○日吉
政府委員 お答え申し上げます。
委員ただいまおっしゃられましたように、ことしの十月十四、十五日、土、日でございますが、
国会開会中でございましたのでそういう時期に、日米双方の防衛担当の高級事務レベル
会議を行いました。大体これは年に一回ペースで従来行ってきたものでございますが、今回は一年半ぶりぐらいで行ったことになります。
いろいろな
意見交換をしたわけでございますが、大きく分けまして、
国際情勢についてのお互いの
認識を述べ合いまして、それの
認識が一致していることを確認したという点。その場合には、主として
ソ連に対する見方でございますが、これは、その後かなり
ソ連の対外外交政策が進展をしておりますので、今詳しく申し上げることが必ずしも時宜にかなっているのかどうかわかりませんけれども、
ソ連がより多元的でより
脅威の少ない、つき合いやすい国に変わっていくことを期待しているという米側からの発言がございまして、私どもも同様の
認識を持っているということで、
ソ連の今後の柔軟な外交姿勢というものに双方期待をするというようなことを述べ合っております。
それから、二つ目のテーマといたしましては、日米
安全保障関係について話し合いをいたしまして、今後とも日米
安全保障関係の重要性というものは続くのだということで双方の
認識が一致いたしております。その場合に、日米双方の
安全保障関係の中で分担し合います任務と役割でございますけれども、米国が
日本及び
日本を含みます
アジア等で果たします
安全保障上の任務と役割というのは今後ともやはり維持をし続けていくということでございまして、このことそのものは両国にとって今後とも重要だという点で
認識の一致をいたしております。
なお、日米
安全保障関係といたしまして、
日米安保体制のクレジビリティー、信頼性を確保し高めていくというような
意味で、日米双方の共同研究なり、訓練なり、日米双方の後方支援面での充実なり、インターオペラビリティーの確保というようなことは今後とも重要であるというような点で
意見交換をいたしまして、この点でも基本的に
意見の相違がなかったところでございます。
なお、今後、日米間におきましては技術交流というものの果たす役割はますます重要になってくるというようなことを確認し合いまして、今後、日米
安全保障関係を展望した場合の重要な点の
一つとして技術交流というものがあるということで
認識の一致を見ております。
それから、今まで申し上げましたことは双方から
考え方を述べ合いまして
認識の一致を確認したわけでございますが、
我が国の防衛努力といたしまして、私どもの方から
中期防の進捗
状況と次期防の検討
状況を
説明いたしました。これは私どもが
国会等で御
説明を申し上げている
内容の範囲内のものでございます。重複は避けさせていただきたいと思います。
それから、在日米軍
関係につきましては、まず駐留経費の問題につきまして、米側からは
日本におります在日米軍支援に感謝をする、今後とも米軍が
日本あるいは東
アジア地域、世界において果たしている役割について十分の
理解をして、在日米軍支援につき努力を継続してほしいというような希望、期待の表明がございました。
私どもは、従来から
我が国が行ってきました在日米軍支援のための自主的努力に関しまして、米行
政府のみならず米国内一般に一層の
理解を深めてもらいたい、精いっぱい私どもは努力していることをさらに評価してもらいたいということを申し上げ、
我が国として今後とも自主的かつ応分の負担は行っていく所存であるということを申し上げました。
なお、在日米軍の訓練につきましては、米側の方から、在日米軍としては訓練時の安全を確保し、
日本の地元の不安を最小限にすることが現在の軍隊として必要なものと
認識しておりまして、この点につきましては真摯な努力を重ねていきたいという意思表明、努力意図表明がなされました。
我が方からは、在日米軍の安定的かつ円滑な駐留を図るためには、地元住民の
理解が不可欠であって、米軍の訓練の問題、具体的には沖縄の基地問題とか、F16の低空飛行訓練の問題とか、NLPの
問題等の解決に向けて米軍のなお一層の
日本側の
立場の
理解を深めてもらいたいというような要望をいたしております。
その他、若干個別的な問題といたしましては、在日米軍
関係では、米軍家族住宅の建設の問題とか沖縄の基地問題とか在日米軍従業員の問題、先ほども御議論がありましたが、在日米軍従業員の処遇改善の
問題等々につきまして話し合いがなされました。これら細かい問題につきましては、こういう
議題について触れたという
程度のことでございまして、こういう確認に基づきましてそれぞれの担当の部署が今後米側と話し合いを続けていくということを確認し合ったわけでございます。
二日間の
会議でございましたが、
概要は以上のようなものでございました。