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参考人(
吉冨勝君) お
手元にレジュメとして「
SIIと
日本市場の
特異性」というのを、それと
英語で書かれてありますけれ
ども、
幾つかの表をお配りしてありますので、それを
参考にしながらお話し申し上げたいと思います。
まず第一に、
SIIの
経済学的根拠という点についてであります。
通常の
経済学では
対外不
均衡、つまり
貿易収支の
黒字とか
赤字、あるいは
経常収支の
赤字とか
黒字というのは、必ずその裏側で、
国内の
貯蓄と
投資の間が見合ったものであるというふうに
考えています。つまり、
アメリカのように
貿易の
赤字が多い国というのは、
国内の
貯蓄が
国内の
投資に比べて不足していることのあらわれであるというのが
経済学の基本的な認識であります。
黒字の場合には同様に、
日本の場合ですけれ
ども、
日本の
貯蓄が
国内の
投資に比べて多い場合に
黒字となってあらわれているということであります。その
貯蓄の中には、当然
政府の
貯蓄、
家計の
貯蓄、
民間企業の
貯蓄という
三つの
経済部門の
貯蓄を含んでおり、それから
投資の場合にも
政府による
投資、つまり
公共投資、それから
家計による
投資、つまり
住宅投資、それから
企業による
投資、つまり
設備投資というものを含んでおります。こういった総合的な
国内の
貯蓄と
国内の
投資の
関係が必ず
貿易の
収支になってあらわれてくるし、それのまた
反対は
反対であるということであります。
したがって、そのように
考えますと、この
SII、つまり構造問題についての対話というのは、そういった
貿易収支を動かす
貯蓄や
投資に
影響を及ぼすのかという根本的な疑問が出てまいります。そして
結論は、
余り影響は及ぼさないということであります。この点は、USTRの
代表の
カーラ・ヒルズ女史そのものが、今日の
対外不
均衡の八割はマクロ
経済的な
現象であると。そのときのマクロ
経済的な
現象という
意味は、
アメリカにおいては
貯蓄が少な過ぎること、
日本においては
投資が不足していることにあるということを指しているわけです。となると、この
SIIというのは、残りの二割について
対外不
均衡を是正する
方向で働けばという希望のもとに行われているということになります。
となりますと、
SIIというのは、
対外不
均衡の
是正そのものが主たる
目的ではなくて、主たる
目的というのは別のところにある。その別のところにあるとは何かというと、
資源配分をよくすることと、その結果として
両国のそれぞれの国民の
生活水準を向上させることであります。
資源配分をよくすることはどういうことかといいますと、ある
産業が
国際競争力に負けている場合には、それにその国の発展の事情からかんがみて当然である場合には、その
衰退産業を無理やりに保護するのではなくて、新しく伸びつつある
産業の方へその
衰退産業から
労働や資本の
資源を移動させるということが望ましい。そういうのを
資源配分を効率的にすると申し上げますけれ
ども、それがまさに
SIIの
一つの
目的であります。
それからまた、
輸入自由化ということが可能であるならば、それを通して安い
外国の
製品が、あるいは農産物が入ってくるということは
生活水準を向上させるということで、
SIIというのがこういう
保護貿易主義をなくしていく
方向に働くとすれば、これは
生活水準の向上につながるということです。したがって、ここから非常に大きなこ
とが言えるわけで、
通常貿易の
黒字を持っている国は、この
保護主義が強い国であり、
貿易赤字を出している国は
自由貿易の国であるというふうな
考えがありますけれ
ども、この
保護主義の
水準というのは
貿易上の
黒字、
赤字には全く
関係ないということが非常に重要な
結論であります。
貿易の
赤字、
黒字というのは
保護主義に
関係はなく、何に
関係があるかというと、先ほどから申し上げた
国内における
貯蓄と
国内における
投資との
関係で決まるということであります。
一つの例を挙げますと、
西ドイツという国は、あらゆる国から見て非常に
自由貿易の国というふうに認められておりますけれ
ども、今世界で最大の
