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会田長栄君 厚生省が直接、今回
産業廃棄物の
不法投棄問題で問題を提起しているいわき市に現地調査に昨日入ったでしょう。現地調査に入っていればおのずからわかると思いますけれ
ども、いわき地方における
産廃問題、非常に拡散しておって
地域住民が大変な問題意識を今日持っているわけであります。この中で、きのう現地調査したからまだ報告を受けていないかもしれませんけれ
ども、排出
企業から委託を受けて
処理をしている会社が、県当局あるいは保健所の再三の勧告にもかかわらずついに手をつけないうちにこの問題が発生したという現実がございます。恐らくお調べになったと思います。
今やこの
産業廃棄物不法投棄の問題は、単なる
行政指導ぐらいでおさまる
状況にはないほど深刻化しているという
状況でございます。したがって、今御答弁をいただきましたが、何としても弱弱しいと感じざるを得ません。先ほど
環境庁長官、
農水大臣から自然
環境保全のために不退転の
決意で今後臨むという実に力強い御
意見をいただきましたが、一方、この豊かな自然を次々と悪魔の手に渡していくこの
産廃の
行政のあり方についてどうしても弱さを
指摘せざるを得ません。
今具体的にいわきで提起された
産業廃棄物不法投棄の概要というものを端的に申し上げます。
排出
企業は、県警調査、県内二十社、県外百四十社、県調査、県内四十七社、県外二百二十二社、六十三年度実績報告でございます。
処理委託、いわゆる中間
処理業者として、Oといういわきにある
処理能力月二百五十トンの会社に契約したわけでございますが、月二百五十トンの
処理能力しかないこの会社が
処理できないまま
不法投棄に入ったわけであります。その数たるや大変な問題でありますし、今ここで詳細にわたって述べることができませんけれ
ども、
一つは、田人町の荷路夫というところの、これは畜産
振興の非常な拠点となっている牧野育成の跡地に、実際は投棄量がドラム缶で四千三百五十六本、十八リットル缶で一万一千四百六十二本、瓶等の小物で二千七百四本というものを牧場原野に
不法投棄しているわけでございます。
同時に、
処理能力のない山野辺建設に対して、これは無許可業者でございますけれ
ども、下請させて不法投票をした結果が十三号、十七
号台風によって表に出たわけでありますけれ
ども、これは従前から
地域住民に
指摘されていたところでございまして、非常に巧妙かつ大胆なやり方で投棄しているわけでございます。投棄量は七千四百キロリットル、ドラム缶で約三万五千本、こういう実態でございまして、水田汚染の土壌問題あるいは地下汚染、こういった問題が廃坑を利用して不法に投棄したわけであります。しかし、現実にはどう
処理されているかといえば、これだけの大量の廃油を廃坑の中に放置したまま。地方
自治体といたしましても、先ほど言ったとおり、今日の
公害防止事業団における財政的援助、これぐらいの小さい形ではどうにも
処理できない。地方
自治体の財政基盤も揺るがすほどの
処理にかかる費用になっているというところから、ふたをしたままで終わってしまっているわけでございます。二次災害がいつ起きるかわかりません。
そういう実例があったわけでございまして、これだけではございません。今やこれがいわきだけでなくてお隣の田村郡まで拡散をしている
状況にございまして、
廃棄物の
処理及び
清掃に関する
法律の
産廃にかかわるところの
規定というものは、早急に
行政当局が改正する
取り組みをしなければならないのではないかと人一倍強く感じているから今日質問したわけでございます。そういう
意味からいえばほうってはおけない問題でございますので、この機会に
廃棄物の
処理及び
清掃に関する
法律の
産廃にかかわる
規定というものを、一日も早く
関係省庁におかれまして連携を密にして取り組んでほしいということを最後に御
意見として申し上げたいと思います。
とにかく、
産業の
発展、結構、しかし
廃棄物処理の問題については非常にテンポが遅い。先ほど申し上げたとおり、紙の裏表の
関係でなければ、
環境保全をどんなに意気高く叫んでみても、結果的には後で大変な問題を醸し出すであろうということは、今日
東京の
廃棄物問題をめぐってもう既に予見されているところではございませんか。どうぞ積極的に各
省庁連携をいたしまして、取り組んでほしいということをお願い申し上げておきたいと思います。地方
自治体が今日本当に財政的にも
法律的にも悩んでいるし、とりわけ、一歩でも前進させたいというところから先ほどの
意見書が出たと思いますから、積極的に受けとめるようお願い申し上げておきたいと思います。
それでは次に、尾瀬の
自然環境保護の問題について端的にお伺いいたします。
長い間尾瀬の水資源をめぐって、首都圏の問題、あるいは北陸、東北をめぐっていろいろな経過のあったことを私も
承知しております。しかし、今日次の三点からいっても私は気になって仕方ないのは、あれだけの貴重な資源を保有している尾瀬湿原、それから豊かな
自然環境、世界的な学術資源を将来にわたって確保していかなければいけないという強い気持ちを持っているところでありますが、その後、尾瀬の水資源を関東に分水するなどという動きがあるのかないのか。あるいは、
政府といたしましては、第四次
全国総合開発
計画の趣旨から、一極集中をやめまして多極分散型
国土形成という方針を出しているわけでありますから、そのようなことはないだろうと思いますが、念のためにこの
委員会で御
所見を伺いたいと思います。