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1989-05-19 第114回国会 衆議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成元年五月十九日(金曜日)     午後零時三分開議 出席委員   委員長 畑 英次郎君    理事 島村 宜伸君 理事 白川 勝彦君    理事 虎島 和夫君 理事 前田 武志君    理事 町村 信孝君 理事 田並 胤明君    理事 木内 良明君 理事 木下敬之助君       小澤  潔君    瓦   力君       久野 忠治君    佐藤 守良君       園田 博之君    深谷 隆司君       穂積 良行君    阿部未喜男君       上田 利正君    松前  仰君       佐藤 祐弘君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 片岡 清一君  出席政府委員         郵政政務次官  谷垣 禎一君         郵政大臣官房長 松野 春樹君         郵政大臣官房人         事部長     桑野扶美雄君         郵政大臣官房経         理部長     小野沢知之君         郵政省郵務局長 田代  功君         郵政省貯金局長 森本 哲夫君         郵政省簡易保険         局長      白井  太君         郵政省通信政策          局長      中村 泰三君         郵政省電気通信         局長      塩谷  稔君         郵政省放送行政         局長      成川 富彦君  委員外出席者         郵政大臣官房首         席監察官    岩島 康春君         郵政大臣官房資         材部長     佐藤  豊君         郵政大臣官房建          築部長     黒川暢一郎君         逓信委員会調査          室長      辛島 一治君     ————————————— 委員の異動 四月十一日  辞任         補欠選任   佐藤 祐弘君     金子 満広君 同日  辞任         補欠選任   金子 満弘君     佐藤 祐弘君 同月十四日  辞任         補欠選任   坂井 弘一君     冬柴 鉄三君 五月十九日  辞任         補欠選任   冬柴 鉄三君     坂井 弘一君     ————————————— 三月二十四日  電波法の一部を改正する法律案内閣提出第五  九号)  お年玉付郵便葉書等に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第六〇号) 五月十九日  放送法及び電波法の一部を改正する法律案(内  閣提出第四五号) 同月十七日  海上における遭難安全通信自動化移行計画  に関する請願(松前仰君紹介)  (第一二九三号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  逓信行政に関する件(郵政行政基本施策)      ————◇—————
  2. 畑英次郎

    畑委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  郵政大臣所信を聴取いたします。片岡郵政大臣
  3. 片岡清一

    片岡国務大臣 逓信委員会皆様には、平素から郵政行政の適切な運営につきまして、格別の御指導をいただき、厚くお礼を申し上げる次第であります。  この機会に、所信一端を申し上げまして、皆様方の御理解と御協力を賜りたいと存じます。  今日、我が国社会経済は、国際化技術革新情報化等進展により、大きく変動しようとしておりますが、こうした中で、我が国としては、対内的には、ゆとりと潤いのある豊かな国民生活実現と多極分散型の均衡ある国土形成、対外的には、国際社会との調和ある発展とその経済的地位にふさわしい貢献を行うことが求められております。  我々は、こうした状況に、全力を挙げて的確に対応していかなければなりませんが、郵政省が所管しております電気通信行政郵政事業は、いずれも国民生活に深くかかわりを有しているものでありまして、郵政省の今後果たすべき役割は、ますます重要なものとなってきております。  このため、電気通信行政においては、地域の均衡ある発展、豊かな国民生活実現、さらには世界繁栄への積極的な貢献基本的理念として、情報通信基盤の総合的な整備電気通信事業発展のための環境整備、基礎的・先端的技術開発国際社会における情報化等を積極的に推進していくことが重要であると考えております。  