○大森昭君 あなたは言っておることが非常に独断なんだよ。二・一%の定昇があるなら、二・一%の
財源を組むの。二・一%の定期昇給だけではことしは間に合わないだろうと、まあ恐らく賃金もベースアップしていくだろう。それで一・八%組むの。いいですか。それで、今あなたが言ったような
効率化だとかいろんな問題でもって人件費が減る部分があれば、減る部分でもって組めばいいの。
あなたのところは違うじゃないですか。
予算編成の仕方を見ると一緒くたで、
要員の問題もそう、賃金の問題もそう、全部絡めて賃金は一・八%しか上がりませんよ。
要員は三百四十名減ですよ。見てごらんなきい、郵政省だって
要員は、今、国家公務員というのは全部、第七次
計画で三千名減なんだよ。しかし、減は減で三千名あったとしても、とにかく都市近郊でマンションが建ったり、ビルが建ったりするから、増員分は何名といって、そこで決着がつくんですよ。ところが、実際はことしは郵政省が決められた三千名が、増員分が二千名あるから差し引きで千名減だとか、今まではずっと増だったんだけれ
ども。
そういうように基本の部分をきちっとやらないと、あなたは三百四十人はみんなやめていくでしょう、年とった人もやめていくだろうという
前提に立つ
予算を組んでいるわけだ。だけど、これは私
どもこんなことを一々
国会でできないですよ。対応する機関があるわけでしょう。賃金を上げるには
一体どうするのかといったら、労働組合と協議するんでしょう、団体交渉
事項でしょう。
要員の削減問題だって労使間でもって決めなければならぬ問題でしょう。そういうものが決まってもいないのにこの
予算を出されて、だから、私は一口で言うと、
効率化とはいろいろなことを言われている中で、どんどん
公共放送の質を低下する方向に行ってるんじゃないかと言っているんだ。そこを一番心配するの。ところが、これを読んでも、さっきの
会長の読まれたやつでも、すぐれた
放送を
実施すると書いてあるんですよ。
だから、私が今一番心配しているのは、個別的な問題もあるけれ
ども、問題は、
公共放送というのは
一体何かと。値上げができないから賃金も上げない。大体、今あなた、民間
放送と
NHKの賃金比較なんかをしたことがありますか。今民間
放送と比較したら、賃金のとり方はありますよ、いろいろ。しかし、
NHK職員の方が低いんだよ。ことしの春闘でも恐らく民間
放送は一・八なんて、そんなばかげたことはないですよ。少なくとも、今言われたように大形ぐらいいくだろうと言っているわけだ。だから、そうなってくると僕は、NTTの問題じゃないけれ
ども、真藤さんがどういうわけでああなったかわかりませんが、そりゃNTTだって大変でしょう。もう
一般の職員の士気が物すごく低下したという話で、管理者の人がみんな挙げて今NTTの士気高揚に、とにかくオルグに行っていろいろ話しているらしいけれ
ども、この
予算書を見たり、それからきつき
及川先生が読まれたもの、真実はわかりませんが、何か知らないけれ
ども、トップの人事は何だかもう——いや言っていることですよ、そうかどうかというのは別にして。それで、
予算書を見れば、衛星をやるというのに人はどんどん減っているわ、賃金は何だかわからないけれ
ども、一・八%しか上がらないわじゃ、これじゃ
事業は人なりとよく言うけれ
ども、意識が上がるわけがないじゃないですか。
だから、私は少なくともそういうふうに
予算上は、例えば定期昇給が二・一、上がるのが一河か二形かわからぬけれ
ども、想定して上がるのは幾ら、仮に上がる分が想定できないとすれば別個に
財源がありますと、これは労使間でもってよく話をして、
一般的な相場として賃金をお支払いしましよう。人の削減だって、例えば一チャンネルから三チャンネルができたときには千八百人もふえたというんです。これは昔のことだから、当時の情勢を今にすぐ当てはめられないけれ
ども。しかし、少なくとも
