野を除いた議論、すなわち市外分野だけの自由化の問題というふうな議論というものはあり得ないのではないか、このように実は思っているところでございます。  そういう観点からいたしますと、本年の十月電気通信審議会の中間答申が既に出されたところでございますけれども、これを拝見いたしますと、市外分野の競争についての検討を中心にいたしておりまして、市内分野をどうするかという観点の検討が極めて少ない、ほとんどなされていない、そんな感じも実はこの中間答申を読みますといたすわけでございます。現在、固定通信分野での通信事業者の中でエンド・ツー・エンドサービスを行っておりますのはNTTさんのほかに、東京通信ネットワークあるいはOMPを初めといたしまして地域系事業者は七社、こういうふうに認識をいたしているわけでございますけれども、市内分野における競争をどのように確保していくのか、こういう問題につきまして、特に地域系事業者のあり方をどうしていくか、あるいはまたどう育成していくか、こういう観点で御所見をひとつお伺いいたしたい、こう思います。
  213. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 六十年の改革で新規に参入いたしました事業者は、御指摘のとおり長距離だけを重点に扱う事業者、長距離系三社と言っておりますが、あるいは衛星を介してサービスをする会社等々はすべてNTTの市内網を前提にサービスをするということになっております。  御指摘のこの地域系事業者というのは、あるエリア内でエンド・ツー・エンドのサービスをするということで、それを事業の目的にする、そして現にサービスを開始した事業者も一部ございますが、この長距離系とかあるいはほかの自動車電話系等に比べますと、自分でネットワークをつくるということは先生御指摘のとおりでございまして、この制度は実は世界には唯一日本だけでございます。自由化が進んでおりますアメリカでも、イギリスでも、市内網そのものは独占に置いておる、こういうことでございますので、確かに極めて新しい分野でございます。  ただ、我々もこの事業展開を注意深く見ておりますし、さっきの中間答申にもこのことはまるきり記述がございませんわけではないのですが、現実の問題としては、シェアも極めてわずかだと。例えば関東圏エリアでは提供回線数全体の〇・〇〇五%になっている、そういう指摘もございますが、やはりこの市内網を建設するというのは、ほかの事業と比べて多額の設備投資を要すること自体は確かでございますので、そういう意味では大変先生御指摘のように立ち上がりの厳しい事業だと。非常に長期的な視点で物を考えないと成り立たない事業だという点は確かでございますが、私どもとしては、しかしせっかくこういうことで参入された以上健全な事業者としての成長、発展を大いに期待しておるところでございます。
  214. 足立良平

    ○足立良平君 さらに、中間答申関係につきましてもう少しお聞きをいたしたいというふうに思うわけでありますが、NTT国民全体のものであるという基本認識に立つべきでありまして、中間答申をずっと読んでおりますと、これはちょっと私の読み方が少し間違っているのかもしれませんけれども、まず分割ありきというふうな感じがいささかしてならなかったわけでございまして、そういう面で、まず分割ありきというこの拙速な議論というものは避けるべきである。そして長期的な観点で幅広い議論を今後していく必要があるんではないか、まずこのように実は私思っているところでございます。  したがいまして、そういう幅広い議論という観点でお聞きをいたしたいわけでございますけれども、今後のNTTあり方検討に当たりまして、単に定性的な面からだけでなしに、いわゆる通信トラフィックの面、あるいは収支状況の現状、あるいは将来の見通し等々につきまして、定量的に把握をした上で各編成の問題、あるいは利害得失の問題等、議論をしていく必要があるのではないか、このように実は思うところでございます。  そういう点からいたしまして、郵政省にお聞きをいたしたいわけでございますが、NTTの中で地域別、市内、それから市外別収支の定量的な分析が可能となるデータが、先ほども山中委員との議論で少しございましたけれども、データが一体あるのかどうか。あるいはなければいつごろこういうものがはっきりと公表できるのか。このことにつきましてお聞きをいたしたいと思います。
  215. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) この中間答申、初めに分割ありきだという御指摘でございます。時によってはそういう新聞等の論調もあるのでございますが、決してこれは、直接お尋ねじゃございませんが、私どもとしては、御案内でございますけれどもNTTの発足の前提に臨調答申というものがあったと。それは今後のことを考えればという前提で一つの構想を描いておったわけでございますが、六十年の改革のときにはその論議は附則にゆだねておいて、発足の状況を見た上で判断しようではないかと、そういう御思想からこういう法律の附則になって今現在検討を進めているところだと思っております。その方針自体は、いろいろ現状について果たして電気通信改革の目的に沿ってどうかといえばいろいろ問題点がある、その解決策としてもいろいろ考えられる、これらもすべて並列だということで、おっしゃるとおり御議論はこれからの状態になっておるわけでありまして、お尋ねの地域別あるいは市内、市外別の収支の問題というのは、これはこの中間答申でも競争条件という意味合いで大変大事なポイントだということでの御指摘は出ておるわけであります。  しかし、このデータは公社時代はいわば独占だということで、特に国が定める規則に基づいてデータをそろえるとか情報を整理するとかということはやっていなかったのでございますが、この六十年の改革をする以上、いろんな事業お互いに相互応援してしまうとライバルとの関係で公正な競争条件にならないものでございますので、ぜひその情報の開示という点が必要になるわけであります。  そこで、六十三年度の決算からでございますが、電気通信事業会計規則というものを制定いたしまして、事業NTTは役務別に、つまり電話とか専用線とか、あるいは無線の呼び出し、ポケットベルでございますね、そういったいろんな各種目ごとに収支の状況を明らかにしなければならないということで、六十三年度からそうしたことの開示には入ったわけでございます。六十三年の決算はしたがってそうなったわけでございます。  お尋ねのこの市内外の問題というのは、実はこれはまだ現在できておりません。平成元年度の決算において開示をしていただこうということで現在準備をいたしておるわけであります。市内外の問題は対峙業者にとっても収支分計というのは大変大事な関心事でございますので、ぜひひとつ立派な開示ができるように準備をしたいということでございますが、まだ、この間NTTが素案を何か対外的に発表されたという程度で、これからいろいろ問題もあるようでございますので、詰めに入ろうということでございます。  なお、地域別の話については、この中間答申の方で仮にもこの事業体を分けるという案になったらどんなことになるかという点で、幾ら各地域に収入があって支出はこうなる、そういう試算は出ている次第であります。
  216. 足立良平

    ○足立良平君 今、会計規則が制定されたようでございますが、ことしのこれは四月二十日の新聞でございますけれども、これは既に議論されたところでございますが、それぞれこの決算といいますか、この内容につきまして、郵政省NTTとの見解が、特に市内通話の問題をめぐりましてちょっと見解が違うようでございます、この新聞によりますと。  したがって、そういう面からいたしますと的確な定量的分析というものが本当に必要ではないかと。しかも、それは専門家等の意見を取り入れて、そしてそれを公正な立場できちんと定量的な分析を行っていくということが、将来のNTTあり方の問題、あるいはまた料金の設定の問題等々いろんな問題をめぐりましてまず一番ベースになるのではないか、このように思うわけでございますけれども、この点に関しましてちょっと郵政省の考え方をお聞きいたしたいと思います。
  217. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) もう大事な点は先生おっしゃるとおりで、問題は具体的に数字がどうなるかということでございまして、NTTが一応明細表として出したものを見ますと、市内が赤になって市外が黒になっておるわけでございます。これは四月十九日、たしか新聞に載ったのも同じことかと思うんですが、一応試算結果として発表になったわけでございますが、どうも私どもの方から見まして、やはりいろんな問題点があると。  端的に言えば、市内通話の営業収益に入るべき部分に、入るべき、計上していい部分が入っていない。端的に、今市外を東京から大阪へかけたといたします。これは東京の市内分が十円かかっておるわけです。大阪に入りますとまた十円かかるんですが、その二十円が計算に入ってない。これは市内のところに入らない、市外へ入ってしまっている、こういう問題がどうかと。あるいは、市内が赤字だとするならば事業税がかかってはおかしいわけでございますが、この部分事業税が入っているとか、いろんな技術的といえば技術的でございますが、おっしゃるとおり公正な競争条件の基盤になるわけでございますので、ぜひひとつしっかりとした振り分けをしたい、こういう視点で現在いろいろ専門家意見も踏まえながら今研究をしてきちんとしたものに近くいたしたい、こう考えておるわけでございます。
  218. 足立良平

