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国務大臣(宇野宗祐君) 第百十四回
国会が再開されるに当たり、
我が国外交の基本
方針につき所信を申し述べます。
本
演説の冒頭に当たり、一言申し述べます。
去る一月七日のパリにおける
国際会議において、
デクエヤル国連事務総長より、
昭和天皇の
崩御が知らされました。そのとき、ミッテラン仏大統領の提唱により、急遽
会議の
予定変更の上、
昭和天皇に対する黙祷がささげられました。参加国百四十九カ国全員の起立による敬けんにして荘重な黙祷は、全く異例のものであり、私
たち日本国代表団には感涙禁じ得ない厳粛なる一瞬でありました。謹んでこのことを御報告申し上げ、当日の参加者全員に心より御礼を申し上げます。また、
昭和天皇大喪の礼に
海外よりの参列を明らかにされました多数の国々、国際機関などの
首脳、要人の
方々に対しましても、衷心敬意と謝意を表するものであります。(
拍手)
さて、
平成の
時代の初めに際し思いをいたしますのは、一九四五年以降の
我が国民の軌跡であります。私
たちは
さきの大戦の反省の
もとに、ひたすら平和を希求しつつ、それぞれの
分野で渾身の汗を流し、今日の自由と
繁栄をもたらしました。この事実を胸に、私は、
平和国家に徹するとの
我が国外交の基本
方針の
もと、
我が国並びに
世界の平和と
繁栄のため、一層
努力していくことを誓う次第であります。
かかる見地からも、
我が国外交が、引き続き
先進民主主義諸国の主要な
一員としての
立場と
アジア・
太平洋地域の一国としての
立場を踏まえてその
役割を果たすべきは当然のことであります。同時に、今後は、中南米、
インド亜大陸、中近東、アフリカとの
関係においても、
国際協力構想をさらに肉づけして、
外交の幅を広げていくことが重要となってまいりました。
しかも、
我が国を取り巻く
国際情勢には、新しい
動きが生じております。
INF全廃条約の発効、アフガニスタンからの
ソ連軍の撤兵合意の成立を初め、
ソ連の
対外姿勢の
変化を背景とする
東西関係の新しい
展開は、将来への
期待をはらむものであります。西側
先進民主主義諸国といたしましては、現在の
変化の肯定的な側面を評価することに憶病であってはなりません。例えば、昨年十二月、
ゴルバチョフ書記長が
ソ連軍五十万人の一方的削減を発表したことも、妥当な方向への第一歩だと
考えます。
しかし、これをもって直ちに、東西間の対立構造が根本的に
変化したとは言い得ません。現在の
世界の平和が、基本的には、力の均衡と抑止により維持されていることが自明の理である以上、東西間には、依然、戦略核兵器等の軍備管理・軍縮問題、さらには
地域問題、人権問題といった
課題が残されているからであります。
また、中ソ間の
動きに目を転じれば、
両国外相の
相互訪問が行われ、
首脳会談も
予定されるなど、
関係正常化の
動きが見られますが、これが
アジアの平和と安定に資する方向で
進展することを
期待するものであります。
したがって、
我が国といたしましても、これらの
国際情勢の新しい
動きによっていかなる実質的な
変化がもたらされるかを注意深く見守っていくべきであり、極東の安定と
東西関係のさらなる安定化のため、
米国を初めとする
西側諸国と今後一層連帯、
協調してまいる
所存であります。
当然、
我が国自身がかかる
国際情勢を慎重に見詰め、自衛のために必要な限度において節度ある
防衛力を
整備していくことは、今日の状況においても重要であります。同時に、
政府といたしましては、日米安保
体制を堅持し、その一層の円滑かつ効果的な運用
確保のためにも、引き続き
努力しなければならないと存じます。このような
我が国の
努力は、
アジアの平和と安定に貢献するからであります。
今般、
米国では、レーガン大統領が任期を終え、ブッシュ新政権が発足いたしました。レーガン前大統領は八年間にわたり
アジア・
太平洋地域に対し一貫して高い関心を維持し、特に対
日関係の
強化に格別の貢献をされたことを、私
たちは高く評価しなければなりません。当然その