衛星放送をやるということになったら、これはもう膨大な人手がかかることはだれが見ても明らかでしょう。あかしもヘチマもないんだよ。そんな格好をだれにつけているの。
政府に格好をつけているの。
政府に格好つけて
予算が通ると思っているの。そんな格好なんてものはやめなきいよ。
公共放送を守るんだったら、しっかりした
公共放送を守る理念がなけりゃならない。何か郵政省から言われた、
政府・自民党の逓信部会から言われたからといって、一年早めて人を減らした方が格好がいいじゃないかとか、そんなくだらないことでもって
公共放送を守れますか。もう少しまじめにやりなさいよ、まじめに。だから、私は、そういう
予算になっているときに、単に郵政省がそれを見て、ただ効率的にやれとかなんとかいうんじゃなくて、もう少し職員の給料を上げてやれと。今、週休二日制の土曜閉庁なんだ。時間短縮
一つとったって人数がふえることは明らかでしょう。できなきゃできないてしようがない。労使
関係で世の中週休二日になって、時間短縮になるけれ
ども、我慢してくれと言って、ああそうですがといって我慢すればいいけれ
ども。郵政省はそれを見たときに、週休二日制になっていくだろうし、時間短縮になっていくだろう、君のところが一年早めて三百四十人も減らして格好つけたって、それはなかなかうまくいかないよ、だから、そんなに一年早めなくたってもう少し様子を見て、仕事がふえているんだからとか、そういう
意見書をつけたっていいじゃないですか。違うんですか。そういう
意見書をつけると問題になるんですか。格好のいい
意見書で、そんなものどこかで読んだなと思ったら、去年もおととしもみんな同じ文句さ、これ。ただ衛星があるから少し違うんだけれ
どもね。
こういうことをやっていると、いろいろな問題がさっきから指摘されていますが、
公共放送とは
一体何か、疑問なんです。それは確かに
逓信委員会で今の
NHKに対して非常にむだがあるという
委員の方の御指摘もありますよ。それは私も否定しません。むだなところもあるでしょう。ないとは言っていないんです。減らすところは減らしゃいいんですよ。しかし、ふえるところもやっぱり見なきゃ。民間
放送との比較、これだって
逓信委員会始まって何回も言っているんだよ。民間
放送に従事している類似産業の
人たちと比較してどうなんですかという話、しょっちゅうしている。
もう少し物事というのは、そういうきれいごとだとか格好つけたんじゃ
公共放送なんか守れません。しまいには賃金ももう安くたっていいじゃないか、赤なんだから。人なんかもう五百入減ったって六百入減ったっていいじゃないかということになる。島さんは長期
計画を出すというわけだから、今度一万五千体制から一万二千体制になるのか、
衛星放送が上がったその仕事の
状態から見て。これは郵政省の
意見書にも書いてあるけれ
ども、「衛星第二テレビジョンにおいては、難視聴の解消のために必要な
放送を確保すること。」、これだってよく見ると、第二
放送というのは今は再
放送をやっているでしょう。再
放送ばっかりやっていたんじゃ衛星の第二チャンネルはうまくないから変革していこうというんでしょう。変革したら人が減るに決まっているじゃないですか、再
放送をぼんぼん流しているんじゃないんだから。第一が変わっていく、第二が変わっていくんでしょう。そういうところを見ないでやっていくんだったら、
NHKはしまいにはなくなっちゃいますよ、本当の話。
だから、もう少し
財政が厳しくても守るところは守る、そういう
立場で、これは赤をつくることを奨励しているわけじゃないけれ
ども、多少赤があったって
公共放送を守るためにはやむを得ないという決断がなきやね。株式会社じゃないんだから、いつも黒ではかりいこうなんて
考えたってそうはいかないんだよ。そうでしょう。歴史を見てごらんなさい。
NHK予算でもっていろんなことをしながら、
公共放送をサービスしながらやっていって、三カ年
計画をやって、四年延びて五年延びて、非常に立派な