    ○足立良平君 通信料金というものを考えてみますと、これはまさに総括原価主義といいますか、そういう考え方でこの通信料金というものは設定をされていくべき性格のものである、このように認識をいたしているわけでございまして、そういう面では公正な競争の観点からもコストに見合った料金設定ということは大原則でなければならない、このように思うわけであります。  そういう観点からいたしますと、昨年の経営状況というものを見てまいりましたときに、同じ装置産業であるこの通信事業の場合におきましても、地域系事業者はこれは赤字、しかもそれは相当先まで赤字が見込まれる、こういう状況でございますが、それに反しまして長距離系の事業者というのは、既に単年度におきましては黒字を計上する、こういう状況になってきている。したがいまして、郵政省としてこういう現実というものを一体どのように認識されているのかということが第一点目でございます。  それから二つ目にちょっとお聞きをいたしたいと思うのでありますけれども、市内料金と市外料金との関係でございますが、直近の為替レートの換算ですからこれは若干いろんな、ストレートに簡単に比較はできませんけれども、昼間の三分間の市内料金でありますと、日本を十円にいたしますと、アメリカの方は十二円、イギリスが三十円、このようになるんではないかと思っているわけであります。そして、この遠距離料金を三百二十キロメートル程度で概算をいたしてみますと、日本が三百三十円、これは既にNTTさんが値下げを発表されておりますけれども、これは二百八十円ということで、大した大きなことにはなりません。これは三百三十円。それに対しましてアメリカの方が百三十九円、イギリスが百一円というふうに、これは為替レートを機械的に換算した金額からいいますと、そういうふうな金額になるだろうというふうに認識をいたしております。  いわゆるこれは、レートですから、購買力なりいろんな関係でちょっと違いがあると思いますけれども、例えば国内だけでこういう比較いたしますと、市内と遠距離とを比較いたしますと、遠近格差で見ますと、日本が一対三十三、仮に申請どおり値下げをされるとすると一対二十八になる、日本の場合。そしてアメリカが一対十一。イギリスが市内と遠距離とは一対三。日本は仮に引き下げされたとしても一対二十八。したがって、そういう面では相当格差といいますか、先進諸国との遠距離と市内の場合における格差というものは大変高いということが言えるのではないか、このように思うわけでございます。  実際的に、それぞれちょっと単純な比較でございますから、これだけをもってすべてを論ずるということは実際問題それは難しい点があろうかと思いますけれども、これから言えますことは、我が国の通信料金というものがコスト見合いになっていないのではないか。一つの仮説として申し上げるなら、それぞれのコストに見合って料金というものが設定されていないということが一番問題なのではないか、こういうふうに思うわけでございます。  そういう面で、これからの料金体系の問題は、将来的には、先ほどの議論でありますと例えば五年後に遠距離は大体二百円程度にしたいとか、こういうふうにおっしゃいますけれども、総括原価主義という公共料金の立場からして、原価がこれだけかかっていて、その上でこのような料金というものをきちんと設定するというものが明らかになってまいりませんと、本来のどんぶり勘定の料金あるいはまた午後からずっと山田委員からも指摘されていましたけれども、競争すればそれは競争しただけで単に料金は下げていきますよというんではなしに、本来きちんとあるべき料金というものは原価を基準に置いて設定していくという姿勢がこの通信料金の場合に極めて必要なのではないか、こんな感じを実は受けるわけでございます。  それと、ちょっと時間もございませんのでもう一点だけ申し上げたいと思うんですけれども、原価主義ということで、先ほども一〇四番ですか、案内電話料金の案内問題でこれも若干議論がございましたが、私は、やはり公共料金というものの基本的な考え方は、先ほども言いましたように、原価をきちんとしてそれに合ったものが必要だ。同時に、もう一つ忘れてならないのは、料金をどんぶり勘定で決めておいて、そして一方では政治的な要素だけで、例えば仮に百九十円要る原価を三十円にしますよというふうなことだけでどんぶり勘定で料金を決めていったといたしますと、本当にそこに働いているNTTの職員の皆さん方というのは、自分たちの、自分の会社を愛し、そして社会的なそういう公正のために一生懸命努力をしている。努力をしているけれども、その原価を全く無視して料金を設定されるということになってしまうと、一体自分は何のために今働いているのかということが、それが失われてしまう。  あるいは、まじめに一生懸命働けばそれだけの労働者、勤労者の側で処遇がきちんと一方でされていくという状態の裏づけがありませんと、本来公共事業としての効率をきちんとしていくという社会的な責務をNTTとしては果たすことができない、こういう問題点が私は出てくるんではないかと思いますので、そういう観点で、時間が少しオーバーいたしましたけれども、考え方をお聞きいたしたいと思います。
  219. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) お尋ね多々ございました。  最初の一点は、地域系が赤で長距離は黒字だということについて郵政省の考え方ということでございました。確かに六十三年度決算を見ますと、長距離事業者は三社のうち二社が黒字になって一社は赤字だと。地域系事業者は六十三年度はまだ三社でございましたので、決算を見ますと、単年度時、三社とも赤字だということでございます。しかし、先ほどもちょっと触れましたけれども、地域系の方はこれからの事業でございますので、相当の長期間にわたるネットワーク整備という期間がございましょうし、厳しい状況にはありましょうが、できるだけ効率的な経営を図って長期的な視点での事業展開をお願いしたいものだと思っております。  ただ、長距離の方も一見いいように見えますが、短期的にはそうでございますが、実は今までのところは比較的短い距離、しかも収入のかつ多いところでございますが、長距離事業者はこのままでは将来の展望が開けないということで、現在そのエリアを東西南北の方へどんどん広げようとしております。そうした意味ではこれからまた設備投資を多額にしなければならない。かてて加えて、NTTの料金引き下げもございますから、それに対抗してやるということになりますので、従前のような形ではまいらないのじゃないか、こう考えております。  そこで、お尋ねのやはりどんぶり勘定でどうだという問題は、まさに先生の御指摘のとおりでございまして、ここのところをきちんとすることがあらゆる競争の面で非常に大事な点だということで、実は法律の方でもこの料金の設定の仕方については明定をいたしておりまして、料金が能率的な経営のもとにおける適正な原価に照らし、公正妥当なものでなければならない、料金の額の算出方法が適正かつ明確に定められていなければならない等々のことを、条件を付していろいろ料金の決め方の原則をうたっております。  これを受けまして電気通信審議会にもこの具体的料金の設定の仕方をお諮りしております、料金の適正化を図りたいということで。基本的には、今の考え方は要するに役務別に総括原価主義、つまりは役務別にまず適正な原価、それに適正な報酬を加えたいわゆる総括原価を基礎とする、こういうことでございます。ただ、先ほども質問がございましたように、長い独占時代がございましたので、すべてにわたってまだそこまでいってないわけでございますが、一番ポイントになる市内、市外を初めさらにこの詳細について、きちっとしたコストをもとにした、適正な原価をもとにした報酬ということをして適正な料金算定ができるように今後とも努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  220. 足立良平