姿勢をブッシュ新政権も継がれると思いますが、まさに
我が国こそ、新政権との間においても、
我が国外交の基軸である
日米関係の一層の
強化のため尽力しなければならないと存じます。私自身、今般総理に同行して
米国を訪問し、
ブッシュ大統領、ベーカー国務長官を初めとする主要閣僚ともお会いいたしました。その際、
日米両国が
世界のGNPの三分の一以上を占めている現実に立脚して、
両国が引き続き
協力関係の
強化に取り組むとともに、
政策協調と
共同作業を通じて、
世界の諸問題の
解決に貢献し、
世界の平和と
繁栄のため、
おのおのがふさわしい
役割を果たしていくことの重要性につき、
意見の一致を見ることができました。
また、最近の
西欧諸国の対東側
外交の活発化や一九九二年のEC域内市場統合へ向けての
動きには、注目すべきものがあります。私は、先般西欧を訪問し、
各国の
首脳、外相と忌憚のない
意見交換を行いました。日欧がともに国際的
責任と
役割を増大させつつある現状にかんがみ、今後ますます
西欧諸国との間でこのような
対話を活発化させ、その結果を日欧双方の政策に反映させていくことが必要と
考えます。また、太平洋
国家であり、西側の
一員でもあるカナダとの
協調関係も、今後一層促進してまいります。
ソ連との間では、昨年十二月、シェバルナゼ外相を迎えて、二年七カ月ぶりに
日ソ外相間定期協議と、さらにあわせて
平和条約締結
交渉を行いました。この
機会に、同外相との間で極めて実務的で真剣な話し合いが行われた結果、
ゴルバチョフ書記長の
我が国訪問
実現に向けての
準備の開始に合意したことを初め、
日ソ間の一層の
政治対話拡大の方向が確認されたのであります。領土問題につきましては、双方により、
歴史にさかのぼった議論が初めて詳細かつ長時間にわたり行われましたことは、有意義だったと存じます。しかし、
ソ連は従来の
考え方を網羅的に繰り返したにすぎず、その
立場には依然として極めて厳しいものがありました。北方領土問題を
解決して
平和条約を締結することにより、
ソ連との間に真の
相互理解に基づく安定的な
関係を確立することが
我が国の不動の
方針であり、今後とも北方四島一括返還の
実現に向け、さらに粘り強い
努力を続けなければなりません。先般、パリにおいて再び同外相と会談した際にも、我が方の基本的な
考え方を改めて伝え、また、次回
外相会談や
平和条約作業グループ等の日程につき話し合いましたことも、これら
交渉の大切な積み上げと存じます。
また、東欧につきましては、その動向が今後の
東西関係に大きな影響を及ぼす可能性があることにもかんがみ、これら諸国の国情と政策を十分勘案の上、
対話及び
交流を一層促進していく
所存であります。
次に、
アジア・太平洋諸国について申し上げます。
我が国は、
アジア・
太平洋地域の一国として、域内諸国との
友好協力関係の増進に努めるとともに、サミットを初めとする幾多の場においても、同
地域の問題に対する関心を積極的に表明するなど、その安定と
発展に意を用いてまいりました。
韓国との
関係は近年一段と緊密の度を増しており、昨年も、盧泰愚大統領就任式並びにソウル・オリンピック
開会式出席のため総理が訪韓されたのを初めとして、さまざまな
レベル、
分野での
交流が進められました。
朝鮮半島をめぐる
情勢は、最近中国、
ソ連等の
社会主義国と韓国との
関係が
進展するなど新たな
展開を見せており、南北
国会会談、南北
首脳会談等をめぐり、
朝鮮半島の
緊張緩和のために
関係者の
努力が鋭意続けられております。
我が国といたしましても、その
環境づくりのため、可能な限り側面的
努力を惜しまない
所存であります。
また、北朝鮮との
関係改善につきましては、
朝鮮半島をめぐる国際
政治の均衡に配慮しつつ進めていきたいと
考えますが、そのためにも、早急に第十八富士山丸問題の
解決が必要であります。
政府といたしましては、本問題
解決のために各般の
努力が払われていることに留意し、可及的速やかに日朝
政府間の接触が
実現し、その話し合いの過程において本件の
解決が図られることを希望いたします。
中国との
友好協力関係の
維持発展は、
アジア、ひいては
世界の平和と