黒字を出しているのは
西ドイツであり、この
西ドイツの
黒字を見て、
西ドイツは最も
保護主義的な国であるということを言う人が一人もいないということからもわかりますように、
対外不
均衡と
保護主義の高い低い、強い弱いとの
関係はないというのが
経済学における根本的な
理解であります。この点が多くのジャーナリズムの論評などでは間違って
考えられている点であります。
次に、
対外不
均衡は一体今どのような局面に立っているのかということ、この
対外不
均衡を前提にして
SIIが行われているので、これを
展望しておく必要があります。
まず、IIの(1)の一九八〇年代前半の不
均衡拡大の原因というのは、一体
経済学の
分野ではどのように
理解されているかということを紹介いたします。そのためにお配りしました表の①というのを見ていただきたいと思います。この①の一番下の欄にトータルとありまして、括弧の中にビリオンズ・オブ・ダラーズというのがあります。一番上の方にエクスポートとインポートがありますが、これはすべて
アメリカ側から見たところの
製品についての
輸出、
輸入であります。一九八一年と一九八六年について、一番下にありますトータルの
輸出を見ていただきますと、この五年の間に
輸出はほとんどふえていないということがよくわかります。つまり一千六百六十八億ドルから一千六百九十八億ドルというわけですから、この五年間事実上横ばいであった。ところが
輸入につきましては、この同じ期間に一千五百六十四億ドルから三千八十九億ドルへとざっと二倍になっている、こういうことが実は一九八〇年代の前半に起こったわけです。その結果として
赤字が全体千四百九十六億ドル、ざっと千五百億ドルふえたわけですけれ
ども、一九八一年というのは、
アメリカの
貿易収支がほとんど
均衡していた年でありますから、この数年の間に大変大きなことが起きたということをこの表は示しております。
じゃ一体、どういう地域に対して
アメリカの
貿易収支が悪化したのか。先ほどのように
輸出はほとんど変わらず
輸入は倍増いたしましたので、
輸入が一体どういうところでふえたのかというのを見たのが、この
輸入の欄における各地域の八一年と八六年の数字を比較していただければわかります。これは
輸入全体を一〇〇としたときの各地域における割合であります。リージョンを見てみますと、地域を見てみますと、カナダの
輸入ウエートは八一年から八六年にかけて少し下がっておりますけれ
ども、
日本からの
輸入ウエートは若干上昇、ヨーロッパからの
輸入ウエートはほとんど変わらず、それからLDCからの
輸入は若干の上昇、アジアNICSからは二ポイント弱ほど上昇というわけで、八六年における
アメリカの各地域からの
輸入の割合というのは、八一年と余り大きく変わっていない。ということは、この五年の間に
アメリカはあらゆる地域から一様に
輸入を増大させたということです。一体どういう商品について
輸入を増大させたかというのを見たのがこの上でありまして、それは
三つの分類、資本財、自動車
関係、消費財に分けてありますけれ
ども、これも八一年と八六年のプロポーションが大きく変わっていないところを見ますと、資本財、自動車
関係、消費財の
三つについてほぼ一様に
アメリカは
輸入をふやした。
こういった
アメリカの
貿易赤字の拡大、千五百億ドル近くの拡大が
特定の、
アメリカの
貿易相手国の
特定の国の
貿易障壁が高まったことにあるという論評は世界のどこにもないわけでありまして、
アメリカがこのように
輸入をふやしたのは、その当時発生した
アメリカの大きな財政
赤字、ドル高、それからその裏側では、
日本における財政再建、
西ドイツにおける財政再建といったようなことが主たる原因であったというのが
経済学界のほぼ統一された見解であります。別の言葉で言いますと、まさにここに示されているように、この
貿易不
均衡の拡大は、大きな国における
貯蓄と
投資のバランスが崩れたことから来ている。
アメリカの場合には財政
赤字が大きくなり、
民間貯蓄が減少することによって、
貯蓄が不足してきたことがこのような
現象となってあらわれ、また
日本とドイツの場合にはその
反対のことが発生したということを
意味するわけです。