    ○足立良平君 終わります。
  221. 平野清

    ○平野清君 まず、郵政省の方にお伺いしたいんですが、全逓の川口支部が十一月二十日付で不当労働行為救済命令申請書といいますか申し立て書を国営企業労働委員会に提出したというふうに聞いていますが、本当でしょうか。
  222. 桑野扶美雄

    説明員桑野扶美雄君) 全逓川口地方支部から川口郵便局長らを被申立人といたしまして十一月二十日に中央労働委員会に不当労働行為救済申し立てがあったのは事実でございます。
  223. 平野清

    ○平野清君 十一月二十二日の毎日新聞の報道するところによりますと、配達員の後ろから管理者がバイクで追尾してその配達員が本当にきちっと仕事をしているか監視したというようなことが報道されています。しかもこのように写真が載っているんです。(資料を示す)三台のバイクが写っていますが、一番前の人が配達人で後ろの二台が管理者のバイクなんだそうです。なぜこのようなことまでしなければならない事態になったのか、ちょっと調べてありましたら御説明ください。
  224. 桑野扶美雄

    説明員桑野扶美雄君) 川口郵便局におきましては最近郵便の遅配といった問題を抱えておりまして、これをどうやって解決するかということで郵便局と関東郵政局が一体となって業務の改善に取り組んでおります。  この一つ原因といたしましては、集配区画ごとの業務量のアンバランスという問題もありますが、しかし、もう一方で一部の職員の非能率的な作業の実態があるということが考えられるわけでございます。このために本年の六月、川口郵便局の集配課における作業の全般にわたって業務量あるいは作業の実態の把握を行ったところでございますが、その際に非常に作業能率が著しく低い職員がございまして、そのうちの四名につきまして、郵便局の中での作業だけでなく屋外での作業の実態を把握したいと思いまして一緒について作業状況を調べたことがございます。そういうことでございます。
  225. 平野清

    ○平野清君 みんなが一生懸命やっているけれどもごく一部非能率的な職員がいる。先ほど鶴岡委員のときには委員の方から、大変郵便配達が早くなってもう速達と普通郵便の差別もなくしてもいいんじゃないかというような郵政省を褒める言葉もございましたけれども、この新聞記事によりますと、川口の局では一カ月平均四百二十万通、毎月八万通近くが局に到着後数日たたないと配達できないと書いてあります。一カ月に約二百五十万通来て、単純に計算しますと一人当たり一日二千通配らないとその消化ができない。局員の方は、千五百通がもうやっとである。そういうような主張をこの新聞でやっておりますけれども、この新聞のとおり局の方は二千通配ることが可能だと思っているのか。職員の方は一千五百通がもうやっとだと言っていますけれども、今人事部長さんのお答えでは、あくまでも四、五人の非能率的な職員によってそういう事態が起きている。これを見ますと五、六十人いらっしゃるようなんですが、四、五人ちょこっとサボるだけでこんなに滞留が出てしまうのでしょうか。
  226. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) まず、郵便業務のことについての一般的な私どもの職員の実態把握の方法、それから一般的な傾向について申し上げたいと思いますが、社会経済の発展とお客様のニーズに対応してこれまで諸施策を講じてきた結果として郵便物数が増加しております……
  227. 平野清

    ○平野清君 ちょっと聞こえないんですよ。
  228. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 繰り返します。  社会経済の発展とお客様のニーズに対応してこれまで諸施策を講じてきた結果として郵便物数が増加しておりますが、物数増加に適切に対処して業務の正常運行を確保することが大切だというふうに考えております。そこで、各郵便局の業務量というものを毎年定期的に調査いたしまして、その結果に基づいて各郵便局ごとに適正な要員の配置をするようこれを期してきているわけでございます。  ただ、最近東京都、それから近郊都市において郵便物が急増しておりまして、時節的な波動によって一部であっても遅配の現象が発生することがありますけれども、非常勤職員を雇用する、そういった措置等によってそういう事態を招来しないように努力していて、今お話しのような案件というのは一般的にそれほど聞いていない状況でございます。  なお、今申し上げましたような趣旨から、やはり郵便物の増加に適切に対応する要員を配置することは必要でありまして、来年度の予算要求によって初めてそれを最重要項目の一つとして掲げまして、必要な定員、超過勤務手当、非常勤職員雇用の経費等の増加を図るべく、現在大蔵省、総務庁と鋭意折衝中でありまして、全体的な視野からトータルの問題としてそういう措置を図っているところでございます。
  229. 平野清

    ○平野清君 何かぼそぼそ言われてちょっと聞き取れませんけれども、先ほど一生懸命翌日配達、即日配達で褒められたばかりなんで、はっきり答えてほしいんですけれども。どんどん首都圏に新しい住宅がふえて人口がふえているわけです。このように局に着いてから数日間たまっているということも私には理解できない。新しい郵便物が来たら滞留されている分から配達するのが本当だと思うんで、新しく来た分は一日二日おくれるかもしれませんが、たまった分を優先的に配るんじゃないんですか。
  230. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 今の御質問、ちょっと席を移動中でしっかり聞いておりませんでした。もう一度。申しわけございません。
  231. 平野清

    ○平野清君 例えばきょう何万通か残ります。新しいのが十万通なら十万通来ます。そうしたら前にたまっていた分を優先して配るのが本当じゃないですか。そうなれば数日間局にたまっているはずがないと素人は考えるんですが、現実とは違うんでしょうか。
  232. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) たまったものから配達するという先後処理の考え方で処理いたしております。
  233. 平野清

    ○平野清君 そうすると、ちょっとこの新聞記者の解釈が違うようですけれども、私は何もこの川口、川口北郵便局のことだけ取り上げて、この局長さんがどうだとかいうことを、全部そのことを言おうとしているんじゃないんです。せっかく今まで労使協調ということで大変郵便の成績が上がってきたのに、こういうことが氷山の一角であって、あちこちでそういう問題が起きてきたら今まで築き上げてきた信頼が全部崩れてしまう。そういう意味で、適切に人員配置ができているのか、郵便物がどのぐらい人口急増地区でふえているのか、そういうものをきちっと把握されて人員配置をされるなり作業内容を改善していく、そういうことが一番重要じゃないかということを御提起申し上げているので、できる限りの全国的な調査、特に大きな都市の周辺の郵便局調査をしたらどうかと思うのですが、いかがですか。
  234. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) お答え申し上げます。  せっかく郵便業務全体として全国的に評価が高まっている中で、一部の局等において先生のおっしゃったような事態があるということは全体の評価に影響いたしますから、そういったところを集中的に実態等を調査いたしまして善処したい、こう思っております。
  235. 平野清

