○吉井英勝君 日本経済新聞のことしの一月三十一日付、それから朝日新聞のことしの五月二日付に、
金融機関の週休二日制実施以降、例えばママさん行員は、保育園の子供の送迎にあたふたの人が出てきたりとか、子供の送迎ができない人も出てきているとか、こういうことが紹介されておりまして、実は千八百時間へ向かう方向で週休二日でしたら、こういう問題は出ていないのです。ところが、それがやられていないためにこういう問題が出てきているわけなんです。ですから、このこと
自体が実は
銀行業務の上でも、また顧客サービスの面でも
一つの支障を来す問題になってきておりますので、これはぜひそういうことも含めた実態を調べていただきたい、まずこの点を申し上げておきたいと思うのです。
続いてサービス残業の問題なんですが、これも
銀行関係、生命保険、損保関係の
金融職場全体に非常に広がっているのです。サービス残業というのは残業手当の不払い労働の問題であります。
私は、実は
銀行職場の方から寄せられたはがきの幾つかをコピーして持ってきているのです。これはアンケートに
答えてもらったわけです。三和
銀行の二十の女性なんですが、昨年の九月から十一月の一カ月間の平均残業時間は五十時間です。残業手当を請求させてもらえなかったいわゆるサービス残業は四十時間です。この人の平均帰宅時間は何時かというと、二十の娘さんがほとんど毎日午後九時ないし十時です。昼食休憩というのは、十分そこそこの間に食事をとらなきゃいけない。有休は五日しかとれていない。また、別の三和
銀行の二十二歳の女性で
預金・為替係の方ですが、一カ月五十五時間の残業時間で、そのうちサービス残業が四十時間。平均帰宅はやはり大体毎晩午後九時になる。昼食休憩は十分ないし二十分しかとれない。有休取得は昨年はゼロであった。男性の場合はもっとすさまじいわけでして、男性が残業手当の手続をとろうとすると、この程度の仕事を残業しないとおまえはできないのかと無能力者呼ばわりされるので、結局残業手当を申請できなくなってサービス残業になってしまう。
こういう問題については、実はことしの三月十七日に近畿財務局の方にも、サービス残業についての問題で
銀行マンの方たちが実態について調べてほしいと。これについて財務局は、申しわけないが実態について認識はしておりませんという回答でありましたが、しかし
銀行法、労基法など法違反があれば指導するという当然ながらの明言はしておられます。
ですから、それが進行していく中で、サービス残業、持ち帰り残業、長時間過密労働の中で、
金融機関に働く
人たちを私はいろいろ調べてみたのですが、かなりの健康破壊、家庭破壊が今進んでいます。例えば昨年の十月に、これも三和
銀行の玉出支店の三十四歳の支店長代理が心臓発作で急死。これは非常に過労が重なっていますね、調べてみますと。昨年末の十二月十九日の三和
銀行上本町支店では、
取引先係の二十七歳の人ですが、二十七歳にしてやはり過労からクモ膜下出血で妻と七カ月の子供を残して在職死亡。それから、ことしの二月二十五日にも三和
銀行の難波支店次長ですが、三十八歳ですが、やはり極度の過労から急性心不全で死亡。これは私、三和
銀行が特別多いのかと思ったらもちろんそうじゃないのですね。
例えば第一勧銀などではマイハートセブン運動というのがやられていますが、何かスマートな名前だと思って調べてみると、ある月の一カ月間で七人の在職死亡という、かつてない
事態が生まれた。これは九時、十時までの残業が当たり前になり過ぎている。ですから、このマイハートセブンのセブンというのは、少なくとも七時には
銀行を出るようにしましょうというセブンでありますね。そういう運動を今やられておったりしておりますが、こうした明らかに今、サービス残業とか長時間労働によって
金融関係の職場で在職死亡や健康破壊が随分出ているのです。
これは私いろいろ他にもデータはきょう持っておりますが、やはりそういう問題が出ているという点では、
銀行局は、それは労働省の問題だということだけじゃなくて、このこと
自体が、顧客との関係においても随分
業務上も安定した
銀行運営の遂行という点で支障を来しているわけですから、やはりこれは
銀行局としても人ごとじゃなくて、きちっと実態を一度調べていただく、そしてしかるべき
対応が必要であると私は思うわけでありますが、この点についての
銀行局の方の
対応について伺っておきたいと思います。