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緒方政府委員 先生御案内のとおり、イギリス及びフランスから再
処理をいたしました結果出てまいりますプルトニウムを日本に持ち帰ってくるわけでございますが、これを
動燃事業団が国内で利用するわけでありますが、
輸送方法を航空
輸送にするのか
海上輸送にするのかということで、かねて
検討してきたわけでございます。
そこで、十二日の原子力
委員会では次の三点について結論を出したわけでございます。
まず
返還輸送の時期でございますが、
動燃事業団は現在「常陽」あるいは「ふげん」という炉でプルトニウムを使っているわけでございますが、一九九二年に臨界をいたします予定の高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」の運転でプルトニウムが必要になってまいりますので、それらのことから国内でのプルトニウムの需給関係というものを勘案いたしますと、一九九二年の秋ごろまでにこのプルトニウムの
返還輸送というものを開始しなければならない、こういうことでございます。それが第一点です。
第二点は、九二年という時点を
考えますと、これまでの
輸送方法としては、御案内のとおり日米
協定上は航空
輸送によるというのがいわば原則で、これが達成できない場合に
海上輸送をする、こういうことになっていたわけでございますが、航空
輸送をいたします場合にはいわゆる盗取等に対する問題のほかに、飛行機が墜落をする等の不測の事態に備えてプルトニウムを安全に
輸送できるような容器の開発が必要でございます。したがいまして航空
輸送容器の開発に取り組んできたわけでございますけれ
ども、九二年という時点を
前提にいたしますと、アメリカの非常に厳しい安全基準でございますマコウスキー修正条項等、新たに対応しなければならないわけでありますので、それまでに実用化することは不可能と判断せざるを得ない、これが第二点でございます。したがいまして、航空
輸送が不可能ということでございますので海上で
輸送しなければならない、こういうことでございます。
第三の点については、
海上輸送ということになりますと、これは新しい日米原子力
協定のもとでの第一回の
輸送でございますので、
協定のガイドラインに従いまして
動燃事業団が主体となりまして関係各省の、政府の支援を受けてこれを実施していく必要がある、こういうことを決めた、そういう
方針を、専門部会の報告を受け、これを了承した、これが十二日の原子力
委員会の結論でございます。