繁栄にとって重要な意義を有しております。
我が国は、現在
改革と開放の
方針の
もと、
近代化建設を目指す中国の
努力を高く評価し、今後ともできる限りの
協力を行うとともに、日中共同声明、日中平和友好条約及び日中
関係四原則を踏まえ、さらに
両国関係発展のために尽力する
所存であります。
東南
アジア地域の安定のかなめである
ASEAN諸国につきましては、広範な
分野での
協力関係を
推進し、もって
アジア・
太平洋地域全体の安定と
発展に貢献していきたいと
考えております。フィリピンでは、現在、アキノ大統領の
もとで新たな
国づくりが進められておりますが、これに対しましては、昨年のサミットにおける
経済宣言にもうたわれているとおり、引き続きできる限りの
支援をしていく
所存であります。
また、この
地域の平和と安定にとって不可欠なのはカンボジア問題の
解決であります。これにつきましては、最近、当事者間の
対話が活発になり、
政治解決達成への機運が高まってきております。同問題
解決のためには、ベトナム軍の完全撤退の
確保と過去ポル・ポト政権が行ったような非人道的な政策の再来を阻止することが重要でありますが、
我が国といたしましても、カンボジア人の真の民族自決の
実現を目指した
関係国の和平
努力を支持しつつ、
独立、中立、非同盟の新カンボジアの誕生に向け、積極的な
役割を果たしていく
考えであります。
さらに、さまざまな
動きの見られる
インド亜大陸の安定と
経済発展のために引き続き
協力するとともに、同
地域の国々との
関係の一層の
強化に努めていく
所存であります。
豪州との間では、先般の日豪閣僚委員会で合意されました建設的パートナーシップの構築に向け
努力してまいります。さらに、昨年末
我が国が
外交関係を樹立しましたマーシャル諸島共和国、ミクロネシア連邦などの太平洋諸国とも、今後
友好協力関係をさらに
強化してまいります。
また、PECCを初めとする太平洋
協力に対しましても、積極的に
支援してまいります。
次に、中東に移りますが、中東における
情勢は依然として流動的であります。
中東紛争につきましては、パレスチナ民族評議会及びジュネーブ
国連総会におけるPLOの和平のための現実的政策の表明、これを踏まえた
米国とPLOとの直接
対話の開始等、和平
実現に向け大きな流れが生じつつあります。しかし、本問題の
解決には、なお
関係当事者の不断の
努力が要請されるところであります。私自身、昨年中東紛争当事国四カ国を訪問し、それらの国々が
我が国に寄せる
期待の大きさを痛感した次第でありますが、
我が国といたしましては、国際的
協調の
もと、かかる
関係当事者の和平
努力に対し積極的に
協力していく
所存であります。
イラン・イラク紛争は、昨年八月二十日に停戦が
実現しました。私もパリで
両国外相と会談しましたが、
両国は依然和平
交渉を続けており、合意は見られておりません。
我が国は、今後とも、安保理決議五百九十八号に基づく紛争の平和的
解決のために、
国連事務総長の和平
努力に対する
支援を
中心に、可能な限りの
努力を行っていく
所存であります。
アフガニスタンに関しましては、ジュネーブ合意に基づき
ソ連軍が撤退いたしますが、今後は、アフガン人自身による
国民の総意を反映した暫定政権が同国に樹立されることを強く希望いたします。
続いて、中南米、アフリカについて申し上げます。
中南米諸国は、約百数十万人の
我が国からの移住者や日系人が在住し、
伝統的に
我が国とは親密かつ友好的な
関係を有しておりますが、近年、累積債務問題等による
経済困難の増大に直面しております。私は、同
地域諸国の
我が国に対する
期待と国際場裏での支持に積極的にこたえるべく、
資金還流措置の
実施、
経済技術
協力の
拡充等を通じ、今まで以上に同諸国の自助
努力に対する
支援を
強化してまいります。
中米和平の
動きは最近残念ながら停滞いたしておりますが、
関係者の粘り強い
努力による真の平和の
実現を強く希望いたします。また、中米和平の
進展を見つつ、同
地域の
経済復興開発、難民
援助、人づくり等にできる限りの
協力を行っていく
所存であります。
