○山原
委員 この
法案についてちょっと私の感想を申したいのですが、一九七〇年代、列島改造政策が進められた当時は、国や地方自治体によって乱開発を規制するための措置がともかく曲がりなりにも
整備されておったと思うのです。例えば投機的土地保有を抑えるための特別土地保有税、あるいは林地開発を規制するために
森林法を改正して林地開発許可制度などが創設をされました。県レベルでは、ゴルフ場設置申請を一時凍結するなどの規制もとられたわけですね。ところが、いわゆるリゾート法の制定以降、大規模リゾート開発が次々と
計画、推進されております。これらのリゾート構想につきもののゴルフ場は第三次ブームに入ったと言われておりますが、日経新聞の本年の六月の報道によりますと、既存のゴルフ場は千六百十九、建設、
計画中を含む八八年末の総数は、前年よりもさらに二百四十一カ所ふえまして二千四百八十五カ所になると報道されております。農水省が昨年の六月にゴルフ場建設を目的とした農地転用の許可規制を
計画地のおおむね二割から五割未満にするなど、さまざまな規制緩和措置がとられているわけです。
こうした事態に対して、いわゆる乱開発による自然
環境破壊あるいは開発に伴う土地投機、地価高騰などを懸念する声が強まっております。農山村では
考えられないような地価高騰で、農業や林業をやっていくことがばからしくなるような状態さえ生じていることもマスコミで報道されているわけです。私はここへ、NHKのテレビの「おはようジャーナル シリーズ・リゾート地はいま……」の取材の、これは
日本評論社からNHKテレビを基礎にしたものが出ておりますけれども、かなり深刻なものがあるわけです。よかれと思って
法律がつくられても、それが幾らか年月がたっていくと全く違った様相が出てくるということを
考えますと、これらの
法案についてはやはり慎重な
態度をとるべきであろうというふうに思います。そして、その基礎に
日本の林業が今日のような荒廃をさせられてきた問題があるわけでして、ここのところに大きく目を向けないと、これはどうにもならないという事態がさらに深化していくのではないかと心配しております。西ドイツの場合はアルプスの山岳農業と都市の結合というふうな、いわゆる企業がリゾートをどんどん進めていくのではなくて、山岳農業というものを振興させていくという
観点から、都市と農業との結合といいますかそういう一定の教訓もある
時代でございますから、そういう
意味で私は、本当に
日本の農林業をどう発展さすかということが、この機会に本格的に論議される必要があるのではないかというふうに思います。
いま少し時間が残っておりますので、きょう、私も
森林議連という超党派の議員連盟の一員でございますし、恐らく
皆さんもそうだと思いますけれども、これは丹羽兵助議員が会長をしておりますが、「
日本の
森林の復元を求める決議」を今度、山林振興連盟へ提出をすることになりまして、その決議案が今回ってきたところです、その中に、「しかし、いまの
日本の
森林は荒廃しつつあります。外国から輸入される安い
木材におされ、林業や
木材関連産業も経営が成り立たなくなっています。」これはその中の一部でございますけれども、本当に今日の事態の根源に対して
指摘をしておると思いまして、私もこの決議に賛意を表明しているわけでございますが、今度
アメリカ政府の包括通商法スーパー三〇一条、これによりまして適用品目に
日本の
木材製品を指定いたしました。米通商代表部が
日本の
木材製品市場に貿易障害があると認定したわけですね。その認定した理由は、
林野庁長官、あるいは農水
大臣でも結構ですが、どういうふうに把握されておりますか。
〔柳沢
委員長代理退席、
委員長着席〕