○滝沢
委員 大臣、そういうお
考えだからだめじゃないでしょうか。私は、一般論ですとまたつけ加えました。政府のなさることは、閣議のなさることは、こう申しました。今議論しておりましたのは確かに宮内庁にかかわることですよ。だけれども、政府全体のことを私は言っているのですよ。中曽根
内閣以来顕著にあらわれてまいりました政治の手法というものが、国会につぶさにこれを報告、
提案するにあらずして、
委員会、審議会等を、法に基づくもの、それに基づかざるもの数々ありますが、任命なさる。その任命の顔ぶれが、
一つの案があって、おのずからの
考えがあって、それに賛成する人を任命なさる。そして質問をいたしても、
委員会に今付託中であります、それが新聞にどんどん出てくる。まさかと思っているうちにそのとおりのことになる。今度の御即位礼もそれであると私は今
指摘をしていることなのですよ。わかりませんか、私が申し上げていること。こういうことがまかり通るならば国会は要らない。
せんだっても申し上げました。自分の案に賛成する
委員を任命するのは当たり前ですよ。例えば私
たちがうちをつくる、洋風なものをつくろうと思ったら洋風の方の設計の権威者を頼みますわな、あるいは庭に力を入れたいと思ったら庭園の方に権威のある設計士を頼みますわな。それと同じで、政府には
一つの
考えがあるのです。政府と言っていけなかったならば、
行政のそれぞれの
立場において
考えがあるのです。その
考えに合う人を指名されるのです。どこの世界に、おうちを設
計するときに設計士に対して、とにかくおれはうちを建てたいのだが設計してくれと言う人がありますか。いや、何坪にな、そしてこういうふうな色彩の壁にしてな、三階建てにしてなというふうに注文するのでしょう。それがなくてただ単に
委員を指名されているとはどうしても思えない。どうして政府は国会に対して、今こういう方々の
委員をお願いして
相談をしていただいているけれども、政府みずからはこういう線でいきたいのだというふうにおらしゃれないのか。
重ねて私は申し上げるならば、海部総理
大臣が、このような国の大事についてはおれはこのようにしていく、一切の責任は総理たる私にある、みんなが安心してこの線に沿って仕事をするように、そしてむしろ法制局等に対しても、みずからの思想とみずからの見解を披瀝してそれにいわば法的裏づけを求めるようなものであった方が私はよろしいと思うのです。それを総理がなさらないから代々こういうことになるのです。何事もそうです。総理みずからの意思を明確に表明されずしていわゆる諮問
委員会等に求めて、結局は御自分の意思どおりに物が決定する。中曽根総理
大臣のもとにおいて官房長官の私的諮問機関として行われました靖国神社の一拝方式のごときはまことにその最たる例でありますが、非礼も甚だしい、あれが総理
大臣の参拝であるならば。と言いたいのでありますが、それはそれ、
一つの例でありますが、このような政治手法をいかがかと私は
大臣に申し上げているわけです。