アフリカ諸国は、依然として食糧問題、累積債務問題等の多くの困難を抱えております。
我が国は、ノンプロジェクト無償資金
協力、国際機関との
協調融資、債務救済措置等を通じて、同
地域諸国に対する積極的
支援をさらに
強化してまいります。
しかし、南アフリカ共和国のアパルトヘイトには断固反対しなければなりません。そのために、
我が国は各種の対南ア規制措置を講じておりますが、対南ア貿易においても引き続き
関係各方面に慎重な対応を求め、また、アパルトヘイトの犠牲者のための人道的
援助及び南ア周辺諸国に対する
経済協力も
強化してまいりたいと思います。
以上の
外交推進のためには、
世界経済の健全な
発展が基礎であり、
主要先進国間におけるマクロ
政策協調の維持が極めて重要であります。そこに
我が国の
使命があります。
我が国といたしましては、
内需主導型の
経済運営を行うとともに、
構造調整、
規制緩和及びさらなる
市場アクセスの
改善によって、対外不均衡の一層の是正を図らなければなりません。その一方、
我が国は、他の
主要先進国とともに、
開発途上国、なかんずく、
アジアの新興工業国・
地域とのよりよい
協力関係構築のため、今後とも
努力を払わなければなりません。
かつ、
世界貿易伸展のためにも、
多角的自由貿易体制の
維持強化を主張しなければなりません。私は、昨年末、ウルグアイ・ラウンドの中間レビュー閣僚会合に出席し、
交渉の早期成果の取りまとめと後半の
交渉に向けた指針づくりに積極的に参画いたしました。今後の
交渉の道は決して平たんではありませんが、二十一世紀に向けた、より
強化されたガット
体制の構築を目指すウルグアイ・ラウンドに一層積極的に取り組んでいく
所存であります。
さらには、米加自由貿易協定及び一九九二年に
予定されているECの域内市場統合が、排他的でなく、開放された多角的貿易
体制の
強化に資するものとなるよう、
関係国との
対話を深めたいと
考えております。
さて、
相互依存関係のますます深まっている現在の
国際社会において、
我が国の平和と
繁栄は、
世界の平和と安定に極めて密接に結びついております。したがって、
世界のGNPの一割を優に超える
経済力を有し、今や
国際秩序の主要な担い手の一人となった
我が国は、みずからの平和と
繁栄のためにも、そして
地球全体の福祉のためにも、
経済大国
日本は
軍事大国にならずという信条の
もと、「
世界に貢献する
日本」を
実現すべく
努力していくことが必要となってまいりました。
竹下総理は、
我が国外交の最も基本的な
課題への取り組みの上に、新たな貢献の具体的
施策として
国際協力構想を
内外に明らかにされました。すなわち、平和のための
協力、ODAの
拡充、
国際文化交流の
強化の三本の柱であります。
この総理の積極的な
考えを受け、
我が国は、
世界への貢献に新境地を開きました。私が昨年、みずから陣頭に立って中東紛争当事国を訪問いたしましたのも、また、
国連アフガニスタン・パキスタン仲介ミッションや
国連イラン・イラク軍事監視団等に対し、
資金面での
協力に加え、要員の派遣を行いましたのも、かかる観点からであります。
私は、今後、要員の派遣をさらに進めていく
所存であり、そのために必要な
体制整備を行ってまいります。当面は、本年四月一日発足
予定の
国連ナミビア
独立支援グループに対し、
地方自治体等の
協力も得つつ、
選挙監視等の
分野において要員を派遣する
考えであります。また、カンボジア問題等につきましても、
紛争解決に向け国際的な枠組みが設立される場合には、積極的に
協力し、あわせて
復興援助についても
検討していく
所存であります。さらに、
アフガン難民の自主帰還
支援、あるいはジョルダン川西岸及びガザ
地域等中東のパレスチナ難民救済のため、引き続き
協力を惜しまない
所存であります。
国連等の国際場裏で進められております軍縮
努力への参画も、平和のための
協力の重要な一環であります。
さきにも申し上げました、先月の化学兵器禁止パリ
国際会議が成功裏に終結したことを歓迎するとともに、
我が国といたしましても、化学兵器包括禁止条約の早期締結のため
努力してまいります。