しかし、問題は、その後こういった事情を前にしまして、一九八五年の九月にプラザ
合意が行われ、その後の
均衡過程はどのように進んでいるかと、非常に重要な点であります。多くの論評は、あたかもこのようにして膨らんだ
対外不
均衡は、八五年から今日にかけてもほとんど改善していないという認識に立っておりますけれ
ども、それはとんでもない間違いであります。ここには数字がありませんけれ
ども、まず
アメリカの
貿易収支は、一九八七年が一千六百億ドルという最も悪い大きな
赤字を出した年であります。ことしは、OECDの予測によっても、あるいはほかの予測によりましても一千百億ドルに落ちます。したがって、この膨大な
赤字のざっと三分の一が二年間で縮小するというわけですから、
アメリカの
貿易赤字は大変に改善しつつあるということは非常に重要な認識であります。そこが必要であります。
では
日本の
貿易収支はどうかというと、余り金額としては改善していないということであります。この金額として改善していないということをどのように
理解するか。ちなみに、この金額ベースで議論する前に、大きな
経済の流れを見るときには、必ずこの
貿易の不
均衡、あるいは
経常収支の不
均衡をその国の
経済の規模、つまりGNPとの
関係で見ていくのが最も合理的であります。
それでは次に、②の表を見ていただきますと、この②の表はOECDからとったものですけれ
ども、これは
アメリカの
経常収支の
赤字をGNPで割ったものでございますが、
アメリカは八七年に三・二%あったのが、ことし八九年には二・二%に落ちるというのが予測であります。それから、
日本の最も大きな
黒字の比率は、ここには出ておりませんが、八六年の四・五%ですけれ
ども、それが八九年のことしには二・二%になるというのが多くの予測であります。OECDはこの予測をとっております。
つまり、GNPに対する
対外不
均衡の比率で見ると、
アメリカも
日本もかなりそれなりに改善しているということが言えるということであります。にもかかわらず、
日本の場合には、
貿易金額だけを取り出すと、八百億ドルから九百億ドルという大台がこの三、四年変わっていないというところが問題になります。といいますのは、多くの人々はこういうGNP比率などを見るのではなくて金額を見るからであります。しかし、金額というのは、数量掛ける価格からできておりますので、一体数量と価格がどのように動いたかを次に見る必要があります。それが次の③と④であります。
③は、
日本の
輸出を示しております。一番左の欄が年次をあらわし、これは若干データが古いんですけれ
ども、傾向としては今日まで続いております。次の欄が
輸出の数量、次の欄が平均価格、一番最後が金額そのものであります。
輸出を見ますと、
輸出の数量というのは一九八五年を一〇〇とした場合、八九年一一〇・八であります。したがって、三年余で一〇・八%しかふえていなかったということで、それ以前の円安の時代に
輸出が数量で毎年一二、三%以上ふえていたのとはさま変わりの
状況になっているということであります。
ところが注意しなくてはいけませんのは、次に
あります
日本の
輸出価格であります。
輸出価格は八五年を一〇〇とすると、今日一五一・三、つまり五一・三%
輸出価格は上昇している。したがって、それを金額で見ますと、
輸出の数量の伸びが一〇%強、価格の上昇が五〇%強でありますから、それで六〇%はふえているということを
意味します。
次に、
輸入の数量を示した④の表を見ていただきますと、
輸入の数量はこの同じ期間に、同じく八五年を一〇〇として八九年には五一・三%ふえております。ところが、その間、次にあります
輸入価格というのは、わずか六・〇%しかドル建てで上昇しておりません。ということはどういうことを
意味するかといいますと、数量で見る限りは、
日本の
輸出の伸びは三年余で一〇%強しかふえないのに対して、
輸入は五〇%以上ふえたということですから、これがいうところの内需志向型の
経済成長に転換したという
意味合いであります。
一方で、内需志向型の
経済に転換したと言われながら、どうして
貿易の
黒字金額そのものは減らないのかという非常に矛盾した
現象が出ているわけですけれ
ども、その矛盾した
現象は、③にあった
日本の
輸出価格が五〇%以上もドル建てで上昇したということにあるわけです。つまり
