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神谷信之助君 これは何回か国会でも取り上げられた沢内村の経験から言っても、予防
管理といいますか、こっちの方をうんと強化すれば、医療費をもっと抑えられる。現実的にも抑えられると、こういうふうになっている。そういう結果が出ていますから、この辺は今おっしゃったような方向でやってもらうというのは結構だと思うのですよ。ただ、厚生省がやっているように、何か逆に医療費抑制のためのいろんなやり方をやられると、現場はもう大変混乱しますから、この点だけは申し上げておきたいと思います。
最後に、これはちょっと大臣に、冒頭にお聞きしようと思いましたが最後になりましたが、十二月の十一日付、きのう付で事務次官の方から、地方公務員の年末年始における綱紀の粛正についてという
通達を出されました。これは、依然として地方公務員の不祥
事件の発生が後を絶っておらず、
国民の批判を招いていることはまことに遺憾であるというそういう
認識のもとに出されたわけで、例年出されてもおるんですけれ
ども、お出しになったんですよね。
それに関連してひとつ
お尋ねしたいと思うのですが、実は昨日、京都の市議会での決算
委員会ですが、ここで接待行政に対する公金の支出の問題が議論になったわけです。これは我が党の議員の方が決算で審査をして、その中身もようけありますから、氷山の一角ではあるけれ
ども見つかった二、三の例があるんですが、ここでは二つ、そこへ出ている例を申し上げます。一つは昨年の夏に、ビール券三十九組、これを厚生省、通産省、自治省、建設省、文部省、これらに二回に分けて配っていたという問題が明らかになっております。それで、これに対して市当局は、ビールを持っていくかわりに券を渡しただけや、
社会常識の範囲だと、こういう
答弁をしているんですね。
社会常識として認められる範囲ということで許されたら、先ほどの同僚議員の質問じゃないけれ
ども、それこそますます陳情合戦、それから接待競争というか土産物競争になっておるでしょう。こういうことになっていくわけです。
もう一つの例は、同じこれは昨年の夏ですが、厚生省の
社会福祉施設監査、これに監査官二人が京都に来たわけです。その二人の人を京都市が二度にわたって祇園などの料理屋で接待をした。市の方は、これは国側の考え方などを知るためにやったもので、監査に手心を加えてもらうつもりはなかった、助役はこういった
答弁をしているんですよね。この二人の監査官の滞在
期間中の昼食代を含めて、接待費総額は全部で二十万九千円に上っているんです。考えてみたら、この二人の監査官には当然厚生省の方から出張費は出ておるわけですから、だからわざわざ全部、昼飯も、晩飯まで食わせなきゃならぬということはないわけです。しかも助役が言うように、国の考え方を知りたいために接待せんならぬというのは、そういう必要もなかろうというように思うんです。
そこで大臣、聞きたいのは、これは恐らく
全国の市町村でも、府県、市町村、自治体と国との
関係でこういうことは今までも何遍も出ていますし、それから最高裁の判決でも、常識の範囲だというようなことで許されるかのような判決もありますからね、まあいいやということになっているわけでしょう。しかし、
社会常識あるいは
社会通念上のことであれば、税金ですから、税金分で国の役人と地方の役人が一緒に飯を食い懇談をする、
社会通念上それが許されるならどんどんおやりなさい、結構ですという代物ではなかろうと、こう思うんですよね。
それで逆に、例えば手土産をもらったり持っていったりするのはやっぱり国と地方自治体との
関係をうまく進めていく、仕事をしやすいようにする潤滑油の役目だから認めないわけにもいかぬけれ
ども、しようがないんじゃないですかという考え方もあるんだけれ
ども。しかし、これはそうやって皆それを持っていったとすれば、それで行政のやり方が変わるのか、補助事業の採択をしてもらえるのか、もしそんなことになったらこれは重大問題です。汚職ですよね。だから、これはもうおかしいんじゃないだろうか。
社会通念上許される範囲ならいいんだということでやっていますと、日常的にそれが通っていくと感覚が麻陣していくわけです。それが綱紀を乱すもとになる、汚職を生む土壌をつくってしまうというように思うんでね。
国と地方自治体の
関係、これどちらも税金で仕事をしているんですからね。だから、この点ではこういう公費の接待をやめる、あるいはとりわけそういう贈り物についても国の機関の方も、どこももろうとるんやからしようがない、いいでしょうというように簡単にやるんじゃなしに、とりわけ自治省あたりで、相手は自治体ですから、自治省はもうそういうものは一切受け取りませんよと、そういう態度を明らかにしてそういう
指導をやっていただくのがいいのではないか。国政の方は今裁判が始まりましたリクルートの問題もあればパチンコに至るまでいろいろあるわけでしょう、政治家の方は。
そういう意味では、国と自治体の
関係でも、公的機関同士ですから、税金を預かってそれで仕事をしている機関ですから。そういうことでは
社会通念上許されるとかどうとかいうようなことで甘い顔をするんじゃなしに、そういうことはもうやめようじゃないか、そういう御
指導をなさったらいかがかというように思うんですが、大臣の所見を伺います。