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政府委員(土田正顕君) 第一の
お尋ねは、この
カードの
発行、
金額の
限度が定められていないという
お尋ねであったかと存じます。これにつきましては既に
テレホンカード以来いろいろな
発行の実績があるわけでございますが、この
証票により給付を受けることができる
物品や役務の
種類は多様でございます。それから
プリペイドカードのみならず、この
法律で一体として
規制することにしております
商品券の場合もあわせて考えますと、非常に少額のものから十万円を超えるような高額のものまでさまざまなものが現に出ておりまして、一律に
法律で最高券面額の制限を設けることは適当でないと考えられますので、そのような
規定を、特にこの
商品券取締法でも置いておりませんのと同様に、この法案でも置いておりません。
しかしながら、この法案では、
証票金額等の
種類についての報告を徴求することにしておりますので、高額の
カードを
発行する
業者は当局としてその事実を把握できる。したがって、特に問題があれば
関係省庁と協議の上、適切な措置を検討することができるという体制まではつくったわけでございます。
それから第二に、総枠の問題でございますが、これは現にこれまで
発行されております実績を見ましても数千億円に及ぶような
プリペイドカードが
発行されていることもあるわけでございますので、特にこれも
法律で一律に最高枠を設けるということは適当ではないと思っておるわけでございます。
ただし、その場合に、この
前払式証票につきましては、その
発行に当たってあらかじめその代金が前払いをされておることが必要でございますので、大量に
発行されるためには大量のいわば現金が前払いされるということが裏づけとしてあるわけでございます。したがいまして、その点はその
カードに対する社会の
ニーズ、
消費者の
ニーズというものがよほど出てこなければ、高額なものを大量に
発行する、ないしはその
発行の総枠を非常に大きなところまで持ち上げるということはどたいできないことでございます。そのような
ニーズが発生するかどうかはやはりこれはその
カードが提供しようとしております
サービスなり、それから
物品の供給なりの
内容が
魅力的であるかどうか、それから多数の加盟店を組織できるまでに大きないわば
一般的な
魅力ある組織になっておるかどうか等、さまざまの
状況によるところでございまして、一概にそのような
ニーズをとらえて大量に
発行したものが危険であるとか問題があるというふうになるとは考えておりません。
それからその次に、この
業務、財産の
状況でございますが、これにつきましては自家型
発行なんかの場合が特に典型でございますけれ
ども、この
プリペイドカードなり
商品券を
発行いたします者は必ずしも有名な大企業であるばかりではなく、中小企業、中小商店ないしは自家型の場合には個人企業であっても
発行することは可能でございます。したがいまして、そのような者の
業務の
状況などを公示するということは必ずしもこの
法律で一律に義務づけるのにはなじまないという問題がございます。それで、むしろ
消費者保護のためにより実効ある措置として私
どもこの
法律案で想定しておりますのは、
一般の方々が個別にこの
内容、財務諸表などを見るというのも確かに
一つの
方法ではございますが、その
内容を見ることができるような方々は、これは多少
証券投資やなんかの場合と違いましてごく限られてくるであろうというようなことも考えまして、この
法律によりまして届け出、登録というようなニューエントリーをチェックし、それから報告を求めることができることとし、それから
第三者発行型の場合には特に厳重に立入検査とか
業務改善命令を出すことができるというようないろいろな
仕組みを設け、加えて未
使用残高の二分の一の
供託を義務づけるということによりまして、実際的にはかなり手厚い
消費者の
保護を図っておるものと考えたわけでございます。