○田並
委員 それでは、第一点として、
NHK会長としての所信についてお伺いをしたいと思います。
といいますのは、私もきょう
経営委員長にぜひ御
出席をお願いして、いろいろとお伺いをしようと思ったのです。というのは、
NHK会長としてのお考えを聞く上で、
経営委員長が
NHKの
会長を任命するわけでありますから、どういうお考えのもとに任命されたのか、それも含めてお伺いをしようと思ったのですが、きのうの
放送記念日にも風邪を召されて
出席できないという大変重い風邪のようでございます。したがって、
経営委員長おりませんので、いないところで聞くわけにはまいりませんから
NHKの
会長にお伺いをしたいと思うのです。
前にうちの方の先輩の
委員からも、
NHK会長としての所信についてはそれぞれお伺いをしておりますのでそんなに細かくは聞きませんが、
会長、就任されたのが昨年の七月三日だったと思うのですね。そして、昨年の十二月十四日、
NHK決算が当
委員会で
審議をされまして、その間五カ月あったわけですが、この間の
決算のときに各
委員の方々がそれぞれ
NHKの
会長になられた所信をお尋ねをしました。
それを私は、
会議録をずっと読んで精査をしたのですが、
NHKの
会長としてまず第一に基本的な
考え方として常に持っておらなければならない不偏不党であるとかあるいは
公共放送として公平な
報道を、
国民の
皆さんに質のよい豊かな
放送を提供する、ここに書かれている第一条が欠落しているのですね、
会長の
答弁を全部調べてみましたら。例えばこういうことを言っておるわけですよ。
今
NHKは、これをやれば幾ら利益が上がるかと聞いても返事ができない場合が多い。もう少しコマーシャルな、ビジネスライクな組織に
NHKの組織を少しずつ手入れをしていったらどうかと思っている。こういう、現在までの
経営姿勢に対して、もう少しコマーシャルベースで
NHKを考えなければいかぬという、とのことが第一点でありました。
それから二つ目は、同じような
内容なんですが、
NHKは
赤字で、きょう昼飯の弁当を食ったけれ
ども、あの弁当代も出ないような
NHKじゃ食事ものどを通らない、そういう感じがする。
NHKが無理をせずに、
仕事に匹敵するだけの
収入が得られて、みんなが安心して食事ができる、そういう地位になりたいと思っている。しかも、人材が非常に多い。立派な人材が多い。しかしながら一万五千三百人は多過ぎるし、役職者も多過ぎる。こういうのがまず前段出てきておるわけです。
要するにもうかる
NHKにしたい。それは長い間民間の
経営者だったのですから、
NHKもそういうふうにしたいという願望はわかるのでありますが、
NHKは利益を追求する
協会なのかどうかという認識がまず欠けているのではないかと思うのですね。例えば
収支予算書を見ても利益金というのは一つも、どこにもないのです。
収支差金というのはありますよ、差金というのは。利益というのは一つも書いてないのですよ。要するに
受信料というのは
NHKを維持するために必要な
受信料、コスト、原価だ、こういうふうに言われているのですから、もうけるのではなくて、節約をして剰余金を出して、それで次の
経営安定のために使おうというならわかるのですが、どうも
考え方がおかしいのじゃないか、こういう気がしてならないのですね。
それと、その次に所信を聞かれて言ったのは、
衛星料金を取りたい、地上波の
受信料も引き上げたい。
会長は
受信料と言っていないのですね。聴取料と言っている。聴取料という言葉は一つもないのですよ。
受信料なんですよ。こういうことを言われている。
さらに、これは私は少し賛成なんですが、五年間ぐらいの
経営計画を出して
国会で
承認をされたらば、その翌
年度からは
国会に報告をするだけで勘弁してもらいたい、こういうふうに私は思っている。これは私も少し同感するところがあるのですよ。
国会や政府が
NHKのやり方に対して余りくちばしを入れると、どちらかというと、一党一派に偏しないという
公共放送が少し揺らいでくろような心配も逆に言うとあるものですから、そういう意味ではそういう方法もいいのではないかなと思うのですが、そういう所信ですね。
それから
国際放送について、ヨーロッパじゃいろいろな電波が入り組んじゃって、日本から
放送する
国際放送が聞きづらいということをよく聞く、
国際国家日本としては非常に恥ずかしいことだ、このような意味合いのことも言っておりますし、さらに
公共放送としての
NHKの
あり方について触れている部分がありますが、これは簡単に、
国民の
皆さんが
放送を見て受益感か満足感を得られるような
放送をすることこそ
公共放送の使命だ、こういうふうに言っておるのですね。
今申し上げたのが、私が持っておるこの
会議録、昨年十二月十四日の六十
年度NHK決算を
承認する際に新
会長である
池田さんに各
委員の
先生方がお聞きをして、
会長が
答弁をしている
内容であります。
本来だったら、
NHKの
会長としてどのような所信を持っているかと言われたら、まず第一にやはり不偏不党、自主的にしかも質の高い
番組を、より豊かな
番組を公平公正な立場で
国民に提供する、これが当然なんですね。そのことがまず第一になければ、これはちょっと
NHKの
会長としてどうなのかなというふうに感じました。先ほど
阿部先生も言われたように、堪能な英語でぺらぺら日本の
国会でしゃべられることも結構でございますが、(
阿部(未)
委員「結構じゃないんだよ」と呼ぶ)ああそうですが。それ以上にやはり基本をしっかりと踏まえた
姿勢というものが恐らく
国民の
皆さんが
NHKの
会長に求めているものではないだろうか、このように思うのです。
それ以上私は申し上げませんが、とにかく
会長発言でいろいろと不穏当なところがあったということを仄聞しておりますが、改めてひとつ
NHKの
会長としての所信を問いたいと思います。