また、郵政事業におきましては、金融自由化の急激な進展長寿社会到来等社会経済環境の大きな変化に的確に対応し、活力ある福祉社会を目指してサービスの一層の改善充実を図っていくことが重要であります。さらに、郵政事業推進に当たりましては、全国二万四千の郵便局ネットワークの一層の活用を図りまして、豊かな地域社会づくりに努めてまいらなければならないと考えております。  以上申し上げました基本的考え方にのっとりまして、当面する諸問題について、次のとおり所要の施策推進してまいる所存でございます。  最初に、電気通信行政郵政事業ともに取り組んでおります地域振興について申し上げます。  我が国国土全体にわたる均衡ある発展実現のため、地域経済活性化と魅力ある地域づくり実現が必要とされております。  郵政省では、このため、地域情報化地域貢献する郵便局づくりという二つの施策を進めているところであります。  まず、地域情報化につきましては、テレトピア計画や、いわゆる民活法に基づく施設整備事業等施策全国各地進展しているところであります。これらの施策は、より一層積極的に推進する必要があると考えられますので、きめ細かく、かつ、適切な支援を行ってまいる所存でございます。  また、現在、港湾埋立地等における大容量通信回線が完備した新しい町づくり及びこれら拠点間を低コストでネットワーク化する事業内容とする情報通信基盤開発構想について、鋭意検討中であります。特に、情報機能地方分散地域情報化につきましては、平成年度一般会計予算に計上している調査研究費等により検討を行いまして、そのための施策実現に向け努力してまいりたいと考えております。  さらに、今国会におきましては、特定電気通信基盤施設と一体的に整備されておるインテリジェントビル民活法特定施設に追加したいと考えており、これを内容とする民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案関係省庁と共同して提出しておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。  次に、地域貢献する郵便局づくりにつきましては、国民日常生活に溶け込んでいる郵便局活用し、我が国のすべての地域で、住みやすい、また暮らしやすい地域社会をつくっていこうとするものであります。  郵便局は、全国二万四千カ所に点在いたしまして、地域社会情報、物流、金融拠点として地域社会ニーズにかなったサービス提供が可能であり、郵便局の「ふるさと小包」もその一つとして、地方自治体や産業界からも大きな評価を得ているところでございます。  また、本年四月からは、全国各地の名所、行事、風物などを題材といたしました地方色豊かな切手を発行いたしまして、地域に密着した郵便サービス提供努力してまいることにしております。  今後とも、こうした施策を積極的に講じることによりまして、地域経済社会の均衡ある発展と魅力ある地域づくり貢献するとともに、郵便局ネットワーク質的充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、電気通信行政について申し上げます。  第一は、電気通信事業発展のための環境整備であります。  電気通信事業については、活発な新規参入が行われておりまして、多彩なサービス展開と数次にわたる料金引き下げがなされるなど、電気通信制度改革の趣旨は、一歩一歩着実に実現の方向に向かっていると考えております。改革の成果が早期に広く国民利用者に還元されるよう、引き続き新事業者育成支援策及び円滑なネットワーク化のための諸施策推進いたしまして、活力ある電気通信市場形成に努めてまいる所存でございます。  さらに、電気通信の健全な発展のため、今後の電気通信産業はいかにあるべきかについて考究することが必要であると考え、昨年来、電気通信審議会において御審議をいただいているところであります。この問題につきましては、今後とも、関係各位の御意見等も十分に踏まえながら、広範な角度から必要な措置等について検討を進めてまいりたいと考えております。  また、電波利用についても、電波有効利国策を積極的に講じてまいるとともに、不法な無線局取り締まり等電波利用秩序の維持について、適切に対処してまいりたいと考えております。  なお、国際電気通信条約附属無線通信規則改正に伴いまして、無線局遭難通信取り扱い等に関する規定を整備するとともに、無線通信技術進歩等に対応いたしまして、無線従事者制度改善を図るため、今国会電波法の一部を改正する法律案提出しておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。  第二に、基礎的・先端的技術開発推進であります。  