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森本政府委員 先生の御
質問は二点ございまして、一点目、
指定単への
運用の金額をどういう根拠で二千五百億にしたかというお尋ねでございます。
これで私
どもの資金
運用、いよいよ三年目に入っておるわけでございますが、過去二年間は専ら元本保証のある債券だけに
運用してまいったわけでございますが、先ほどからの
お話にもありますとおり、非常に厳しい
状態でございますので、さらに有利
運用を心がけなければならない。幸いほかの公的資金でもそういう道を手がけておるということで、昨年いろいろ
政府部内での論議を重ねてこうして法案を
提出してお願いをしておるところでございますが、ただ御案内のとおり、これは形式的に申して元本に保証がない
運用の仕方であることは確かでございますので、まあ私
どもとしては初
年度、初めてでございますので、できるだけやはり慎重な態勢はとらなきゃなるまいということを
基本に
考えたわけでございます。
そこで、どの程度が適当かということで、これは
先生お
見通しのとおり、新
年度には五千億新たに前
年度よりふえる、つまり去年二兆五千億だったのがことしは三兆円になりますので五千億がふえる。その五千億ふえる部分のうち半分は、もう既にこれまでのルールに従いまして国債を引き受けるという段取りになっておりますので、そうとすると二千五百億は今までの形態の中では新規に
運用を
考えてもいいという部分に属する資金かな。最初に申し上げました慎重にということとの兼ね合わせで、じゃあこの点をこういうことだとすれば、二千五百億をひとつ引き当てることにいたしたい。かたがた簡易
保険事業でもこの種の
運用を六十二
年度から始めたわけですが、この当時は三千五百億でございました。そうしたことも考慮いたしまして今の額にしたわけですが、一番大きなポイントは、
先生お示しのような計算が
一つの根拠になったかと
考えております。
第二点の御
質問の、郵貯
特別会計全体の収益に占める
自由化対策資金の収益の割合をどの程度に
考えておるものかという御
質問でございました。端的に申して、これはなかなか非常に難しい
課題、問題かなと思います。これはもう
先生御案内のとおりでございますが、六十三
年度末、つまりこの三月三十一日には、全体としての資金
運用の額は過去二年分を合わせまして四兆五千億に相なりました。これはさっきも申しましたが、全体の残高が百二十六兆円でございますから、その中では三・六%をこの
自由化対策資金に
運用しているという形態になります。全体としてはまだごくわずかでございます。ただ、この対策資金の
運用の結果がどうであったか、これは正直申して、まだ六十三
年度は決算がこれからでございますが、六十二
年度の決算では、その
運用部に行っているよりはこの
自由化対策資金で
運用した結果〇・六%プラスになった。金額にして四十八億円という決算が出ております。六十三
年度は、今申しましたようにまだ確定はいたさないのですが、大体の
見通しでは六十三
年度は一・〇五%にいくかな、金額にしますと約三百五十億円程度ということになり、その部分が各利差として
運用する結果確保できた、こういうことで、その額自体は資金
運用部に預けるよりはるかに有利な
運用ができたかという
感じがするものでありますが、ただ郵貯特会全体でどうなっているかということになりますと、
先生御案内のとおり、六十二
年度、六十三
年度はこの
自由化に備えて私
どもの
会計を、いわばこれまで国の
会計に通有の現金主義という点から発生主義という
一般の企業
会計とほぼ同様な、その時点での収支がわかるようなやり方に切りかえまして、そのために、六十二
年度、六十三
年度は赤字でございますのでちょっと対比するのは適当でございませんが、その前
年度にございます六十
年度、六十一
年度は、
一般勘定の損益では大体六千億弱ぐらいを生み出しておったということでございますので、さっき申しました三百五十億ということからすればまだ全体としては数パーセントにしかならないわけでございますが、今後やはりこの
運用益はできるだけ、こういう厳しい時代ですから、たくさんに確保していく必要がございます。
ただ、この問題が非常にまた難しい問題を一方にはらんでおりますのは、私
ども、
基本的な役割でございます公的資金の供給という問題がございます。それに絡めて、現在の財投がどの程度の資金需要をこれから先必要とするかという問題がございます。ですから、そことのバランスをどうとるかという点がございますのが
一つと、それからこれから先の
金融情勢がどういうふうになってまいるか、もちろん、私
どもの
郵便貯金自体の
自由化がどう進むかということと、その
運用先でありますマーケットの
金融全体の
自由化がどの程度進むかということもかかわってまいります。なかなか予測は難しいわけでございますが、方向としましてはこの
運用益をできるだけ拡大してまいるという方向には違いなかろう。その辺を、どの程度が適正かということについてはさらに鋭意勉強して、研究して、妥当な結論を得ながら進めてまいりたいと
考えておるところでございます。