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羽田国務大臣 柳沢委員から、今まさに
現実に置かれている
状況について非常に的確に御
指摘をいただいたと思っております。
こういった問題にまずお答えするためには、
農業のいわゆる
生産の場というもの、この場が今の時代のニーズに対してきちんと
対応できるように、まず基盤整備の問題とか規模を拡大してコストをできるだけ下げていく問題とか、またバイオテクノロジーを初めとする新しい
技術を
開発していく、そしてそれを普及していくといったことを進めて、本当に足腰の強いものをつくり上げていかなければならぬと思っております。
それと同時に、ただ足腰の強いというだけではこれはやはり許されないことで、今御
指摘のありましたとおり、今時代のニーズというのはただ安いというだけではなくて、いろんな差別商品といいますか、ニーズそのものが非常に多様化しておるということでありますから、市場のニーズに対して的確にこたえていけるような
農業というものにしていかなければいけない。私は、その場合には規模のうんと大きなものも必要であるし、あるいは規模を余り大きくしないで手塩にかけるという
農業というものもあってもいいと思っているのです。それで、そういうものをやはり必要とする消費者の皆さんもあるいは実需者の皆さん方もあるというふうに思っております。ですから、まずそういったものに対する
対応というものを私たちはきめ細かくよく見詰めながら、主体性を持って進める農家の皆さん方に対して国がどう支援できるのか、あるいはいろんな組織の皆さんと協力しながらどう支援できるのか、こういったことについてさらに私たちも勉強していきたいと思っております。
なお、今お話がありましたように、まさに
農産物というのは単に消費者の人が消費するだけではなくて、加工
産業の方あるいは外食
産業の方々もやはりこういったものを非常に大きく消費する、安定したお客様として実はあるわけであります。ですから、そういった皆さん方がきちんと加工し得るように、これはこんなものに加工したい、それに対する
農産物というものをやはり提供していくということが必要でありましょうし、また
現実にそういったものにこたえるような施設なんかも整備していくようなことも大事であろうと思っておりますし、また今の加工
産業あるいは外食
産業、こういったところとちゃんと契約をしながら進めていく、そういうやはり新しい時代の取引なんかを進めていく必要があろうと思っております。そういうものについて、さらに私たちも研さんをしていきたいと思います。
それともう一方では、今お話しのとおり製品
輸入というものが最近ふえていること、これは私たち実は数年前やはりこの農水の
委員会で私自身が視察に行ったときにも
感じたわけでありますけれども、ある日本の特別な歴史的なものが外国でつくられておる、しかも大変実はこれが安い、これが入ってきたら
一体どうなっちゃうのかな、これはきょうおいでになる野党の方なんかも一緒に行った方があります。そういったことのために、やはり原料
対策というのを
一体どうしたらいいのかということを議論し、そしてそういう中でお米については他用途
利用米というようなものをつくり上げてきましたし、また行政価格で
対応するような
農産物につきましても、
生産者の皆さん方の御協力をいただきながらコストを下げ、そして価格の引き下げをしながら提供してきておるというようなこともございます。
こういった問題というのは、議論するのもなかなかつらいことであるし、お互いに苦しいことであります。しかし、こういう
自由化の本当に競争しなきゃならない接点に今あるわけでありますから、そういう
意味では私たちはこういうつらい苦しい議論なんかもしながら、やはり加工ですとかあるいは外食
産業、こういった
皆様方に私たちはきちんとこたえていかないと
生産したものの引き受け手がなくなってしまう、あるいは外国に出ていってしまうということになったら、日本の国内で
生産されたものがどこではけていくのかということを考えたときに、深刻な問題であるけれども、やはりこれに
対応した
生産体制というものをつくり上げていくことが今望まれていることじゃなかろうかなというふうに私は思っております。
いずれにいたしましても、御
指摘のございましたことを胸にしながら、私どももさらに検討を進めていきたいというふうに思っております。