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股野説明員 ただいま
委員御
指摘のとおり、本年に入りましてインドシナからのボートピープルについて新しい
状況が出ておりまして、特に
長崎県の
関係者側にはいろいろな意味で大変御
負担をおかけしておるという
状況も起こっておるわけでございまして、我々法務省当局としましても、この対策について今鋭意
検討を進めている
状況でございます。
このボートピープルにつきましては、従来の
我が国の受け入れにつきまして、洋上を漂流しているボートピープルをそこを
通過した日本ないし外国の船舶が救助してこれを日本で受け入れる、こういう
状況で対処してまいりましたが、最近の
状況は、ボートピープルが直接日本の領土あるいは日本の近海に到着するという
状況でございまして、その意味で新しい
状況が出ております。
これに対する
対応策を今
検討中でございますが、これに
関連いたしまして、本年の六月にジュネーブでインドシナ
難民国際
会議が開催をされまして、このように
難民の流出が本年日本について顕著にふえているという
状況がございますが、これはベトナムの近隣の諸国についても同様の
状況が見られますので、このボートピープルの流出を抑止する、こういうための一つの国際的な協力というものがこの
会議で
検討をされました。その
検討の一環として、本当の意味での
難民という性格を持った者とそうでない者と選別する、そういう審査を行うことについてこの
会議で合意をされたという経緯がございます。
この合意を踏まえまして、法務省当局としましては、今後この合意に沿った形でのボートピープルについての対処ぶりを今改めて
検討いたしているところでございます。その
検討の中において、
我が国に到着をしましたボートピープルについて、今後仮上陸許可を一たん与えまして
我が国の領土に上陸をさせた上で本格的な上陸審査というものを
実施する。この結果
難民性が認められる者については、従来どおり一時庇護のための上陸を許可するということにしますが、他方、
難民と認められない者については、入管法の定めるところにより退去強制手続等の手続を進めて、当面入国収容所に収容するという方針を一つ考えて、これについて
検討を行っております。これは、ただいま申し上げましたジュネーブにおける国際
会議の合意を踏まえた
検討でございます。
こういう中で、ボートピープルについて、
難民といってもいわゆる
難民条約に基づく
難民としての性格を持っていると認定される者についての従来どおりの受け入れ方と、加えて、別途、
難民条約に言う
難民という性格を持っていないと考えられる者についての区分けした対処ぶりを今考えているところでございます。これはベトナムから来る
難民について考えているわけでございます。
同時に、ただいま
委員御
指摘の問題が発生しております。これは、ベトナムから来たと称しておりながら実はベトナム人ではなくて中国人が先般到着したボートピープルの中に入っておったという事実でございます。本件につきまして目下
調査中でございますが、まず五月二十九日、美良島に到着しましたボートピープルの中で少なくとも二名が中国の福建省在住の人間であるということが判明をいたしました。これはボートピーブルとして従来受け入れてきた方針に合致しない人間でありますので、これについては一時庇護のための上陸の許可を取り消して、改めて不法入国の該当の容疑で現在入国
管理局に収容をいたして
調査を進めておるという
状況でございます。この二名に
関連して、さらにほかにも同じく中国人であると考えられる人物がこのボートピープルの中に入っておりますので、引き続き入国
管理当局において審査を継続している
状況でございます。
こういう
状況については、これも新しい
状況でございますので、我々としては、ボートピープルの中で真にベトナムからの
難民という性格を持った者とそうでない者とをきちんと区分けした
対応をする
必要性を感じている
状況でございまして、そういう意味での対処ぶりを策定するよう現在
検討を急いでいる
状況でございます。