○鈴木
説明員 御
説明申し上げます。
ただいま
先生の御
指摘の日米
構造協議につきまして、私がお答えするのが適当かどうかちょっと問題がございますが、私の理解といたしましては、日米貿易摩擦の中で貿易赤字を解消するために、双方の貿易阻害をしている各
市場の中の
構造問題について協議をしようということで始まったと聞いております。第一回は九月四日、五日に開催されました。
そこで、
先生から御
質問いただきました日米共同
価格調査の結果についてですが、この点につきましては、この第一回の会合におきまして、
我が国の
価格メカニズムを議論するに際しまして、日米が共通の事実
認識を持つことを目指しまして実施に合意いたしたものでございます。したがいまして、品目といたしましては、
電気製品、自動車、日用品、資本財等の輸出品、輸入品、それから航空運賃等の
サービスから成ります四十品目余りを対象といたしました。中心となりましたのは、日米両国の
市場で共通して見られます貿易財ということでございまして、同じメーカーの同じ銘柄につきましてそれを両国の
市場で見つけて、その実売
価格を百貨店、専門店、ディスカウント店と店舗形態を区分いたしまして、
東京、大阪、
ニューヨーク、シカゴで十月下旬に両国
政府職員が共同で
調査を実施したものでございます。
その結果でございます。通産省所管の工業製品について申しますと、まず輸出品と輸入品に分けまして、
我が国から輸出された製品について見ますと、
調査対象四十二銘柄中、米国での
価格の方が
我が国での
価格より押しなべて高いものが二十四銘柄と過半を占めております。何分にも店舗形態を分けておりますので
価格はさまざまでございまして、例えば百貨店で比べてみると
日本の百貨店の方が高かったけれども、専門店あるいはディスカウント店で比べると
日本の方が安かったというような、どちらが高いと一概に高低を明らかにできなかったものが七銘柄ございます。それから、米国の方が安かったという
調査結果になっているものが十一銘柄ございました。次に、
我が国に輸出された製品について見ますと、
調査対象三十四銘柄中、
我が国での
価格の方が米国での
価格より高い例が三十一銘柄と多くなっております。
なお、逆輸入という
お話がございました。フィルムなどがございましたが、フィルムにつきましては、
アメリカ製品も
日本製品も、現在ではこの
調査結果によっても
日本の方が安いというような結果になってございます。
それから、これらの
調査結果から、特に
我が国からの輸出品につきまして、米国はこれまでの協議において、
我が国の製品
価格は
国内で高くて
外国で安い、あるいは
為替調整メカニズムは
日本の輸出に働かないと
指摘をしていたところでございますが、今回の
調査で輸出品に関する米側の
指摘は必ずしも事実に合致しないことが明らかになったと受けとめておるところでございます。ただし、輸出品、輸入品を通じまして、
日本の方が高いという
内外価格差が見られる事例も事実ございます。
価
格差が生じている
要因につきましてとりあえずコメントさせていただきますと、輸出品については、何分にも国あるいは
市場を異にしますので規格、
市場の違い、それから品質、性能の違いや
消費者の好みの違いもあると
考えられます。それから輸入品につきましては、これらの点に加えまして
消費者のブランド志向、海外メーカーの販売戦略等の要素が
考えられます。これらの
要因分析については今後十分分析を行い、必要に応じ適切な
対策を
検討する
考えでございます。