    ○平野清君 それに、郵便物が大変ふえている原因一つにダイレクトメールがあるのは御存じだと思うんですけれども、かつてはダイレクトメールは郵便局にとっては大変な邪魔者でまま子扱いをしてまいりました。それが今は逆さまで、何しろ黒字化黒字化ということでもってダイレクトメール大歓迎、あて名のないものも地域別に何千通もぽっと引き受けて配ってやろうというようなところまで来ました。余りダイレクトメールとかそういうものを郵政省が黒字にしろ黒字にしろということでもって宣伝しますと普通の郵便物にしわ寄せが来て、こういう問題も起きかねないと思うのです。  そうしましたら、この間おたくの広報室が出している「ゆうせいトピックス」というのを見ました。今度郵政大臣がダイレクトメール大賞というのをやるんだそうですね。そこに審査方法などが書いてございましたけれども郵政省はそこまでやらなきゃならないんでしょうか。副賞も何も書いていないけれども、郵政大臣賞というのは何をやるんでしょうか。
  236. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) まず、私ども郵便業務の連行を担当する責任者として、大きな物流の流れ中で言うならばその需要をつかみ取っていかなくてはいけませんので、そういう意味でダイレクトメールの存在の意義、重要性というのは十分認識しております。その辺申し上げさせていただきますが、御承知のように、ダイレクトメールというのは、国民の生活様式の高度化、多様化、女性の社会進出、若年層の購買力の向上等に伴いまして企業の広告宣伝活動において重要な役割を果たしてきておりまして、物数から見ますと、郵便事業から見ても昭和六十三年度におけるダイレクトメールの取扱実績というのは四十二億通ございまして、平常取り扱っている郵便物数の四分の一となっております。そういう意味で、今日の我が国の社会経済上やはり必要不可欠の通信手段ということで、その重要性には注目しなきゃいけないというふうに考えております。  そこで、このようなダイレクトメールの重要な機能にかんがみまして、省としても全日本DM大賞というようなものを設定したりする等してダイレクトメールの普及発展に努力しているところであるということで、こういう物流にかかわる事業として郵政省だけが特にそういうことをしているのではなく、やはりこういう物流化の世の中でそれ相応の対応を講じてきている、そういうことでございます。これによって郵便物数は増加するというように見えますけれども、正常な業務連行を確保するために、先ほど申し上げましたように要員配置を初めとして局舎施設の改善、集配施設の増強を図る等の努力を積み重ねてきておりますので、郵便物数の増加によって郵便の遅配現象に拍車をかけるということはないんではないかと考えます。  実数を申し上げますと、郵便物数は昭和五十八年度百六十二億通でありましたけれども、六十三年度二百三億通と約一・二五倍に増加しておりますが、郵便の外務滞留率、いわゆる遅配のことでございますけれども、五十八年度は〇・九%であったものが六十三年では〇・三%とむしろ大幅に減少している。こういった数字から見て、ダイレクトメール等の重要性に着眼して私ども施策を講じたことが遅配現象に拍車をかけているということには直接それほどつながっていないんじゃないかというふうに考えております。  以上でございます。
  237. 平野清

    ○平野清君 郵便物の急増に対して労働力不足が取りざたされております。郵便局でも何か外国人の方を作業にお使いになっておると聞いておりますけれども、どういう形でどういう国の人をお使いになっているのか、実態が把握されていたら御説明をお願いします。
  238. 桑野扶美雄

    説明員桑野扶美雄君) 外国人を郵政省の職員として採用しております。現在全国で十八人おられまして、韓国あるいは中国の方でございます。
  239. 平野清

    ○平野清君 新聞報道によりますと、韓国のある青年が郵便局に入るのに大変な何か差別を受けたようなことが書いてございましたけれども、そういうことがないようにきちっとした人事管理をお願いしたいと思います。  それはさておいて、年末年始の年賀はがきや何かをさばくのにいろんな郵便委託業者がアルバイトの募集を地下鉄とか駅なんかで盛んにやっております。例えば郵便逓送株式会社とか、そういうのがありますけれども、委託されているそういうような業者は何社ぐらいおありになるんですか。
  240. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 百一社でございます。
  241. 平野清

    ○平野清君 百一社というのは大変な数だと思うんですが、聞くところによりますと、ポストのかぎをあげて郵便物も収集しているように聞きますけれども、本当でしょうか。
  242. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 取り集めという意味でそういったことを行っております。
  243. 平野清

    ○平野清君 私は逓信委員として余りにも不勉強だったんですが、そういう委託逓送業者というのは、局から局とか、夜間なら夜間、大型トラックで郵便局のかわりに運んでいるものとばかり思っていたんです。そうしたら、みんなポストからの収集までそういうところがやられていると聞いたんで、郵便局、ものすごく成績がよくなったよくなったと言っているけれども、全部民間の人に相当の力をかりてやっているんじゃないか。そういう逓送会社が百一社もある。それじゃだんだんその人たちが力をつけてきたり逓送会社に天下りの人がみんな行ったら、郵便局というのは局に着いた郵便物を仕分けしてただ配達するだけで、あとは全部民間の人がやっているんじゃないかというふうに意地悪く考える。そこへもう一歩進んで郵便部門の民営化なんというものが出てきてしまうような気がするんですけれども、そのけじめというのはどういうふうにお考えになっているんですか。もう困ってきたら全部やっぱりそういうものをどんどん広げていこうとされているのか。
  244. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) もともと郵便業務の運行全体のシステムが、もう既に昭和二十四年に公布されました郵便物運送委託法等に基づきまして郵便物の運送を委託するというような、そういったことを前提としたシステムになっておりまして、したがって、今先生の御指摘ありました、そういったことを実行していることによって民営化論議につながるというようなことはまるきり考えておりません。
  245. 平野清

    ○平野清君 何か全部まともに答えてもらえないような気がするんですけれども。  次に、即日配達、即日特急郵便というのがとられて、最近東京は三十万通を突破して大変な好評だと。混雑の中を二輪車で運べば大変早くて喜ばれる。それから東京から札幌なら札幌へ航空便を飛ばして、受け取った札幌の方は二輪車で需要者のところへ運んでくれる。大変喜ばれているそうですけれども、私たちが考えますのに、むしろ東京に近い、例えば千葉市とか船橋とか浦和とか大宮とか横浜とか、そういうところと都内との相互特急郵便というのが欲しいんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そういう業務改善といいますか、考え方をなさるおつもりはないかどうか、お聞きします。
  246. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 現在の超特急郵便制度がどうなっているかについてまずお話しした後、御質問にお答えしたいと思いますが、昭和六十年七月に東京都区内で取り扱いを開始いたしまして、その後、同年十月に大阪市、同六十二年十月に名古屋市に取扱地域を拡大した次第でございます。その結果、東京都区内相互間に実施している超特急郵便の一日平均取扱物数は、開始当初の六十年七月は百三十通であったものが、四年後の本年七月には三百五十通と順調に伸びてきております。  ところで、超特急郵便サービスを実施するに当たりましては、それを集荷し配達するための要員のほかに、利用申し込みの電話を受け付け、集荷配達担当者へ連絡をするための要員、それから車両の配備等が必要であるため、需要見込みとサービス提供の費用のほか、要員、施設等の対応能力を考慮して、まず需要が多く、かつ、エリアが狭いのでコストが余りかからない、要員、施設等の対応が比較的容易だという東京都区内その他において開始したものでございます。  今先生の御指摘の趣旨と軌を一にする面はあるかと思いますけれども、今後は、東京周辺地域へのエリア拡大についても、需要動向等を十分把握しながら検討していく必要があるというふうに考えておりまして、そういう段階に差しかかってきたという感じでございまして、来年度の予算要求におきまして、事業所数それから世帯数等から需要が多いと見込まれる横浜、川崎地区につきまして予算要求を初めていたしております。
  247. 平野清

