○
鈴木貞敏君 私は、
経済関係には非常に素人といいますか、幼い知識しか持っておらないわけでございますが、国際化の中で日夜御
努力されておる大臣、長官の御労苦に対しまして、まず心から敬意と感謝を申し上げます。そういった中で私なりにいろいろ疑問に思っておること、本当に素人的なことですが、そういう点について数点お伺いしたいと思います。
まず
一つは、
企業倫理というふうな言葉が果たして適当かどうか私もわかりませんけれども、そういう点でございますけれども、こう
日本が
経済大国になりますると、
日本の一商社、一
企業の一挙手一投足というのが大変国際的に注目を浴びるような
状況になっておるわけでございます。国内においては当然の行為でも、国際的にはそれが指弾される、こういうふうなこともあろうと思います。あのココム事件につきまして社長がやめるというふうなことで、
日本とすれば、社長がやめれば、これは遺憾の意を表して、それで一応勘弁してやるというか、そういう感覚が先立つわけでしょうが、それが外国では逆にとられて、むしろバッシングの材料になるというふうなこともあったようでございます。
最近いろいろ紙上で私も見るわけでございますが、
日本企業がアメリカの映画会社、コロンビアでございますか、これを買収した、あるいはまたロックフェラーグループ社を買収した、あるいはまたロスの名門ホテルを買収した、そういった一連のことがいろいろ報道されまして、本当に事情を知っている人から見れば、これは当然の
経済行為である、何ら非難されるべきことじゃない、こういうふうにもアメリカの人も言っているようでございます。しかし中には、大げさとも思いますが、アメリカの魂というふうな言葉で、これは買われてしまったというふうなことも報じられておるというふうなことでございまして、こういった
日本企業の米国での買収行為というか、こういったものに絡んで、
日本の
経済大国になった金が、ジャパンマネーの横暴といいますか、あるいは
日本企業の尊大さというか、そういうのが何かいろいろのことで話題になっているというふうなことであるわけでございます。
そういう中で、私なりに、当然のこれは
経済行為ではあるんでしょうけれども、こんな
状況でいいのかなというふうなことを感ずるわけでございまして、
経済の世界なり金の世界というのは非常に非情なものであるということを聞くわけでございますけれども、そういう中にあっても、富める者といいますか、富める国として、何かまた反面において
一つの自己規制とか、あるいは思いやりであるとか、そういった
一つの心構えというのもまた必要じゃないか。
また、異なった国とのいろいろの交際の中では、その異なった国の文化なり伝統なりあるいは人間関係、あるいは社会秩序あるいは
経済秩序といいますか、そういったものを尊重しながらやっていくという
一つのリーガルマインドといいますか、あるいは一部
経済人も使っているようでございますが、グット・コーポレーション・マインドといいますか、シチズンというか、そういう言葉もあるようでございますが、そういった
一つの心構えといったものがないと、市場原理なりあるいは市場メカニズム、
経済原則一辺倒で自由だということでやるということではどうなんだろうというふうな疑問を実はいろいろの記事を見ながら感ずるわけでございます。
なかんずく、デタント的な空気がどんどん今進んでおりまして、そういう中で一部米国等では、ソ連の脅威よりも
日本の
経済的な脅威の方がむしろ大きいというふうなことも報じられたりしておりまして、
日本封じ込め論というか、そういうような議論も一部にあるということも記事等でも読むわけでございますが、そういったもろもろのことを前提にいたしまして、ひとつ大臣の率直な御意見をお伺いしたい、こう思うわけでございます。
一つは、そういう
意味で
企業倫理という、我々も政治倫理ということを厳しく問われている一員であるわけでございますけれども、この
企業倫理のあり方、こういった国際時代において
企業倫理というかモラルというか、そういったものはどうあるべきであろうか、何か今のままでいいのか変えるべき点があるのかどうかという点につきまして、ひとつ大臣の御所見を伺いたいと思います。