さらに、
国際社会の平和と安定を脅かすテロには断固反対との
立場から、その防止のための
国際協力を一層
強化推進してまいります。
政府開発援助につきましては、
我が国は今日まで、
国連加盟国中、百二十八の
開発途上国すべてに対しODAを供与した実績を有しております。これは、
我が国国民の御
理解、御
協力のたまものであり、それなくしては
我が国の国際的
責任の一翼を担うODAの
拡充は不可能であります。
ODAの
実施に際しましては、これまでも、五年間に五百億ドル以上を供与するとの第四次
中期目標の
もと、累積債務問題、第一次産品市況の低迷等の
経済困難に直面する相手国の諸
情勢を勘案し、量の
拡充のみならず、内容や質の面での
改善に
努力してまいりました。また、累積債務問題に悩む後発
開発途上国に対しましては、約五十五億ドルの債務を無償化するとの新たな債務救済措置も決定いたしました。さらに、技術
協力の
拡充、青年
海外協力隊の
強化にも努めてまいりました。今後は、
国民の
皆様の御
意見に留意しつつ、
援助のより一層の効果的
実施を図るため、
実施体制の
整備拡充を図るとともに、民間
援助団体、NGOや
地方との連携及び国際開発金融機関、
国連諸機関との調整、
協力を
強化してまいります。
国際文化交流におきましては、
文化を通じて国際的に貢献し、また、
人類共通の財産である
文化遺跡の保存への
協力等により、
世界の諸
文化を
維持発展させていくことが肝要であります。私は、高まる対
日関心にこたえるための
日本紹介を積極的に行うと同時に、幅広い
相互交流を通じて、お互いの国柄、
歴史、
社会等を認識し合う
努力を積み重ねることが重要であると
考えます。また、留学生、
研究者、
文化人といった知的
レベルでの
交流を促進し、新しい
文化の創造に貢献していく
所存であります。さらに、これらの
交流の
拡充のため、
政府の
実施体制の
強化等にも意を用いてまいります。
加うるに、今や我々は、
地球温暖化現象を初めとする環境問題や
自然災害問題、あるいは麻薬問題等、その影響が
国内にとどまらず、
国境を越え、
地球的規模にまで広がっている多くの問題に直面いたしております。
政府といたしましては、諸外国とも
協力の上、今後このような問題にも
国際協力構想の一環として積極的に取り組んでまいる
所存であります。
以上、今日の
我が国外交は、極めて多様な
課題を背負い、その重要性はますます高まっております。国益に沿って積極的な
外交を
展開することは、
国民の負託にもこたえるゆえんであり、そのためには、
我が国外交実施体制の一層の
強化が必要であります。
加えて、緊急事態における在外邦人保護
体制の
整備や
海外子女教育の
拡充などにも新しい
努力が必要とされております。
我が国が
世界とともに歩み、
世界とともに栄えていくためには、
世界みずからが閉鎖的でなく開かれた
世界となると同時に、
我が国自身が
世界に対し開かれた
日本となることが必要と
考えます。この観点から、近年、
地方公共団体、民間各層における
国際文化交流活動や
海外との人的
交流が活発になっている事実は歓迎すべきことであります。
政府といたしましても、こうした
傾向を一層促進し、
ふるさと国際化を図っていくべく、
交流活動の
基盤整備及び情報提供の
強化にさらに努めていく
所存であります。
思えば
昭和は幾多の感慨とともに去り行き、私
たちは
平成の
時代をここに迎えました。
平成という年号は、諸外国においても、平和を
達成する意として広く
理解されています。そして、この瞬間にも
平成の新しき生命が呱々の声を上げているであろうことを思うとき、彼らが今よりも一回り、二回りも大きな国際人として
地球に羽ばたくその輝かしき
未来のためにも、今日ただいまの私
たちは
世界の平和に貢献せんとする
我が国の厳然たる礎をさらに強固に築き上げておかねばなりません。
我が国外交を進めるに当たり、
国民各位及び同僚
議員の力強い御
支援をお願いいたす次第であります。(
拍手)
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