輸出価格が五〇%以上も上昇したために、
輸入数量の五〇%以上上昇を相殺して、金額としてはほぼ変わらない姿になってしまったということです。そしてちなみに、この④にあります
輸入の方の
製品を見ていただきますと、
輸入の数量は二〇六・〇でありますから、一〇六%上昇したということで、いかに
日本の
製品輸入がこの三年余の間に伸びているかと、これはまさに、内需志向型の
経済成長に転換したということは、こういう数字で言っているわけであります。
それと問題は、数量で見る限りは大変大きな
対外黒字の調整が進んでいる。しかし金額で見ると、
輸出価格が上昇していることで余り
貿易の
黒字金額は変わらない。そういう
現象はすべて八五年以降の特徴でありますけれ
ども、
保護貿易主義、とりわけ
アメリカにおける
保護貿易主義と一体どういう
関係があるのかということになります。そして、それはほとんど
関係がないというのが
結論です。といいますのは、
日本の
輸出価格が五〇%以上上がるということは、
アメリカの
企業の
競争力を強めているということでありますから、
アメリカの
企業の
環境というのは大変好転しているということであります。したがって、このこと自体から、つまりこのことが、
輸出金額を変えなかった、
貿易の
黒字金額を変えなかったということのために
保護貿易主義が出てくるということは全く
意味のない議論でありまして、それは今申し上げたように、
輸出価格が上昇したことが、
アメリカのビジネスのセンチメントを悪化する理由には全くならないという一事をもってわかるわけであります。
次に、よく言われますのは、二国間の
貿易収支は、ECとでは改善しているけれ
ども日本とでは改善していないのは、
日本に対して
アメリカから余り
輸出がふえていない結果ではないかという議論がよくありますけれ
ども、これも全くの間違いであります。これは一番最後にあります⑦を見ていただきます。
⑦を見ていただきますと、真ん中からちょっと下のところに、
アメリカ自身の
貿易収支が対ECと対
日本で出ております。八七年と八八年を比較してみますと、対ECではほぼ半分、二百十九億ドルから百十億ドルへほぼ半減しております。ところが、対
日本については五百六十九億ドル、五百二十六億ドルというようにほとんど
変化しておりません。これをもって多くの人々は、
アメリカの
輸出はECには伸びているけれ
ども、
日本には伸びていないかのような印象を受けるんですけれ
ども、これは全く数字上の魔術であります。というのは、その上に
アメリカの
輸出と
アメリカの
輸入というのを列記してありますけれ
ども、この八七年から八八年にかけての伸び率、一番右の欄ですけれ
ども、
アメリカの対ECの
輸出の伸びは二五・五%、対
日本の伸びは三四・九%、一〇%ポイント近くも高い。じゃ
輸入はどうかというと、ECも
日本も余り変わらない。
アメリカの
日本向けの
輸出がECよりも一〇%ポイントも高く伸びていながら、どうしてEC向けの
赤字は減り、
日本に対する
赤字は減らないのかというのは、当初の出発点で
日本の
輸出入の比率が非常に違っていると、こういうのが算術の結果として出てきます。
どういうことかといいますと、この表の一番下にありますUSエクスポート・インポートレシオというのがあります。このレシオが対ECに対しては七〇%以上ある、
日本に対してはわずか三十数%しかないわけで、このことは同じ率で対EC、対
日本で伸びたとしても最初のギャップを埋めることにはならない。最初のギャップを埋めるためには対
日本はもっと伸びなくてはいけないということを
意味します。しかし、いずれにしましても、この対ECと対
日本でバランスが余り変わらなかったと。大きく対ECは減ったけれ
ども、対
日本では変わらなかったということをもって対日
輸出がふえなかったというふうに
考えるのは全く間違いだということになるわけです。
時間がございませんので、あと簡単に申し上げますけれ
ども、IIIのしたがって
SIIというのは、
資源配分改善
政策であるということに尽きます。したがって、これはちょうどプラザ
合意でマクロ
経済政策が
双方の責任においてとられる必要があるというふうに認識されたように、この改善も
日本の改善と
