○内藤功君 もう明らかに
労働基準法の所定の残業手当、時間外協定届け出、こういうものを免脱することがありありのものだと思います。手続はもちろんあなたのおっしゃるとおりですけれ
ども、本省としてやっぱりこういう大会社の問題ですから
承知をしておいていただきたい。
そこで、東電のこういう安全軽視、営利優先、労基法違反の疑いある経営政策に批判的な
労働者がふえてきているわけですが、そういう方に対して徹底した思想信条による賃金差別、仕事の取り上げなどの人権侵害が行われているということの報告を受けております。特に、
日本共産党員、同調者と認定した
労働者にはその思想信条、所属政党を理由とする差別取り扱いをやっておるということを私は黙視できないのでひとつ御質問をしたい。
東京電力北電力所の国武道義さんという方ですが、昇格へのワンステップである社内研修派遣の
条件といたしまして、上司から二つの
条件を受けた。
一つ、東京電力の人権侵害差別撤廃訴訟の原告である親友との交際を絶つこと、二つ目は東電労組の政治連盟に入ることを強要されて、拒否をすると、それでは研修に参加させないということになりました。
そこでこの
案件は、一九八二年三月、亀戸
労働基準監督署に三条違反で申告をしたんですね。そうすると同署は、労基法違反の強い疑念があるということで、
条件を一切つけないで話し合って円満解決してくださいと東京電力に亀戸署はちゃんと
行政指導していただいたんです。ところが東電は全く誠意を示さない。国武さんはやむなく今度は東京弁護士会人権擁護
委員会に訴えました。私も人権擁護の副
委員長をやったことがありますが、ここは非常によく調べるところです。八六年の六月十八日に同会は、思想信条による不当な差別的取り扱いがあったと認められるとして救済の勧告書を東電に対して出したんですね。こういうことがあります。
それからもう
一つついでに言いますと、昭和六十三年二月五日、東電の営業所長が女性
労働者に、あなたは
日本共産党員であるかどうかをただして、党員ではない旨の書面を持ってくるように要求を繰り返したということが
事件で問題になり、最高裁判所第二小法廷は、そういう要求を繰り返しなすことは
調査方法として不相当であると判示いたしました。こういう
事件です。
もう
一つ言いますと、東電の社員採用内定者に、共産党員あるいは同調者であることが判明し、あるいは
企業運営上不適当と認められたときは採用を取り消されても異議なきこと、こういう文書を
提出させていた。昭和四十三年まで
提出させていたんですが、さすがに昭和四十四年以降は、共産党員あるいは同調者であることが判明しというところは削ったんですね。ところがその後も、その後段の
企業運営上不適当と認められたときという中に入っていると、共産党員、同調者と判明したときというのは、その前は削ったが後の方に入っているというふうに解釈しているというんですね。この解釈しているというのは、昨年、一九八八年十二月十九日、甲府地方裁判所の口頭弁論におきまして、東電本社人事計画課長内藤久夫、私とちょっと名前が似ている、内藤久夫氏の証言で明らかになったわけです。
憲法十四条の法の
もとの平等、差別禁止、憲法十九条の思想、良心の自由、言うまでもないことであります。
労働基準法三条の均等待遇条項、これらに明白に違反することが私の手元に証拠で固めたやつでもこれだけある。これを最高裁判所はさっきの六十三年二月五日の判決でかように言っております。
企業内においても、思想信条等の精神的自由は十分に尊重されるべきであると判示しておるわけでありますが、これは御存じですか、
労働省としては。大
企業がこういうことをやっていることについて憲法の
観点でいいですか、これで。