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穐山篤君 具体的に一、二参考までに聞いておいてください。
これは最近の事件です。地労委とか中労委とかという裁判とはちょっと
関係がありませんけれども、
状況を認識してもらう意味で私が申し上げるわけです。
昨年のことです。場所は九州。清算事業団の職員が再
就職を希望しているわけですね。おれは何になりたい、どこへ行きたい。たまたまある私立学校の運転手に応募したわけです。枠が二名あったということで二名が応募したわけです。本人たちは条件がそろうならば一刻も早くそこに
就職したいなと、これも当然だと思うんです。ところが、そこの学校の
理事長さんから条件が出た。まず国鉄労働組合を脱退してこい、二つ目には労働金庫の借金を返してこい、三番目には
鉄道の宿舎から出てこい、四番目には上も下も第一軍装でネクタイを締めてこい、この条件がついたわけです。
受け入れ側の
理事長さんは一般論として国労ということはわかっているかもしれない。自分のところが採用すれば
鉄道の宿舎を出るということもわかるだろうし、学校お抱えの運転手ということになればある程度身なりもしっかりしなきゃならぬ、これはごく常識的だと思うんです。しかし、国鉄労働組合を脱退してこなければ雇いませんよというのは
理事長の個人的な発想じゃないですね。言いかえてみれば、清算事業団の人が
就職あっせんでいろいろ御苦労されておりますけれども、そういうところまでも不当労働行為的な話を持ち込む。清算事業団をやめてもしそこの私立学校の運転手になれば、当然のこと国鉄労働組合とは縁が切れるわけですよ。そこの教職員組合に入るか入らないかは個人の意思なんですよ。そういう事件があった。
理事長はちょっと高いところにいるから具体的なこと、報告がされていないと思いますので、いまだにそういうことが続いているという現実を私は認識してもらいたいと思う。そのために、清算事業団の職員が暗い気持ちで不安の中で生活をしている。新しい第二の職場に行こうというその気合いもそこでくじけてしまう。一生この国鉄労働組合という名称がついて回っている。本人はそれなりの決意をしているからどうということはないと思います。あげくの果てにおまえさんは雇うわけにいきません。理由は何ですかと言ったら、わかりません。これも随分いいかげんな話だと思うんです。
ですから、
運輸大臣、今政治的な発言をするとそれは大変なことになるという意味で、係争中である、勉強します、しかし、異常な
状況であることは認識をしたというところまではいったわけです。
そこで、今後の問題の扱いなんですけれども、きょう私はお答えは要りませんけれども、少なくとも地労委、中労委に係っている問題について、新しい宇野
内閣がその裁判の、全部を読むということは難しいと思いますが、典型的なひな形ですね、七つか八つあります、代表的な判決文、命令を全部一度読んでいただきたい。
それから二番目には、こういう
状況が三年も五年も十年も百年も続くようなことは、改革法の精神からいってみても適当なことではないと思う。したがって、できる限り早く問題の解決を図るために
政府として
努力をしてもらう。この
政府の
努力というのを、おれは新しい大臣になったから知りませんよというわけじゃないんですよ。きょう私は改革法も議事録も持ってきておりますけれども、総理にしろ橋本
運輸大臣、平井労働大臣を含めて皆さん方の方が一切不当労働行為はやりません、労働組合別に差別、選別はいたしませんという約束をしているわけです。その約束に照らして、今まで出ております事案というものが果たして適切であるかないかということを調べてもらう。そうしませんと問題の解決にはならないと思う。物の考え方というのは、あの改革法のときの議論と附帯決議に対してまじめに執行されたかどうかという意味で点検をしてもらう。
以上を考えてみますと、私どもできるだけ早く全面的な解決を図ってほしい、解決することが必要だと思う。そうしませんと一丁前の
JRに、いずれ株の公開という話になると思うんです。我々も
協力しなければならぬ場面も出てくると思う。安全の問題についてもそうだと思う。しかし、そういうことがことごとく障害に残るおそれがあると思うものですから私はあえて大臣に御
努力をお願いしたわけですが、今お願いをし要請をした中身は、
運輸大臣に対して要請したことであると同時に、宇野
内閣全体に要請をされたというふうに受けとめていただきたい。それが第一。
第二は、私が先ほどから言っておりますように、それぞれの問題について、もう国会も二十二日で終わりますから、それまでの間に答弁をもらうというのは無理だと思います。したがって、十分に命令内容を考えていただいて、
政府の政治的な責任というものをどう果たさなければならないかという意味で宇野
内閣の統一見解を次回には示してもらいたい、こういうように要請しますけれども、いかがでしょうか。