○高崎裕子君 今後の需給動向を勘案しながら
検討していただけるということで、
対策を特別に講じていただく希望を述べて、次の
質問に移りたいと思います。
私は、二年前の北炭真谷地
炭鉱の
閉山通告のときから、
炭鉱労働者の皆さんの闘いに深くかかわってまいりました。
閉山通告を受けた
炭鉱労働者の、
石炭ばっかり掘ってきたこのおれにこれから一体何をしろというのか教えてほしい、血を吐くようなこの言葉を私は今でも忘れることはできません。
ここに、ことし幌内中学校で、生徒が
閉山のうわさがある中で「幌内 わたしたちの町」と題した文集をまとめました。これは全部読み上げたいところですけれ
ども、幌内の町、山を思う子供たちの気持ちがあふれておりますが、
一つ有田睦美さんという方の作文を紹介したいと思います。
炭鉱の町の子として、やっぱり、
閉山はしてほしくないと言いたい。
私達
炭鉱の町に住んでいる人々は、
閉山すると、どれだけつらい思いをするか知ってほしい。親は新しい職を探さなきゃならない。子供は転校しなきゃならない。職が決まったら、その土地へ引越さなきゃならない。
炭鉱の町に住んでいる人の中で、ほとんどの人が引越すと思う。友達とも別れなきゃならないし、とてもつらい、と言う事を
政治家の人達に言いたい。
これはすべての生徒たちの共通の思いです。
さて、
炭鉱一筋に誇りと生きがいを持ってきた
炭鉱労働者と家族の人生を百八十度転換させる
閉山提案は、だからこそ、とりわけ退職の条件、
雇用対策について納得のできる責任あるものでなければならないと思います。会社の
提案の退職者の条件を見ると、
労働者と家族の憤りはどんなに大きいか、改めて感ずるものです。
私は、会社
提案と国が支出する
労働者の退職金見合い分である
閉山交付金とを比較してみました。退職者への手当などは、
提案でも交付金でも大きく四つの柱から成っております。
一つは退職手当、二つは特別加給金、あるいは加算金と呼ばれているものです。三つ目は期末手当、四つ目は解雇予告手当です。単純に比較しますと、会社の
提案も交付金も退職手当では同じ、これはただし、交付金は六百万を限度としておりますが、そして期末手当も一人当たり十万円ということで、これも同じです。
そこで、問題は特別加給金です。お
手元にお配りした表を
ごらんください。
提案では解雇予告手当を含め三十五日から百日となっており、これはちなみに当初の
提案では三十日から七十日、三年未満の人は解雇予告手当のみで、加給金がゼロという大変ひどい内容の
提案でありました。交付金では、解雇予告手当は別途算定し、三十日分を見ているのは御承知のとおりです。これを含めると五十三日から百二十九日となるわけです。
提案では、すべての人が交付金よりしたがって三日ないし五十四日分下回っております。ちなみに、当初の
提案では十三日から七十九日分ということになりますが、これでは交付金を値切り、
労働者に渡さないことになります。これは許されないことではないかと思うわけです。ちなみに、このお
手元にお配りした表にも参考として記載いたしましたが、三井土砂川の場合でも加給金は百二十日から二百七十日ということで、幌内はこれと比較いたしましても、わずか約四分の一という大変ひどい内容となっております。
幌内鉱は、先ほ
ども指摘されましたけれ
ども、
昭和五十年のガス爆発以来、期末手当は半額に抑えられ、春闘でも賃上げ率は大手会社の三分の二と、一貫して低く抑えられてきました。同じ北炭の
真谷地鉱と比較しても、
現地の
労働者から直接実情も伺ってまいりましたが、賃金格差では一日千十八円となっているということです。
労働者も、しかし山を守るためと、この一点で我慢し、犠牲も押しつけられてきたという特別の歴史を持っているのがこの
幌内炭鉱でもありました。同じ北炭
真谷地鉱との賃金格差の問題を考えるのであればなおさら、交付金すら値切る、こんなことで
閉山になったら私は大変だと思います。もちろん、私も交付金だけを当てにしているということではなく、会社みずからに支払う
努力をさせる、このことも当然
指摘をしておかなければならないところですが、ここで強調しておきたいのは、この北炭の
企業の体質、経営姿勢こそ問題だという点です。この点厳しく
指導していただかないと
労働者は救済されないと思いますが、この点での決意をお伺いいたしたいと思います。特に、
大臣にもこの点お伺いしたいところでございます。