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武村委員 百億円弱でありますから、ODA全体から見れば百何十分の一という金額であります。
地球環境への
取り組みの中でさまざまな問題があるわけでありますが、最もわかりやすい、今余り議論の要らない、すぐに行動を起こしていい問題が、この熱帯雨林の
減少にどう
対応していくのか、
減少への
対応だけでなしに、これをふやす
努力をどうしていくのかということだと私は思うわけであります。特に緑をふやすことは、そのまま
温暖化の議論になりますCO2にも大きくかかわってくるわけでありますだけに、むしろ科学的知見の議論を待つまでもなく
日本みずからもODA、この分野に一番力を入れていくべきではないか。
ある学者の話によりますと、今地上の緑の総面積は四十三億ヘクタールでございますが、これを一五%くらい
拡大することができれば今世紀中のCO2の総
排出量をカバーするに匹敵するという説がございました。ことし六億ヘクタールくらい緑を
拡大すれば今世紀中の
排出量に匹敵するだけの
対応になる、そういう説なんでありますが、そのことを例にしましてもおわかりのように、緑が
減ることにブレーキをかける、緑をふやすためにどう
努力をしていくか、それも議論でなしに、今すぐからでもこの
努力を開始をすることが一番大事なことではないかというふうに思います。そういたしますと莫大な金が要るということになるわけであります。
長官御出席のこのノルドベイクの
宣言にも最後の方に、千二百万ヘクタールふやしていくということが書かれておりまして、これは純増が千二百万ヘクタールでございますから、リフォレステーション、今千百三十万ヘクタールと言われておりますが、これを例えば八百万か六百万かなるたけ減らしていくという
努力と並行して、これを上回るプラス千二百万ヘクタールの
努力を展開することによって緑を
拡大していこう、そういう考え方がこの
宣言に盛り込まれたものと思うわけであります。恐らく財政的な裏打ちまで議論されてこの文章が決まったわけではないと思うのでありますが、それにしましてもこれは大変なスケールの問題でございます。
私、これも
小杉議員と一緒に夏に東南アジア三カ国を訪問しましたときに、インドネシアのサリムさんも、それからフィリピンの
環境大臣も期せずして、
我が国では一ヘクタールの
植林に千ドルかかりますということをおっしゃいました。大体一ヘクタール千本くらいだそうです。したがって、一本一ドルというふうになるわけでありますが、一ヘクタールの
植林に千ドルということで計算をいたしますと、千二百万ヘクタールという数字は百二十億ドルということになりましょうか。
日本の今の
植林のODAの予算は九十五億円でございますから取るに足りません。私は、先般WELFの
会議でもちょっと発言させていただいたのですが、大変粗っぽい
提案ではありますが、
世界のGNPの〇・一%ぐらいを大変シリアスな
地球環境の
対策に優先的に振り向けるべきではないか。
世界のGNPはいろいろなとり方があるそうですが、二十兆ドルというふうなとらえ方をしますと、二十兆ドルの〇・一%というのは二百億ドルになるわけであります。そのことは、
日本のGNP対比でも、恐らくことしはもう四百兆円ぐらいになっているだろうと思うのですが、四百兆円という仮定を置きますと、その〇・一%は四千億円という数字になります。ドルで言えば三十億ドル、アバウトですがそんな数字になりましょうか。たしか昨年の
日本の
環境関係のODAの総予算がやっと一千億を超したという報告でございましたし、竹下総理でございましたか、サミットかどこかで三年間で三千億円という
日本政府の意思表示もいただいているのですが、これは一年間にすれば一千億円ですから、
環境全体のODAの援助総額、上下水道やらみんな入っておりますので、とてもこの額では
対応できない。ですから、そういう中でいろいろ計算してみて、〇・一%という数字は大体二百億ドルに匹敵する、この
世界のGNPの〇・一%を
地球環境を守るために振り向けられるのなら、その半分を緑の問題に向けて、あとの半分をその他さまざまな
課題に向けるという大ざっぱな分け方をしますと、二百億ドルの半分、百億ドルくらいを毎年
世界が拠出をして、失われつつある
地球の緑を復元するために、リフォレステーションのために振り向けることができないだろうかというふうに思っているわけであります。この百億ドルが、ノルドベイク
宣言の千二百万ヘクタール、これは一ヘクタール千ドルではちょっと足りませんけれども、ほぼそれに合ってくるわけでございまして、そのくらいのスケールで
地球の人類全体が
努力を開始しなければいけませんし、ましてや先進国の
日本がこの問題に意欲的な姿勢を示そうとすれば、
日本のGNPの〇・一%ぐらい、その半分の約二千億円ぐらいは熱帯雨林の復元に優先的に振り向ける決意をすべきではないか。今の九十五億円からいいますと約二十倍にふやすということになりますが、そのことを真剣に考えていかなければいけないと思っている次第でございます。
そうなりますと、今の
政府予算の中でやりくりをしていくのでは展望がなかなか開けません。何か新しい仕組みを持ち込まなければ、そういう大きい金額を特定の分野に出すことは不可能に近いぐらい難しゅうございます。そこで、
地球税という、言い方は単純でありますけれども、これこそ
目的に合わせた新しい財源を
国民に訴えて、
国民の理解をいただいて、その上でそういった大きな財源を確保して、
目的税として
地球環境を守るための新しい財源の工夫があってもいいのではないか。単純な計算をいたしますと、
消費税でいいますと〇・二%プラスさせていただくと四千億円になるのですけれども、これは皮算用でございますから事はそう単純ではありませんが、これは法人税であろうと所得税であろうと何でもいいのでありますが、どんぶり勘定の一般財源の中で
地球環境というとらえ方がなかなかしんどい。そういう意味では、何か特定の
目的税を創設することによって
国民隅々の理解をいただいて、この問題に
日本の国全体が積極的な姿勢を示すことができたらというふうに考えるわけでありますが、いかがでございましょうか。大臣及び農林省の御所見を伺います。