○
委員以外の
議員(峯山
昭範君)
小野議員、私はきょうは先ほどからずっと聞いておりまして、
小野議員にそんなまともから反対するつもりは全然ありません。ありませんが、ちょっとだけ食い違っておるわけです。
そのちょっとが大事でございまして、実は私
どもは結党以来この福祉の問題に取り組んでまいりました。そして福祉の問題が今、国会の議場で政治の柱としてこういうふうに議論をされているということは大変大事なことだと思います。私
どもが結党当時、三十年代の初めあるいは四十年代の初めに福祉を取り上げましたら、福祉なんて政治じゃないと笑われました。そういう時代があったんです。これは事実です。そういうような時代がありまして現在のこういう時代になっているわけです。
私
どもも決して高齢化社会が遠い先だとは思っていないんです。厚生省あるいは
大蔵省がおっしゃっておりますように、今
小野議員もおっしゃいましたように、高齢化社会のピークがこうこうこういう時代になると厚生省や
大蔵省がおっしゃっております、こう言うておるわけです。しかも、現在既に高齢化社会が来ておるのもこれは事実であります。したがいまして、先ほど介護の問題がございましたけれ
ども、寝たきり老人の問題にいたしましても、現在六十万人ですか、それが平成十二年には百万人になるんじゃないか、こういうお話もあるわけです。確かにそのとおりです。
そこで、それじゃ国の方の福祉政策というのはどうなっているのかと私
どもが一番心配しておるわけです。例えば私
どもは「福祉トータルプラン」というのを昭和五十一年に
発表させていただきまして、去年は「二十一世紀トータルプラン」というのを
発表させていただきました、読んでいただいたと思いますけれ
ども。そのときに私
どもが一番心配しておりますことは、国の福祉政策というのは一体どういうふうな方向に行くのか、これが一番大事な問題で、それがはっきりしないと予算をきちっとすることも税をきちっとすることもできないわけです。これはもう
委員も御存じのとおり、北欧型の福祉にするのかアメリカ型にするのか、私
どもははっきりしないわけです。その点を申し上げましたらこの間も、
委員も聞いておられましたように、
大蔵大臣は
日本型という福祉があってもいいじゃないか、こうおっしゃいました。ということは、
日本の国自体がまだどちらへ行くかということをはっきりしていないという事実であります。
この間、昨年の話でありますが、OECDの福祉担当大臣の会議がOECDでありまして、実はそのときの藤本厚生大臣の演説の中身を私もずっと読ませていただきましたけれ
ども、あの中身は結局自立自助ということを中心にいたしまして福祉のこれからの行方というのをだあっと述べておられます。あれをずっと検討してみますと、あの藤本厚生大臣の演説を聞かれて一番賛成したのはアメリカとイギリスです。両方の大臣は物すごく拍手をして、後の談話でも、よく話をしてくれた、こういう話があります。ところが、北欧三国の大臣は藤本大臣の話はおかしい、こう言っておるわけです。ということは、
日本は藤本大臣は自立自助の方向へ行こうということを言ったわけですけれ
ども、いやそういうわけでは困るんだという国のいろんなあれもありまして、はっきりしないわけですね。ですから、そういうような
意味では、私
どもははっきりそこら辺の方向を見定めていくべきじゃないのか。
去年も実は厚生省と
大蔵省から出していただきましたあの見積もり、現在の制度を二十一世紀までずっと引き延ばしていきますとこういうふうになるというあの
数字の姿を見せていただきました。私
どもも検討させていただきましたが、このままで本当にいいんだろうかということがあるわけです。そういうようなことを考えてみまして、さて
消費税とのかかわりになるわけでございますけれ
ども、先ほどからいろいろ話を聞いておりまして、
女性の
立場からのいろんなお話、私もおじいさんを、ぼけ老人というんですか、それで亡くしましたものですから、その介護の手当てというのがどんなに大変かということは
自分でもよく認識をしているつもりであります。そういうような
意味では、私
どもは昨年の
消費税の国会のときにも自民党の
皆さんやいろんな
方々にも我々の日ごろの
要求を申し上げましたが、ことしを介護元年にしようということでそういうような手当ての問題についても随分国会の中でも取り上げていただいたわけであります。
しかしながら、ここで一番考えていただきたいのは、ちょっと食い違っているというそこは何かというと、私
どもも
小野さんと同じようにこれからの高齢化社会を一日も早くちゃんとしたいわけです。そのためには、やはり
国民の信頼と合意というのがどうしても必要だ。税にはそれが必要です。そういうような
意味で、私
どもは、福祉のこのことをちゃんとするためにも、要するに今
消費税を見直しとかおっしゃっていますが、このままずっと行った場合に税に対する不信がどうしても残ってしまう。しかも、現在の姿のままの
消費税が二十一世紀に役に立たないことは
議員も御存じだと私は思います。そういうふうな
意味では、新しい時代の税というのはやはりもう一回みんなで見直した方がいいんじゃないか、そして今の
消費税をやり直した方がいいじゃないか、白紙に戻してやり直した方がいいじゃないかというのが私
どもの考え方でございまして、そこのところが
小野議員とちょっとだけ違うところでございまして、あとはほぼ
小野議員の御
意見にそんなに私
ども目くじら立てて反対するようなところはない、こう考えております。