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水野国務大臣 先ほどもほかの委員の御質問で申し上げましたが、行財政改革の発端は、御承知のとおり、大平内閣の消費税、間接税の取り上げに際してのいろいろな諸問題から起こってきたわけであります。まず、増税をするよりはあるいは税制改革をやるよりは、
政府の中にむだがないか、あるいは財政再建の問題としてさらにいろいろな
補助金の整理とか、そういったことをやっていけるのではないか。また、そういうことをやるだけやって、国民の御信頼をいただいて、その上でどうしても必要ならば税制改革をやらせていただく、こういうようないきさつでスタートしたことは御承知のとおりであります。
大平、鈴木、中曽根、竹下の内閣の間でいろいろな経過がございましたけれども、重ねて申し上げるわけでございますが、国鉄など三公社の民営化をやらせていただいた、日本航空の民営化もやらせていただいた。また、公務員の純減ということ、公務員も生の人間でございますから、ただやめてもらうというわけにいかないわけでありまして、実際は自然に定年退職その他でおやめになる方がある、それに対する補充を抑えながら、少なくともこの数年間に三万人の国家公務員を減らしてきた、こういうことをやってきたわけであります。
また、行政官庁でも、過去のいろいろないきさつから必要なところもあり、むだなところもあるわけでございますが、この
総務庁自身がかつての行管庁と総理府の二つの役所が一つになってできた。あるいは行政組織の中では地方ブロック機関の整理統合ということもいたしましたし、支所あるいは出張所等は六百四十四カ所も整理させていただいた。こういうことでありまして、この勢いはこれからもやっていくつもりであります。
片っ方で、先ほど申し上げました特にNTTの株の売却、日本航空の株の売却によりまして十一兆余りの
歳入を上げていることも御承知をいただいていることだと存じます。これが国債の償還に充てられ、あるいは社会資本の
整備になりまして、特に社会資本の
整備は、今日約三年引き続いております日本の、未曾有だとかイザナギ景気以上だと言われておりますが、私はこの日本経済の繁栄の大きな刺激になってきたというふうに思っているわけでございます。この刺激がまた一つ返ってきて、税の自然増収とかこういったことが図られているわけでございます。
そこで、これから一体何をするかということでございますが、海部内閣に当たって、対話と改革ということで海部総理から強く要請がございまして、その改革の一つとして行財政改革を引き続いてやろうということで、私どもは今懸命に努力をしている最中でございます。また、民社党からのいろいろな御要請あるいは御要望をいただいておりまして、それも参考にさせていただいてこの行政改革をエンドレスにやっていこう、こういう意気込みでやっているわけでございます。現在新行革審の方で御
審議をいただいているわけでありまして、何をやるかということは、私どもが直接手を突っ込むのではなくて、やはり行革審で民間その他いろいろ各方面からの御意向をいただいて、それを濃縮して、それを
実施していく、こういうことで御
審議をいただいているわけであります。
その第一にテーマとされておりますことが中央と地方の問題である。特に、四全総その他で
指摘をされておりますように、東京及び東京圏に一極集中ということが起こってまいりまして、日本の国全体がいろいろ社会的な経済的なひずみが極端になっておりますが、この点からも地方の活性化ということを御
審議いただいている最中であります。いずれ早い時期に、大体今年内あるいは今
年度の第四・四半期の早い時期にこの問題は御答申をいただけると思います。それをいただければ、これをまた土台として私どもは行政改革に取り組ませていただくつもりであります。
それから、もう一つの問題は、公的規制の問題であります。日本の国は過去においていろいろ、酒、たばこの売り方あるいは大型店舗の問題であるとか、その他運輸関係の問題であるとかトラック便の問題であるとか、こういった問題が山積みされて社会的な一種の秩序となっておりましたが、これが国際化の時代になって、どうも日本と外国、特にアメリカとの間では非常に違和感が生じていることは、毎日の新聞でもごらんになっていただいているとおりであります。この辺の問題を踏まえて、公的規制の問題を第二のテーマとしてこれも新行革審で御
審議をいただいている最中でありまして、今何をどうということは申し上げられませんが、いずれこれも御
審議をいただくであろう、それに基づいて
政府として、
総務庁として鋭意努力をして、公的規制の緩和といいますか、あるいは廃止というような問題について努力をさせていただく時期が来るであろうと思っている最中であります。
最後に、新行革審でございますが、これの設置の
法律的な問題が来年の四月に大体終わることになっております。そのポスト新行革審の問題ということについて一体どうするのかということでありますが、この問題についても新行革審の中で御
審議をいただいております。私どもとしては今余り差し出がましいことを言ってはいかぬのかもしれませんが、これで行政改革が今
年度で終わるということではまことにいかぬことでありまして、引き続いて行政改革をやっていけるような素地をつくり上げていきたい、また、そういう御答申が多分新行革審からもいただけるであろうと期待をしている最中でございます。