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薮仲委員 時間もあれでございますから、ちょっと大事な問題、
総理にもう
一つお伺いしたいのですが、私も自分の選挙区に農業者の方がいらっしゃるわけでございますが、最近の新聞を見ておりまして、転作といいますか減反の問題ですね。八十三万ヘクタールの水田で生活をなさっていらっしゃった農家の方にとっては非常に心の痛む問題です。
国民が約一千万トン程度のお米を食べる、これがもっとふえればいいのでしょうけれども、食生活が多様化してまいっておりますので非常に困る。
八十三万ヘクタールといいますとどのぐらいかなと思って調べていただきましたら、
東京、埼玉、神奈川、この程度を合わせましても八十万ヘクタールですね。それよりも大きい。相当広大な水田が今減反、いわゆる転作をしなければならない。しかし、私の静岡で転作作物を何にしようかというときに、ミカンとかお茶とかということを例えば考えたとしても、これはとても生計が立つ話じゃございませんし、他に何か転作しようと思って作物を考えようとしても、これは非常にリスクの大きい問題でございます。あるいは基盤を拡大しようと思っても、その投資した資本に対してそれをペイできるだけの力が農産物にございません。
そうなってまいりますと、これは町名は避けますけれども、私の住んでいる静岡市からちょっと離れた、車で四十分程度のところへ行きまして、先日も言われました。私は三反の耕作をしております、しかし減反に容赦なくかかってまいりますので一反何条耕作しております、これで一年間耕作して飯米に足りません、ですからお米屋さんからお米を買ってきます、しかしもう後継者もだんだん、息子もやりたいとは言っておりません、ではこの農地をどなたかに買ってもらおうと思っても、とても買ってくださるといいますか引き合うような値段では買っていただけない。これを何とか有効利用しようと思っても――では、私は有効利用がないのかということで、いろいろ建設省や国土庁にお伺いしました。国土庁は確かに農住組合法を持っておりますけれども、これは三
大都市圏周辺しかきかないのですね、農家の方が
住宅政策に行こうと思っても。あるいは建設省何がありますかといったら、集落地域整備法、これも一団の百戸ぐらいの農家が集まらないとできないのです。では、あと何があるのかといったら全くないのです。
しかも、そこに都市公園をつくろうと思っても、いわゆる基盤整備という構造改善事業が入っておりますと、それが終わるまでは一切他のお金が入れません。途中でやめたくなっても続けなければならない。しかも、完了してから基本的には八年間は他への利用はできない、こうなっておりますと、水田のこういう減反
政策のはざまの中で、今市街化区域の農地も問題になっておりますけれども、それ以上に大都市あるいは中小都市からちょっと離れた農村地帯は、農業の補助金が入りますと、そこに都市公園
一つつくれないのです。都市公園をつくってくれと言っても、基盤整備事業が入っておりますと手が出せない。これはやはり農家の方にとってやりきれない問題で、我々も政治家としてその質問を受けて最も心が痛むのです。転作作物はないわ、減反はしなければならないわ、後継者はいないわ、このやりきれなさを、ではすぐ、建設省や国土庁がお考えになると、ちょっと規模が大きいのですね。国土庁
長官は御専門でございますので、もう少し規模を小さくしていただいて、数人とか本当に話の合う仲間で、農地を、いわゆる逆線引きなり調整区域の中に踏み込んでいって――宅地がないわけじゃないのです。この
基本法で一番問題になったのは宅地が足りない、
需給関係がアン
バランスだということだった。しかし、こういう八十三万ヘクタールということになってまいりますと、考えようによっては、良好な良質なしかも低廉な居
住環境というのは中小都市の付近にたくさんございますし、調整区域の中に良質な良好な、大きな何ヘクタールという形ですぐやれという構想ではなくて、小さな形で農家の方がああやりたいな、やろうという気持ちになれるような
政策がおできにならないか、これが
一つの
問題提起でございます。
もう
一つは、これもどうしてもお願いしたいのは、先ほども御答弁あったのですが、これは
大蔵省の問題ですけれども、
大蔵省は六十二年七月から特別ヒアリングをやっていただいているわけです。非常に一生懸命やっていらっしゃる。
長官も何回か
大蔵省と話をなさっていることも知っております。ところが、六十二年の九月の三十五兆九千億から元年七月まで四十四兆と貸し出しが減りませんし、件数も全く減らないのです、どの
銀行もノンバンクも。ですから、この辺のところの
あり方についてももう一歩、
不動産業への貸し付けが全部悪いなどとそんな荒っぽいことは言いませんので、この辺のところをやはり
国民が納得できるような
あり方に、私は
金融を是正していただきたい。
この二つ、恐縮でございますが、簡単に御答弁いただいて終わりたいと思います。