予算執行をした場合でも六年目になれば上がるんだよ。なぜかといったら赤が出るから上がるんでしょう。だから、赤をなるだけ少なくしよう少なくしようとやってい。たら
公共放送なんか成り立たないんだ。
時間がないから答弁は要らない。僕が言っているのは、個々の問題はたくさんあるけれ
ども、問題は
公共放送を
一体いかに守るか。それにはいろんなところから圧力があるでしょう。公共と企業の
経営とは
一体何か。学者問だってみんな一致しませんよ。そうでしょう。
公共放送は、だれかが言っていたよね。公共
料金だなんてそんなことばっかり言っているから
経営がうまくいかないんだと言う人もいるんだよ、本当の話。そのかわり親方日の丸だからといって、
公共放送なんだから
予算には
関係ないといえばこれは堕落するわけだから、そこで、どこで接点を求めるかというのが
公共放送の一番難しいところなんだよ。だけれ
ども、その理念がなくて何か
予算編成がされるところに私はもう最大の危機感を持ちます。
だからどうかひとつ、苦しいときには確かに
効率化も必要でしょう、削減することもやむを得ないときもあるけれ
ども、そんなあかしだなんてだめだよ、植田さん、言葉がよくないよ。そんなあなた、義理と人情の世界でもってやっているんじゃないんだからね、
公共放送というのは。あかしを立てるなんていったって、そんなもので立っていくかい、もっと減らしたらどうかと言う人だっているんだから。
そうじゃなくて、もう少し
業務の実態とそれから今置かれている従業員の
人たちの
気持ち、その意欲を盛り上げるような政策を立ててくれなきゃ、それはとてもじゃないけれ
ども、一万五千人の働いている人が何だと、おれは
NHKに入っているけれ
ども、何が何だかさっぱりわからぬということになっちゃうから、もう少し理念を持って
予算編成にも臨むし、それで、そこに働いている
人たちともよく
意見の交換をして、本当はもう少し
予算編成をする前にやってもらいたいのだが、それで、組合側の言っているのはこうだけれ
ども、
経営者はこうせざるを得ないとか、全然やらずにこんなのをぽんと出されたら、とてもじゃないけれ
ども僕らは本当に取り扱いができないですよ。
それから、さっきも大蔵の役人も何かいろんなことを言っていたけれ
ども、
消費税の問題だって何かさっきは外国じゃみんな取っているというけれ
ども、これはフランスしか取っていないんだよ。あとのヨーロッパというのは全部
公共放送の
受信料なんか取っていないんだよ。だから郵政省が世界の情勢を見ながら、それからさっき
及川先生が言ったような
受信料というのは分担金なんだから、だから視聴したけれ
ども、時の
政府は、いや、そんなことを言ったってとにかくかけるのだって言われちゃったから、島さんじゃないけれ
ども、
協会がそれに、何を言うか、ふざけるなと、
政府がやろうとおれはやらないなんて、それは鈴木都知事みたいなことは言えないのだから、あなたは。だからしようがないけれ
ども、まずそういう視点で
消費税の問題についても対応してきましたと、しかしながら最終的に
政府はその
意見を了承しないで、
消費税が決まっちゃったから仕方がないんですと言えば、じゃ、しようがないなということになるけれ
ども、何か言っていることが初めから仕方がないんですよと、もう
政府が決めちゃったんですよというのじゃ、何だか
委員会をやっていたって、
消費税の
質問をしたってばかみたいになっちゃうのだからね。
消費税をやられるけれ
ども、
一体協会だとか郵政省はどういう
立場で臨んでいたかということを明らかにしないがゆえにみんな
質問しているのだから、
政府の答弁みたいなことをしているのだったら、竹下総理
大臣にここに出てきてもらってやった方がいいんで、そういうようにけじめをきちっとつけて、とにかく
公共放送を守ってもらうことだけをお願いして、答弁いただくとまた僕も言いたくなるだろうから、どうせろくな答弁じゃないんだろうから、ここでやめるけれ
ども、とにかくしっかりやってくださいよ、本当に。終わり。