○仲川幸男君 去る二月一日から三日までの三日間、愛知県及び岐阜県に
委員派遣が行われましたので、その
調査結果の
概要を御報告申し上げます。
派遣委員は
杉山令肇委員長、
粕谷照美理事、佐藤昭夫
理事、
木宮和彦委員、山東昭子
委員、
世耕政隆
委員、
高木健太郎委員、高桑栄松
委員、勝木健司
委員、下村泰
委員と私、仲川幸男でございます。
一日目は、まず名古屋大学の視察から始めました。早川学長から大学の
概要等について
説明を受けました。最近、同大学では、大学院生の増加が著しいため、大学院の
教育・研究経費の一層の充実が必要となっていること、増加する留学生への対応が大きな問題になっていることの二点が特に強調されました。留学生の受け入れば現在四百四十五名に上り、五年前の約二倍となっております。今後とも、留学生宿舎の
整備、留学生担当教官の拡充等きめの細かい施策が重要との指摘がありました。
説明の後、プラズマ研究所、農学部の園芸実験室、さらに、留学生の宿舎インターナショナル・レジデンスを視察いたしました。レジデンスでは留学生と懇談の機会を持つことができました。
次いで岐阜県庁を訪ね、土屋企画部長から県勢の
概要について
説明を受けました。同県は繊維、陶磁器、刃物等地場産業が盛んなため、第二次産業の占める割合が全国第一位でありますが、今後は第三次産業の一層の
振興を図るべく、第四次総合計画を実施中とのことであります。続いて吉田
教育長から県の
教育行政の
概要について
説明を受けました。同県では、生涯学習体制を整えるためスポーツ
施設や
文化施設の
整備充実、東西
文化の接点として
文化財が多いためその保護などに特に力を入れているとのことであります。今後の課題としては、第二次ベビーブーム後の児童生徒数の激変に対処するため、公私立間の調整の問題が挙げられました。なお、同県の特色として、私学の担当部局を知事部局に置かずに
教育委員会に置き、学校
教育全体の枠組みの中で私学
振興策を講じているとのことであります。なお、岐阜県からは岐阜大学大学院の夜間コース
設置等の要望を、また岐阜市長からは史跡加納城の復元の要望を、私学団体からは生徒急減対策等の要望を受けました。
二日目は、創設
準備中である核融合研究所の建設予定地である土岐市に赴きました。同研究所は、名古屋大学プラズマ研究所を大学共同
利用機関として改組するものであります。現在敷地造成中であり、市長からも建設促進方の要望を受けました。
続いて日本三大山城の
一つである岩村城跡を視察いたしました。岩村城は約八百年前築城されたものでありますが、現在は本丸を初めとする石塁を残し往時をしのぶことができます。なお、城山のふもとにある歴史資料館には、日本最初の英和辞典など貴重な
文化財が保存展示されております。
午後は、まず県立明智商業高校を訪ねました。九五%の生徒が就職するため、
教育方針も実社会で活躍できる人材の養成を目標に、基礎学力の充実と各種資格の取得、部活動や奉仕活動を重視しているとのことであります。そうした
努力もあって、非行や中途退学等もほとんどないとのことであります。
次いで、恵那郡明智町の財団法人日本大正村を見学いたしました。役場、郵便局、カフェーといった建物、町並みに大正の面影を残しております。さらに、町ぐるみで風俗、人情に至るまで大正の雰囲気を残そうと
努力している様子がうかがわれました。
三日目は、まず益田郡萩原町の禅昌寺を訪れました。雪舟作の大達磨像を初め多くの古画、古美術を所蔵しております。
続いて、
昭和五十七年にオープンした高山市民
文化会館を訪れました。一、二階が豪華なホール等を備えた
文化会館で、三、四階には公民館を併設し、
利用者も年々増加しているとのことであります。
高山ではその後高山陣屋を視察いたしました。高山陣屋跡は七五%が復元されておりますが、県から完全復旧
整備のための国庫補助の要望がありました。
陣屋を後にして、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている出格子の連なる三之町の町並みを経て、屋台会館を見学いたしました。屋台会館には、高山祭に引き出される精巧な細工の屋台が展示されております。
高山を最後に私
どもの派遣の日程を終えましたが、本報告の中で詳細に触れることができなかった岐阜県、岐阜市及び私学団体からの要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載していただくよう
お願い申し上げます。
最後に、この場をかりまして視察先の
関係者の方々に改めて御礼申し上げます。
以上で報告を終わります。