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安恒良一君 今言われたように、
常磐新線の
宅地開発面積は七千ないし八千ヘクタールで多摩ニュータウンの倍以上、大体十五万世帯ぐらいの住宅ができるだろう。それから、開発の利益は二十一兆円という
試算がある。そうしますと、この二十一兆円の五%の還元でも
鉄道はできるんですよ、
大臣。なぜ導入しないのか。というのは、
鉄道などの公共施設が
整備されますと
土地の効用の増大として象徴的な問題として
地価が上がることは間違いないんですよ。ですから、
土地の所有者は膨大な利益を得るわけです。
ですから、この利益を定量的に把握をして、そして先行的な公共施設の
整備の財源に充てるという試みは欧米では
幾らでもやられているんですよ、
大臣、欧米では。何で日本でやらぬのか。開発利益を取り込むことについて今答弁を聞いておりますと、
一つは開発利益の範囲を定めることが困難である、膨大な
地域であるからとか、それから今答弁で言われませんですが、私が
新聞で拝見する限り、
固定資産税の増加という形で還元するのが素直であると
建設省が言っている、こう書いてあるんですよ、うそか本当か知りませんけれ
ども。そういう消極的なことではなくして、欧米先進諸国ではこの種のものは大胆にやっているんですね。
私は、これはもう一遍運輸
大臣、あなたはなかなか昔から男気があるということで有名でありまして、ですから一遍この問題を
関係大臣とさらに総理を含めて、ぜひ開発利益を定めてそこから取るということ、これは日本の大きい問題なんです。例えば、
土地を持った人と持っていない人の富の格差という問題もいろいろ今出ていますね。しかし、せめてこういうような
鉄道がつくられる、道がつくられる、そのことによって沿線の
土地の値段が大きく上がって所有者は膨大な利益を得るというときに、この開発利益を一部還元させるということについて、諸外国でやれている
制度が日本でやれないというのは私は不思議でならないんです。
これは、今までは実験的な議論ではなかなか難しかったと思いますが、今回はたまたまいわゆる常磐新幹線をつくる。そして
宅地開発面積が
建設省もおっしゃったように七千から八千ヘクタールもできる。また、住宅も十五万世帯住宅化できる。こういうようなことでありますから、私はこの問題について
大臣、勇気を持ってひとつ今後やると。やれないやれないとこう言っておったら、難しい難しいと言っておったらいつまでも解決できない。きのうから同僚
委員が言っているようないわゆる大都市における
混雑緩和というのはできないんですよ。ピーク時には二〇〇%も三〇〇%も混んで走っているという
鉄道をどう解決していくかというためには、やはり開発利益の範囲を定めてそこから一定の利益を取る、こういう
方向でぜひおやりになるべきだと思いますが、
大臣、これは政策的なことでございますから、あなたのこの問題に対する
考えを聞かしてください。答弁は官僚ではだめであります。