    ○平野清君 前向きに御答弁いただきましたけれども、何しろ二輪車で飛ばすわけですから、事故が心配だったり、着いてみたら荷物が紛失していたとか、そういうことがあっては大変なんですが、交通事故その他を含めた事故というものはどのぐらいになっておりますか。
  248. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 超特急郵便の関係の事故関係でございますが、まず交通事故につきましては、昭和六十三年度における公務災害認定の件数で見ますと、東京、大阪、名古屋の全体で四十六件でございます。  事故内容を東京の例で見ますと、交差点内における接触事故、スリップ事故などがございます。それから、超特急郵便の場合は一般の郵便外務の場合に比べまして走行距離が長い、ちなみに東京の一日当たりの平均走行距離は、超特急郵便の場合は約七十六キロメートル、一般の郵便外務の場合は約二十キロメートルという差異がございます。また、走行スピードが速いこと、そういうことから、交通事故防止には十分配意する必要があるというふうに考えております。
  249. 平野清

    ○平野清君 去年と連続して交通事故死者が一万人を突破しております。車がほとんど主要機動力の郵便局方々には、ぜひ交通安全に心がけていただきたいと思います。  それから次に、ちょっとこれもまた耳ざわりな質問で申しわけないのですけれども、私は、唐沢郵政大臣のころからしばしば郵政省の用語について文句というか注意するというか、申し上げてまいりました。唐沢郵政大臣のときに、不在者郵便物のとめ置きの利用者への文書が極めて不明朗で細かくてわけがわからないということで大幅に改善をしていただきましたけれども、最近も時々あれっというのを見かけるのです。  これも「ゆうせいトピックス」のナンバー六百七十八ですが、こういうことが書いてあります。練馬郵便局では、光が丘団地に土曜、日曜日にも郵便局を利用してもらうために次のようなサービスを行う。「サービスの内容」一、「切手・はがき類の販売」二、「不在者留置郵便物の交付」三、「普通通常郵便物・ゆうパック等のお引受け」。もう一回言います、二つ目だけ、「不在者留置郵便物の交付」それから「ゆうパック等のお引受け」。要するに僕が言いたいのは、留守だった郵便物をとりに来るのは交付してやる。ゆうパックは料金をもらって大変ありがたいからお引き受けする、そう書いてあるんです。私もきょう出てくるときに大辞林を引いてみました。「交付」というのは、公、いわゆる役所機関が一般の人に役所の書類や金品などを引き渡すこと、そういうふうに書いてあります。何で不在者、お留守だった方の郵便物が、とりに行ったら郵便局は交付しなければいけないのか。お金を払って大変郵便事業に貢献しているゆうパックはお引き受けするのか、そこらを大臣としてはどういうふうに思われますか。
  250. 大石千八

    ○国務大臣(大石千八君) 確かに御指摘のとおり、これは不適切というか、余り感心した文句ではないというふうに思います。すべてがお客様でございますし、親切にお届けをする、たとえそれが不在の方でありましても親切にお届けをするという気持ちがそこになければいけないと思いますので、そういう点では「交付」という言葉は適当でないというふうに思います。いろいろまた研究させていただいて、こういった不親切である、温かみが感じられない、サービス精神が足りないと思われるような言葉はなくすようにしていきたいと思います。
  251. 平野清

    ○平野清君 通信に関する現状報告なんというのもすごい言葉がありますよ。「県庁所在都市をはじめとする地域中核都市は、それぞれの地域において拠点性を有しており、情報通信の拠点としての基盤を備えている。」、何か全部同じことを言っているんです。それは大臣書簡、通信に関する現状報告で郵政大臣のあれでしょうけれども大臣の知らないうちに書かれているんでしょうが、少しわかりやすく、むだな言葉を使わなくても一言で済んでしまうことがこのように書いてあるので、どうも目ざわりでしようがない。せっかくしょっちゅう届けてくださるので読まなければいけないという使命感で読むものだから、ついひっかかっちゃうのでなるべく目を通すのをやめようかなと思いますけれども、そうはいかないので。余計なことを言っていると時間がなくなります。  国債を窓口で売ってからちょうど半年以上になるわけですが、どのぐらいの実績を全国の窓口でお上げになったのか。
  252. 成川富彦

    政府委員成川富彦君) 郵政省は昭和六十三年の四月から全国の郵便局で国債の販売を開始したところでございます。  六十三年度の販売状況を申し上げますと、募集額が九千六百二十七億円に対しまして、販売実績は五千百二十一億円ということになっております。元年度は四月から十一月までの実績でございますが、これでいきますと募集額が六千億に対しまして千六百六十五億円ということで、六十三年度と比べますとかなり落ちてきているといいますか、売れ行きが悪くなっているという状況にございます。
  253. 平野清

    ○平野清君 一番初めの国債販売のときに、いろんな委員の方が御質問なさったんですが、なかなか今の人たちに国債を売っても買ってもらうのは大変だよ、だけれども余ったら郵政省が責任を負っていますからというようなお答えを聞いたような気がするんですが、その売り上げのあれを見て今後どういうふうにしていかれますか。
  254. 成川富彦

    政府委員成川富彦君) 先生御指摘のように、国債の販売額が募集額に達しない場合は、その残額につきまして金融自由化対策資金により引き受けるということになっておりまして、そういう形で今推移しているところでございます。  それで、国債販売でございますが、六十三年度はまだ金利先高感というのはそんなになかったんですが、平成元年度になりまして金利先高感が大分国民の間に浸透してまいりまして、売れ行きが徐々に落ちているという状況にございます。特に中身を見てみますと、長期国債の売れ行きが一四%台でございまして、長期の金利が、長短逆転現象というようなこともございまして、金利が低いものですから先高感というようなことで売れ行きが悪いんじゃないかというような状況にございます。民間も大体同様でございまして、民間も六十三年度はかなり販売できた。あちらの方は大口にというような状況でございますして、私どもは個人に販売しておりますので、同一のレベルで比較するというのは難しいかもしれませんが、六十三年度におきまして四二、三%の実績を上げております。これも平成元年度になりますと一四%台になるというような状況でございます。  金利の先高感がある程度薄れてまいりますとかなり御利用いただけるんじゃないかと思っておりますが、そういう現在は状況にあるわけでございます。
  255. 平野清

