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沓掛哲男君 もう時間がないので簡潔に言います。
その三・五%というのは
一般歳出だけの話でしょう。
一般会計の方は六・六%ですよ。あなた方は全然
予算書を見ることも知らないんじゃないですか。(発言する者あり)聞きなさい。
一般会計があって、いわゆる
国債費を出し
地方交付税を払う、その
残りが
一般歳出です。これは三・三ですよ。しかし、この国全体の
一般会計は六・六%になっているんですよ。まず、ちゃんと
義務的経費、
国債、
借金したものは払わにゃいかぬのは
当たり前でしょう。
地方交付税は
法律で決められているでしょう。それを出した
残りを
一般歳出と言っているんですよ。それの話をしとっちゃだめですよ。
一般会計が
幾ら入るかということなんです。
それから、
宮澤大蔵大臣の言われた二兆六千億もあなた方は全然正しく理解していないんですよ。これを
宮澤さんが言われたのは去年の八月でしょう。去年の四月に
税収見積もりをやりました。そして、もう既に四月、五月、六月、七月と
税収も入ってきました。そして、見積もったよりも相当余計入ってくるので、一年の半分近くいけば
税収見積もりが
幾らになるかは、だれだってふえてきたということはわかるので、それをもとにしてやったんですよ。今
皆さん方、
宮澤さんが去年の八月の話をおととしやったとすればそれは間違いですが、それはもう去年の八月に
見積もり誤差のものをちゃんとやったので、
制度的にぴしっと合っているんですよ。
そこで、
皆さん方に申し上げたいんだけれ
ども、要するにいろいろ
審議してきたこの
法案には既に十数カ所の
ミスがありました。また、今回のこの
代替財源見積もりも、不足するのは当初一兆三千億と言っていた、それが一兆四千億になった、そしてまた一兆七千億になった、そしてまた今度は三兆円となる。こういう
欠陥だらけのものを出されて、
皆さんまだそういうものを
審議されようと思っているんですか。もうここで
皆さん潔くきちっと、全部これは
提案をやめたと言うべきじゃないですか。
それからもう
一つ、時間がないので、それで
皆さん方はこの
代替財源を示すのはいわゆる
政権担当能力があることを示す、
政策責任を示すということを言われましたけれ
ども、こんなに
ミスの連続で、あなた方はそれでも
政権担当能力や、あるいはそういうものがあると思われておりますか。それから、それに対して
久保議員は、本来ならば我々はそういうものを示す
義務はない、いわゆる憲法上
予算権は
内閣にあるから示す必要はない、ただ
政権担当能力を示したいだけだと言いましたけれ
ども、その前半もいただけません。
まず、
法律は最低限の道徳である。よく覚えてください、
皆さんも若いとき勉強された人は覚えていると思うけれ
ども、
法律は最低限の道徳なんです。この世の中の秩序、またここで議論されることは最高の道徳と倫理観を持ってやるべきことなんです。しかし、まあ私は最高の道徳、倫理観とまでは申しませんが、常識で議論していただかなきゃいけない。いわゆる
子供だって権利を行使すれば
義務があることはもう当然なんですね。今、道徳もいわゆる倫理観もどうにもならない状態になったときに初めて
法律が出てくることであって、やはりここではそういう最高の道徳、いわゆる倫理観で議論するのが理想だけれ
ども、そうでなければ、せめて世の中の常識が通用するようなことで議論をしていただきたいと思います。
またそれから
一つ申し上げたいのは、予測が違うとかいろいろ言いましたけれ
ども、今我が国で、世界じゅうでもそうなんですが、いわゆる
景気予測と天気予報の予測は外れても責任が問われないことになっているんですよ。結局今まで、じゃ
景気予測がどれぐらい違ったかどうか私も研究してみましたら、
昭和六十二年、六十三年、二十数機関でいろいろ検討したけれ
ども、全部外れていましたね。六十二年、六十三年、みんな大幅に外れていました。ちょっと
数字だけでも申しますと、例えば実質
経済成長は五・二%でありましたが、見積もった二十数社の中で一番高いのが三・五、低いのが一・六でございました。六十三
年度は、実質が五・一で、一番高く見積もった人が四・四から三・一。五十六
年度では逆で、実質は三・三%でしたが、いわゆる最大のものは五・七、最小も四というふうにみんな高く見積もっていました。こういうふうになかなか予測というのは
当たり外れがあるものですから、一年だけで見てそういうものを言うべきでありません。
久保議員は五年と申しましたけれ
ども、
昭和六十一年十一月からこの好況がスタートして、ずっと今に続いているからなんです。
景気はやはり必ず波を打つものですから、また波が大きく来る、山高ければ谷深しという、そういうふうに波が来るんですよ。そういうことで、やはり十年ぐらいできちっと見なきゃ、だれも助けてくれる人はいないんですから、日本の
財政は日本人がやらにゃいかぬのですから、やはり十年ぐらいでゆっくり見ていただきたい。
景気にいろんな要因がありますから、それだけ申します。日本の現在の
景気に非常に影響をこれから及ぼす要因としては、原油価格の
見通しの問題、円レートの
見通し、物価の
見通し、金利の
見通し、米国
経済の
見通し、労働需給の
見通しなどなど、もう非常に不安要因が多いんですよ。だから、やっぱり
経済のことをみんなでしっかり力を合わせてやっていかないと日本はやっていけないし、この間勝木さんが言われたように、税の目的の中に、
国民みんなが生き生きとして活動できるような
税制でなけりやならぬと言っておられるのが、まさにそのとおりですよ。そういうことで一緒に頑張っていかにゃいけないけれ
ども、ともかくこの
皆さんの出されたものは余りにもひど過ぎるということを申し上げて、私の
質問を終わります。
答弁は要りません。(「答弁させろ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)答弁は要らない、答弁は求めない。(発言する者多し)