○山口
哲夫君 人員の増加のために
財政的な
措置も図っていく、それはそれとしてぜひやってほしいんですけれ
ども、既に
交付税の
基準財政需要額の中である
程度見ているところもあるわけでしょう。ところがそれにも満たないような消防職員の人数なんです。行政改革が厳しい中なんて言っているけれ
ども、そんなこと関係ないですよ。行政改革に何も関係ない。少なくとも、
交付税を
基準財政需要額でもって
算定して出している、その人員にさえ全然満ちていないというところがあるんですから、それはまずそこを達成させると同時に、さらにそれでも不足するところについて、今、長官が言ったような
財政措置を講ずるべきだと思うんです。それはぜひやってほしいと思います。
今も問題が出たんで、ちょっと順序を変えまして、今、長官が言ったように、確かに人員の不足ということを認めているんですけれ
ども、そのために一体どういう問題が起きているかということなんです。きのう連絡して、私の方から文書もコピーして差し上げておりますので、恐らく長官見ていらっしゃると思うんですけれ
ども、栃木県の石橋地区消防組合、ここで三十二歳の上田光一消防士長というのが
昭和六十三年の六月の十六日の午前三時ころ職場で仮眠中に死亡している。病名はくも膜下出血。この人はどういう
状態であったのかということについてなんですが、この石橋地区の消防組合の鈴木消防長から、
地方公務員の災害補償基金の栃木県支部長あてに文書が出ているんですね。それを読んでみまして非常に驚いたんです。
こういうことを書いています。「公務災害事案と認められる
理由」として、「消防力の
基準から見た当消防組合の職員数」という中に、「消防力の
基準を準用すると、当消防組合の総職員数は二百九十一名であり、」「百三十六名不足しており、消防力の
基準からの充足率は四一・八パーセントである。」、半分にも満ちていないんですよ、職員数が。「このことは、人員不足及び二十四時間制という不規則な勤務体制、何時発生するか分からない災害への緊張勤務が長期にわたり行なわれたことによる、肉体的精神的疲労が想像以上に蓄積されたものと思われる。」と、こんなふうに書いてある。
それで、一体この職員はどのぐらい休暇をとっているのかと調べてみましたら、何と休んでいるのは二十日間のうち三日間ですよね、一年に二十日間与えられたその休暇をわずか三日間しかとっていない。なぜとれなかったかといえば、やはり職員数が足りないから非番の日でも駆り出されたりなんかするわけです。こういうことを考えたら、いかに消防職員というのが今現場では人数が不足しているか。そのために勤務についている職員がどれだけ労働
強化を強いられているかということがわかると思うんです。
これは栃木県の例だけではありません。三重県でも、やはり夜中の一時まで勤務して、そして次の日は非番に当たっていたのに午後の一時から登山訓練に参加して心臓麻痺で亡くなってるんですね。こういうのがあちこちに出てるんですよ。一体こういうことを考えたときに、職員の不足という問題をもっと真剣に消防庁として取り上げて、消防力の
基準をまず充足させることが必要でないでしょうか。いかがでしょう。