    ○平野清君 昔の特定郵便局長さんだと、あの家へ行けばどのぐらいの金があって、あそこへ行って拝めば国債が売れると、ちゃんとわかっていたんですが、だんだん時代が変わり、郵便局長と地域との交流がなくなるから国債を窓口で販売するのは大変だと思うんです。そういう意味でも頑張っていただかなきゃいけないんですが。  次に、この間の国会でお年玉つき年賀はがきの法案が可決されました。十一月一日、一日前に滑り込みをして成立したわけですけれども、部屋へ帰って秘書連中に聞かれました。何で一日前になって法律を通さなきゃいけないのか。いや実はスポーツとか留学生の人々にも分けなきゃいけないんだから、その枠の拡大のために法案が要るんだ、そのために十分間ずつ質疑をしたんだ。じゃ今度売るものは初めからスポーツ団体とか留学生の団体に分けることが決まってるんですかという素朴な質問があったんですが、なぜ一年延びたらいけないんですか。前の日にまでわざわざ午前中に十分間ずつの質問をして、午後本会議をやって、次の日の二日の販売に間に合わせなければいけないのかという素朴な彼らの質問だと思うんです。
  256. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 今お話のありましたいわゆるお年玉法案でございますけれども、さきの第百十四回国会に提出いたしまして、その後継続審議となり、第百十六回国会において当委員会でも御審議いただき、十一月一日に成立したわけでございますけれども、この法律は最近における高齢化とか国際化とか、そういった状況の中で生じております社会的要請にこたえるため、お年玉の寄附金の配分を受けることができる団体についてその範囲を拡大したものなんでございますけれども、今回の法改正によりまして新たな寄附金の配分対象となる各団体はこの法律案の提出以前から配分金の交付を強く望んでおりまして、今回の年賀はがきの寄附金の配分から適用されませんと当該団体にとっては配分が二年おくれになってしまう、そういう結果になるわけでございます。また、法令上のことでございますけれども、お年玉法の第五条の第三項の規定によりまして、年賀はがきの発行前に寄附目的とか発行枚数等を告示しなければならないと決められておりますため、年賀はがきの発売日である十一月二日より前での法案の成立をお願いし、御了解を得たということでございます。  新たに寄附金の配分を受けることができるようになりました団体が今希望して考えている設備といたしましては、例えば日本語教育のための設備の整備とか、職業訓練のための宿舎施設の整備、あるいはゲートボール等健康増進のためのスポーツ……
  257. 平野清

    ○平野清君 そういうのはわかるからいいです。
  258. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) そういったことで早く着手した方がいいという判断でございます。
  259. 平野清

    ○平野清君 余り時間がなくなりまして、せっかくNTTの方に待っていただいているんですが、質問の前にちょっと申し上げたいんですけれども、私の前に足立委員NTTの料金のことやなんかで盛んにすばらしい質問をされて、ちょっと料金体系にも問題があるというような局長さんのお返事もありまして、足立委員がこういう質問をされることはほぼわかっていらっしゃると思うんですよ。次に私が質問するからといって、その間引っ込んじゃうんじゃなくて、座っていてお聞きになっていた方が何かよかったんじゃないか、こう思うんですけれども、これは質問じゃありませんから、私の苦言としてあれしておいてください。  NTTは民営化されたということで大変一生懸命これまた商売をされていますけれども、午後四時になると窓口を閉めてしまうわけです。工事日の申し込みとか、それ以外のものはほとんど全部四時で閉めてしまう。申請書一枚もらうのにも四時過ぎてしまえばだめになってしまう。民間の感覚からいいますと、普通、窓口というのは五時まであいているような気がするんですが、四時で閉めてしまう理由を簡単に答えてください、時間がないものですから。
  260. 大星公二

    参考人(大星公二君) ただいま先生からお話しございましたように、現在、通常午後四時で閉めてございますが、ただし駅前だとか、あるいはお客さんの多い窓口やサービスセンターなどにつきましては五時ないし六時ぐらいまで弾力的にやってございます。いずれにいたしましても、私どもは、わざわざ窓口にいらっしゃらなくても、できるだけ電話で受け付けだとか処理をできるようにということで、一一六という電話番号を設定いたしまして、ここで私ども大半のものは処理できるようにしてきているつもりでございます。またそのほか、テレホンカードだとかファックスなどにつきましては、例えばテレホンカードでございますと、全国で約十三万店ぐらい代理店を設けまして、広く私どもが直接やらなくてもお客様のサービスに役立つように対応しております。  ただ、最後に先生ちょっとお話のございました件につきましては、そうは申しましても、確かに四時になったら何もぴっと機械的にやるのではなくて、状況に応じて臨機応変に対応するというのがやはりお客様に対するサービスだと私は考えております。そういうことで、先生にちょっと今御指摘いただきました件につきましては、改めて私ども現場第一線の窓口体制をサービス精神にのっとって臨機応変に対応するようにいま一度十分配慮するように努力したいと思います。
  261. 平野清

    ○平野清君 どうも質問をとりにいらっしゃったときに細かく言ったので今意味深長なお返事をいただきましたから、全部わかってのお返事でしょうから、窓口サービスの改善に努力をしてください。  最後に、武蔵野でしょうか、それとも多摩の方、最近NTTのサービスエリアが三級から四級というんですか拡大されて、住宅用が月二百円、事務用が三百円、基本料金がひとりでに上がって盛んに一般利用者から苦情が来ているようですけれども、このサービスエリアというものは昔つくったもので現状にほとんど合わないと思うんです。それで、NTTの方は一つのきちっとした理由をお持ちのようですし、私それを聞いて電話の加入の細かい契約書を見たら変わることがちゃんと書いてあるんですね。そうなってもあなた文句言えないよと書いてあるんです。NTTさんには億単位のお金がぽんと入ってきていますが、道路を隔ててそのエリアに入らなかったところは前のままの基本料金、道路を隔ててこちら側は基本料金ぽんと二百円も三百円も上がってしまう。もう時代に沿ったサービスエリアの見直しということをお考えになる意思はありませんか。
  262. 大星公二

    参考人(大星公二君) 御指摘のとおり、以前に設定いたしました加入区域は、その後経済社会の発展だとかあるいは都市のスプロール化に伴いまして、あるいは市町村の合併に伴いましていささか現状に合わないようなところが出てきております。また、基本料の問題は、十円でかけられるお客様の数に対応いたしまして今決められているわけでございます。こういったような問題について、総合的に私どもは今後いかにあるべきか。あるお客様にとってプラスになることがあるお客様にとってマイナスになるとか、いろいろな難しい問題がございますが、今後私ども郵政省さんの御助言をいただきながら研究いたしたいと考えております。
  263. 平野清

    ○平野清君 終わります。
  264. 沢田一精

    ○沢田一精君 大変お疲れのところでございますが、最後でございますから、もうちょっとおつき合いをいただきたいと思います。  私は二つの点について意見を申し上げ、お尋ねをいたしたいと考えております。  まず、比較的具体的な問題についてでありますが、NTT病院についてお尋ねをいたします。NTT御当局からお答えをいただけば結構でございますが、監督官庁として郵政御当局もよくひとつお聞きおきいただきたいと存ずる次第でございます。  戦前、逓信診療所として発足し、その後逓信病院として発展してまいりました。それぞれ従業員の健康管理、あるいは地域医療の一環として歴史を積み重ねてきたわけでございますが、たしかNTTが公社として発足しました機会に郵政省所管とNTT所管の二つに二分されたと承知をいたしております。どのようなことでこの二つに区分をされたのかはっきりわかりませんが、それは問わないことにいたしたいと思います。いずれにいたしましても、例えば九州地区におきましては北九州、長崎、熊本の三病院がNTT所管になっております。そして、ことしの四月、熊本はその中核病院としてNTT九州病院に名称を変更いたしております。このような病院がNTT所管で十五全国に点在をしておるというふうに承知をいたしております。  そこで、まずお伺いしたいと思いますことは、NTTとされてこれら病院の性格をどのように考えておられるのか、将来どのような管理運営体制で進めていかれようとしておるのかという点についてまずお伺いをいたします。と申しますのは、あくまでも社員の健康管理あるいは福利厚生施設としてお考えになっておるのか、あるいは必要とされる地域医療の一つの中核病院として今後運営をしていかれるのか、この際はっきり方針をお伺いいたしたいと存じます。
  265. 和田紀夫