米国における改善を必要とするということであります。しかし、既に前回のここの
調査会の会合で、この構造改善の要求点というのはそれぞれの立場から説明があったようでありますので、一体本当にねらっている
問題点は何なのかというところに私のお話を絞っていきたいと思います。
そして、その本当にねらっていきたいところというのは、
米国が今日及び近い将来に持つであろう比較優位の強いハイテク
産業の発展をねらっているということであります。そのためには、このハイテク
産業をめぐる
アメリカ自身における供給面と、それから需要面を
考えているということであります。供給面は既にいろいろ言われているように、
アメリカにおける
貯蓄の増大、教育の普及、SアンドRの改善、短期的な
企業の
考え方の改善といったことにあらわれております。そういったことはすべてMITの特別
調査団が出しました「メイド・イン・
アメリカ」という書物の中に詳しく書かれております。これはことしの五月にMITという
アメリカの大学で発表された書物であります。
で、
アメリカが今望んでおりますことは、
日本のハイテク
製品が
アメリカの
市場にどんどんと
輸出されてくるのは一向に構わない。しかし、それに見合った形で
アメリカのハイテクもまた
日本の
市場に入りたいと、そういう
意味の
日本の構造改善を通した需要の増大というのを望んでいるということです。じゃ一体、どこにその需要を阻んでいるものがあるというふうに見ているか。これは事実でそうなっているかどうかは別として、見ているかということですけれ
ども、ここにありますように、生産系列と流通系列であります。
米国が全体として
輸出をふやしたいのは、細々した消費財ではなくて、資本財それから中間財であります。
日本における資本財、中間財の調達の方式を見ますと、いろいろなビジネスグループの中で調達し合う傾向というものを持っております。これは私は流通系列あるいは生産系列というふうに呼んでおります。
で、この流通系列、生産系列というのは
三つのメリットを持っております。これは
産業組織
関係の
経済学者がすべて
合意する点でありますけれ
ども、長期継続的な
関係に基づいて
三つのメリットを持っている。
一つは品質の確保、第二がデリバリー、つまり実際に物をつくって配達するときのそのデリバリーが正確であるということ、それから第三に、アフター・セールス・サービスがきちんとできるということであります。こういうメリットを持っている流通、生産系列は、しかし同時
に、それがグループ内の取引であるために、あるときには価格面でカルテル行為が行われる
可能性がなきにしもあらずということであります。もしそういったカルテル行為が見られるならば、あるいはまた長期継続的な
関係があるならば、新しいエントリーを試みる
日本の
国内及び海外の業者というのは
日本へ
輸出しにくいのではないかという
考えであります。したがって、恐らくこの
構造協議というのは、流通系列と生産系列が今後さらに重要な問題として絞られていくかと思います。
あと最後に、
SIIの政治的側面でありますけれ
ども、これは先ほどからのお話のように、
スーパー三〇一と一応切れて
政府間では
協議することになっておりますけれ
ども、本当の問題というのは、
アメリカの
議会の議員の頭の中で、この
構造協議というのが
スーパー三〇一と切り離されて
理解されているかどうかという点であります。つまり
構造協議がうまくいかなければ、
スーパー三〇一を発動するといったような発言があるということであります。
第二の
問題点は、先ほどから申し上げているように、
米国と
日本の
双方に構造改善の義務があるということでありますけれ
ども、果たして
アメリカの
議会の中で、この
双方責任の原則が確立されているかどうかということであります。
貿易の不
均衡が悪化すると、その原因はすべて
日本にあるという傾向がもし
アメリカの
議会にまだあるとするならば、この
双方責任論が十分に
理解されていないということであります。したがって、こういう
双方責任論を十分わきまえたときに
日本と
アメリカとの共同作業というのができるというのが、三番目のUS・ジャパン・コ
リーダーシップという
意味合いであります。
すごく長くなりましたけれ
ども、以上であります。