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政府委員(
成川富彦君) ちょっと時間をおかりして恐縮ですけれ
ども、民放連の
意見についてまず申し述べさしていただきますと、民放連の
意見は
運用面での配慮を求めつつも、法案には賛成だという立場でございます。
放送法改正を行ったといたしましても、
通信衛星を利用した
放送の実際の
導入は、
放送普及に係る既定の政策目標の達成状況を見きわめた上で行う。既定の政策目標というのは、先ほど来
お話ございました全国四波、見えるようにするというようなものなどを指しているわけでございますが、そういうものを見きわめた上で行われるということでございます。
将来、認める場合につきましても、
放送の種類とかそれから
サービスの実施時期だとか、財源方式等につきましては段階的にいろいろと
考えた上で
導入を図るべきだという
意見ですが、主たる運営財源につきましては
有料放送収入方式をとるべきであるというようなことも言っております。それからマス
メディア集中排除原則については柔軟な適用を
考えるべきであるということを言っております。
それから、もう
一つ言っておりますのは、
通信衛星を利用した
放送を実施する場合は、
放送普及基本計画を初めといたしまして、
既存放送とイコールフッティングをとるべきであるということでございます。
それから新聞協会の方でございますが、新聞協会の方は、概括的に言いますと自由放任の
制度を求めているということは言えるかと思います。
通信衛星を利用した
情報を提供する者を
放送事業者とすることには疑問がある。
サービスにさまざまな制約が加えられるおそれがあり、時代の趨勢に逆行して民間の創意を抑制することになるんではないか。
それから二点目といたしましては、
通信衛星による
情報サービスは、当面自由にスタートさせて提供者の創意と自主性にゆだねることが妥当である、マス
メディア集中排除原則の適用は理解できないというようなことを言っております。
私
ども、それらに対してどういう
意見を持っているかということでございますが、まず第一点の民放連に対する
考え方でございますが、
通信衛星を利用した
放送は
受信のために、けさほど来随分話が出ておりますが、一・二メートル
程度の
アンテナを必要とするわけでございまして、負担も大きいし、制約も
かなりある。そのために
普及にもおのずから限界があるんじゃないか。したがいまして、
地上系の
放送への
影響はさほど大きなものにはならないと思いますけ
ども、日本
衛星放送会社とか、それから
既存の
放送事業者に与える
影響を十分見きわめるために実施する
サービスの種類だとか、実施時期だとか、それから財源のあり方等につきましては、段階的な
導入を図っていくべきだということで、そう対立しているというようなことはないんじゃないかというふうに思っております。
それから、今申し上げましたように、いろいろなことで、
既存の
放送秩序とのかかわりだとかいうことで調和ある
発展を図ることということにしておりますので、全国四波化等の
放送普及基本計画の目標達成に大きな
影響を及ぼすことはないんではないかというふうに
考えております。
それから、マス
メディアの
集中排除原則の柔軟な
措置につきましては、従来も地上でも
考えておりますが、今回もできるだけ多くの者に
放送を行う機会を確保するという
観点から、マス
メディアの
集中排除原則を基本とするわけでございますが、先ほど来御議論ございましたけれ
ども、
関係者の
意見を聞きながら検討をしていかなきゃならない点もあるんじゃないか。マス
メディア集中排除原則は守っていかなきゃならないけれ
ども、ある
程度関係者の
意見を聞いて柔軟に対応することも検討していかなきゃいかぬじゃないかというふうに思っております。
それから、新聞協会に対する
意見でございますが、改正案につきまして、
通信衛星を利用して
情報を提供する者を
放送事業者とすることに対しまして、新聞協会は疑問を呈しているわけでございますが、今回の改正案は
通信衛星による
放送を実現するためのものでございまして、その対象となるのは
一般にといいますか、
公衆を直接対象とする
放送でございます。
公衆に対し同時に直接無線
送信という、
放送を
放送として取り扱うと、当たり前な話ですが、そういうことでございまして、
通信を
放送として取り扱っているものではございません。したがいまして、若干新聞協会の方は
通信を
放送として扱うかのごとき御
指摘でございますが、そういうことではございません。
放送は
放送として、
通信は
通信として扱うという形でございますので、その辺についても理解が得られるんじゃないかというふうに思っております。
それから
通信衛星による
情報サービスは、当面自由にスタートさせるべきである、またマス
メディア集中排除原則の適用は不要としているわけでございますが、
委託放送業務につきましては、受託
放送事業者に委託いたしまして、自己の
放送番組を
送信させる
業務でございまして、受託
放送事業者の持つ
周波数の指定を受けて占用するわけですね。気象電波の活用というような
観点からいたしますと、占用的にその電波を使用するわけでございますし、それから直接家庭に浸透していくという点からしますと大きな社会的な
影響力を持つわけでございます。したがいまして、従来の
放送と形態的にはいろいろと、
中身の点では専門
放送とかなんかと違いがございますけれ
ども、形態からしますと従来の
放送と何ら変わりがないわけでございますので、今回提案させていただいているように最小限の規律は必要ではないかというふうに
考えておりまして、この辺は若干新聞協会と
意見を異にしているところでございます。