    参考人和田紀夫君) お答え申し上げます。  NTT病院につきましては、社員と家族の疾病の早期発見、早期治療を目的とします職域病院として設置運営してきておるところでございますが、地域住民の方々の御要望も強く、また病院施設の有効利用を図るとの観点もありまして、昭和五十五年度から六十一年度にかけまして全病院で保険医療機関としての指定を受けまして、いわゆる一般開放を実施してきておるところであります。したがいまして、現在におきましては職域性並びに地域医療への貢献という両面をあわせ持った病院として運営してきておるところでございまして、この方針でまいりたいというふうに考えております。
  266. 沢田一精

    ○沢田一精君 NTT九州病院の実情を聞いてみますると、部内の診療が二〇%、部外の診療が八〇%というふうに聞きました。熊本にあります九州病院の場合、例えばベッド数が二百三、九州で最大のNTTとしては病院であるはずでございますし、職員数も三百名を超えております。しかし、この二百三床というベッドの利用率を見てみますると、平均いたしまして百五十程度。これは非常に立地条件のいいところに位置をしておるわけでして、隣にあります国家公務員の共済組合が経営します熊本中央病院は大変な利用度でございますが、すぐ隣接してありながらNTT病院は今申し上げますように十分な利用がなされていない。したがってこれまでかなりの赤字が出ておるはずでございます。現状ではこの赤字を克服するために本社から厳しい合理化の注文が出されておるというふうに聞き及ぶわけでございまして、現場では大変苦労をいたしておるようでございます。  人員の削減や経費の節約など合理化ももちろん必要でございますが、今おっしゃいましたとおり地域医療のためにも一般開放をして役立ちたいという理念であるならば、果たしてそういった合理化を進めるだけで十分であるのかどうかということをもう一遍ひとつ根本的にお考え直しをいただきたいと存ずるわけでございます。  例えて二、三の実情を申し上げたいと思いますが、これだけの規模の病院でありながら、しかも熊本市の中央に位置しておりながら救急医療機関としての指定を今日も受けておりません。したがって救急患者は一切受け付けない、あるいは週休二日制、このこと自体は結構ですけれども、土曜、日曜は事務職員は一人も病院には仕事をしていない。単なる労務対策で、いわゆるこう言ってはなんですが、窓際族、定年前の人が次々に事務長として毎年のようにかわっていく。そういうことで近代的な病院経営と言えるかどうかということを大変疑う次第でございます。  ここに、ついせんだってNTT九州病院の現状ということで病院自体で本社に提出いたしました資料を私は持っておりますが、大変問題があるなという気がいたします。約三十人の医師がおられるようですが、医師を初めとする医療職種も一般職員と同様の方法で在職期間を物差しに報酬を与えている。何と現在は七階級の医師区分を実行しておる。医師として一生懸命やろうとしておる先生方からこういう七階級もの区分は撤廃してもらいたいという要望が入っております。あるいはNTT系列下の全国の医療機関に相互連係が全くない。社長達と称する規則書類は間違いだらけで、病院の一般開放の最大のネックとなっている。これは病院自体でまとめられた報告書でございますが、その中にそういう文言があるわけなんです。  NTT本社の医療に対する考え方が極めて旧態依然である。人事権を含めて本社の権限が強過ぎる、地域医療の特性を無視した指図が多過ぎる、そういった指摘がなされるかと思うのですが、どう考えられますか。
  267. 和田紀夫

    参考人和田紀夫君) 先生御指摘のとおり、いろいろと欠陥があります。一つずつお答えをしてまいりますが、利用状況につきましては、いわゆる一般開放以降、部外の患者さんは急増しておりまして、利用率で見ますと、数年前は平均病床利用率で六〇%と低かったのでございますが、現在は、満足できるものではございませんけれども、八三%に上がっております。御指摘のとおり、まだまだ不十分な点が多いものでございますので、患者サービスの向上あるいは経営改善両面に向けて全力を傾注していきたいと考えております。  また、一般開放以降、労災病院の指定、それから土曜診療、住民健康相談等、各種施策は実施してきておりますけれども、御指摘のとおり救急医療病院の指定はいまだ受けておりません。現在、救急医療指定病院としての体制づくりを急いでおりまして、早期実施に向けて関係当局に働きかけてまいりたいと存じております。  それから医療関係についております事務職員の問題でございますが、御指摘のとおり、そう長い間同じポストでございませんで、二、三年が一般的でございます。現在サービス改善あるいは経営改善に努めている最中でありますので、病院改革に熱意のある人材の配置に努めてまいりたいというふうに考えております。  また、医師のランクについてでありますが、NTTは昭和六十二年四月から職能資格制度というものを全社的に導入いたしております。医療部門につきましても関係の皆様方の御意見を聞きながら、それを参考にして、御指摘のとおり管理職については一級から五級、管理職以外については一級から二級、計七段階の職能資格制度というものを導入したわけでございます。これは適材適所の人事を徹底し、組織を活性化したいという観点から導入したものではございますが、先生の御指摘も踏まえまして、さらに今後ともフォローアップをしてまいりたいというふうに考えております。
  268. 沢田一精

    ○沢田一精君 さっきもちょっと申し上げましたが、すぐ隣に国家公務員共済組合の熊本中央病院という病院がございます。妙な言い方ですが、そちらの方は非常に県市民の信頼が厚くて繁盛しております。それに比べますと、まことに建物も古くて、どうも近代的な医療あるいは近代的な病院としての感じが薄れてしまっております。昔からやはり相当歴史と伝統のある医療機関でございますから、残念でしようがないというのは私だけではないと思います。  この前その熊本中央病院に参りまして、非常に患者が多くて手狭になったという声がございますので、冗談半分に隣のNTT病院と一緒になったらどうですかと申しましたら、あんな病院とは絶対一緒にはなりませんと言われました。それほど言われるということになりますと、やはり天下の大企業であるNTTとしてほっておいていいものかどうかということを私は残念に思うわけなんです。  特に医療は日進月歩です。設備も新しいものにしなきゃなりません。それよりも一番大事なことは、本当に優秀な人材を、患者さんが信頼できるようなお医者さんを初めとする医療スタッフを備えるという努力をやってもらわなきゃいかぬと思います。やはりお医者さん方はそれぞれプライドを持っています。勤務年数だけで七階級にも区分けをされて報酬をもらわなきゃならぬというような体制は早くひとつ近代的なものに改めていただきたい。あるいは病院管理学というような学問さえ今あるわけなんですから、事務長さん初め事務職員も、その道に情熱を持って経験のある優秀な人材を配置していただかなければみんながやる気はなくなる、そう思います。  また、今申し上げますように三十年もたった老朽化した病院です。場所は非常にいいところですから、NTTとされて財政的に援助をするなりして、ただ合理化を進めよと命令されるだけではなしに、やはり必要な投資もぜひひとつ近い将来考えていただきたいと思います。  また、郵政省所管の郵政関係の病院との交流、人事の面あるいは研究の面、いろんな点であると思いますが、どうぞひとつそういう点も留意をしていただいたらどうかと思いますが、いかがですか。
  269. 和田紀夫

    参考人和田紀夫君) お答えを申し上げます。  ただいま私ども、いわゆる経営の改善という問題とそれからサービスの充実という面と、両方の側面から努力をしている最中でございますが、先生御指摘の点を踏まえまして、またさらには御指導を得ながら鋭意進めてまいりたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
  270. 沢田一精

