○角屋
委員 今御答弁のございましたように、昨年の九月から申請の受け付けが始まりまして、ことしに入りましてからは大体最終の審査による
裁定というのは二千名規模で進んでおるようでございます。したがって、今のペースでいけば、若干御答弁のような問題はありますけれ
ども、おおむね来年の秋ごろには大半、法に基づく支給が終わるだろうというふうにも観測されておるわけでありまして、いずれにしても日本側の当該支給の対象になるべき名簿は約三万名、日本側の名簿からいくとそんなふうに言われておりますし、台湾側の方では、今も御答弁でちょっと触れられましたが、それを超えて四万名台のことになるのじゃないか。
それらのところは台湾側の紅十字会で第一次の審査がなされ、そして日本の赤十字において最終審査をし、
裁定すべきものは
裁定をし、却下すべきものは却下していく、それはちゃんと理由も明らかにしながらそういう裁きを平和裏にやっていかなければならぬ。その過程では公務の立証が当然必要でありますし、また、御遺族であるという立証が必要であるということで、台湾の紅十字会にいたしましても日本の赤十字社にいたしましても、総理府の御協力も得ながら大変苦労な仕事をやられることに相なるわけでございますけれ
ども、これは有意義な仕事で、現地側でも大変喜ばれていることでありますので、ぜひ円滑裏にこれか
実施を完了しますように求めておきたいと思っております。
それから、この台湾人元日本兵の問題に関連いたしまして一言お伺いしていきたいと思います。
台湾に本籍を有していた警察官等について、昭和二十七年の平和条約の発効によって日本国籍を喪失したことにより
恩給権を失った、この失権までの
恩給の未支給分について、旧軍人軍属の未払い
給与、郵便貯金等と同様に一括処理すべきものであるということで、この問題にかかわっております各省の連絡
会議において
実施の前提で検討が行われておるというふうに承っておるわけでありますけれ
ども、この点についてはいつそういうものがきちっとなされていく運びになるのか、御答弁を願っておきたいと思います。——それではちょっと考えておいてください、次に入るから。後ほどのときに答弁がまとまったら聞きます、時間が制限されているから。今の点はあらかじめ
質問を聞きに来たときに少し触れておいたつもりなんだけれ
ども、後ほど答弁がまとまれば手を挙げて答弁をしていただきたいと思います。
次は、シベリア抑留に関連するシベリアけい肺問題について、一言
恩給局と総理府の方にもお礼を申しながら要望をしておきたいというふうに思います。
御案内のとおりシベリア抑留、シベリアけい肺の問題につきましては、私、ここに本を持ってきておりますけれ
ども、「シベリア珪肺 ソ連抑留の後遺症」ということで、このけい肺の
関係をやっておりますシベリア珪肺全国連絡協議会の、斉藤博さんが会長で、事務
局長をやっております
山本泰夫さん、この方は本
委員会に参考人として呼びまして、私からも直接
委員会を通じてシベリアけい肺の
関係の事務
局長としての要望をお聞き願ったことは御案内のとおりでございます。
それで、「シベリア珪肺 ソ連抑留の後遺症」というのを
山本泰夫さんが著書として出しておられまして、これを見るとシベリアけい肺という問題について患者の手記等も含めてその実態が明らかになる非常な好著だと思うのでございますけれ
ども、
山本さんに参考人で来ていただいて
質疑等をやりました際に、自民党のこういう問題に詳しい議員の中からも、
質問の終わった後、あれはやはり国内のじん肺法等の患者と同様に、シベリアの抑留者のことはお互いに協力してやらなければならぬというふうな力強い御発言等もいただきました。
そういうこと等も重ね合ったと思いますけれ
ども、あの
質問の後これまでの一年間、
恩給局を中心に、いろいろ採択すべきものは採択するという誠意ある対応がなされたと思いますが、近くこの総会を六月三日にやられるということで、私のところにも招待状が来ております。私、この
関係者の総会には一度も出たことはないのですけれ
ども、ただ事務
局長の
山本さんの熱意にほだされて、二回この問題を本
委員会で取り上げて、いろいろ政府にも善処をお願いしてまいりました。その案内状の中で「その後一年間、
恩給局長の
国会答弁が
恩給審査にどのように反映されるかを見守ってきましたが、
国会答弁以後における
恩給審査の
裁定も等級の格上げが多くなり、補償の
改善が実現されつつある現状を喜んで
先生に御報告申し上げる次第であります。誠に有難うございました。」ということが私あての案内状の中に書かれておりまして、
山本さんに参考人で来ていただいて、生々しい患者としての訴えというものがやはり政府、
恩給局等にも受け入れられて、こういった状況に一歩前進してきておるのだなという感じを持っておるわけであります。この問題についてはあえて
質問はいたしませんけれ
ども、シベリアけい肺の患者の問題については誠意を持ってこれからも対応していただきたいというふうに思うわけでございますが、
恩給局長、いかがでございますか。