○永井
委員 内閣一致してこの
交通安全対策に取り組んでいくということでございますけれ
ども、私がここであえて発言しましたことは、例えば不幸にして天災地変でたくさんの方が亡くなられたり、あるいは
日航機事故のように集中的に死亡者をたくさん出すという不測の
事態が起きたとき、必ず本
会議の席上でもそのことに対して弔意をあらわしながら
事故の防止に努めますということが、
内閣の側だけではなくて、政党側が
質問に立った場合でもそのことに触れられるケースが非常に多うございます。
年間に一万人を超える
死者というのは大変な数でございまして、これだけ
交通事故に対する
キャンペーンがマスコミを通しても張られておる中で、あえてそのことに海部
内閣が触れなかったということに対して私は非常に不信感を持つのです。今各
大臣が言われましたように、
内閣が一致して
交通事故をなくしていこうという決意がおありなら、この所信表明のときにもぜひそのことについては決意を表明していただけるように
閣議の中でもなされなかったのだろうか、このことを私は非常に遺憾に思います。
それぞれ各
大臣の決意はわかりますけれ
ども、やはり形の上で、総理
大臣が就任されて初めて所信表明をされるときぐらいは、これだけの大問題、
交通事故防止ということについては強い関心を持っていることを
国民の前に示すべきではなかったか。これをあえて強く私は苦言を呈しておきたいと思うわけであります。今各
大臣が言われましたように、だからといってもちろんなおざりにする問題ではないはずでありますから、各
大臣の決意を私
どもは強く受けまして、お互いに努力をしてまいりたい、こう思っております。
さて、時間の
関係もありますから、多くの問題を準備はしておるのでありますが、全部を
質問することはできないと思うのですが、できるところまでやりたいと思いますので、事前に
質問通告しておったところで
質問ができなかった分がありましたら、御勘弁をいただきたいと思うわけであります。
まず最初に、JRの問題でありますけれ
ども、これは
質問通告をしておりませんでした。
実は、相次ぐいわゆるたるみ
事故とも言われておりますし、ミスの
事故とも言われておるのでありますが、連続して
事故が最近起きているわけですね。これは
運輸大臣に私はお聞きをしたいと思うのであります。
例えば、重大
事故に至らなかった
事故の中でも、これは新聞の切り抜きなどをここに持ってきているのでありますが、常磐線で線路の保守の際に、単なる確認の手違いがあったために、線路を外したところへ列車が突っ込んだ。もう
考えられない
事故なのですね。そんな単純なことがなぜ起きるのだろう、どこにその原因があるのか。
あるいは習志野の電車区でありますが、引き込み線内のポイントで待機中の電車に対して電車が追突をしている。その原因は、もちろん信号の見落としとかいろいろなことがあるのでございましょうけれ
ども、ポイントの切りかえという問題も
指摘をされている。こういうことがなぜ起きるのだろうか。
同じく常磐線の北小金駅でも、ポイントの切りかえミスから別の線路に進入をしてしまって、大きな
事故になりませんでしたけれ
ども、もしもこれが重大
事故に発展しておったとしたら、これは大変な
責任問題になってくると思うのです。
係員が早まってポイントを切りかえてしまうとか、うっかりして信号を見落としたとか、こういうことがずっと続いてきて、安全ということに対して、JRに対する
国民の不信感を招いていると私は思うのです。
そこへ持ってきて、私が非常に重視をすることは、線路と線路の車両限界が若干間違えて線路が保守されておったために、
接触事故が起きました。これも別に人身
事故が起きたわけでもありませんから、直ちにこの線路を直して事がおさまっているわけでありますがね。
ここで問題なのは、私は鉄道出身でありますからよく知っているのでありますが、車両限界ということは絶対的なことなのですね。その車両限界を点検しなかったということは、これは言いわけのできないミスだと私は思うのですね。三・四メートルという上下線の間隔が最低限のものとして定められている。その三・四メートルが、
事故が起きて調べてみると約八センチ狭まっておったというのですね。
これは重大
事故にならなかったからいいようなものの、運輸行政としても、単にJRだけじゃないのですよ。もちろん私鉄に対しても同じようなことが十分に
調査されて万全に安全を確認されなくては大変なことになると思いますので、私はあえて運輸行政のあり方について
大臣に
質問しておきたいと思うのです。
まだうっかり問題があります。
大臣、これも新聞の記事です。
団体列車、臨時列車の予約を受けて、その予約の場所へ臨時列車を運転していったというのですよ。そうしたらホームにだれもいない。なぜいないのかと調べてみたら、事前にその
団体の乗客はキャンセルされておったというのですね。乗客が
団体列車を全部キャンセルしているのに、運転側はそのことの
連絡がなくて、列車を運転してそこの駅まで行ったというのですよ。これも
事故に
関係ないけれ
ども、事ほどさように、安全運転に徹しなくてはいけない鉄道事業者が、どうも単純な
連絡ミスが多過ぎる。
私は、ここで
一つ一つの問題を掘り下げて議論するつもりはありません。運輸行政として
一体これをどう見て、人身
事故に発展しないということで軽く見られているのか、あるいはどのように厳重にこの問題を
注意したりあるいは行政の中に生かしていこうとされているのか、ひとつ
大臣なり担当から
お答えをいただきたいと思います。