    ○沢田一精君 郵政御当局もどうぞひとつNTTの対応を御指導いただきたいと心からお願いを申し上げる次第でございます。  第二番目の問題ですが、放送事業の将来ということについてお伺いをいたしたいと思います。  これにつきましては、先般のNHKの決算の審査、あるいは本日のこの質疑、いろんな面から各委員先生方から御意見が開陳され、質疑があったところでございますが、できるだけ重複をしないように一、二点お伺いをいたしたいと思います。  衛星放送、ハイビジョンの時代が急速に来たわけでございます。NHKも盛んに衛星放送の宣伝をやっておりますし、先日も平成四年には五百七十万台を達成したいという意気込みであるようでございまして、NHKの存在はますます重要かつ大きくなろうとしております。  そこで、これから次々に通信・放送衛星も打ち上げられるでございましょうが、こういった多チャンネル時代のNHKと民放との共存、お互いの役割分担を郵政省としてはどのように考えておられるのか、まずお伺いをいたします。
  271. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) 我が国の放送は、先生御存じのようにNHKが公共放送として受信料収入を基底財源として成り立っているわけでございますし、民間放送は広告料の収入を財源とする、そういうような体制で経営が行われているわけでございます。今後とも、このNHKと民間放送の併存体制というものは維持していくことがいいのではないか、このように考えておるわけでございます。  NHKは、放送法によりまして公共放送としての放送の全国普及、豊かで、よい放送番組を通じた我が国の文化水準向上への寄与、放送番組や放送技術面はおける先導的な役割、それから国際放送の実施というような点を基本的な使命としているわけであります。一方、民間放送は自由な私企業として公共放送との併存体制のもとで言論、報道の多元性の確保、それから地域社会への貢献、さらには適正な競争を通じた放送番組の向上と多様化、そして財源を広告に求めながら広告媒体の機能を十分に発揮するというような役割を果たしているものと考えております。  したがいまして、このような存立基盤、役割を異にする両者が互いにその特徴を発揮しつつ競合し、そして併存するということによりまして今後とも放送の有するすぐれた効用を生み出していくものと期待をしているわけでございます。
  272. 沢田一精

    ○沢田一精君 私が特に心配いたしますことは、民間放送、殊に地方に次々に新しく設立されつつあります民間の放送会社についてでございます。  人口五十万余りの熊本市におきましても、御承知のように四局が開局をいたしました。激しいシェアの奪い合い、競争を展開いたしております。先日もそれらの会社の幹部と意見の交換をする機会があったんですけれども、現在は何とかやっていますけれども五、六年先についてはもう全くお先真っ暗でどうなるかわかりませんという不安をひとしく持っておるようでございます。地上局がコマーシャル、広告料で成り立っておりますが、それだけで果たしていつまで生き延びられるか。天から降ってくるいろんなチャンネルがあるわけでございますし、ハイビジョンの時代に変わってまいります。そうなった場合に、今は何とか努力をしてやっておるけれども、五、六年先は見通しはございませんと、郵政御当局やNHKさんにそういった不安を申し上げると、今相当もうかっているからしっかり顕張れといって取り合ってくれませんと、そういう話が出ておりました。  限られたパイをお互いに分けるということならわかりますけれども、そのパイ自体が日進月歩で進展していきます放送業界の移り変わりの中でだんだん縮小してやがてはなくなってしまうんではないかという不安だろうと思いますが、その辺はどうお考えですか。
  273. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) 地上の民放に対しましては、昭和六十一年に郵政省といたしましても情報格差をなくすという大きな目標から全国のテレビジョンの、民放でございますが、四局化を行おう、こういうことで大きな目標を立てたわけでございます。それに向けまして現在着々と準備を進めているわけでございます。それから全国的にFM放送に関しましては各県に少なくとも一波は割り当てようというような目標を立てております。それに向かっても計画を進めているわけでございます。これらは財政的な面というのも十分に考慮いたしまして徐々に地域に割り当てを行っているわけでございます。いわゆる段階的に割り当てを行っているというのが実情でございます。したがいまして、熊本県におきましては現在既に四局化が済んだということなのでございます。  そういう中で、新しい放送が続々と今度は行われるということの御心配でございますが、私どもは、衛星放送やハイビジョンが高度に普及する本格的な衛星放送時代においても、今までの地上放送というものは特別なアンテナも必要といたしませんし、受信が簡便でございますし、地域社会ニーズに対応できるというようなことから、我が国の基幹放送メディアとして発展するものと期待しているわけでございます。  一方、衛星放送は一波で全国的なカバーができます。非常にそういう点では有利ではございますが、アンテナやいろいろなチューナーというようなものも必要でございますし、かつまた、ハイビジョンの放送となりますと大変な技術革新も必要でございます。その上に立って今着々と研究開発を進められ実用化に向けて一歩一歩進んでいるわけでございますけれども、そういうふうないわゆる衛星放送というものは、全国に一遍にカバーできるという面はございますけれども、やはりコスト面からいきますとまだまだ大変でございますので、普及のテンポと申しますのは遅いのではないかと思われるわけでございます。またさらに、通信衛星を利用しました放送サービスというものも導入するということでの検討が進められているわけでございますが、これは専門的な放送というものに特化していくんではないかと思われます。  いずれにいたしましても、郵政省といたしましては、来るべき本格的な衛星放送時代に向けて、例えばBS3では衛星放送を行います民放には有料放送というものを義務づけているわけでございます。そういうようなことをいたしまして、地上放送とそれから衛星放送がそれぞれの特徴を生かしながら調和ある発展が可能となるように適切に指導をしてまいりたい、措置をしてまいりたい、このように考えております。
  274. 沢田一精

    ○沢田一精君 今、将来民放が衛星放送を始める場合は有料放送にしたいという方針であるということを聞きましたが、最後に一つだけお答えをいただきたいと思います。  衛星放送からは一切コマーシャルは流させないという方針があるやに伺っておりますけれども、それが事実であるのかどうか、その点だけお答えをいただきたいと思います。  私はこれでお尋ねをやめますが、今申し上げますように、まだ今日現在も全国至るところの都市で次々に民間放送の会社が新しく設立をされようとしておりますが、既にありますところでさえ非常に不安を持っておるということもひとつ十分念頭に置いていただきまして、将来急激な変化をする放送事業の中での対応誤りなきをひとつ郵政御当局として特に慎重にお考えをいただきたい。どうも率直な言いにくいことを申し上げますと、郵政省さんはNHKだけの味方であるというような声も聞いております。また一つは、民放も、キー局はこれはもう大変な勢いであるけれども、それからもらっておる地方の各会社は搾られるだけだというふうなぼやきも聞くわけでございまして、その辺も十分念頭に置いて御指導をいただきたい。大変大事な事業分野でございますから、特にお願いをしておきたいと思います。  衛星放送からのコマーシャルの点だけはお答えをいただきます。
  275. 大瀧泰郎

    政府委員(大瀧泰郎君) 現在のところ検討しておりますわけでございますけれども、一週間の放送時間の中で原則として有料放送は五〇%以上であることというようなことでの義務づけをいたしております。したがいまして、今後、BS3の段階での結果等も十分に勘案いたしながら有料放送の問題は解決していかなければならない、このように考えております。
  276. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十二分散会