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田中(恒)
委員 そこで、ガットでもう
一つだけちょっと御要請しておきますが、今度のガットの交渉の項目の中に、動植物の検疫
制度をガットとして
検討していくというのがあるようでありますが、これは、それこそ輸入国である
我が国にとってはいわゆる食品輸入の安全性の問題に関することでありまして、どういうような目安、どういう基準、どういう体制で動植物の検疫というのを見ていくのか、非常に
関心の高いところであります。この点については、特に日本の
消費者にも今外国からたくさん入って心配だというのが満ちておるわけでありますから、政府として厚生省も非常に関係があるわけでありますが、十分連絡をとって、動植物の検疫
制度というものが何か非常に厳しいところもあるし、その下もあるし、真ん中をとるということになれば全体としては私は後退だと思うので、検疫
制度というものこそ、特に貿易品目というのは安全性の問題に
一つの大きな心配があるわけでありますから、やはりやるとすれば一番厳しいところに持っていかなければいけないのでしょうし、いろいろ
意見があると思いますから、特にこの点については力を入れて目を配って対応していただきたいということを要請しておきたいと思います。
そこで、もう時間が余りありませんので、一、二問だけ
お尋ねしておきます。
農業者年金でありますが、この
農業者年金については、当初は
農民に恩給をということで佐藤総理のときに言い出したのだと思いますが、二百万ぐらい入るだろうと言っておりましたが、今はたしか加入者は七十万人で
受給者が六十万人、こういうことになっておりますね。そして、
経営移譲年金が五十万人を割って、老齢
年金が三十五万人といったようなことで、
年金財政というのは非常に厳しいから、
年金理論、
年金財政論でいくとなかなかこれは一番難しい
年金になっていますね。だから、今農林水産省の方では、担当局でこの
検討を始めて、次の
国会に何か、恐らく給付を下げていくというようなことでしょうが、これはさっき以来申し上げました農村の今日の状態というものを考えた場合に、果たして
農業政策、
農業問題だけで処理できるのかどうかという議論が一方にありますし、ヨーロッパなどの例を見ると、そういう形で環境の保全であるとかあるいは
年金であるとか、あるいはその他の社会保障
制度を通して農村の
地域社会を健全なものにしていくということが
国土なり国家の存立にとって非常に重要だ、こういう認識でほぼ
国民的コンセンサスができて、さまざまな
政策がとられておるわけですね。私は、
農業者年金というのは、そういう視点に立って、思い切って、国が責任を持って進めていくという状況に向けなければいけないと思っておるのです。そういう
意味では、そういう方向に向かって
年金制度のあり方というものを
検討していただくように、これもこの際
大臣の御見解をいただいておきたいと思います。
それから、もう時間がありませんから一括いたしますが、オレンジ・牛肉の自由化がありましたね。この自由化でもって、日本の和牛、特にいい牛の値はそんなに下がらないですね。高値、特に子牛の高値は、不足払いをつくりましたけれ
ども非常に高いですね。この状態でいくと、恐らく今高い牛を買って育てて、そして出すころ、つまり九一年四月から牛肉完全自由化になるわけでありますが、この時点ごろにぶつかってまいりますね。そうなると、せっかく何とか生き抜いてやろうかという空気が出ているところへ大変な
価格暴落が出てくるのじゃないかという心配を多くの人がしておりますね。こういうことに対応する畜産
政策というものを自由化後の
対策として考えていただきたいということが
一つ。
それからオレンジの問題は、減反ということを中心にいたしまして、減反の奨励金を出しましたね。税金などで
努力されたことはよく知っておりますが、一般的に、私のところはミカンの産地でありますけれ
ども、ともかく後ろ向きの
政策だと。やめる者に補助金を出していく。米もそうでしたけれ
どもね。これも
一つの
意味はありますけれ
ども、そうしたら生き残った連中は一体どうしたらいいのか、これが明確でない。全然ゼロとは言いませんが、大したものじゃありませんよ。やはり生き残って国際的に対応できる
農業をつくっていくという諸君に対して、具体的にどういう手を打っていくのかというものをもっと大きく大胆に打ち出していかなければいけない、こういうふうに思っております。そういう点についてお考えがありましたら関係当局の方からお答えをいただきまして、私の質問を終わります。