電気通信分野は、技術先導性が極めて高く、技術開発推進、特に、長期的には基礎分野研究強化を図ることが重要であります。  このため、昨年度から新たに、超高速通信技術通信への知的処理適用等対象に、基礎的・先端的な電気通信フロンティア研究開発産学官連携によりまして開始したところであります。今年度は、本研究をさらに拡大させるとともに、諸外国との国際共同研究開発を開始すべく準備を進めているところであります。  さらに、今年度には、電気通信フロンティア研究開発を核とする基礎研究推進する研究拠点として、通信総合研究所関西支所を設置する予定であります。また、基盤技術研究促進センター活用によって、民間におきます基礎的・先端的な研究開発促進を図ってまいる所存であります。  第三は、ハイビジョン普及促進であります。  次の世代高度映像メディアとして注目されておりますところのハイビジョンについては、その普及促進策一環として、モデル都市を選定し、先導的にハイビジョンを導入するハイビジョンシティ構想推進しておりますが、本年三月そのモデル都市として、十三地域を指定いたしました。今後、各モデル都市において、具体的システムの構築が開始せられる予定でありますので、関係機関等協力を得ながら、鋭意本構想推進に努めてまいりたいと考えております。  また、ハイビジョン規格については、国際間の番組交換及び共同制作を容易にし、ハイビジョン放送発展を図るため、今後とも、その国際標準化に向けて努力する所存でございます。  なお、放送法制については、今後の放送政策展開を図るため、通信衛星を利用した放送サービス実現日本放送協会業務の適切かつ円滑な運営の確保、放送番組センター設立等内容といたします放送法及び電波法の一部を改正する法律案を今国会提出しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  第四は、宇宙通信推進であります。  宇宙通信につきましては、昨年の通信衛星三号の打ち上げに続きまして、本年三月には民間通信衛星が打ち上げられ、また、来年には放送衛星三号の打ち上げが予定されておるところであります。  このように、我が国においても、本格的な衛星通信衛星放送時代を迎えつつあることにかんがみまして、電気通信放送分野宇宙利用を一層推進するために、次の世代通信放送衛星についての検討を進めてまいりたい所存でございます。  第五は、国際社会におきますところの情報化推進であります。  我が国が、今日の繁栄を確保いたしまして、相互に依存している国際社会に適切に対応していくためには、諸外国との相互理解を深めまして、協力協調関係を構築していくことが肝要であります。  このために、国際放送につきましては、その重要性にかんがみまして、本年四月からフランスとの交換中継による中南米向け放送放送時間を一時間半拡充して六時間の放送とするなど充実強化に取り組んでいるところであります。  電気通信分野におきましても、米国EC諸国等先進各国との二国間定期政策協議を初め、国際電気通信連合等各種国際会議への積極的な参加を通じまして、標準化など国際協調を図るとともに、国際社会への貢献を果たしてまいる所存でございます。  また、先進諸国においては急速な高度情報化進展している一方、多くの開発途上国では基本的な電気通信サービスすら受けられないという状況にありますことにかんがみまして、世界トップレベルにありますところの我が国電気通信技術を生かして、開発途上国電気通信基盤整備協力してまいりたいと思っておるところであります。  このほか、電気通信施設及び郵便施設の大深度地下利用を円滑に進めていくため、大深度地下通信施設整備に関する法律案提出検討しておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げる次第であります。  なお、このたびの電気通信に関する日米通商問題についてでありますが、米国包括貿易法のいわゆる電気通信条項適用に関しまして、我が国MOSS合意を遵守していないとの決定がなされて、報復措置の発動が懸念されているところでございます。  我が国は、MOSS合意を今まで誠実に遵守してきたところでありまして、米国側の一方的な決定はまことに遺憾でございます。今後、電気通信行政責任者といたしまして、外務省等関係省庁連携を保ちつつ、米国理解が得られるよう適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。  次に、郵政事業について申し上げます。  第一は、郵便事業経営基盤確立でございます。  郵便事業経営につきましては、職員一丸となっての営業努力の結果、昨今における社会経済活動の順調な拡大ともあいまちまして、取扱物数も増加いたしまして、順調な経営を維持し得ているところであります。  