○沓脱タケ子君 私、大阪空港をちょっと
調査をしてみていろいろ思うところがあるんですが、大阪空港だけでも一番新しいのは一年間に九十四件もの違反が出ているわけですよ。その中身などを拝見すると、ぞっとします。食卓に出るもの一つずつ皆大丈夫かなと思って見なきゃならないというのが率直に言うて今日の
状況ですね。
そのことを申し上げる時間がありませんので申し上げませんけれ
ども、私はやっぱり
厚生省が輸出国のそれをつくっているやり方の
状況、あるいはその土壌の
状況、あるいはさっき
局長言われたそこでの衛生の水準の問題とか添加物の問題、これはあらゆる問題で今心配になっているところは全部やはり把握するということが何よりも大事だし、それを
国民に公開する、これが一番大事だと思います。
例えば、食品の
表示の問題も大問題なんですが、これはまあ
厚生省の直接の仕事でもなさそうなので、きょうは時間がないから他の省庁をお呼びしませんでしたけれ
ども、消費者の安全を確保するという点では
表示というのは非常に大事ですね。
この間も問題になっておりましたけれ
ども、長野県で山菜の漬物買うて帰って楽しんでいたら、それはあに図らんや中国から輸入されていたというようなことが、これ大分一般化していますね。うかうか田舎へ行って、これは間違いないやろう
と思って山菜の漬物買うたって、どこのかわからぬ。それは、それをつくった原産国を書いてないんです。加工したところが長野県だから長野県産と、こうなっているわけです。その辺は
国民は何となくごまかされているという感じがしますからね。これは直接
厚生省の責任ではないと思いますが、しかし考えてもらわぬといかぬという側面がある。
私の時間が余りないようですので、あと具体的なことを要請しておきたいと思いますのは、おっしゃったように
施設、人員の増強というのが一番大事だと思います。
私も大阪空港へ行ってつぶさにいろいろと
状況も見せていただき、
お話も聞きましたが、六十三年末現在で今二十一カ所になったらしいですね、空港とか港に食品衛生監視員を置いているところは。総計で七十九人になったんですね、今食品衛生監視員が。七十八人だったんだけれ
ども、二十一カ所、七十九人になったときのうちょっと聞きました。それが大阪空港でいうと現在七名です。物すごく七名の方は苦労しておられますよ。実際に検査をしているところも拝見をいたしました。
大阪空港なんというのは生鮮食料品がどかどか入ってくるところですが、大部分がやっぱり感応検査ですね、主なものは。感応検査というのは何や思ったら、においやらさわって腐ってないか、腐ったにおいがしてないかという、この人間の五感で判断できる感応検査が中心になっている。よほどこれは資格を持った方で経験の深い方だからそれがやりこなせていると思いますけれ
ども、あれだけの大量で複雑な、薬品あり農薬あり、あるいは抗生物質ありホルモンありというふうな
状況の中では、科学的な検査
機能を強化するということが非常に重要だなということを改めて痛感をしています。
その点は強化しますと。確かに強化をぼつぼつしておられる。私、監視員の数を聞いてちょっと驚いたんですよ。
国民全体の食事の半分を賄っている水際というのは港と空港ですね。そこが二十一カ所で合わせて七十九名だというんだけれ
ども、
日本国内のいわゆる食品衛生監視員というのは約六千名内外おりますね。本当は、半分も輸入しているということになったら同数が
配置されてもおかしくないんだと、素人でもちょっと考えたらそう思うんです。しかし、その中で七十八人や九人というのはいかにも少ない、せめて百人や二百人に早くしなければということを痛切に感じました。
だって、七人の人が朝飛行機が着陸するという時間からもう着陸しないという時間になるまで全部一貫してやっていなきゃいかぬわけでしょう。だから、休暇をとるんだって四十日とかのサイクルをつくってないと休みもとれないんだという御苦労をしておられます。ですから、少ない人数で大変な苦労をしているんだから、この辺はせめて安心できるだけの人数を、こんなところは幾ら行革やなんや言うたってふやさないかぬのではないかと思いますし、科学的な検査
機能も、これは今日の科学水準ですからそういう機械をきちんと据えてあげればもっと成果は上がるんではないかと思うので、抜本的に強化するべきだと思うんです。
最後に、
大臣にお伺いをいたしたいと思いますのは、まあ考えてみましたら、農水省が農産物自由化と、
政府の方針でどかどか輸入しているわけですよ。輸入はするけれ
ども、そこの品物はどういうことになっているんやいうことを、農水省もポストハーベストは全くわからぬと言うんですからね。そういう
状況になっておる。それから農薬に至っては基準だって
日本と諸外国、アメリカとでも比べたら向こうの方がずっと緩いとか、あるいはこっちではもう
規制の対象にもならぬ、禁止だというものが使われているという、そういう
状況になっているんですね。それをお構いなしに農水省はどかどか輸入をしてくる。しかも円高でますますそういうことになり、そしてまた一方では
国民のグルメ志向などということもありまして急速にふえていると思いますが、いわばその安全性チェックというのは、
厚生省が後始末をやっているようなものなんですね。
政府の基本政策でどんどん入ってくる、これは危ないということに気がついたんで、それっということになって今水際を走っているというところなんですよね。だから、そういう国の基本施策に該当する、あるいはそれに対応するような重大な問題を
国民の安全のためにやるという場合には、これは人も予算もそれに見合ったように御
要望なさって、これは内閣として当然認めてもらって当たり前ではないかと思うんですね。
そういう点で、
大臣が御苦労なさっておられるのはよくよく
承知しておりますけれ
ども、そういった国の施策とのかかわりから考えましても、ひとつ十分に強化していただけるように抜本的な対策にぜひ力を振るっていただきたいと心から御
要望申し上げて終わりたいと思いますが、
大臣の御決意のほどを伺っておきたい。