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羽田国務大臣 今お二人の
局長の方からお答えを申し上げたわけでありますけれ
ども、
基本的に先生が今
お話しになったのは単なる批判とかなんとかというより、今の現状の中でこれは大変だぞという、本当にもう烈々たる気持ちというのを私自身も実は感じたわけでありますけれ
ども、これにこたえていくには、まず何といっても
日本にあって
農業、
林業、
水産業というものはやはり大事なものなんだということをみんなが思うと同時に、そこに就業することに誇りと自信を持つということ、持たせること、それが重要なことであろうと思っております。そして今、
日本だけではなくて世界の
農業も大きく展開し、動いているわけですね。そういう中で、私
ども今
日本の個別のいろいろな事例を見ましても、先端的に
農業をやる人たちがどんどん出てきた。そしてバイオですとかそういったことだけではなくて、
農業技術そのものにエレクトロニクスの
技術なんかを導入しているような人たちもあるということでありまして、ということになりますと、本当に選び抜かれた人が
農業の中に残っていくんじゃなかろうかなと思います。
そして実際に
生産されるものなんかも、実に市場のニーズをよくとらまえて
生産している方もいらっしゃいますし、また私は、将来輸出するぐらいの気持ちを持てということを数年前から言い続けてきたのですけれ
ども、実際に今それが現場で行われるようになり、ナシなんかも一割ぐらいは輸出されるようになってきておるということです。結局、
日本でつくる
農産物というのは、例えばリンゴなんかにしましても、同じアップルでも似て非なるものをつくり出すということで、そんなに大きなものを
日本から輸出することはできないでしょうけれ
ども、値段が高くても似て非なるものをつくることによって、そういうものを
要請する
各国あるいは各階層があるというふうに私は
思っております。ということになりますと、ひとつ
農業というものと取り組んでみたいという人たちも出てくるであろう。私はそんなものにしていかなければいけないと思っております。
また、今過疎対策の問題についての
お話があったわけでございますけれ
ども、今そういったものをあれしますと
農業をやろうという人が出てくると思います。また、
農業から離れながらも、しかし地方で生活したいという人たちがあると思う。今何よりもかによりも
日本の国で一番大事な問題は、やはり一極集中してしまっているという現状だと思うのです。これを多極に分散していかなければならない。これは政治の大きな命題であり、課題であろうと思っております。そのためには
農村地域、地方に人に定住してもらうということが大事である。そのためには定住の
条件というものを整えていくことが必要であろうということで、今
局長の方からも
お話がありましたように、
農村における工業の導入
促進法、こういったものを活用しながらやっていく。それと同時に、やはりああいう
機関と場所というものを活用することによって研究所なんかも大きく発展していくと思っております。そして今リゾート
開発などということも言われておりますけれ
ども、ただ軽薄なリゾートではなくて、やはりそこの
地域の歴史とか
環境といったものをうまく生かしながらリゾートの
開発をしていく、そうしますと、今諸外国の例なんかを見ましても、そういうものを
開発した
地域にいろいろな研究
機関なんかが出てきますし、また、何もわざわざ小さな工場を持ってくるだけじゃなくて、むしろ本社機能ぐらい持ってくることをしたっていいだろう、そのくらいのことも考えてみなさいよということを言っておるわけであります。いずれにいたしましても、そういったことのためのアクセスの
改善ですとか場の改革といったものを進めることが今非常に重要な問題であろうというふうに考えておるところであります。
私
どもは、一番初めに御指摘がありましたように、御地元の竹下総理とも
ども退陣するということになっておるわけでありますけれ
ども、しかし竹下総理のときに投げかけたふるさと創生、非常に少女趣味みたいに聞こえますけれ
ども、その
地域を将来どのように持っていくのかということのために国がお金の使い方について余計な指図をせずにやろうということを打ち出したことは非常に大きいし、またちょうど御地元からもこの間も知事さん以下東京に来られて、そして東京に向かって、今私たちの
地域はこういうものがありますよということを訴えられた。私は非常に意欲的なものを島根は持っておると思います。この間の菓子の博覧会なんかへ行ってあちこち見ましたときにもそのことを感じたものです。非常に山の中であるかもしれないが、しかし山の中の特性を生かしながらやっていくこと、これが私は単なる過疎対策というよりは、それをやらなかったら
日本の国そのものがこれから新たな発展ということを見ることもできないだろう。そのぐらいのことまで考えながらやっていかなければならない。私は就任のときにも農林
水産省の
皆さん方に、そういった問題について本当に農林水の面からそういった
皆さん方の相談相手になるようにということを実は申し上げておるところであります。この場を離れましても、これからも一緒に勉強させていただきたいと思います。ありがとうございました。