今後とも、利用者ニーズに対応したきめ細かな郵便サービス提供に努めるとともに、事業効率化推進いたしまして、国民期待にこたえてまいりたい所存でございます。  なお、今国会におきましては、お年玉付郵便葉書等に関する法律の一部を改正する法律案提出いたしております。この法律案は、寄附金付郵便葉書等による寄附金配分対象を拡大することなどを内容としておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。  第二は、金融自由化に対応するための郵便貯金サービス改善等でございます。  為替貯金事業の当面する最重要課題となっておりました小口預貯金金利自由化につきましては、今年六月から預入期間六月及び一年のいわゆる小口MMC市場金利連動型郵便貯金)を、さらに十月から預入期間三月、二年及び三年の小口MMCを、それぞれ最低預入金額三百万円で民間金融機関と同時に実施する予定準備を進めているところでございます。  これによりまして、現在の定額貯金等のほかに、新たに市場金利を反映した五種類の貯蓄商品提供できることになりますが、今後とも、国民ニーズにこたえられるように、サービス改善について、一層努力していきたいと存じておるところでございます。  さらに、為替貯金事業が、金融自由化進展及び長寿社会到来に積極的にかつ的確に対応していく観点からいたしまして、平成元年度においては、郵便貯金資金のいわゆる指定単単独運用指定金銭信託)への運用郵便貯金総額制限額の七百万円への引き上げ等制度改善を図りたいと考えております。  このため、今国会に、郵便貯金金融自由化対策資金運用対象指定単を加えるための金融自由化対策資金運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団業務特例等に関する法律案小口MMCを円滑に実施するための利率の決定方法弾力化一般郵便貯金総額制限額引き上げ等内容とする郵便貯金法の一部を改正する法律案及び郵便為替郵便振替料金の体系を簡明なものに改善するとともに、その料金決定方法を改めること等を内容とする郵便為替法及び郵便振替法の一部を改正する法律案提出しておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げる次第でございます。  第三は、長寿社会への適切な対応を図るための簡易保険郵便年金サービス改善等でございます。  長寿社会到来を迎えまして、老後に備えるための国民自助努力支援、誘導するための施策を講ずることが必要とされておりますが、簡易保険郵便年金事業に寄せられる国民期待事業の使命を深く認識いたしまして、その一層の普及を図るとともに、時宜にかなった新商品開発等加入者サービスの向上に努めまして、豊かで活力ある長寿社会建設の一翼を担ってまいりたいと考えておるところでございます。  そのための施策一環として、今国会に、加入者から強い要望のあります簡易保険郵便年金制度改善実現するための簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び郵便年金法の一部を改正する法律案提出しておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。  ところで、郵政事業は、三十万余の職員に支えられており、人力に依存する度合いが極めて高い事業でありますので、人材育成能力開発推進いたしまして、明るく活力に満ちた職場をつくるとともに、相互信頼に基づく健全で安定した労使関係確立・維持していくために、一層の努力を払ってまいりたい所存でございます。  さらに、郵政犯罪の防止につきましては、従来から省を挙げて努力してまいりましたところでありますが、郵政事業に寄せられる国民期待信頼にこたえるために、今後とも、職員防犯意識の高揚と防犯管理体制充実強化に努めてまいりたい所存でございます。  最後に、今般、いわゆるリクルート問題に関しまして、NTTの前会長等が起訴せられる等の事態に至りましたことは、まことに遺憾であり、NTTを監督する立場にある者といたしまして厳粛に受けとめているところでございます。  私といたしましては、NTTに対し綱紀の粛正と適切な業務執行体制確立に努めるよう適切に指導していくことはもとより、省内及び管下の他の特殊法人につきましても、綱紀の厳正な保持について、なお一層の努力を尽くしてまいりたい所存でございます。  以上、所信一端を申し上げました。  委員各位におかれましては、郵政行政推進のために一層の御支援を賜りますよう切にお願い申し上げる次第でございます。どうもありがとうございました。(拍手)
  4. 畑英次郎

    畑委員長 これにて郵政大臣所信表明は終わりました。  本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十九分散会