○沓脱タケ子君 余り時間がありませんから多くを申し上げられませんけれ
ども、こういう測定結果などによる
大気汚染の悪化例というのはこれはもう一つずつ申し上げると切りがないほどあるんですが、例えばこれは東京の大田区ですね。この大田区ではNOxとあわせて今御
指摘がありましたSO2、亜硫酸ガスの濃度が高くなっているということが大田区の測定で出ております。NO2については、これはもう論外ですね。東京都の場合は、二酸化窒素の自動車排ガス測定局三十二カ所に対して二酸化硫黄の自動車排ガス測定局はわずか四局だという段階で、二酸化窒素との複合的な
影響というのが問題意識として非常に強くとらえられているという問題が提起を既にされておりますね。
もう一つは、東京都が出しておる東京都の測定値を見ましても、これは大変な
状況になっておるようですね。自動車道沿いの自動車排ガス測定局ではNO2の
環境基準〇・〇六ppmをクリアしたのは三十局中わずか二局だ、その二局もこれは
三多摩だということを明確にしておるようでございます。
さらに、これは大阪の例をちょっと申し上げたいんですが、これは
長官にちょっとお見せしてください。どなたか、ちょっと説明をさせてもらうのに。(資料を渡す)
大阪府、大阪市の大気測定の
状況というのは、ことしの七月、大阪府、市が、大気中のNO2濃度は全般的に上昇し、悪化傾向を示したということを明確にしております。その結果、NO2は十年前の
汚染状況に逆戻りをしたことを明るみに出したというふうに言っておるわけでございます。
これを今お見せ申し上げましたのは、これは民間の
公害患者会を
中心にして大阪NO2簡易測定
運動本部実行
委員会というのを労働組合、民主団体等でつくっておるわけですが、大阪で七千余りの測定点をつくりまして、五年ごとにこれを地図に落として汚染の広がりを示しているわけです。
長官、これをちょっと見てください。(資料を示す)これは大阪府下の図面ですが、この一番初め、これが十年前です。五年前がこの真ん中のなんです。ことしの測定値はこうなっている。これは色分けをして、一目瞭然のように大変な
状況が起こっているということがよくわかります。
時間の都合がありますので、そういう汚染度というのはもう誤解ではなしに全くの現実の姿だと思いますが、そういう中で昨年の三月一日以後、
公害患者の新規患者の認定を打ち切って以後、自治体で子供の
対策をやっておりますが、それを見ますと随分患者さんふえているんですね。
私、地元の大阪市を調べてみましたが、大阪市も当初は、昨年ですね、十五歳以下の子供さんですが、千二百名ぐらいだろうということで予算を組んでいたところが、実際には三千六百五十三名ということで三倍になっておって、慌てて予算を補正しなくちゃならないという
状況でございますし、お隣の尼崎でもやはりぜんそくの子供が、これは十五歳末満ですが、予測の十倍というのはこれちょっと大きいと思いますが、数字を見ますとそういう数字になってきているようでございます。さらに東京都でも、東京都の足立区など、これは東京都は全域が
指定地域じゃありませんでしたから、
指定地域で改正前のところをずっと調べておられます。東京は十八歳未満でございますが、これを見ますと、東京都では改正前の二十五倍にふえているというんですね、足立区では。それから、川崎でも、これは約三倍に患者さんがふえている。だから、
公害はどんどんひどくなっている、患者さんは認定をされるような
公害患者がどんどんふえてきているという
状況というのが客観的な事実として出てきているわけでございます。
したがって、これらの事実を踏まえますと、
公害は終わったととって確かに
公害健康被害補償法の改正をやって全
指定地域を解除し、患者さんを打ち切ったわけですけれ
ども、これは間違っていたんじゃないかということを明確に示すような客観的な事態が出てきていると思うわけでございます。したがって、そういう点ではやはり再
指定について検討する、あるいはさらに新しい
地域への拡大についての検討を行うということが今何よりも大事な段階に来ているのではないかと思いますが、いかがでございますか。