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国務大臣(
三塚博君) これは、私ども
航空機産業を主管する
立場でありまして、それなりの関心を強く持っておりますことは御案内のとおりであります。しかしながら、建前論を言うわけではございませんが、
防衛当局、外務当局の専管として本問題が、ただいま
防衛庁長官が言われましたような経過の中で協定が相進み、国会の承認を得るということに相なったやさき、
柳澤委員の言をかりますれば、
アメリカ国会が
いちゃもんをつけた、こういうことであります。
国会はそれぞれその国の
国民代表でございまして、国
会議員の発言というのは
お互い議会人としてそれなりの重みのあるものだなというふうには受けとめます。さはさりながら、時に全員が正鵠を射ている発言だとはマスコミの皆さんもとっておらぬわけでございまして、さようなときにこそ
政府が明快な見解を示しつつ、というよりも、本当は
議会指導者がそういう明快な見解を示しつつ対応するのが
議会制民主主義の
立場かなとは思いますけれども、しかし私は、
政府の一員でございます
関係から本問題に対する感懐は持っております。
しかしながら、
貿易インバランスの上に立つ担当大臣といたしまして、
日米両国は極めて重要な同盟国家でございますから、このことは
お互いの協調と理解の中で乗り越えることが大事ではないのかと、こういうことで先般渡米いたしました折も申し上げさせていただきました。我が国の
議会政治の中における
政府の
立場というものは、
議会から強い問題提起、反論が出ましても、慎重な最終判断の中で国際協定を結びました際は、何回も何回も懇切丁寧にその理解を求めて、そのように
議会の各位の協調を得ておるのが我が国の
立場である。
議会制民主主義とは違った大統領制と国会という、完全にそういう直接選挙の
アメリカ国会にそれが通用するかしないかはお国の判断ではありますがと、このことだけは実はしかと申し上げさせていただいたつもりであります。
民間
航空機産業は
共同開発の中で極めて感謝されつつ順調に進んでおるわけでありまして、
支援戦闘機の分野における本問題は、本院の審議でも申し上げたのでありますが、この分野が
日本に
技術移転の中で振りかわるのじゃないか、
アメリカの優位性が振りかわってこちらになるといういら立ち、そのインバランスの中におけるいら立ちの延長線上にありましたことでありますので、鎮静化を待つというのも、これは平和国家を国是とする我が国の一つの
基本的な姿勢かな、これは
竹下首相の就任以来の
基本姿勢でありますから、その閣僚としていちずにこのことを守ってやってまいりました。